演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫

ニガツ

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演劇を見始めたキッカケ

___
今日は宜しくお願い致します。
ニガツ
宜しくお願いします。しかし、なんで私なんでしょうか。
___
Tokyoscapeのチケットの件で、ブログにいろいろ書いておられましたよね。それを読んで、問題意識を持って観ている人だと思いましたので。最初に、ニガツさんが演劇を観始めたキッカケをお聞きしたいのですが。
ニガツ
中学生の頃に、劇団四季の「cats」が大阪に来たんですよ。そこで夢中になって、3回も観に行ってしまいました。そもそも、親がそういうのが好きでホイホイお金を出す人だったんです。
___
なるほど、中学からだったんですね。
ニガツ
はい。で、大学で演劇映像専修という学科に入って、月に一・二度は観ていました。
___
大学というのは、どちらでしょうか。
ニガツ
東京の方です。
___
という事は、下北沢とかで。
ニガツ
色々です。下北沢でやるのはちゃんとした劇団ですね。松尾スズキとか、拙者ムニエルとか。私はよく早稲田どらま館というスペースで、学生劇団の公演を観てました。質も高くて、最低でも1800円くらいとるの。京都は600〜800円くらいですよね。
___
東京はたくさん劇場があると伺っています。
ニガツ
はい、新宿とか駒場とか中野とか王子とか。まだ有名でないころの本谷有希子は、大塚で観ました。で、京都に来てびっくりしましたね。
___
数箇所しかないですからね。しかも散らばっていて。
ニガツ
アトリエ劇研に初めて行った時も、歩いても歩いても着かないから途中で不安になったりしました。

東京6劇団を京都に招聘し、各地で公演を行うイベント。公演時期:2006年7月26日(水)〜8月6日(日)。会場:アトリエ劇研/人間座スタジオ/ART COMPLEX 1928/須佐命舎。

アトリエ劇研

京都・下鴨にある客席数80程度の小劇場。1984年に設立し96年に「アトリエ劇研」に改称、2003年11月にはその運営主体がNPO法人となった。(公式サイトより)

京都の劇団について

___
ニガツさんが好きな劇団はどこですか。
ニガツ
東京にいた頃、リージョナルシアターっていって、地方の劇団をいくつか招いて公演をしてもらうという企画があって。そのときに初めてMONOを観たんですね。「その鉄塔に・・・」
___
「男達はいるという」、ですね。
ニガツ
それを観て「何て面白いんだろう」と思って。演劇らしい演劇って感じで、新鮮でした。松尾スズキ以降の東京のお芝居というのは、何か、笑える中に残酷な事を挟む、みたいなのが多くなって。
___
悪ノリの。
ニガツ
はい、何でもノリでやるというか。
___
そういう気分が広がっていたんですかね。
ニガツ
あと、やっぱりリージョナルシアターシリーズで劇団八時半を観て、京都いいなあと思って。今は、「地点」が好きですね。
___
いいですよね。
ニガツ
でも、京都のお芝居は言う程観ていないので、これから見て回りたいです。

劇研のリニューアル

___
最近ご覧になったお芝居は、何でしょうか。
ニガツ
壁ノ花団の「悪霊」ですね。内田さんが大好きなんです。
___
面白かったですよね。最後の、岡嶋さんと内田さんが踊るシーンが印象的でしたね。
ニガツ
あれ、ハッピーエンドですよね。
___
多分、そうですね。私は壁ノ花団では「悪霊」が一番好きです。
ニガツ
はい。
___
そういえば、劇研はリニューアルしましたね。
ニガツ
あれってどの辺が変わったんですか。
___
入り口付近がきれいになりましたね。内部も、かなり手を入れてるんじゃないかなと思います。新築の匂いがしました。
ニガツ
一番リニューアルしてもらいたかったのは、トイレなんですけどね。全然されていなかったから、ちょっと。
___
そうですね。
ニガツ
やっぱりその辺は、ずれがありますね。

チラシについて

___
京都での小劇場の概況について伺えればと、参考にいくつかチラシを持ってまいりました。例えば、このような小規模のユニットによる芝居がギャラリーなどで行われています。いかがでしょうか。
ニガツ
(数点を手に取る)私、こういうチラシを作る人の気持ちが分からないんですよ。
___
というのは。
ニガツ
余白が空いていて、あまり興味を引かないんですね。
___
確かに、素朴というか素っ気無いデザインの物が多いですね。京都では、そういう傾向が確かに強いと思います。
ニガツ
大学での卒論が、寺山修司の天井桟敷のポスターを取り上げたものだったので、どうしても比較してしまいます。例えば、チラシを作る時点でまだ脚本が出来ていなかったとしても、デザイナーさんと打ち合わせをしますよね。内容についても。その結果あまりにのチープでしょうもないのができてくるのは、そのすり合わせの作業が不十分だと思わざるを得ないんですよね。それとも、このチラシに興味を持てない人は来るな、と選別されているのでしょうか。
___
なるほど。
ニガツ
芝居は、町や劇場でチラシを見るところから始まっているでしょ。またはある日DMが届いて、それが日常を揺るがすようなものであってほしい。そういう覚悟のないチラシは、持って帰りたくないですね。
壁ノ花団

MONO所属俳優、水沼健氏が作・演出を務める劇団。前衛的な手法を用いて豊穣なユーモアの世界を紡ぎだす。

公演時期:2007年8〜9月(京都)、2007年12月(東京)。会場:アトリエ劇研(京都)、こまばアゴラ劇場(東京)。

その芝居を選ぶ理由

___
ニガツさんは、例えば複数の公演が日程的に被っていた時に、何を決め手にお芝居を選びますか?
ニガツ
いや、被っていたとしても両方観に行きますね。本当に観にいきたいのなら。
___
では、特定のお芝居に興味をもつキッカケというのは。
ニガツ
え、何ですかね。考えた事ないです。そこに芝居があるから?
___
おお、なるほど。
ニガツ
または、誰が出るかとか。
___
そうですね。私もファックジャパンが出る公演は出来る限り見に行きます。
ニガツ
ファックジャパンさん、面白いですよね。立っているだけでも。
___
ファックジャパンと私は同じ誕生日なんです。3月30日。
ニガツ
おお!じゃあ、お誕生日会できるじゃないですか。
___
したことないですけどね。
ファックジャパン

劇団衛星所属。俳優。第11回関西現代演劇俳優賞受賞。

宣伝書き込みについて

ニガツ
制作の人に一度聞きたい事があったんですよ。私はmixiで観劇コミュニティを運営しているんですけど、そこでの宣伝書き込みについて。
___
はい。まあ、私は制作者ではありませんが・・・。
ニガツ
例えばmixiのトピックで、宣伝のカキコミがされるんですけど。最初は「申し訳ないのですがスペースをお貸し下さい」から始まって、後はほとんどチラシの情報のコピペでしかないんですね。最後に、「この書き込みが不適切でしたらお手数ですが削除して下さい」と。なんで皆さんああいう書き方をするんですか?
___
劇団ホームページの掲示板でも、しょっちゅう見かけますね。
ニガツ
不適切かも知れないと思うんだったら最初から書くなよ!と。それなら、「消したら殺す!」くらいの勢いで書いてほしいですね。宣伝書き込みの内容も、もっと工夫のしがいがあると思います。自動的にコンピュータが書き込んでいる訳じゃないんですから、例えば身内の人が「今日稽古を観にいったけど凄く面白かったですよ」とか、あるいはトピックの前後の書き込みの内容に関連させて宣伝してくれれば、書き込みを見る側としても興味を持ちます。あくまで、コミュニティの人に向けたものであるのなら、アレンジのしようがいくらでもあるのに。そういうお金をかけない宣伝の方法があるのに、もったいないですね。愛がないよ、宣伝に。

劇場で醒める

___
ブログで、劇場における演劇関係者のあり方についてお書きでしたが。
ニガツ
客席で自分の公演の話ばかりしていたり、受付で「お疲れ様」と言い合ってるのを見ると気になります。例えば、職場の上司が個人的に参加している合唱部のコンサートに行ったとしますよね。私は上司に「今日はお招き下さいましてありがとうございました。とても良かったです」とは言いますが、職場で交わすような「お疲れ様です」は言いません。言いませんよね?
___
うーん。そうですね。
ニガツ
劇場に仕事に来ている訳ではないですよね。
___
醒めると。
ニガツ
自分だけ浮いてる気になります。一体、観ているだけの人の事をどう考えているのか、疑問です。
___
そのような体験を、東京でもされた事はありますか。
ニガツ
東京では、一度だけ。招待客席があって、誰が座るんだろうと思ったら演出が座ってました。でも一度きりです。京都は東京に比べて、身内率が凄く高いんですね。
___
それは良く言われますね。
ニガツ
そのせいか、外から見た人の感想がやった人に届いている気がしないです。東京の小劇場では、「えんぺ」があったからそういう気はしませんでしたけど。
___
「えんぺ」とは。
ニガツ
「えんげきのぺーじ」。お芝居を観た人が、その感想を一行で書き込みできるんですね。点数つきで。その日にあった公演の感想が、ずらずらと出てきたりします。
___
何か、そういうのって生活に観劇が自然に付いているという感じがしていいなあ。

SUUNTOのコンパスとキーホルダー

___
今日は、貴重なお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
ニガツ
あ、はい。
___
どうぞ。
ニガツ
何でしょうか。
___
良ければ、お開け下さい。
ニガツ
(開ける)え、これは・・・。
___
コンパスと、キーホルダーですね。
ニガツ
あ、ありがとうございます。キーホルダーも素敵ですね。
___
はい。これで、劇研に行くにも迷わずに済むのではないかと。
(インタビュー終了)