アートコミュニティスペースKAIKA
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。ここ「KAIKA」には初めて来ました。思っていたよりずっと広くてびっくりしました。稽古場としても公演会場としても使われるんですね。
- 黒木
- あ、初めてだったんや。そう、衛星もユニット美人も本番はここでやります。
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- 劇団衛星「ブレヒトだよ!」にも出演されるんですよね。それも楽しみです。
劇団衛星
京都の劇団。代表・演出は蓮行氏。既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く実施している。
ユニット美人
劇団衛星所属俳優の黒木陽子と紙本明子で2003年11月に結成。あまりに人気がない自分達が嫌になり「絶対モテモテになってやる!」とやけくそになって制作に福原加奈氏を迎え正式に結成。「女性が考える女性の強さ・美しさ・笑い」をテーマに日々精進中。(公式サイトより)
アートコミュニティスペースKAIKA
四条烏丸に産まれるふたつの新しいアートスペースアートコミュニティスペース「KAIKA」・アトリエ「AKIKAN」。KAIKAの運営はフリンジシアタープロジェクトが、芸術監督は劇団衛星の蓮行が務める。(公式サイトより)
劇団衛星公演「ブレヒトだよ!」
公演時期:2010/9/18〜20(京都)、2010/9/25〜26(北九州)。会場:アートコミュニティスペースKAIKA(京都)、枝光本町商店街アイアンシアター(北九州)。
ユニット美人コント公演「黒い紙と3つの箱」
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- さて、今日はユニット美人について色々伺えるので、楽しみにしてきました。最近は次回公演の準備期間ですね。
- 黒木
- そうです。あ、最近チラシが出来たんですよ。
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- ありがとうございます(受け取る)。タイトル「黒い紙と3つの箱」。まず、このチラシがすごい出来ですよね。
- 黒木
- よかった。ありがとう。紙本さんが作ったんです。
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- 不思議なチラシですね。なんだかまるで、ユニ美の公演が今から始まる時みたいな感じがするんですよ。臨場感というか。「どれを選べば生還出来るの?」とありますが、どんなお話なんでしょうか?
- 黒木
- 「紫式部が言う前に!」と一緒で、コント集ですね。今までイベント出演とかでやるコントは一つのフォーマットがあって。私が遅れて来て、なんやかんやあって私が挫折し、そこで紙本さんに勇気付けられて、ブルマがあるじゃないですかで踊って終わるという。・・・そろそろ新しいフォーマットを作っていったほうがいいんじゃないかと。
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- なるほど。タイトル通り、箱が3つ出てくる?
- 黒木
- それは題材になっている、シェイクスピアの「ヴェニスの商人」の一つのエピソードから来ているんです。
ユニット美人コント公演「黒い紙と3つの箱」
公演時期:2010/9/11〜12(札幌)、2010/9/18〜19(京都)、2010/9/25(北九州)。会場:生活支援型文化施設コンカリーニョ(札幌)、アートコミュニティスペースKAIKA(京都)、枝光本町商店街アイアンシアター(北九州)。
私の中の古典ブーム
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- あ、古典ですか。そういえばチラシにもありますね。「ユニット美人が古典に挑戦」。
- 黒木
- いま、私の中で古典ブームが起きていて。チェーホフとシェイクスピアが面白くて、生かされればいいなと。
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- どのような流れで。
- 黒木
- あまりにも、色々な企画選考から審査で落とされて、自分達は何がだめなんだろうと考えたんです。結局、教養が足りないんだと分かって。今年三月、劇団飛び道具。私もやりたい!と。
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- 今回題材とするのは。
- 黒木
- さっきも出た「ヴェニスの商人」。すっごいひどい話なんですよ。主人公に全然感情移入出来ない分客観的に見れて。これをある程度下敷きに出来ないかと思っています。主人公が大金をユダヤの商人に借りるのが事件の始まりなんですけど、何でお金借りるか知ってる? 友達が逆玉に乗りたいからその軍資金で借りるんですよ。「俺絶対逆玉に乗るしお金貸してくれ」って。そこから主人公がユダヤの商人にお金を借りるんですけど、友達だったら普通止めるでしょ。
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- そうですね。
- 黒木
- 僕らの友情に何を疑う事がある、もちろんさって。そんな話なんですよ、ヴェニスの商人。
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- それを下敷きにですか!何だろう、とにかく楽しみです。ユニ美のコント集といえば全体がすこしづつ繋がっていて、例えば15分くらいの物でも構成がきちんとあって美しいんですよね。そこに古典がどんなふうに絡むのか。早く観たいです。
ユニット美人コント公演「黒い紙と3つの箱」
京都を拠点に活動する劇団。
ルドルフ×このしたやみ企画 チェーホフ「熊」
アトリエ劇研提携公演・京都芸術センター制作支援事業。公演時期:2010年1月22〜25日。会場:アトリエ劇研。
お芝居の楽しい部分が詰まっている
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- 黒木さんは、ユニット美人の面白さってどこにあるとお思いですか?
- 黒木
- 色んな人が好きだと言ってくれていて、何故かなあと。私はもちろん楽しいし、大好きなんですけど、演劇的に新しい事もやってないし、ネタもそんなに新しくないし。
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- いえいえ。
- 黒木
- 最近思ったんですけど、お芝居の楽しい部分が詰まっているからかもしれないと思っています。それはつまり、嘘をつかないというか。
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- 嘘をつかない。
- 黒木
- 演劇の面白さって、目の前に人がいるから生まれるんですよ。それは「ライブ感があるからいいよね〜」って、何だか手垢のついた表現で恥ずかしいんですけど、結局そこなんですよね。映像だったらカット割で瞬時に人間が消えたり、アップにも出来るし、空も飛ばせるしでいろんな事が出来る。でも舞台は出来ない。不自由なんです。急に若返ったり翼が生えたりしない。でも面白いのは、そのままの人間だからだろうなと。
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- それがお芝居の楽しい部分?
- 黒木
- けして踊りがうまくないし、歌も私はうまくないし、30代でスタイルもよくない。ごまかしも編集もきかない滑稽な体を、でも晒すねん。うまく見せようとしないから、いいんだろうなと。
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- 確かに、おもいっきり自己紹介してますからね、30代って。だから親しみやすいのか。そこに技術の高さが加わるから、凄く説得力があると思うんです。
「言う前に!」に隠された伏線
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- 「言う前に!」のコントフォーマット、大好きなんですよ。特に「2931inNY」。
- 黒木
- 私も。海外ドラマをやっていた二人がうおおおおおって言いながらブルマ姿になるシーンが好きですね。
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- ご自身ではどこが一番面白いのですか?
- 黒木
- どれも面白いですけど、最近振り返って気づいた事があるんですよ。ストーリー上で私がユニット美人の公演中に事故で舞台から落ちて、目を覚ますと妊娠していたという流れがあるじゃないですか。その話の後で、親子のコントがあるんですけど・・・
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- ああ、お母さんがユニット美人という。紙本さんが学生服で出てくる奴ですよね・・・あっ!
- 黒木
- そう、あの子は私が産んだ子なんです。
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- 考えて見ればそうですね。いや、言われるまで全然気づかなかった。年代記になってたんだ。
- 黒木
- その筋書きを作ったのは紙本さんなんですけど。何でこんな上手いこと出来たんだろうと。
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- 気がつけば深いですね。
- 黒木
- 意識して作った流れではなく、まして二人で作っているのに何かしら流れ出来ている。そのあたりがあの作品の面白いところですね。
伝説のユニット美人旗揚げコント「ブルマ人間ブル子」
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- これは触れるべきかどうか迷っているんですけど、トレードマークのブルマについてです。これは、どんなきっかけで?
- 黒木
- 一番最初は、劇団衛星の2軍、劇団星衛(ホシマモル)の公演です。「千年王国の避難訓練」男女逆転バージョンの上演でした。紙本さんが初めて衛星に入っての公演で、そこで女子の出演者全員のユニフォームをブルマにしたのが始まりなんですよ。
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- その案はどなたが?
- 黒木
- 誰だったんだろう・・・ちょっとはっきりしませんね。ユーコさんかな?その頃、女性は笑いを取れないという考えが主流だったんですよ。女性は裸になれないという理由で。
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- 確かに。
- 黒木
- でもやりようによっては何とかなると考えたんです。周りの評価以上に、自分達が面白かったんですよね。滑稽だ、アッハハァ〜って。そのあたりで紙本さんがユニット美人をしようと言い出して。
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- 創設者だそうですね。
- 黒木
- 一番最初にコントを作ったんです。そのタイトルが、「ブルマ人間ブル子」。
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- あ、あのライブハウスでやった。どんな話だったんですか?
- 黒木
- ブル子が武留山にブルマ人間の秘密を探るべく向かう。そこでドウブツの着ぐるみに襲われるんですが、中に入っていたのは姉のブル美だったという。謎が謎を呼ぶストーリーでした。解決はされないんですけど(笑う)。
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- それ、凄く見たかったです。
質問 ピンク地底人2号さんから 黒木 陽子さんへ
もっと見たい、ユニット美人
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- ユニット美人、新作は久しぶりですね。もっとやって欲しいという声が聞かれていますね。
- 黒木
- そうですよねー。そうなんですよ。いや、衛星との絡みでやれないという事は全然なくて、単純にやらないだけなんですよね。やりたいんですけどね。
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- 代わりにイベント出演が多くなりましたね。
- 黒木
- 2年に一回のペースで、私と紙本さん以外のキャストを集める作品をやって。その時期以外はコントとイベント出演という感じかな。コント公演は岡田あーみんにおける「岡田あーみんの好き放題劇場」、普通の公演は「お父さんは心配性」などの作品にあたると考えて頂ければ。
色んな人が楽しみにしてくれたら
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- ユニット美人、今後はどう攻めていかれますか?
- 黒木
- あまり変わらないです。やって欲しいと言われた時、やりたいと思った時、やれる時に、色んな人が楽しみにしてくれる面白いユニットになれればいいなと思います。日本各地の、私達とおなじ年代の女性たちがあははって笑って、日々の忙しさを忘れてくれればいいなと。
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- 最近はアフタートークとかにも呼ばれていますね。
- 黒木
- そうなんですよね。柿喰う客さんとか、第一線で活躍している人たちに会う機会が増えて。私たちも頑張らないといけないなと思いますね。
線香花火
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- 今日はお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
- 黒木
- ありがとうございます。(開ける)あ、線香花火。こんなん売ってるんや。
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- はい。
- 黒木
- これは凄いですよ。
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- 良かった。
- 黒木
- 何かの機会にやります。