演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫

伊集院 聖羅

女優

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忙殺

___ 
今日はどうぞ、宜しくお願い致します。最近、伊集院さんはどんな感じでしょうか。
伊集院 
最近は忙しくて死にたいです。
___ 
どんな感じで忙しいのでしょうか。
伊集院 
就職活動で。
___ 
なるほど。頑張って下さい。ちなみに、希望職種はどのような。
伊集院 
色んな業種を知りたくて、とにかく色々回っています。
___ 
いいところに決まるといいですね。
劇団紫

1978年に佛教大学の学生が大学内の団体として結成した学生劇団。(公式サイトより)

第16次笑の内閣 「非実在少女のるてちゃん」

___ 
笑の内閣「非実在少女のるてちゃん」。全国ツアーで東京・名古屋・札幌と回っていますね。手応えはいかがでしょうか。
伊集院 
ツアーの中で、クオリティが上がっていっていると思います。
___ 
素晴らしい。伊集院さんはのるてちゃんとして、2年前の初演から続投ですね。
伊集院 
2年前に「再演するかもしれないけどどうする?」と言われて、あんなに軽々しく「出る!」って言わなければ良かったと思います。
___ 
後悔している?
伊集院 
はい、役が変わるなら話は別かもしれませんが、この歳になって魔法少女をやるのはキツイですね。
___ 
自分がのるてちゃんをやる事に対して懐疑的だと。
伊集院 
はい。こいつでええんかい、とそう思います。
___ 
伊集院さんは、役を演じるというのはどういう事だと思いますか?そろそろ就職活動に本腰を入れる伊集院さんとしては。
伊集院 
(笑う)そうですね・・・。違う自分を探る事ですね。自分じゃないキャラによって、自分にはこういう可能性もあったんじゃないか、とか、こういう思い切った行動が出来るような人間になれたかもしれないとか。
笑の内閣

笑の内閣の特徴としてプロレス芝居というものをしています。プロレス芝居とは、その名の通り、芝居中にプロレスを挟んだ芝居です。「芝居っぽいプロレス」をするプロレス団体はあっても、プロレスをする劇団は無い点に着目し、ぜひ京都演劇界内でのプロレス芝居というジャンルを確立したパイオニアになりたいと、06年8月に西部講堂で行われた第4次笑の内閣「白いマットのジャングルに、今日も嵐が吹き荒れる(仮)」を上演しました。会場に実際にリングを組んで、大阪学院大学プロレス研究会さんに指導をしていただいたプロレスを披露し、観客からレスラーに声援拍手が沸き起こり大反響を呼びました。(公式サイトより)

第16次笑の内閣 「非実在少女のるてちゃん」

公演時期:2012/8月〜10月。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、ナンジャーレ(名古屋)、シアターZOO(札幌)、in→dependent theatre 1st(大阪)。

やるよりも見る方が好き

___ 
伊集院さんはどういう経緯でお芝居を始めたのでしょうか。
伊集院 
小学校の頃にダンスをやっていて、ミュージカルに出たんです。そこでダンスよりもお芝居の方が面白いなと思ったんですね。あいにく中学に演劇が無かったので、高校の演劇部に入りました。大学は佛教大学の劇団紫です。
___ 
大学でも演劇を続けたのは。
伊集院 
高校演劇であまりやりきれていなかったので、心残りがありました。だから、もう少し続けようと。でも大学になったらとりあえず遊びたかったので、せめて裏方を手伝わせてもらおうとしたんですけど、人手が足りないからと言われて、出る事になったんです。
___ 
続投したんですね。お芝居は好きですか?
伊集院 
はい。でも、やるよりも見る方が好きです。
___ 
今までご覧になって、特に好きなものはどのような作品でしたか?
伊集院 
面白さはそれぞれだと思うですが、お腹抱えて笑えるのは内閣で、こういうイメージ好きだなと思えるのは劇団ソノノチさんの「灰かぶりの路(みち)」です。舞台のセットとか、役者さんが面白かったりとか、物販がよかったりとか、何より全部を合わせた作品のイメージが素敵でした。

理由

___ 
伊集院さんがお芝居を今までやってきて、どういう目標がありましたか?
伊集院 
目標は特にないんですけど、お客さんや演出から、「いなければ良かった」と思われたくないですね。
___ 
失敗したくない。
伊集院 
人を不愉快にさせたくないですね。
___ 
足を引っ張りたくない?
伊集院 
そうですね。

質問 三名 刺繍さんから 伊集院 聖羅さんへ

___ 
前回インタビューさせて頂きました、劇団レトルト内閣の三名刺繍さんから質問です。「演劇をアートだと考えた事はありますか?」
伊集院 
アートの一種だと思っています。でも、私が言い切っていいのかな。色んな意見があると思います。
___ 
演劇を芸術として捉える時、どんな定義が必要になりますか?
伊集院 
その作品が公演される事自体が芸術なんじゃないかなと。のるてちゃんも風刺を主にした作品なんですけど、それが今の社会で上演される事が一つの事件なんですよね。
___ 
「のるてちゃん」テーマの青少年健全育成条例改正案に関する騒動は少し前の事件ですけど、この作品はそうした題材を通して普遍的なものにたどり着いている。アートと言い切れるかは、どうかな。
伊集院 
人それぞれかもしれませんけど、単純に面白い作品に仕上がっていると思います。好きなシーンの一つに、腐女子の女の子が出てきて、自分の勝手な妄想が繰り広げられる場面があるんですけど。
___ 
ああ、あのシーンですね。
伊集院 
単純なギャグシーンで、ベタなんですけどね。

贅沢な事

___ 
伊集院さんはお芝居を続けていきますか?
伊集院 
多分、芝居活動はこれが最後だと思います。でも、社会人になっても演劇は見ようと思っています。
___ 
素晴らしい。平日に残業がない仕事だといいですね。夜21時とかが開演でも行けなかったりしますからね。
伊集院 
ああ・・・。
___ 
芝居を辞めるのは、就職が理由?
伊集院 
それもありますし、言うのもアレなんですけど、これ以上いい思いは出来ないだろうと。
___ 
今が一番いい思いをしていると。なるほど。
伊集院 
・・・。
___ 
就職してから芝居を続けるとしたらどういう条件がありますか?それとも、100%ありえない?
伊集院 
私、何かする時は他に全く余裕が無くなって、没頭してしまうんですよね。何か、余裕が出来てからじゃないと・・・って思います。それぐらいじゃないと・・・
___ 
足を引っ張ってしまうから?
伊集院 
演劇って、贅沢なメディアだと思うんです。映画みたいに何回も再生出来る訳じゃないし、どんなに稽古している上手な人でもグダる事があるし、それでも、DVDをレンタルするよりも劇場に行く訳じゃないですか。それは役者の生の空気が感じられるから。だから贅沢なもので、それを作るのは、少なくとも私にとっては、働きながらは難しいです。

全力でやれよ

___ 
笑の内閣の大阪公演後に就職活動に専念するという事で、千秋楽の10月8日が伊集院さんのXデーですね。どんな気持ちですか?
伊集院 
いやー、うまくいくといいですね。やりきれなくて、悔しくてもう一度戻ってくることのないようにしたいです。
___ 
寂しいという気持ちはありますか?
伊集院 
あんまりないですね。あとは、卒業公演がどうなるかですね。
___ 
そうですね。関わったらえらい事になりますね、きっと。では、これからお芝居を始める予定の高校生、大学生の一年生に何か一言ありますか?
伊集院 
全力でやれよ。それしか言えません。なあなあで「これぐらいでいいや」じゃない。私にも言えるんですけどね。手を抜いているように見えるのが後輩にもいるので。私みたいに「これくらいでいいや」って妥協するんじゃなくて、「こうしたい」から「こうするんや」という事が出来る人になってほしいです。
___ 
わかりました。もう一つ。演劇人としてでなくていいですが、今後、どんな感じで攻めていかれますか?
伊集院 
関わった人に、「こいつ面白いヤツ」って印象に残って欲しいですね。嫌いとして印象に残るんじゃなくて。

砂糖壺

___ 
今日はですね、お話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
伊集院 
ありがとうございます。(開ける)あっ。おおっ。
___ 
三角パック入りの砂糖と、砂糖壺です。
伊集院 
嬉しいです。私紅茶入れるのがめちゃくちゃ好きなんですよ。
(インタビュー終了)