舞台美術のためのワークショップ公演 、準備中
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。肥後橋さんは最近、いかがでしょうか。
- 肥後橋
- お芝居の事で言うなら、8月の「舞台美術のためのワークショップ公演」の準備をしています。初めてのプロデュース業なので、大変といえば大変ですね。演劇以外としては、僕は非常勤講師として働きながらお芝居をやっているんですけど、職場で僕の役者写真が流出して教室で張られていたりしています。白塗りのピカチュウの写真とか。
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- そう、先生をされているんですよね。教科は何でしたっけ。
- 肥後橋
- 理科を教えています。
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- そうなんですね!そういえば。いきなり話が脱線しますが、昔の笑の内閣のサイトの肥後橋さんの役者紹介の写真。フレミングの法則のポーズしてましたよね。
- 肥後橋
- それを難しそうな顔で見てましたね。
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- 白衣でね。
- 肥後橋
- 笑の内閣 は楽しいですね。僕が学生劇団の頃、一番多く客演していたのは内閣でした。
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- 肥後橋さんのレスリング、とても面白かったです。
京都ロマンポップ
「物語は幸せへの通り道」京都ロマンポップは、2005年京都を拠点として旗揚げしました。作品は、よりふじゆきによる脚本:本公演と、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンの二本を支柱としています。現在は、向坂達矢による脚本:さかあがりハリケーンを主に発表しています。本公演の舞台設定は、古代ローマ、中世ドイツ、昭和初期日本、そして現代と多岐にわたっていますが、一貫して描かれているのは普遍的な人間の悲しさや苦悩であり、そこから私たちの「生」を見つめなおす作品です。哲学的な言葉を駆使しながらも、役者の熱や身体性を重視する、ストレートプレイ。「ロマンポップ」の名前の通り、エンターテイメント的な要素も取り入れながら物語を紡ぎます。さかあがりハリケーンは、短編作品集です。その作品群は「コント」ではなく「グランギニョール」ただ笑える作品ではなく、どこか屈折した退廃的な空気が作品に漂います。歌やダンス、身体表現を最大限に取り入れていますが、対峙するは「現代の演劇手法」です。(公式サイトより)
第1回 舞台美術のためのワークショップ公演
公演時期:2014/8/15〜17。会場:東山区総合庁舎2階 東山区青少年活動センター。
笑の内閣
プロレス芝居や言論を舞台にしたお笑い芝居政治的な分野にアプローチする劇団。
「どくの沼地歩くから命へる 歩かなければすぐに死ぬ」
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- 京都ロマンポップの前回公演、「どくの沼地歩くから命へる 歩かなければすぐに死ぬ」が素晴らしく面白かったです。今一番、脂の乗った時期と言えるかもしれないですね、ロマンポップ。ここ最近で見た中で一番面白かったかもしれない。
- 肥後橋
- ありがとうございます。
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- 2本目の作品。肥後橋さんは、主人公のライバル役を演じられましたね(主人公は向坂さん)。
- 肥後橋
- そうですね。基本的には凄くいい人でみんなから好かれていて、でも主人公にとっては迷惑な部分がある。コンビニで会ったらグイグイと近寄って来られて、少し空気が読めないところが、ネガティブな人を傷つけてしまう。そんな人物を描きたかったんだと思います。
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- そうそう。しかし反面、主人公が作った作品を本当に評価してたり・・・
- 肥後橋
- ええ、一番上手く解釈して、自分がやりたい事の理解者だったという。そこが主人公にとってはやりきれないですよね。本当はいい奴で、でも認める訳にはいかない。逃げ場がないですよね。
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- そして、「僕を理解するな!」と拒否して終幕しました。プライドはとっくに傷つけられていて、そのうえ愛されてしまった苦しみ。
- 肥後橋
- そうですね。「愛されてしまった」というのはありますね。
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- それは本当は、彼が求めていたものではあるのですが。ラストシーンの直前に彼は、四条通で無差別テロをするためにトラックならぬ自転車を借りてましたね。武器を持って世界を壊そうとするけれども、ライバルに出くわしてしまい、彼の本質である芸術性を愛撫されてしまった、その混乱。
- 肥後橋
- 現代では、テロの対象としての特定の場所がないという事もあるんですね。事件を起こす舞台がない。昔だったら二・二六事件のように、場所があるんですが・・・
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- 認められない事が、攻撃心に結びつき、対象を見つけられないまま・・・
- 肥後橋
- 不意に現れたライバルこそが攻撃対象かと思っていたら自分の唯一の理解者だったという。
久保田狐庵と京都ロマンポップの企画「どくの沼地歩くから命へる 歩かなければすぐに死ぬ」
公演時期:2014/6/28〜29。会場:Blue Eyes。
猿にしか見えない熊の話
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- 3本目のコントでは肥後橋さんは泥団子のバイヤーでしたね。複雑というよりは歪つな構造の作品でした。話の時系列が入れ替えられたりして。ライブハウスの中でやっているのが信じられないぐらい、広がっていく詩情を感じさせる出来でした。
- 肥後橋
- 向坂さんがリーディング公演に参加していたのが影響しているのかなと思っています。3本目の主人公も向坂さんだったんですけど、心象風景を他の役者が演じるのかと思っていたら、彼が小道具の単行本で過去の語りをやっている方が面白かったですね。と思えば、熊の・・・
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- ああ、猿にしか見えなかった熊の。
- 肥後橋
- 泥団子の小屋を荒らすシーン。最初は、役者の体に「熊」と書いた紙を貼ろうかという案が出ていたんですけど、稽古場でそれはナシになって。そうしない方が何なのか分からないし、面白いなと。皆、共通で思ってましたね。
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- それは大事な事だと思います。実際、そちらの方が面白いです。
- 肥後橋
- バカバカしくて下らない、ちょっとダサい事をするのが僕らの作風だと考えてもらえたら。
舞台を組んでみよう、作ってみよう。きっとすごく刺激的
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- 肥後橋さんがこの度プロデュースされる、舞台美術のためのワークショップ公演。既に受講生が集まり、公演に向けて準備が進んでおりますね。本番は8月15日から東山青少年活動センターにて。成果としての舞台美術を出発点に、5つの劇団が作品を作って競演する本公演ですね。まず、企画の発端を教えてください。
- 肥後橋
- 舞台美術の人って大変だなと前から思ってまして。作業時間が多すぎてバイトも出来ないし、知り合いから「安く頼むよ」って言われたら友達料金で引き受けざるを得ないし。大変ですよね、とそういう事を話してたんです。
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- 分かります。舞台のタタキ作業は実際、やり甲斐がありますからね。
- 肥後橋
- 反面、京都は素舞台の作品が多いですよね。実は、僕が以前舞台監督の仕事を引き受けた時、舞台のセットはほとんど何もない素舞台だったんですよ。小道具のTVを用意しただけ。
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- そうですね。
- 肥後橋
- この流れがずっと続いたら、学生の子らは「この舞台美術、凄い!」って思うような経験が無くなってしまうんじゃないかと思ったんです。以前、MONOの「なるべく派手な服を着る」を見た時に、(すごいなこの舞台、どうやって作るんだろう)ってなったんですよ。学校に帰って2階立てのセットを組んだりしました。そういう経験が取っかかりですね。
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- なるほど。
- 肥後橋
- 素舞台もいいですけど、ちょっと舞台を組んでみませんか?という発信ですね。講師を外部から呼んできて、WSの受講生を集めてきて、一つのセットを作る。そういうプランです。
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- そのセットが良かったら舞台美術という役割の価値も上がると。
驚きの舞台を起点に生まれた、人気劇団の作品に注目
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- 今回は舞台を作るというだけじゃなく、5劇団による公演もありますね。
- 肥後橋
- 演劇を作る時、普通は脚本ありきでセットが作られますよね。でも、学生の時に「ただただこんなセットが作りたい」という衝動ってあったんじゃないかと。
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- ありますあります。分かります。
- 肥後橋
- 昔の先輩が、巨大な二枚貝がパカッと開くセットを作った事があって。でも、そんな台本世の中に無いんですよ。
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- そうですね。
- 肥後橋
- そして先日、竹内良亮が「城を作りたい」と言い出して始まった伝舞企画 。なら、舞台のテーマが先行する演劇というのもあるんじゃないか。それを、僕ら京都ロマンポップだけがやるのはもったいないから、ゲスト団体さんをお呼びしたら面白いんじゃないかと。
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- 素晴らしい。京都ロマンポップ、ステージタイガー 、壱劇屋 、劇団ZTON 、カメハウス ですね。どうやって作品作りが進められていくのかも楽しみですね。
- 肥後橋
- 今回、「Sketchup」というCADソフトでセットの設計を進めています。それを先日、各劇団さんにお送りしたんですね。その後脚本を書いていただき、テクニカルミーティングでプランのすり合わせをして。結構大変ですね(笑う)。
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- 実は、ワークショップ公演という触れ込みから作品に目が向いてない部分があったんですけど、それぞれ、どんな作品を作っていくのかも楽しみですね。壱劇屋とか。
- 肥後橋
- 西分さんが高校の後輩で。今回の窓口になってもらったんです。壱劇屋は普段、舞台セットを建て込まないので楽しみにしてると言ってくれて。
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- ステージタイガーは安心して期待出来るし、ZTONは時代物なのかな。他の劇団とのギャップとかも含めて面白そうですね。
伝舞企画
公演時期:2013/9/20〜23。会場:京都大学西部講堂。
ステージタイガー
俳優達の鍛え上げられた圧倒的な筋肉。それに最大限の負荷をかける事により、人間の奥深くに眠る野生のエネルギーを創出する。そんな超体育会系演劇を目指すステージタイガーは、関西を代表する強く、切なく、そして狂おしい劇団です。15名を越える劇団員で、自主公演だけに収まらず、ライブハウスから廃校まで、年10本以上のイベントにも出演中。今日もあなたの元へステージタイガー。もう、君にムキキュン。(公式サイトより)
壱劇屋
2005年、磯島高校の演劇部全国出場メンバーで結成。2008年より大阪と京都の狭間、枚方を拠点に本格的な活動を開始。主な稽古場は淀川河川敷公園で、気候や時間帯をとわず練習する。マイムパフォーマンスを芝居に混ぜ込み、個性的な役者陣による笑いを誘う演技にド派手な照明と大音量の音響と合わせ、独自のパフォーマンス型の演劇を行う。イベントではパントマイムやコントをしたり、FMラジオにてラジオドラマ番組を製作するなど、幅広く活動している。(公式サイトより)
劇団ZTON
2006年11月立命館大学在学中の河瀬仁誌を中心に結成。和を主軸としたエンターテイメント性の高い作品を展開し、殺陣・ダンスなどのエネルギッシュな身体表現、歴史と現代を折衷させる斬新な発想と構成により独自の世界観を劇場に作りあげ、新たなスタイルの「活劇」を提供している。(公式サイトより)
カメハウス
近畿大学文学部芸術学科舞台芸術専攻演技コース出身の代表・亀井を筆頭に旗揚げしたパフォーマンス演劇集団。亀井が作・演出・振付を行い、彼の作り出す世界は多人数が動き回るエンタメ作品から、少人数で構成された繊細な文学的作品まで幅広い。楽曲のPVの様なパフォーマンスが芝居の中に多用されるのが特長で、身体全てを使った独特な表現を追求している。本公演以外にも、チャリティー企画や文化祭、前説など各種イベント及びコンテストや、LINX'Sなどの演劇祭に出演。映像製作にも力を入れている。(公式サイトより)
モノづくりの体験から・・・
- 肥後橋
- 今回の企画が始まってから僕の中でも考え方が変わってきて。7人の受講生が集まって一つのものを作るのは難しいんですね。しかも、今回は脚本がない。話し合いばかりで無駄な事も多い。でも、そんな機会ってもしかしたら他に全然無いんじゃないか。これはもしかしたら、参加者にとっては凄く貴重な経験になるんじゃないかと思うんです。
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- というと。
- 肥後橋
- 簡潔に言うと若者支援というか、社会とつながりを持てないけれども、集団で一つのプロジェクトに参加して、自分の意見と相手の意見をぶつけながら一つの成果を生んで、そこに評価が付いたら、若者による若者の支援という形になるかもしれない。
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- なるほど。自分達の作ったセットから生まれた作品が、観客に届く体験。それは自信が付くでしょうね。
- 肥後橋
- 以前、友人がそういう福祉関係の仕事に就いていて。自分の演劇を通して、人の役に繋がれたらなと思います。そういうところにも足を運んで、裾野を広げて行けたらと思います。
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- それはもちろん、参加者の積極的な態度が必要になると思いますけどね。
- 肥後橋
- そうですね。今回の場合、モノづくりに対する主体性は、通常の劇団の中での活動とは違うかなと思います。
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- あえて言いますが、「ワークショップ公演」という触れ込みからは、正直、品質の高い演劇作品は想像出来ませんでした。ですがお話を伺っているとどんどん楽しみになってきますね。レベルの高い上演を期待しています。
こだわりが交流する場
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- 「自分で舞台空間を作る」。それはとてもワクワクするものですよね。
- 肥後橋
- 言ってしまうと、今回製作する舞台のテーマは「時間」です。時計の絵を出して来たり、地層の話になったりしました。一つのセットにものすごくこだわっている子もいたり。面白い物を用意するので、楽しみにしていてほしいです。美術的に凝ったある物が登場しますので期待してほしいです。
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- 楽しみですね。
- 肥後橋
- 時間をテーマに、ある大きな物と小さな物の対比があって、その二つが対比する様子や、噛み合わなさについて延々と喋ってるんですよ。結局、うまいこと配置出来る事になりましたが。
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- 舞台セットと演劇が化学反応を起こして、観客がいて、その時間が統一されるというのが理想的ですよね。もちろん簡単な道のりではない筈で、劇団側にとってはセットから決められるという状態が不利であり、魅力的な条件と言えるでしょうね。
- 肥後橋
- 各劇団の作り方の個性がハッキリ出ると思います。お題を出す側として、受講生も色々考えてみてくれていますね。さらに、楽しみに見に来てくれたお客さんがいればいるほど、色んな立場の人が交流する場になると思うんです。
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- そういう場になってくれればいいですね。
核
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- 芝居を始めたキッカケを教えてください。
- 肥後橋
- 高校生の時のクラス演劇がキッカケです。その時期、休み時間になると廊下には必ずと言っていいほどどこかのクラスの女の子が泣いてたり揉めたりするんですよ。それぐらい熱くなる。
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- へえ。
- 肥後橋
- みんなで一つの事をやるって面白いなあと思って、大学でも演劇をやろうと思っていたんです。その当時、クラスに大学生の講師が来て下さったりして。福田恵さんという。
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- ああ、福田さんが講師の時代ですか。その時代、福田さんにインタビューしてますからね。
- 肥後橋
- それから高校3年の時にNFに出させてもらったのが、京都での初舞台でした。
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- 役者としての肥後橋さんが面白いですよね。勢いのある人で、顔芸も凄い面白いのに、内面を表現する芝居をふとした時にされると意外性とともにいとおしくなる感じ。肥後橋さんは、いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
- 肥後橋
- 僕、よく顔芸だよねって言われるんですよ。あまり意識はしていないんですけど。その、あまりセリフは得意ではないかもしれません。
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- ええ。
- 肥後橋
- セリフが減って悲しむ役者もいるんですが、僕はあまりそういう事もなく。セリフじゃない部分が好きですね、ノンバーバルの一人劇とかしてみたいなと思います。
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- IN SITU の大石さんが「理想としては、役者の小さい動きだけで全ての意味が変わるような、人物の心の動きが全て分かるようなそんなシーンがしたい」と言ってましたね。
- 肥後橋
- gateで彼の芝居に出た時、共感する事が多かったです。まあ、細かい動きまでは覚えられないですけど(笑う)。役者をやってて一番影響を受けた事件があって、nono&lili の「カラのウラのソラ」 という作品で伊藤えん魔さんと共演した事があるんです。
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- ありましたね!
- 肥後橋
- ゲネが終わった後で、めっちゃ怒られたんですよ。「お前舐めてるのか」「表出ろ」って。僕も若僧だったんでイラっとしてしまって「はあスミマセン」って感じだったんですけど懇々と言われている内にかき立てられたというか。居残って、最後のシーンの稽古を付けてもらったりして。
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- 素晴らしい、というか羨ましい。
- 肥後橋
- その時の影響が今でもあります。「ソウルだ、ソウルを持て」と言われました。で、1ステが終わった後、再前列のお客さんが泣いてたんですよ。
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- おお!
- 肥後橋
- 終わった後、「おう、ちゃんとやって良かったな」と言われまして。裏で握手しました。その時の経験は財産です。感情を大切に、そこを始まりにして演技する事。えん魔さんにバチバチ怒られながら、「もっとだ、もっと震えろ」と言われながら最後の稽古をしたのが大きいです。
IN SITU
ラテン語で「あるべき場所」という意味で、イン・サイチュと読む。大石達起が、劇団ケッペキ卒団後に自らの新たな表現の場として立ち上げる。主に近代の海外戯曲を上演し、そこに描かれた普遍的な人間の生活、人と人との繋がりを現代に復活させる事で演劇の、あるいは自分自身の「あるべき場所」を追求する。(こりっちより)
nono&lili.
京都を拠点に活動する劇団。
nono&lili,『カラのウラのソラ -弁慶の泣きどころ-』
公演時期:2010/11/26〜28。会場:間座スタジオ。
質問 山野 博生さんから 田中 次郎さんへ
アウトローズ
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- 最後の質問です。今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 肥後橋
- まず、舞台美術のためのワークショップ公演。いま、色んな劇場があるじゃないですか。劇研とか芸術センターとか。そこに乗っていない我々のような者が、一体どこまでにいくのか。
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- ええ。
- 肥後橋
- アウトローな感じでどこまでやっていけるのか。自分の性格的に、やっぱりパンクというか、負けるもんかという精神で戦っているつもりです。まあ、具体的には敵なんていないんですけど。
足柄のてぬぐい
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
- 肥後橋
- ありがとうございます。
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- どうぞ。
- 肥後橋
- (開ける)おっ。もしかしてこれは・・・てぬぐいですか。
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- 柄が足ですけど。
- 肥後橋
- 僕最近、風呂敷にはまってて。衣装とかちょっとしたものは風呂敷に包んで持ってって。
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- おお。良かったです。
- 肥後橋
- 日本の、布を使う技術は凄いですね。布一枚が鞄になってしまうんですよ。今はもう廃れてしまった文化ですけど、大事にしていきたいですね。