elePHANTMoon #6 again 「心の余白にわずかな涙を」
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。つい先日、elePHANTMoonの公演が終わったところですね。大変面白かったです。
- 松葉
- ありがとうございます。
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- ご自身ではどのような公演でしたか?
- 松葉
- elePHANTMoonに出演させていただくのは2回目なんですけど、自分の中で一つの意味のある特別な公演になりました。
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- どのような。
- 松葉
- 俳優としての問題も課題も見えて、それでも演劇を続けたいと思えたんですよ。まず、脚本演出のマキタさんは本当に、愛がある人だなと。
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- 愛。
- 松葉
- 私は劇団員でも何でもないのに、芝居が出来なかったらカットするか別の役者にセリフを振ればいいのに、でもマキタさんはキツい事を行ってもずっと稽古に付き合ってくれて。愛情の深い方なんだなと思いました。
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- なるほど。大変だったんですね。
- 松葉
- 共演者の人にも手助けしていただいて。今回の作品は本当に全員が同じ方向を向いていられた作品だったと思います。それぞれがそれぞれの課題に集中できて・・・。
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- 結果として、あの作品が出来た訳ですね。とにかくお疲れさまでした。
佐藤佐吉演劇祭2010参加作品 elePHANTMoon #6 again 「心の余白にわずかな涙を」
公演時期:2010/9/16〜20。会場:王子小劇場。
elePHANTMoon
2004年に映像ディレクターのマキタカズオミと役者の永山智啓、酒巻誉洋を中心に結成。ショートムービーをはじめ、ミュージック・ビデオやライブ・ビデオなどの映像を手掛ける。2005年よりさらなる活動の場を求め、演劇活動を開始。『心地よいアンバランスな世界』をテーマにストーリー性にこだわった物語を展開している。
袋小路に陥る?
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- どんなシーンが苦労されました?
- 松葉
- やっぱり、夫婦が教会の中で***するシーンですね。それが終わって、妹の悩みを聞くシーンもそうでした。マキタさんの思い描いているふうには見えないって、厳しく言われました。
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- 夫婦の***、ありましたね。
- 松葉
- 相方ははらぺこペンギン!の立浪君だったんですけど、試行錯誤の連続で。
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- 試行錯誤?
- 松葉
- そのシーンはなかなかOKが出なかったんです。立浪くんが色々案を出してくれて、助かりました。私は一つの演技を突き詰めるタイプなので、そういう場合袋小路に陥るんですよね。
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- なるほど。今後の課題なんですね。
- 松葉
- もうちょっと、エンジン掛かるのが早い役者になりたいですね。特に今回は、相手役の人がアイデアをポンポン出してくれたので、自分は怠けてたんじゃないかと思っていました。相手役の人とちゃんと話しあって、自分の胸の内を話さないとって。とにかく今後も、応援してくれている人に応えられる演技をしたいと思います。
はらぺこペンギン!
2002年、早稲田大学演劇倶楽部を母体に旗揚げ。以降年2本のペースで本公演を行う。2004年12月、日本演出者協会主催「若手演出家コンクール」優秀賞受賞。その作品世界では、「家族」「故郷」などをテーマに、登場人物の心情をリアルに、かつドラマティックに描くことにより、「現代にはなくなってしまった何か」を浮かび上がらせている。(公式サイト・プロフィールより)
何でも言い合うし、喧嘩もするけど・・・
- 松葉
- 縁があって事務所に所属させて貰って、舞台だけじゃなくて映像の仕事もさせていただいて。小さな役でも、演技でお金をもらうっていうのはこういう事なんだなって。お金って一番分かりやすいじゃないですか、仕事の成果として。初めてもらったとき、仕事として演劇を選んだんだなって実感しました。
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- 今まで俳優をやってきて、思い出深い仕事はありますか?
- 松葉
- 一時期舞台にも呼ばれないしオーディションは落ちるしってのを繰り返していて。友達はそれでも舞台に出てる。自分は才能無いのかな、辞めようかなと迷っていたんですよ。その時、1年ぶりにelePHANTMoonの「ブロークン・セッション」という舞台のオーディションに受かって、サンモールスタジオという劇場の舞台に立ったんです。
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- なるほど。
- 松葉
- それがサンモールスタジオの2009年度の最優秀女優賞を頂いたんですよ。それが、ずっと続けてきた成果なんだろうなと。今回の芝居でも、もう少し続けようって、自分の先をもう少し見たいと思い直しました。
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- なるほど。頑張ってください。どんな形でもよいと思います。
- 松葉
- ありがとうございます。演劇って自分にとって家族のようなもので、何でも言い合うし、喧嘩もするけど時間が経ったら謝りあえるし、とにかく無条件で自分を受け入れてくれるんですよね。
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- 演劇から遠ざかった経験とは?
- 松葉
- 3年位前に自分で公演をプロデュースしたんですけど、その時に色んな人に迷惑を掛けちゃったんです。
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- ああ、ハセガワアユム(MU)さん脚本の。昨晩ネットで検索して知って、びっくりしました。
- 松葉
- 私も昨晩、こちらのサイトを見て、ハセガワさんだって(笑う)。それでもみなさん頑張って下さって、上演出来たんですよ。当たり前のように思ってたんですけど、公演の幕が開くって奇跡なんですよね。それでもさすがに演劇からは遠ざかったんですが。
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- ええ。
- 松葉
- でももう一度受け入れてくれたんですよ、その時に、私にとってこれは家族なんだなと思いました。喧嘩もするけど、上手く行かないときもあるけど、いつの間にか寄り添ってくれている。
ノイズを入れる
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- 東京の演劇についてちょっと伺いたく思います。こちらに来て何本か芝居を拝見したんですけど、俳優の味をコントロールする場合が多いのかなと勝手に思っています。どうでしょう。
- 松葉
- うーん。今回の作品では、マキタさんは俳優に負荷を掛けるんですよね。倒置法を使ったり、俳優のリズムでセリフを言わせない。自分の気持ちいいリズムで言ったりすると、だらっとしてしまうと。ノイズを入れることで、俳優の味というものを負荷から引き出そうとしていると思います。
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- ああ、なるほど。
- 松葉
- エンタメだと俳優のそもそものテイストや技が発揮できると思うんですけど。ガチガチに固めてしまったりは出来ると思うんですけど。セリフの言い方をスマートにして、ガチガチにする事も出来るんです。
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- でもあえて、そうはしなかった。
- 松葉
- はい。そのおかげで、こういう事が出来るんだなって発見もありました。負荷を掛けられた方が自分の場合は良いと言われます。
質問 松居 大悟さんから 松葉 祥子 さんへ
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- 前回インタビューさせて頂いた方から質問を頂いてきております。ゴジゲンの松居大悟さんからです。1.初体験のエピソードを教えて下さい。
- 松葉
- 何の初体験ですかそれは(笑う)。
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- ご自身で読み替えて頂ければとしか言いようがないですが、個人的には初舞台の感想とかお聞きしたいですね。
- 松葉
- 初舞台。私が東京の小劇場に初めて立ったのが「ひげ太夫」なんですよ。
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- あ、そうなんですか!
- 松葉
- 役者を目指していた頃色んな事があって、辞めようかなと思っていた時にチラシを見たのがキッカケです。ワークショップに行かせてもらって、舞台に立たせて貰ったんですよね。最初は出来なかった事が、練習を重ねて出来るようになったんです。努力すれば側転とかが出来るようになるんだなって。
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- 2.こいつ、俺の事が好きなんじゃね?って思う瞬間は。ちなみに松居さんはそう思った瞬間、相手の事が怖くなるそうです。
- 松葉
- うーん、気のせいだろうと思って、自分が意識しすぎだろって思うんですが。あ、休みの日の予定を聞いて来られた時かな。
ひげ太夫
ひげの女優たちが、その鍛え上げた肉体から、次々と繰り出してくる、濃いネタ、熱い殺陣、予想を裏切るストーリー。役者は全部女。一体これ、時代はいつで、どこの国なのか。必要以上に男らしい男が、舞台に居座り、話を込み入らせる。なまめかしい女も、ふとしたことで、ひげをはやす。(公式サイトより)
革製のサスペンダー
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- 今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがあります。
- 松葉
- まさかの!良いんですか。
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- どうぞ。
- 松葉
- 男性にプレゼントをもらうのなんて、差し入れ以外に考えられないですねー(開ける)。おおー。サスペンダー。お洒落じゃないですか。
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- 使えますかね?
- 松葉
- ベルト以外におしゃれなものが欲しいなと思っていたんです。実は私も。
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- あ、首とかに塗って香りを楽しむ奴ですね。これ欲しいと思ってたんですよ。
- 松葉
- ぜひ、夜行バスとかの中で。
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- ありがとうございます。