演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫
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映画を撮った夜

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。西山さんは最近どんな感じでしょうか。
西山 
一昨日までHauptbahnhof をやって、昨日今日はこっち(大阪)で映画を撮って、明日東京に帰ります。
__ 
弾丸ですね。お忙しい中お時間を頂いて申し訳ありません。
西山 
いえいえ。
__ 
Hauptbahnhof Greis6「Scale」、お疲れさまでした。ご自身にとってはどんな作品でしたでしょうか。
西山 
あんまりやった事ない感じというか。
__ 
確かに、過激な表現もなく、いわゆる誰でも見やすいものでしたね。
西山 
そうですね、ちっちゃい子もお年寄りも来て下さって楽しめるみたいな。お話はすごくハッキリしていて分かるけれども、考えさせられたって。大先輩の武田暁さんが、泣いて笑ったみたいなことを言って下さって、嬉しかったです。
__ 
全体的なタッチが優しかったですね。人や物事の扱い方があって、それぞれが一度集まっては別々の道に分かれていくという、それだけのお話。お話の筋をきっちりと整合立てている訳ではないというのがミソだと思うんですよ。無理矢理繋ぎあわせるのではなくて、気持ちいいくらい省略していたんじゃないか。
西山 
ああ、そうですね。品のある方だなあと思いました、金田一さん。作品外の事ですけど、本当にやった事のない人たちと一緒にやれたのが貴重でした。岡さん、伊丹さん、御厨さん。全然違うところから集まった、年齢もキャリアも技術も重ねた方々が「演劇はチームだからね」と言って下さって、丁寧にやり取りして作り上げていけたのが本当に嬉しかったです。これ以上のものを絶対やらなきゃという水準が常に高い人たちなんです。上演中も、心の預けあいがあって、毎回、ラストがどう終わるかわからないくらい自由度を持って作れる信頼感があって楽しかったです。
__ 
ありがとうございます。「演劇はチームワーク」。そして、心を預けあって本番を作った。
西山 
本当にそうです。有り難かったです。
__ 
私も客席で拝見していて、上演者の間の心のつながりなるものを感じていました。関係性がすべてきっちりと詰まっている訳ではなくて、そこここにズレが可愛らしく存在している。全ての意味で丁度良かったです。
西山 
あと、俳優は東京で稽古していて、スタッフさんは京都で作業していて。それが当初不安だったんですけど、京都で本番の準備を始めたら全然大丈夫で。そういうところ、金田一さんはすごいなと思いました。集まってんなあ、と思いました。
Hauptbahnhof/ハウプトバンホフ(略称Hbf.)

Hauptbahhof(ハウプトバンホフ)は、金田一央紀によって2010年末に結成されたパフォーマンス団体です。読みにくいのと書きにくいので、「Hbf」と呼んでいただいてもかまいません。Hauptbahnhofはドイツ語で「中央駅」という意味。演劇といってもどんなものを見ていいのかわかんないという人たち、演劇とは全く縁のないところにいた人たちや、これまでもこれからも演劇に携わっていく人たちにとって、とりあえず集まって自分の位置を確認したり、自分の活動の拠点にしたりする場所を作ろう、という気概で設立されました。演劇のジャンルを問わずに劇空間のグルーヴを求めて演劇作品を作り続けていきます。(公式サイトより)

Hauptbahnhof Gleis6 Hauptbahnhof presents アトリエ劇研共催公演『スケール Scale』

公演時期:2015/8/28〜30。会場:アトリエ劇研。

「乃梨子の場合」

__ 
それから、西山さんが主演の映画「乃梨子の場合」も拝見しました。とても面白かったです。不倫の末の殺人、というとても単純なエピソードでしたが、この作品の主眼は「生々しい吐息」に尽きると思うんですよね。殺人シーンもものすごく、こう、適当というか抽象的で。
西山 
ああ、そうですね、あれね。あれは何だったんだろう。
__ 
包丁を取り出して、刺して、気が付いたら死んでいて。その後の死体遺棄からラストまでずっと起伏なく生々しさだけを映している。しかし本来、それ以上のものを求めてはいけないんじゃないか・・・そんな事を思いました。
西山 
ありがとうございます。
__ 
あれは、西山さんの映画なんだなと思いましたね。
西山 
私も、あの映画はお客として本当好きです。演出がキレッキレで。映画を撮る時、私は「何かをやりたい、演じたい」というのはないことが多くて、特に今回の場合はそうでした。演劇は俳優の手渡すものが最終的には全て、て感じありますけど、あの撮影時は起こっている事に対処するのが精一杯、でそれが記録された、ていう感じでした…。
__ 
現場の大変さも画に表れてたんでしょうか。
西山 
私は、映画にしても演劇にしても、その時の事が全部出ちゃうなあというタイプなんですよ。他の出演者との関係性とかも。そういう意味では、旦那役と不倫相手役の俳優さんが、めちゃくちゃ曲者のすごい出来る俳優さんで、私は凄い出来なくて、やってこられる事に対処してたら終わったみたいな。
__ 
なるほど。
西山 
実際大変な状況で撮影してたんですが、何とかそれと被ってくれたら嬉しいです。
__ 
切実さはものすごく伝わりました。そして今、「西山さんはドキュメンタリー俳優なんだなあ」とふと思いました。
西山 
私も、そこは捨てきれない感じです。
__ 
そこはもう、マレビトの会 と相性が良いですね。
西山 
そうですね(笑う)。
__ 
象、鯨。 の時もね。
西山 
ああ、そうですね。やってましたね。私、プロフィールに劇団主宰だったとかを載せてたら、「君はとてもそうは思えない」と言われて。いや本当、自分でもそうは思えないですけど。
映画「乃梨子の場合」

監督:坂本礼。制作:国映株式会社。2014年/カラー/71分/デジタル

マレビトの会

2003年、舞台芸術の可能性を模索する集団として設立。代表の松田正隆の作・演出により、2004年5月に第1回公演『島式振動器官』を上演する。2007年に発表した『クリプトグラフ』では、カイロ・北京・上海・デリーなどを巡演。2009, 10年に被爆都市である広島・長崎をテーマとした「ヒロシマ―ナガサキ」シリーズ(『声紋都市―父への手紙』、『PARK CITY』、『HIROSHIMA―HAPCHEON:二つの都市をめぐる展覧会』)を上演。2012年には、前年の3月に発生した震災と原発事故以後のメディアと社会の関係性に焦点を当てた『アンティゴネーへの旅の記録とその上演』を発表した。 「ヒロシマ―ナガサキ」シリーズ以降、集団創作に重きを置くとともに、展覧会形式での上演や、現実の街中での上演、インターネット上のソーシャルメディアを用いた上演など、既存の上演形式にとどまらない、様々な演劇表現の可能性を追求している。 <マレビトの会 活動方針> ・無償で無尽蔵な実験精神をもつこと。 ・あらゆる既存の価値観にとらわれず、理解し難い特殊な場所や状況を受け入れ、作品を創作すること。 ・わたしたち自身や鑑賞者の立ち位置をゆるがすような「絶対的なもの」へ捧げる作品を創作すること。 ・国家や共同体などの中心性を持つ情報管理社会に搾取されることのない周縁性をもつこと。 ・誰もが参加可能なゆるやかでささやかな祝祭空間を演劇の場に出現させること。 ・演劇における「時間」のことを考えること。(公式サイトより)

象、鯨。

主に京都で活動する劇団。2008年現在、活動休止中(公式サイトより)

「ドキュメンタリー女優」

__ 
Hauptbahnhofでの西山さんも、「ドキュメンタリー女優」だったような気がします。
西山 
「ドキュメンタリー的な」、というのは、つまり・・・?
__ 
西山さんそのものを見ているみたいな感じ。相手が役者でいる事、自分がお客さんでいる事を忘れているような感覚があるんですよ。ふと、具体的な関係が消えて、どういう関係でもなくなるみたいな。
西山 
そういう感じは常に欲しいところでもありますね。その方が見ていられるというか。普通に喋っていて、次に何を喋るのか分からないこの感じの時の脳味噌を分析して演技するときに再現する。
__ 
え、凄い。
西山 
え、単に好みなんです。
__ 
それを見ているお客さんは、その人の考え方がとてもよく理解できるので、つまりは味方になりますね。
西山 
あー、そういう風に、私の考えている事を分かって欲しさというのは自分の最近の流行ですね。今までは脳味噌の中の事に興味がありすぎて、出てくるかたちにはあまり興味が無かったんです。それだと、当たり前ですけど全然分かってもらえなくて。日常生活でも同じですけど。分かってもらう為の形にするということ、につい最近、興味を持つようになりました。
__ 
役者個人の生き方によって、形も違ってきますよね。
西山 
あと、色んな人の発言やアイデアに対して、昔はものすごくとんがってたんですけど、今は「やってみよ〜」と思うようになってきました。
__ 
昔は批評的な目で見ていたのが、今は違う。
西山 
若気の至りで、良かった事もありますけど、その時よりも、社会とか人の考えている事に興味が持てるようになってきました。

質問 青木 道弘さんから 西山 真来さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた、ArtisitUnitイカスケの青木道弘さんから質問を頂いてきております。「年上なら何歳までつき合えますか?」
西山 
うーん・・・70歳ぐらいのめっちゃセクシーな方を想像していました。上限とかはないのかな。でも、付き合ってすぐ死んじゃったらいやだなと。えー。結構、そんな事を抜きで言ったら「上限なし」です。

脳で悩む

__ 
役者として、今興味あるのは「今思っている事を分析して、再現する」という事?
西山 
あ、ちょっと微妙に違うくて。脳味噌の中の作用を観察はするんですけど、自分と役、それぞれの脳味噌の回路の出会うところを探すのが楽しいですね。
__ 
なるほど。
西山 
二つの回路は絶対違うよなあ、と。例えば「後ろから声を掛けられる演技」の時、自分だったらこのタイミングで振り返るけど、役の人だったらそのタイミングでは振り返らないだろうなあ、とか。
__ 
役の生の認識と、役者の認識のおとしどころ。
西山 
人間の生理とかに興味があって。
__ 
私も実はそこに興味があって。人間の行動ってものすごくたくさんの段階があるじゃないですか。あんまり上品な話でなくて申し訳ないのですが、近くの通学路に「夜道に気を付けよう」みたいな看板があるんですけど、そこに「レイプ」って落書きがされてるんですよ。赤いスプレーで。それを書いた犯人の段階を想像すると楽しくなってくるんですよね。赤いスプレーを選んだ瞬間の彼の身体や認識はどうなっていたのか。その選択肢が浮かぶ瞬前は。看板の前に立ちスプレー缶を握った時、ノズルを押す瞬間の彼は果たして迷っていなかったのか、赤インキが着弾する瞬間の看板と、その時彼のどこが汚れたのか、「レ」のハネを始めた時、終わった時、次の文字に取り掛かる時、終わった時、その場を離れる時・・・どの段階にも分析の余地があり、シーンを切り出す度に想像が始まる。
西山 
へー。
__ 
行動はものすごくたくさんの段階に分かれている。
西山 
かなりそれに近い事を考えていると思います。自分のやった事を見る。私、その人は意外と行動を先にしてしまったんじゃないかと思います。そういう人との分かりあえなさも含めて面白いなあと思いますね。演劇とかだったら、そういう再現を複数人でするから、それぞれ全然違う事を考えていて、もう複雑!ってなる。けど、稽古を進めていくと「あーそうなるよね」って、すっといく瞬間もあるのが不思議。マレビトの会みたいにそれを求めない、「そこにあるだけ」を大事にするところもあるし。
__ 
全てに共通するのはお客さんがいるという事。それぞれの感動があって、中にはとても訳の分からない感動もある。
西山 
お客さんて私、あんまりよく分かってなくて。ちゃんとエンターテイメントするっていうのをこれまでやってこなかったからかもしれないけど・・・映画は「その場でそういう事が本当に起こった」としてやるけど、演劇だと「そういう事が起こったことをお客さんに伝える」ってする。それって全然違う事だなあと思います。Hauptbahnhofの時はそれが凄く上手くいった時がありました。それが大きな収穫だったんですね。それが何なのかというのはまだちょっと分からないですけど。

やりとりに愛してる

__ 
西山さんが相手役の方と会話を演じる時、どんな事に気を配っていますか?
西山 
うーん。相手役との関係って、すごく細かい目盛りまで見てる人に伝わっちゃうと思うんです。なので・・・。稽古場では、心の柔らかい部分をお互いに渡し合うような作業をすると思うんですけど。相手が柔らかい部分を渡してくれるなあ、そして自分も渡す…。あ、だから、相手の人をめっちゃ好きになっちゃうんですよ。男女問わず。
__ 
なるほど。
西山 
別に、必ずそういう関係になろうとはしていないですけど、いつの間にか。
__ 
「乃梨子の場合」の時は?
西山 
うーん、あの時は余裕もなかったので・・・全部対処するぞ、みたいな。ロケだったら環境から受ける事もあるし。感想を持つ間も無かったような。

いつかのこと

__ 
いつか、こんな演技が出来るようになりたいとかはありますか。
西山 
いっぱいあるんですけど・・・いまパッと思いついたのだけ言うと。この2、3年で、「この人すげーな」と思う先輩に出会いまくってて。そのお一人が・・・この八月に、喋れない大先輩の俳優さんと映画でご一緒する機会を得て・・・。言葉も大きな動きもないのに、シーンがパンッと始まった瞬間に、「あっ違う人になった」と分かったんです。まとってるオーラが違うというか。すげえなと。
__ 
その人のその瞬間。
西山 
何が起こったのか分からないんですよ。何で?みたいな感じ。そういうのが、演劇っておもしろいなあ、脳味噌って面白いなあと。出来る事がたくさんあるんだなあと思って。
__ 
脳同士が、その持ち主達の意志とは関係なく、形にならない情報を送りまくっててしかもリアルタイムで情報整理を続けて、未来予測もしている。
西山 
そうですよね。不思議ですよね。お芝居にしても、ウソをわざわざ見に行って、何の根拠もない事件を観て。何なんだよ、と思う。
__ 
嘘の状況を楽しんだり、もしかしたら必要とするのかもしれませんね。
西山 
うーん。そうですね。あと、また全然別の話で、俳優ではなくパフォーマーの人の演技に憧れる部分があります。パフォーマーの人の演技は、その人自身がやりたいこととして成立していながら、魅せる演技としても成立している。フィクションの中でそんな演技が出来るようになりたいです。でも、もうちょっとジャンプもしていきたい。

憧れ

__ 
いつか、一緒に仕事をしたい人や劇団はありますか?
西山 
同世代で、この時代を、どの土地で、どうお金とか精神をつかって生きてくかを作品で示唆してくれた、映画監督の濱口さんとかヒスロムとか空族とか三宅さんとか鈴木さんとか木村さんとか山崎さんとか佐藤零郎とか小沢さんとか荒木さんとか・・・もうほんといっぱい居るんですけど、そういう人たち。でも自分が理想を持って動いてれば出会うべき人には出会うという実感があるので、縁があったら、ガガガガっとやる!て感じです。マレビトの会もわっしょいハウスも鳥公園も必然だったし。人には多すぎもせず少なくもない、キャパってもんがあると思ってるんで。

景色

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
西山 
続けていって、いく内に見える景色がみたいです。
__ 
ありがとうございます。西山さんならきっと見えると思います。

キャラメルみたいな携帯用石鹸

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。つまらないものですが。
西山 
ありがとうございます。開けていいですか。
__ 
もちろんです。
西山 
ハッピータイムですね。プレゼントをもらうことなんてないです。(開ける)へー。16個入りという事は、小さい石鹸が入っているという事でしょうか。
__ 
そうですね。
西山 
キャラメルのにおいがする。
(インタビュー終了)