悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』 宣伝隊長として
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近は宮下さんはどんな感じでしょうか。
- 宮下
- 悪い芝居vol.13「カナヅチ女、夜泳ぐ」の稽古中です。客演さんも集まってきて、本格始動ですね。
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- 次回の「カナヅチ女、夜泳ぐ」。宣伝隊長としてはいかがでしょうか。
- 宮下
- よくご存じで。先日、公演に向けたUstream放送をしまして。その司会とか、させてもらっています。やっぱり入団して一年経つから、そういう事もしていくようになりましたね。
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- 一年。ABC春の文化祭 が悪い芝居初舞台なんですよね。
- 宮下
- そうなんですよ。緊張したんですけど、ウケてもらって。良かったです。僕は熊の着ぐるみが衣装だったんですけど、毎日直径60センチ程の大きい熊の頭部を黒いゴミ袋に入れて通ってました。不審者に見られていたと思います(笑う)。
悪い芝居
2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)
悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』
公演時期:2012/06/13〜20(大阪)、2012/07/10〜16(東京)。会場:in→dependent theatre 2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。
ABC春の文化祭
2012年からABCホール開館4周年記念として始まった 関西で活躍する劇団・ダンサー・歌手・芸人・浪曲師などが集まって20分ずつ公演する企画イベント。
胸に刺さるような感じ
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- 宮下さんが悪い芝居に入ったのは。
- 宮下
- 僕は現在大学生でして。元々、劇団ACT に入ってたんですよ。実は元々、お笑いが好きだったのでサークルも落語研究会とかにしようと思っていたんですが、サークル棟の部室にまでたどり着けず、演劇部に入っていました。そこでコントを作ったりしていたんですが、悪い芝居が2009年に上演した「最低の夢」を観たんですよ。それが、なんだか、面白い・つまらない以外の、一人で帰りたくなるような気持ちになったんですよね。
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- というと。
- 宮下
- 胸に刺さるような感じがあって。この劇団で自分もやれればいいなと思ったんです。さらに悪い芝居劇団員の池川(インタビューURL貼付けていただいて)が大学の一つ上の先輩なんですけど、その繋がりで2010年上演の「キョム!」を見て。その稽古を見学させてもらい、年明けのメンバー募集に応募して 入団が決まりました。
劇団ACT
京都産業大学にある演劇部の通称。
自由の効かない感覚
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- さて、カナヅチ女のチラシですが。
- 宮下
- いろいろ興味を持って頂けるチラシにはなっていると思います。この宇宙服の女の子がカナヅチなのか、なぜ街の写真があるのか、とか。
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- このチラシの絵、どういうシチュエーションだと思われますか?
- 宮下
- この絵は悪い芝居の、演出助手やったりマンガ描いたりしてる進野さんが描いているんですが、僕は今回の製作段階を横で見ていたんです。上に上がって行っているのか、下に沈んでいるのか。どうご覧になりますか?
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- 奥から手前に吸い込まれているんだと見えますね。彼女の顔に当たっている光源があるので。その光に吸い込まれているのかな。どちらにせよ、普通の重力のかかり方ではないですね。
- 宮下
- 「無重力」というのが、今回の作品のキーワードで。稽古の最初のほうで言われていたんですよ。水の中で泳いでいる、自由の効かない感覚が、小劇場で感覚出来ないかなと。今、稽古で発掘しています。
身体に責任を持たせる
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- 今回の公演、宮下さんはどんな感じなればいいと思われますか?
- 宮下
- 去年入ったばっかりなんで言うのはアレかもしれないですが、悪い芝居にとってはかなり大事な公演だと思っています。山崎さんが書いた悪い芝居vol.12「駄々の塊です」 が第56回岸田國士戯曲賞にノミネートされて。受賞は他の方に決まったのですが、最終選考後受賞出来ず第一作というタイミングの二都市公演なんですね。まあ、だからと言って、作品に入る力はこれまでと一緒で、これが悪い芝居だと言えるものを作りたいです。期待には応えるけれど予想は裏切りたい。
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- 期待には応えるけれど予想は裏切る。
- 宮下
- もう、そこですよね。ありがたい事に、楽しみにしてくださる方もいらっしゃるので。そこをぐわーっと、一段とばしでやりたいですね。
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- 先程大川原さんにインタビューして伺ったのですが、今回の稽古場、台本を最初からきっちりとやるという訳じゃないのですね。
- 宮下
- 台本を形にして、役者と演出とで ぐわーっと一気に作り混んで作品にすることは出来るんです。でも、それがしたいのではないな、となって。文字を読み上げるのが演劇ではないので、身体のちょっとした動き一つにも意味を持たせる稽古をしてます。
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- なるほど。
- 宮下
- それでこそ、身体に責任を持たせる事が出来ると。それを3月頃からやっていました。地獄でしたけど・・・(笑う)最終的に形にはなると思います。
悪い芝居vol.12「駄々の塊です」
公演時期:2011/11/2〜2011/11/9(京都)、2011/11/17〜2011/11/21(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、王子小劇場(東京)。
質問 大川原 瑞穂さんから 宮下 絵馬さんへ
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- 前回インタビューさせていただきました大川原さんから質問です。「意識している演劇人はいますか?」
- 宮下
- あー、ちょっと待ってください・・・。月面クロワッサンの作道君かな。ぼくと同期なんですよ。仲良くしてるんですけど、同い年で作演で。そういうところでは意識はしています。
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 宮下
- 僕個人も客演という形でお仕事を頂いてきているんです。それも、悪い芝居に入っていなかったら巡り会えていない方とお芝居出来ているんですね。ありがたいですね。
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- なるほど。
- 宮下
- twitterで「悪い芝居の宮下を見かけた」って書かれるとヒヤッとするんですけどね。でも嬉しいです。いつもオーバーオールでいたほうがいいのかもな。
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- キャラ作りですね。
- 宮下
- 京都関西の、太っている役者の代表を目指します。あとは、少し先の話かもしれませんが、自分で作る事も考えていきたいです。
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- あ、劇作をされるんですね。
- 宮下
- 実は学生劇団ACTで、脚本・演出をやっていたんです。僕らの代のACTはコントが多かったですね。5分ぐらいのやつを15本くらい上演する芝居で、12本書きました。今も、悪い芝居のメンバー紹介で、作がクレジットされているので・・・。悪い芝居の看板で作るのはまだまだちょっと怖いですけど、いつか書けたらと思います。
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- 楽しみにしています。
キワノフルーツ
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
- 宮下
- ありがとうございます。(開ける)何ですか?これは・・・
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- 南国産の、キワノフルーツです。切ると緑色のものが出てくるようです。
- 宮下
- これフルーツなんですね。楽しみです。
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- 980円しました。
- 宮下
- (笑う)普通、そんな高い果物買わないですよね。