子供鉅人の音楽劇「HELLO HELL!!!」
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- 今日はどうぞ、宜しくお願いします。最近、小林さんはどんな感じでしょうか。
- 小林
- 最近は子供鉅人の稽古の日々ですね。基礎的な歌や踊りの練習をしています。僕はどちらもあんまり出来ないんで、体力付けないとだめですね。踊りはミスターさんというダンサーの方が振り付けをしてくれています。やっぱり面白いですね。
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- どんな話になるでしょうか。
- 小林
- 風刺劇になると思います。たくさんの方が関わっているエンタメ作品ですので、見応えがあると思います。
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- 小林さんはどんな役回りでしょうか?
- 小林
- 僕は相変わらず、おじさんの役ですね。特にあまり重要じゃない、お話の主軸に絡まない、パッと出てきて、雰囲気を変えて去っていく。
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- そう、子供鉅人の「幕末スープレックス」でも小林さんは出演されてましたね。コメディリリーフとして。大ウケでした。小林さんが出てきた時は小林さんの空気になるという現象が起きていたように感じました。
子供鉅人
2005年、代表の益山貴司、寛司兄弟を中心に結成。「子供鉅人」とは、「子供のようで鉅人、鉅人のようで子供」の略。音楽劇や会話劇など、いくつかの方法論を駆使し、世界に埋没している「物語」を発掘するフリースタイル演劇集団。路地奥のふる長屋を根城にし、演劇のダイナミズムに添いながら夢や恐怖をモチーフに、奔放に広がる幻視的イメージを舞台空間へ自由自在に紡ぎ上げる。また、いわゆる演劇畑に根を生やしている劇団とは異なり、劇場のみならずカフェ、ギャラリー、ライブハウスなどで上演、共演したりとボーダーレスな活動を通して、無節操に演劇の可能性を喰い散らかしている。(公式サイトより)
公演時期:2013/10/31〜11/4(大阪)、2013/11/28〜12/2(東京)、2014/1/18〜1/19(北九州)。会場:HEP HALL(大阪)、シアターグリーン(東京)、北九州芸術劇場・小劇場(北九州)。
コメディ
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- 小林さんが演劇を始めた経緯を教えてください。
- 小林
- 芝居は、京都大学の吉田寮で既にやってたんです。2003年に唐仁原俊博が入ってきて、でもほとんど悪ふざけでした。ベビー・ピー の「はたたがみ」 に出演したのが、まともな演劇に出た最初でした。
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- 初舞台はいかがでしたか?
- 小林
- あんまり考えずに叫んだりとか踊ったりしていました。悪ふざけの延長でしたね。今もあんまり考えずにやってきているかもしれません。特別に変わったとかもないし、何か思いがあってやっているんじゃないし。僕は結局、人の物真似で演技をしてるんですよ。
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- 素晴らしい。思想なく役者をやってるんですね。
- 小林
- 節操がないと言われるかもしれませんね。出来る事ならなんでもやりますよ。踊ってろと言われれば踊ります。ちゃんと面白い感じになれているなら。
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- しかし、その前に面白くなれなければやれないというポリシーがある。という事は、面白くなるように作る。
- 小林
- はい。
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- 滑っている舞台でも小林さんが出てきた時だけ爆発的な笑いが起こったステージがありました。小林さんの親しみやすいキャラクターあっての役回りですね、きっと。
- 小林
- ありがとうございます。でもスピード感のある作品の場合はテンポを止めてしまう事もあるので申し訳ないですけど。そういう部分はありますが、便利な道具として使ってくれたら嬉しいですね。卑屈で言ってるんじゃなくて。
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- 道具扱い。
- 小林
- 道具って、どんな場面でも活躍出来るものじゃないんですけど、一つの機能を持つモノなんですよ。使いどころさえあれば、そのシーンの面白さを最大限に引き出す、そんな便利な存在でありたいですね。
ベビー・ピー
作家・演出家・俳優の根本コースケを中心とした演劇ユニット。 2002年、当時根本が所属していたニットキャップシアターの劇団内ユニットとして結成。 翌々年に独立。以降、公演ごとに役者・スタッフを集めるスタイルで、京都を拠点に活動している。(公式サイトより)
ベビー・ピー「はたたがみ」
公演時期:2010/7/16〜20。会場:京都大学西部講堂。
キャスティング
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- 情けない男を当てたら渋く輝く小林さん。実はこんな役がやってみたい、というのはありますか?
- 小林
- 特にありません。自分には意外な役でも、振ってもらえたら嬉しいです。情けない男が自分に似合っているのであれば、そういう期待は嬉しいです。
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- なるほど。
- 小林
- キャストを探すのって難しいですよね。僕、いま「永野・本多の劇的ラジオ」のラジオドラマの脚本をやらせてもらっていて。書くのは楽しいんですけどキャストを連れてこなくちゃいけなくて。それが大変なんですよね。
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- そうなんですね!
- 小林
- 意外性のあるキャスティングをしたら面白いかもしれないんですけど、でも自分が信用している人の演技を頼りにしたいというのもあるし。どう両立したらいいのか。
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- 大切ですよね、キャスティングは。
ゆるい闘争
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- 芝居を作る上での最近の気付きがあれば教えてください。
- 小林
- うーん・・・特にないんですよ。演劇ってこれはこうじゃないかという仮説を稽古場でやってみても、すぐ忘れちゃうんですよね。
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- 研究は身体に積み重なるから、そんな気にすることではないと思います。
- 小林
- そうですね、それで良いと思ってます。
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- 演劇論をびっしりとノートに付ける人もいますけどね。
- 小林
- 僕がもしそれをやったら、舞台に出て行ったときにノートが頭をよぎって良くないと思います。そこから外れないようにして堅くなったり、外れたら立ち直れなくなったり。普段の会話でもそうだと思います。「今日はこれを話そう」と思って臨んだら平行線ですしね。ライブだから、その力を生かしたいですね。アドリブは出来ないんですけど。
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- そうですね。強力な理論武装が観客との対立を招く事はよくあります。というか、実はフレンドリーな作品の舞台でさえ、「今日はなんだか、舞台と客席が対立している」と感じる事はあるんですよ。いったい何なんでしょうね。感覚的には、起承転結の起で三手外すとそうなりやすい気がします。そのあたりの中長のシークエンスで三手を連続で外すとそうなる、みたいな。対立が起こると、舞台上の演技の悪いところが全てとても気になり始め、マイナス評価を付けてしまう。
- 小林
- その状態、怖いですよね。演劇って、初対面の人らが暗いところで開演を待たされていて。あの出会いかたはけっこう辛いですよね。
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- いや、明るいところから出てきて丁寧な挨拶をしても、何かボタンの掛け間違いが起こったらずっと・・・
- 小林
- それが非常に上手くいっていたのが、子供鉅人の「コノハナアドベンチャー2」 だと思うんですよ。
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- 確かに!
- 小林
- 現実からSFがいい感じで混ざりあっていって、あのいやらしすぎない絶妙な観客いじりが楽しくて。最初に、見えないとされているお客さんにそれとなく頼んで、モノを中に浮かせる念動力のネタがあったじゃないですか。
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- そう、あれは完全な観客参加型演劇の入り方でしたね。
- 小林
- 羨ましいですよね。お客さんがどんな参加をしてきても受けられる度量があの人たちにあるからだと思います。僕も、イベントをやるんだとしたらああいう入り方をしたいなあ。
コノハナアドベンチャー2
公演時期:2013/3/22〜4/1。会場:大阪市此花区梅花エリア。
自由・憧れ
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- これは自分を変えた、みたいな演劇経験は。
- 小林
- 観た経験で言うと、劇団どくんごですね。扇町公園で「ベビーフードの日々」という公演を見て、こんなに自由にやっていいんだ、って。
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- 私もどくんご、好きです。芝居に参加していた経験で言うといかがですか?
- 小林
- ベビー・ピーの「はたたがみ」ですね。たくさんの方々が組織だって関わっていて、それもある程度の思想を共有していて。これは、いい加減な事をしていてはだめなんだなと気づかされました。
質問 坂本 アンディさんから 小林 欣也さんへ
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- 前回インタビューさせていただいた、がっかりアバターの坂本アンディさんから質問を頂いてきております。「自分の性欲の強さを感じた瞬間はいつですか?また、その時どう思いましたか?」
- 小林
- あまり露骨な事は言えないですけど・・・一度、ある事があって。命が危険に晒される状況でも、するのをやめなかった事がありましたね。
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- 凄いですね。
- 小林
- 死にそうだと思いました。もちろん、あの時の状況に戻りたいとは思いません。頭がやばい状況になっていました。本当は、死にたいと思っていたのかもしれないですね。
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- でも、死と性という、生命の本質に一度に触れていた訳でしょう。つまり、一つの生命としては、もうこの宇宙でやることはないかもしれませんね。
- 小林
- そうだったかもしれません。我に返ったら死にたくないですけど。
僕とおじさん
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- いつか、こういう演技が出来るようになりたいというのはありますか?
- 小林
- ちゃんと声が出せるようになること。それと、おじさん役を振られる事が多いのですが、それならおじさんそのものについて何でも応えられるくらい詳しくなりたいです。
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 小林
- 面白い人たちにもっと積極的に出会っていきたいですね。そしたら何か、面白いサイクルが生まれていくと思うので。
お菓子のアトリエ Artisanのマロンパイ
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。どうぞ。
- 小林
- ありがとうございます。
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- マロンパイです。この店、結構おいしいですよ。
- 小林
- 甘いものが好きですので、嬉しいです。