踊れるかも
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- 今日はどうぞ、宜しくお願いします。藤田さんは、最近はいかがですか?
- 藤田
- つい先日、コンドルズの合宿ワークショップが終わった所です。WSの成果としてのコンドルズ公演での前座も終わって、非常にいい経験になりました。元々身体は固かったんですが、終わって私、身体動かせるかもって(笑う)
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- へえ! そうなんですね。どんな内容だったんでしょう。
- 藤田
- まず、参加者のバラエティが広いんですよね。女子中学生もいれば、私みたいな小劇場系の俳優もいて、上は年配の男性が60歳になってダンスを始めたなんて人もいて。
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- バラバラですね。層が。
- 藤田
- 3つの作品を連作とするんですが、合宿中ずっとダンスの事ばっかり話しあうんですよ。楽しかったです。
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- 身体、動かせるようになりましたか?
- 藤田
- まず、近藤さんの言うとおり、身体を動かす上で固くなるのは「こう動かしたらカッコイイんじゃないか」「こうしたらカッコ悪いんじゃないか」という思いがどこかにあったんでしょうね。合宿は初めて会う十六人で作るものだったので、カッコイイ悪いなんて言っている場合じゃないんですね。膨大な振り付けを覚えて行くので、気がついたら踊ってました。
ニットキャップシアター
京都を拠点に活動する小劇場演劇の劇団。1999年、劇作家・演出家・俳優のごまのはえを代表として旗揚げ社会制度とそこに暮らす人々との間におこる様々なトラブルを、悲劇と喜劇両方の側面から描いてゆく作風は、新しい「大人の演劇」を感じさせる。日常会話を主としながら、詩的な言葉を集団で表現することも得意とし、わかりやすさと同時に、観客の想像力を無限に引き出す奥深さも持っている。(公式サイトより)
最初は夢中
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- 藤田さんは静岡育ちなんですよね。関西にいらしたのはどういう。
- 藤田
- ニットキャップシアターに入りに来ました。大学を卒業して芝居をしようと思った時に色々観ていたんです。実は元々劇団八時半が好きで、そのつながりで劇団八時半の長沼さんが出ている「お彼岸の魚」を観て、凄いと思って。
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- 「お彼岸の魚」 。面白かったですね。では、ニットに入った瞬間を覚えていますか?
- 藤田
- 最初、東山青少年活動センターで上演した「ニットの世界」にお手伝いに行ったんです。その時に団員募集をしていたので。自己紹介する時、25歳ですって言ったら、「あっ、あんまりフレッシュじゃないね」って(笑う)。その時に3人新人が増えたんです。ニット的にも、新人を一気に3人も入れるというのはそれまで無かった事みたいで。お互いに、どうしましょうかって感じでしたね。
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- 初舞台は。
- 藤田
- 「クレームにスマイル」 でした。漫才コンビの役で。「アザラシペニ太の冒険」というネタがあって、どう動くかを考えたり・・・最初は夢中でした。とにかく、自分が出来る事を全部ぶつけようと。
ニットキャップシアター第22回公演「お彼岸の魚」
公演時期:2006年12月22日〜2007年5月20日。大阪:in→dependent theatre 2nd、東京:下北沢 駅前劇場、愛知:愛知県芸術劇場小ホール、福岡:ぽんプラザホール。
ニットキャップシアター第24回公演「クレームにスマイル』(再演)
公演時期:2008/11〜12。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、下北沢 ザ・スズナリ(東京)。
ニットキャップシアター第30回公演「さらば箱舟」
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- ニットキャップシアターの第30回公演、「さらば箱舟」。どんな感じでしょうか?
- 藤田
- もう稽古は始まっていて、頭からシーンを作っていっています。全体的な流れが見れるようにしたいんだと思います。
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- 作品的には。
- 藤田
- 「ピラカタノート」 で培った文法での作品づくりが見られると思います。ただ、ニットが初めてという人がほとんどなので、その辺りが結構しんどいかもしれません。うちの稽古場での指示は結構独特なので・・・。
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- というと。
- 藤田
- 私が入団した時、「稽古場での指示やダメ出しがちょっと分かりにくいから、慣れるのに時間が掛かると思うよ」って言われたんです。確かに、時間が掛かりました(笑う)。例えば今回、出演者の男の子が一人でセリフを言うシーンがあるんですけど、ごまが「大道芸人が大勢の子供の前で喋っているように」「子供にナメられないようにしてほしい」って言うんです。それで大混乱してしまって。
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- 比喩を使うんですね。
- 藤田
- いや、単にすごいことやりそうな人だという感じが出て欲しい・・・ということだと思うんですけど(笑う)。
ニットキャップシアター第30回公演「さらば箱舟」
公演時期:2012/2/10〜2012/2/12。会場:AI・HALL。
ニットキャップシアター第29回公演「ピラカタ・ノート」
公演時期:2011/03/12〜13(名古屋)、2011/04/09〜11(東京)、2011/04/15〜19(京都)。会場:千種文化小劇場(名古屋)、下北沢 ザ・スズナリ(東京)、アトリエ劇研(京都)。
いつもより飛んじゃいました
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- ピラカタノート。非常に面白かったです。色々な役をされていたと思うんですが、思い入れの深いものはありますか。
- 藤田
- やっぱり、サワイカズエですね。
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- ああ、ラストシーンでトラックに撥ねられてた。
- 藤田
- 撥ねられた後に歩くのはヒラカタノートから変わっていないシーンなんですが、結構苦労しました。高原に相談してみたり、振り付けとして考えてみたりしたんですが上手くいかなくて。で、実際に吹っ飛んでみたんですよ。
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- おお。
- 藤田
- そうしたらやっぱり痛くて・・・倒れて、身体が痛かったんですけど、無理くり立ち上がりました。その感情がしっくりいったので、本番でもそうしました。
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- 痛そうでしたね。
- 藤田
- 京都公演の楽日、それで肋骨にヒビが入ったんですよ。
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- えっ。
- 藤田
- 両親が見に来ていて、気合が入っていたんだと思います(笑う)いつもより飛んじゃいました。
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- 凄いですね。
- 藤田
- あと、愛人の役も好きでしたね。
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- 色っぽかったですね。
- 藤田
- 本当ですか? ニットには色気がないと言われていて。もっと欲しいですね、女らしさが。
質問 上田 展壽さんから 藤田 かもめさんへ
女性らしさ
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- 藤田さんがお芝居を始めたのは、どういうキッカケがあったからなのでしょうか。
- 藤田
- 高校の頃から演劇部だったんですが、宮沢章夫さんが地元にいらして。そこでの共同制作に携わったのが今の原動力だと思います。これからも続けていきたいなって思うようになりました。それから東京に行ってみたり、少しの間就職してみたり。
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- 今後、お芝居に関わる上でどのような力を身につけたいですか?
- 藤田
- 母方の叔母が、すごく自立した女性なんですよ。服飾関係の仕事に就いていて、子育ても両立していて。
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- ああ、女性らしさですね。
- 藤田
- はい。そういう女性になりたいなと憧れますね。女性らしい女性というか。舞台上で、一人の女性としての役が板に付くようになったらと思います。
しなやかに
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 藤田
- 実はダンスの勉強もしたいなと思っています。今回、佐藤健大郎さんが振り付けと出演をされているので、ダンスを勉強したいなと思っています。ニットでは高原と織田が身体を動かすのが好きなので。
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- そうですね。
- 藤田
- 私はあそこまで身体がピンピン動くのではなくて、しなやかに身体を動かせるようになりたいです。
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- 今後、どんな芝居をやっていきたいと思いますか?
- 藤田
- 見に来てくれた方が元気になってもらったら嬉しいですね。藤田さんの芝居を観ると、明日から仕事を頑張れる気になる、って言われたいです。
お茶と和菓子(モンブラン)
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- 今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
- 藤田
- 織田が楽しみにしていました。ぴったりのものが貰えるとか、はしゃいでいました。
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- ご期待に添えるかどうか。どうぞ。
- 藤田
- ありがとうございます。(開ける)お茶じゃないですか。大好きなんですよ。
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- あと、和菓子が。
- 藤田
- モンブランだ!