- __
- 最近、熊谷さんはどんな感じでしょうか。
- 熊谷
- 最近は努力クラブ の次回公演「ピエロどうもありがとうピエロ」 の稽古です。あとウォークマンが壊れたり。
- __
- あ、そうなんですか。ちなみにどんな壊れ方したんですか?
- 熊谷
- わかんないんですよ、曲を聞いてたら途中で音が無くなってしまって。表示が出なくなったんです。
- __
- なんて曲ですか?
- 熊谷
- 「だいじょうぶ」という曲です。
- __
- その歌を作った人にとっては最高の演奏だったかもしれませんね。
- 熊谷
- ああ、そうだったのかな。ただね、音が聞こえなくなっちゃっただけで、時間は過ぎていくんですよ。そういう意味では死んでないんですよ。
- __
- 気の毒ですね。
- 熊谷
- むしろ、私が死んだみたいな感じじゃないですかね、向こうからしたら。
- __
- 「ベルリン天使の詩」みたいですね。私は見た事は無いですけど。恋みたいな関係性じゃないですか。
- 熊谷
- はい、いいんですかね、こんな内容で。
努力クラブ
2011年3月に佛教大学劇団紫で団長をしていた合田団地と立命館大学劇団西一風で座長をしていた佐々木峻一を中心に結成。現在団員は四名である。京都を中心に活動している。本公演では、ネガティブな題材を用いてコメディをする。不条理なナンセンスコメディなんて自分たちでは言っているが、果たしてどうでしょうか。必見コント集というコントの企画では、今まで笑いの材料として用いられていないものを使って笑いを作ろうと思っています。そういうコントをしようと思っています。なんとなく嫌なものに対しての救いになりたいというのが、僕らの希望です。嗚呼、駄目なものに対して優しくありたい。アトリエ劇研サポートカンパニー。(公式サイトより)
努力クラブ第11回公演「ピエロどうもありがとうピエロ」
作・演出=合田団地 日時=8月5日(金)〜8日(月) 8月5日(金)19:15〜◇ 8月6日(土)14:00〜/19:15〜 8月7日(日)14:00〜/19:15〜◆ 8月8日(月)14:00〜 ◇終演後トーク:月亭太遊 ◆終演後トーク:西マサト国王(B級演劇王国 ボンク☆ランド)・丸山交通公園(丸山交通公園ワンマンショー) 会場=アトリエ劇研 料金=一般前売2,000円 一般当日2,500円 料金=学生前売1,700円 学生当日2,200円 キャスト 安藤ムツキ(劇団月光斜) 池浦さだ夢(男肉 du Soleil) 大石英史 キタノ万里(dracom) 熊谷みずほ 酒井信古 佐々木峻一 杉本奈月(N2) 西野恭一(劇団ちゃうかちゃわん) ヒラタユミ(ナマモノなのでお早めにお召し上がりください。) 丸山交通公園(丸山交通公園ワンマンショー) スタッフ 舞台監督=濱田真輝 照明=吉津果美 衣装メイク協力=若松綾音 制作=築地静香 宣伝美術=きんにく 築地静香 協力=劇団月光斜、男肉 du Soleil、dracom、N2、劇団ちゃうかちゃわん、ナマモノなのでお早めにお召し上がりください。、丸山交通公園ワンマンショー、B級演劇王国 ボンク☆ランド、アートコミュニティスペースKAIKA 共催=アトリエ劇研 企画・製作=努力クラブ
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- 努力クラブの見所を教えてください。
- 熊谷
- 見所ですか?
- 合田
- ふふふふふふ。
- 熊谷
- そうですね、やっぱり人と脚本が面白いので。出来るだけリラックスして見ていただけたらいいんじゃないですかね。
- 合田
- へー。ふふふふふ。
- 熊谷
- 注目して見てほしいのは、大石英史さんと丸山交通公園さんとキタノ万里さん。すごく面白いです。
- __
- ええ、キタノさんは面白いですよね。
- 熊谷
- キタノさんがもの凄い勢いで笑うシーンがあるんですけど、合田さんがダメ出しをするとパっと素になって、それが凄く面白くて。
- __
- 今回、ご自身で何かテーマがあったりしますか?
- 熊谷
- そうですね、多分もの凄く私に寄せて役を頂いていると思うんですよ。だから、あんまり何も考えずに、舞台上で起こった事を素直に受け止めたいと思います。
- __
- あ、さっき稽古で一瞬見ました。うどん屋の店員役ですよね?
- 熊谷
- はい、あと何役かあるんですけど。どこまで喋っていいんですか?
- 合田
- あいいすよ。
- 熊谷
- 私は常連のピエロさんに恋される店員なんですけど、なんか、ピエロさんはいつも変な時間に来るので、他のお客さんよりも話したりするんですよ。
- __
- ピエロに惚れられているんですね。ラブロマンスですね。
- 熊谷
- 凄い辛い役ですけどね。
- __
- あ、辛いんですか!
- 熊谷
- 個人的に。本を書いた合田さんに、こんな残酷な人間と思われてるのかな私と思いましたけどね。
- __
- 残酷って、青春の残酷さと単なる残酷の二種類があると思うんですけど、どうでしょう。あ、青春残酷は相手の気持ちを分かっていながらヒドい事をするみたいな奴で、単なる残酷は単なる残酷です。
- 熊谷
- 単なる残酷さの方やと思いますね。
- __
- 熊谷さんは、一週間の内、一番好きな時間はなんですか?
- 熊谷
- 遊ぶ予定があるとき、寝てる時、あとは、恋愛に関わっている時。稽古している時も好きです。多いなあ、でもそんな感じです。
- __
- 先ほども一瞬、稽古場に居させていただきましたが、本番10日前の稽古場の雰囲気っていいですよね。
- 熊谷
- ちょうどいいですよね、ピリピリしてないけど、それまでの稽古の成果が見えてくるし。
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- そうそう、演出も具体的に追加されていって。そんな中で辛い役を演じるんですね。
質問 いのりさんから 熊谷 みずほさんへ
- __
- 熊谷さんは、いつかどんな演技が出来るようになりたいですか?
- 熊谷
- 観て喜んでもらえたら。でも、演出の理想に近づけたらなといつも思っています。
- 合田
- 熊谷さんは何か、舞台上で凄く強いんですよ。輪郭がしっかりしているというか。周りの状況にあまり左右されない芯の強さがあって。それと、勘が凄く良いと思います。
- 熊谷
- うれしい!
- 合田
- 何か、恋される感じ。その強さに委ねられる感じがあります。
- __
- きょうは恋の話多いですね。
- 熊谷
- 私がいるからですかね。
- 合田
- でも努力クラブ、大体恋が出てきますけどね。
- __
- 「彼女じゃない人に起こしてもらう」なんてタイトルからしてそうですからね。
- 熊谷
- あの話、最終的には付き合うんですか?
- 合田
- あの後どうなるんですかね?ずっとだらだらと付き合いそうですけどね。
- __
- ああ、心中はしなかったのか。二人。
- 合田
- 結論は出さなかったですけどね。まああの二人はだらしなさそうですから。
- __
- あの二人は本当に、太陽とは関係ない感じですよね。
- 合田
- いや、太陽の元におんの辛いですからね。眩しいし。
- __
- 熊谷さんはご自身の事をどんな演技者だと思われますか?
- 熊谷
- ふまじめだと思います。
- __
- なるほど。ふまじめな熊谷さんが楽しみですね。
- 熊谷
- ぜひぜひ!
- __
- 今日のインタビューで、何か、もっと喋りたかった事などはありますか?
- 熊谷
- 出来る事なら、もっと私の印象を聞きたかったですね。興味あります。時間さえあるなら。別にインタビューじゃなくて、いつでもいいんですけど。
- __
- 熊谷さん美人だと思いますよ。
- 熊谷
- うわぁい。嬉しい。
- 合田
- ふふふふふ。
- 熊谷
- こんなん一生やってたいですね。
- __
- 涙袋がチャームポイントですね。
- 合田
- ・・・。
- 熊谷
- 何か言ってくださいよ。
- 合田
- 別に・・・。
- 熊谷
- 涙袋はウチの祖母のれいこちゃんと一緒なんですけど、嬉しい。感謝しよう。
- __
- 御祖母様モテてたでしょうね。
- 熊谷
- お祖父ちゃんにストーカーされたそうです。歳の差があるのに、だいぶ追いかけられたみたいで。
- __
- そりゃ相当惚れられてましたね。アツいですね。あ、そうそう、熊谷さんは結局愛嬌があるんですよ。鼻だってちょうど良い高さだし。
- 熊谷
- 愛される程度の高さですよね。美人になりすぎると嫌われるので・・・何の話でしたっけ?
- __
- 合田さん、やっぱり愛嬌が重要だと思うんですよ。確かこの間、Facebookにご自分の顔を載せて「女の子に見える」とか書いてたでしょう?分かりますよ。私だって風呂上りとか、たまに女の子に見えますもん。この現象、50歳ぐらいになっても起こり得ますよ。
- 熊谷
- だって、性別が違ったとしても顔自体は同じつくりですもんね。
- __
- 努力クラブの登場人物は、全員、生命力が無いのにも関わらず愛嬌にあふれているじゃないですか。もしかして、合田さんは、土の中に生きている人に対して、自分にももしかしたら別の素敵な面があるかもしれない、ってそういうエールを(遠回しに)送りたいんじゃないの?
- 合田・熊谷
- (笑う)
- __
- もしかしたら、いま合田さんが多くの人に自分の作品を見てもらいたいと思うようになったのは、そういう事に気付けたから、じゃないの?
- 合田
- いや、生命力がないからやと思いますよ。
- __
- ・・・?何がですか。
- 合田
- 愛嬌。
- __
- え・・・?
- 熊谷
- 生命力ある人は愛嬌ないですもんね。
- 合田
- 助けられながらじゃないと生きていかれへん人たちだから愛嬌が必要なんですよ。
- __
- ・・・太陽は愛嬌がない、って言いたいの?
- 熊谷
- 愛嬌は要らないんですよ。見られる必要ないじゃないですか。
- 合田
- 独立してますからね。
- __
- ああ、そうか、そのうえ勝手に周りが侍ってくるし。そういう事か・・・。じゃあ私もずっと、それにダマされていたって事か。
- 合田
- 何にですか。
- __
- カリスマ性に弱いんですよ。カッコいいリーダーに弱くて、すぐ付いていってしまう。
- 合田
- 弱みの見せ方が上手いんですよ。ああいう人らは。
- __
- それは愛嬌ではなく、計算だった。
- 熊谷
- いやあ面白い。
- __
- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 熊谷
- 可愛がってくれる人、面倒見てくれる人、そんな少数の人たちの前でいいパフォーマンスをしたいと思っています。一緒の稽古場だった人や、2回目呼んでくれる人は大事にしたいですし、大事にされたいです。
- __
- なぜ、そう思われるのでしょうか。
- 熊谷
- 初めてのところだとか、私の事をあまり知らなかったりすると、お互い良いパフォーマンスが出来なかったりするじゃないですか。それは避けつつ。あと、自由なんのが好きなので、あまり忙しくない程度にやれればいいなと思います。
- __
- 顔が見える範囲で?
- 熊谷
- そうですね、お客さんの目が見える範囲、挨拶が出来る規模でずっとやっていきたいですね。
- __
- 寿司屋ですね。
- 熊谷
- うどん屋ではなく?寿司屋、いいですね。寿司屋女優になろう。
- __
- ああ、実は以前のインタビューで、公演の構成を寿司屋のようにする方向性があるんじゃないかという話題があって。開演前にお客さんと交流し、話していたら芝居が始まっていて、さらに終演の区切りを出来るだけ目立たなくする。寿司屋のカウンターのように、目の前で芸術が作られているという実感。
- 熊谷
- 分かります。ライブ感はやっぱり大事っていうか。それが無くていいんだったらTVでいいですからね。そして、私の使い方を知って呼んで下さるところは、お客さんが見たい私のイメージ、と大体近いんだと思うんですよ。
- __
- ありがとうございます。
深谷かほる「夜廻り猫」
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- 今日はですね、お話しを伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
- 熊谷
- ありがとうございます。開けますね。(開ける)ネコですね。漫画ですか?
- __
- はい。
- 熊谷
- ありがとうございます。めっちゃ読みますね。