演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫
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__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。村上さんは、最近はどんな感じでしょうか。
村上 
5月1日付けでフリーの役者になりました。一人になったぶん、頑張っていかなきゃなと感じています。最近の出来事だと、京都に滞在を始めて、今は悪い芝居 さんの事務所に住んでるんですよ。
__ 
あ、そうなんですね。
村上 
そこにいる猫の・・・
__ 
しゃもりですね。
村上 
はい。東京にいたときは飼えなかったので、どはまりしています。今はちょっとずつ慣れてきて。先日ついに、布団に入ってきてくれました。
__ 
おおっ。
村上 
でも噂だと、僕以外の布団にも入っていくらしいんですよ。猫って、時間を掛けたら簡単になつくから、誰にでもこういう事をするのかと思うと・・・。もうちょっと、向こうが油断しているときに構ったらもっと仲良くなってくれるんじゃないかと。
悪い芝居

2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)

__ 
フリーになった理由を伺えないでしょうか。
村上 
4月末まで柿喰う客 に入っていました。柿喰う客のメンバーは実力を持っている人たちの集団なのですが。そんなメンバー達を見ていて。自分も、あと1年で30歳かと考えた時に、もっと自信の持てるスキルだったり、続けていく上での芯が欲しいと思うようになりました。それがフリーになった理由の一つです。
__ 
なるほど。芯が欲しい。
村上 
特に、演劇やるぞと思って始めた訳でもなく、大学卒業後も続けようと思っていた訳でもないんです。就職活動もしなかったので、ぬるっとこの世界に入ってきたんですね。そんな自分が、色んな人との巡り合わせのおかげで前で演劇をやらせて貰っていて、運に恵まれていると思います。いまだにひょんな事ですぐ辞めるんじゃないかなーとも思っていますが、続けていますね。
__ 
演劇をつづけているのは、楽しいからですか?
村上 
そうですね、楽しいですね。色んなジャンルの芝居に参加させていただくのが楽しいというのがあります。出る分には選びません。舞台に出るのは好きですからね。
柿喰う客

中屋敷法仁の演出作品を上演する演劇集団。演劇の虚構性を重視し、「圧倒的なフィクション」の創作を続ける。虚構性の高い発話法/演技法を追求し、人間存在の本質をシニカルに描く。その姿勢から「反・現代口語演劇」の旗手として注目を浴びる。(公式サイトより)

土地は違っても

__ 
村上さんは、ご出身はどちらなんですか?
村上 
愛媛県です。大学から東京に出てきて。演劇を知る前は特にやりたい事がなくて、でも東京にいる4年間は何かをしていてもいいかなと。最初はサークルを回っていたんですけど、大学生の若いノリについていけなくて。そこで演劇部の人たちの、若干陰気なノリが自分には合っていると思ったんですね。それが楽しくなっちゃって、帰る事もせず現在に至っています。
__ 
なるほど。演劇を始めた頃に見た、衝撃を受けた作品はありますか?
村上 
そうですね、松尾スズキさんの「悪霊」は凄く面白く見せてもらって。4人ぐらいしか出ていない芝居で、とにかく展開がが面白いんです。それに、驚かせようという姿勢があって、2時間ぐらいずっと飽きないんですよ。
__ 
驚かせようとする姿勢。私が初めて拝見した柿喰う客の作品は「恋人としては無理」だったんですけど、あれも驚きましたね。
村上 
大阪公演ですよね。実はあの時が初めての地方公演だったんですけど、終演後にたくさんの方が挨拶や握手しに来て下さって。「面白かったよ」って仰ってくれるんですよね。それが嬉しかったです。東京とはお客さんの反応が全然違っていて。笑うところが違ったりするんですよ。
__ 
笑いどころ。そうそう、確かに笑うシーンに対する姿勢は、特に大阪は違うかもしれない。
村上 
その後も大阪の俳優の方と交流がありますが、おもしろかったのはスベった時のご当地の言い訳みたいなのがあって、大阪の場合だと、お客様は目の前の役者より自分の方が面白い事できると思っているからよほどじゃないと笑わない!とか。逆に自分は、東京のお客さんはストーリーをじっくり見てるから、笑わないんだよ、みたいな言い訳があって。もちろんそれはお互い冗談でいってるんですけどね。
__ 
なるほど。
村上 
そんな冗談も含めて、役者としては考える事は土地は違っても一緒なんですね。同じように結果を出す仕事な訳ですし。場所が違うからといって、根本的な演技を作りなおしたりはしなくていい。そんな事を考えました。

ブレ

__ 
舞台で演技をしているときに、好きな一瞬はありますか?
村上 
昔から、笑いを取れた瞬間が一番好きなんですけど、最近はちょっと興味が変わってきています。今は、自分の影響力が共演者に伝わっているなと感じる時に喜びを感じるというか。その日によって調子が変わったりするじゃないですか。同じ事をやってるのに違うんです。感度が鋭かったり鈍かったり。例えば相手に「座れよ」と声を掛けるセリフ。その時の流れによって、説得するように優しく言った方がいいのか、強く言った方がいいのか。その時々で判断があって、相手がそれを汲んでくれて、噛み合った時というのがすごく面白いですね。もちろん、それを考えながらやってる訳じゃなく、終わってから「あの時、あのやり方にして良かった」と思うんですが。
__ 
そう考えるようになったのは、いつからですか?
村上 
柿喰う客の玉置玲央が主宰のカスガイというユニットに参加して会話劇をやって、それぐらいから面白いなと。得意不得意は別として、コメディを主にやってきたので、ちょっとノリが違うのをやるとみんな驚いてくれるというのもあって。意外だって。笑いで培ってきた貯金を崩しているような感覚があります(笑う)。
__ 
予想を裏切るみたいな感じですね。
村上 
会話劇。稽古が楽しいですよね。この間出演したオーストラマコンドーの稽古で、演出の倉本さんがとことん、練習に付き合ってくれるんですよ。役柄としての気持ちにも。白雪姫と七人の小人のお話で、僕は小人の一人だったんですけど、みんなで台本を持ってきて、お姫様が言った事に賛成の人、反対の人って聞いていって。その理由を聞いて、「ああそれだったらこのシーンはそうしよう」って。すると、嘘がないから自分の意思が明確になって演技のブレが少なくなるんです。段取りをガチガチに決めた芝居ではなく、かと言って感情以外何も決めない芝居でもない。相手が段取りにない意外な事をしてきても、方向性が決まっているのでどんなことでも対応出来る。芯のある話を作る。そういう取り組み方がすごく勉強になりました。

質問 山崎 彬さんから 村上 誠基さんへ

__ 
前回インタビューさせていただいた山崎さんから質問を頂いてきております。「京都にきてしばらく経ちますが、どうですか?」
村上 
京都。観光地みたいなところをあるいてたら稽古場に行けるので、そこが新鮮ですね。東京だと、本当に駅から遠く離れた何々区の公民館とか集会所でやったりするんです。自転車で稽古場に行くって新鮮ですよ。
__ 
あ、そうなんですね。
村上 
ぎゅっと詰まっていていいですね。目的なく歩いていて楽しいって、そんなにないなと。

__ 
今回の悪い芝居「カナヅチ女、夜泳ぐ」 。どんな経緯で出演が決まったのでしょうか。
村上 
柿喰う客の「恋人としては無理」ツアーで大阪公演に山崎さんにゲストで出てもらったのが最初です。それから山崎さんが東京で公演をするたびに何回か誘って頂いたんですけど、日程が被っていて中々行けなかったんですね。それで初めて見たのが前作の「駄々の塊です」 で、それがすごく面白かったんです。終演後に詳しい出演依頼を聞いてすぐに出ますと返事しました。
__ 
いま、悪い芝居の稽古はどんな感じでしょうか。
村上 
今は進行を急いでいるという訳ではなく(5月19日時点)、関係性であるとか、モヤモヤしたものを整理せずそのまま表現するという作り方なんです。普通はもっと分解して整理していくと思うんですけど、むしろ整理を付けないという事を今山崎さんは言ってますね。僕はそういう作り方は想像していなかったんです。台本をもらって、稽古の期間内、期日までに最短距離で仕上げるスケジュールを考えるのが僕の癖なんですけど、今回はまだじっくりやってますね。モヤモヤしたものはそのまま置いといていいよ、と。
__ 
そこを見せたいからですね。面白そうですね。手応えとしては。
村上 
難しいですけど、考えるのが面白いです。だから大丈夫なのかなと(笑う)何とかなるんじゃないかなと。
__ 
稽古の仕方については。
村上 
ダメ出しするときに、「ここはこうだ」とか、役者に100%の答えを求めるようなやり方じゃないんですよ。今回「う〜ん、分からない」というのを出す演出だからかもしれませんが。ダメ出し、色んな角度から考えるんですよ。さっきの稽古でやったシーンは作品として成立しているけど、別の角度から見たらこうだよ、みたいな。一つ一つの事を聞いて行ったら翻弄されるんですけど、山崎さんから見たらバランスが取れているんじゃないかなと思います。
__ 
役者の方向性は決めないという事なんですね。
村上 
でも、「今どう思ってやったの?」と聞かれて、それに対する否定とかはないんですけど。
__ 
役者にとったらある意味辛いかもしれませんね。
村上 
そうですね。器用な人なら楽しんで出来るのかもしれませんけど。でもそれって、まさしくこれからの自分に必要な能力なんですね。自分で決めるって。その役者だけに演出がつきっきりになる訳ではないし。よく回る独楽より、自分で考える駒になりたいですね。
__ 
フリーになる事を決めた村上さんなら、きっと楽だと思います。
村上 
いえいえ、苦戦していますよ。
悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』

公演時期:2012/06/13〜20(大阪)、2012/07/10〜16(東京)。会場:in→dependent theatre 2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。

「恋人としては無理」全国ツアー

柿喰う客作品「恋人としては無理」の全国ツアー。横浜、福岡、大阪、札幌、愛知などで公演。

悪い芝居vol.12「駄々の塊です」

公演時期:2011/11/2〜2011/11/9(京都)、2011/11/17〜2011/11/21(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、王子小劇場(東京)。

お仕事待っています!

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
村上 
そうですね。ジャンルは何でも好きなので、その意味では恵まれていると思います。どのあたりが自分に向いているのか、それが分かるまでは出まくろうかなと。ここというのは無いんですよ。
__ 
なるほど。
村上 
フリーになったので、その立場を生かして活動範囲を広げていきたいです。お仕事待っています。

OUTDOORのミニボストンバッグ・ブルー

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。どうぞ。
村上 
あっ、ありがとうございます。(開ける)あ。これは嬉しいです。鏡前にあるといいですね。色々散らばっちゃうんで。
(インタビュー終了)