演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫
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KAVCプロデュース 木皿泉×末満健一「君ほほえめば」

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願いします。
清水 
よろしくお願いします〜。
__ 
お久しぶりです。本当に。先日のKAVCプロデュース、木皿泉×末満健一「君ほほえめば」に出演されていましたね。大変面白かったです。
清水 
ありがとうございます。
__ 
いかがでしたか。
清水 
私は木皿さんの作品が大好きで、「すいか」ファンとしてはもう、とても光栄だったんです。ちょっとお話は違うんですが、3人の女友達が一緒に暮らし始めるという話で。オーディションに受かった日から、恥ずかしい話、毎日泣いてて。
__ 
えっ。
清水 
舞台のブランクもあったし、舞台が好きなだけでやっていいのかなと。責任感と嬉しさで葛藤の日々でした。
__ 
清水さんのブログに、最後の一週間でまとまっていった、という実感があったそうですね。
清水 
途中、キャストの変更があったりして。私自身もそれまで不安が残っていたんです。でも最後の一週間、みんなとお互いの考えている事を正直に打ち明けたりしたら、やっとほぐれてきて、自分が立つ舞台の姿が見えてきたんです。最後でもっていけた感じでした。
KAVCプロデュース 木皿泉×末満健一「君ほほえめば」

公演時期:2013/3/14〜18。会場:神戸アートビレッジセンター。

FMシアター「呼吸する家」

__ 
清水さんは、最近はいかがでしょうか。
清水 
君ほほえめばのあと、「この木皿さんとのつながりが夢に終わらないといいなあー」って思ってたんですが、先日、6月のラジオドラマに出して下さる事になったんです。6月末に放送です。
__ 
そうなんですね!聞けるかな。
清水 
NHK-FMで、50分の作品らしいんですけど。6月29日に放送です。キャストは温水洋一さん、白石加代子さん、ケーシー高峰さん、と私です。
__ 
それは多分、土曜日の22時から放送される「FMシアター」ですね。
清水 
おお〜詳しい。それが私の今の生きがいです。
__ 
その他、演劇とは関係ない方面では。
清水 
姉の結婚が決まって、東京に引っ越しまして。それに伴い、色んなものが送られてきたりしました。テレビとか、ローテーブルとか服とか。
__ 
一種、羨ましい話ですね。
清水 
私も上京するので、買わなくてラッキーです。
FMシアター「呼吸する家」

放送時期:2013年6月29日 22時〜22時50分。放送局:NHK-FM放送。

しなやかで強い、竹のような・・・

__ 
清水さんはヨガのインストラクターをやってるんですよね。私も最近、ヨガが気になっていて。実は「寝ながらヨガ」というスマホのアプリで軽いヨガを受けて寝てるんですよ。言葉の表現のチョイスや指示のコンテキストとかが、もしかしたら大事なのかな、と思うのですがいかがでしょうか?
清水 
私もインストラクターになるまではヨガを学んでいたんですが、レッスンを受けるのとやるのとは違うんですよね。教え始めてから考えが深まっていきました。年配の方にも教えているんですが、体が硬かったりする方をいかにほぐしてあげられるか。言葉も声のトーンも選ぶんですが、私は元々声が高くないので、そこが緊張を和らげるのにいいのかなと。
__ 
へえー。
清水 
年配の方だと、何ヶ月か経ったら、体が柔らかくなっていくのが目に見えるんですよ。背中が丸まってた方が、ましになったなとか、身長が伸びたよというおばちゃんもいたり。
__ 
日常での身体の使い方を良くしてくれる。そんな効果もあるんですね!面白いですね。
清水 
その人の体に、その人の性格が出て面白いんですよ。生真面目な方の身体ほど硬かったり、考え方が柔軟な人は柔らかい。心と体って繋がっているなあと、身を持って感じますね。演劇をやっていても同じように思う事もあって、勉強になります。
__ 
人の顔に性格が出るのと同じ事ですよね。適当な生き方をしている人は、要所要所以外は緩めるからリラックスした体勢で生きている。緊張に置かれた生活をしている人は、ガチガチになりがち?
清水 
そうですね。ヨガはポーズやストレッチだけではなく、筋肉を鍛える事もするんですよ。
__ 
へー!
清水 
しなやかで強い、竹のような身体を作るのが私個人の目指す所です。コアな筋肉を鍛えて、柔らかくかつ土台のしっかりした肉体を作っていきたいですね。

質問 古藤 望さんから 清水 智子さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂きました、古藤望さんから質問を頂いてきております。「響きの好きな英単語を教えて下さい」。
清水 
英単語かー。あるとは思うんですけど・・・日本語でもいいのかなあ。
__ 
いいと思います。
清水 
「いぬ」が好きです。「い」と「ぬ」で犬を表現するんやなと。可愛くないですか?
__ 
あ、分かります分かります。実体である犬を表すのに「いぬ」という言葉を使うという、その理不尽さの面白さですね。分かります。
清水 
うん。あはは。
__ 
しかも、「いぬ」という言葉が持つ印象に可愛らしさと蔑みが同居していて。
清水 
そういうのがたまらなく好きで、ずっと考えているんですよね。「君ほほえめば」の時も、末満さん演じる引きこもりのケンを犬と呼ぶセリフがあったんです。何回かは心を込めて言ってました。
__ 
ネーミング、大切ですよね。私の中では「しみずともこ」は透明感があって、何か色々教えてくれそうな、賢そうな印象です。
清水 
ホントですか。へー。
__ 
まあそのままですけど、でも、「とも」がフレンドリーですよね。
清水 
大丈夫ですか、似あってますか。
__ 
はい。
清水 
あ、英単語。「ONE」が好きです。音と意味が愛しいです。

本当に楽しそうに

__ 
清水さんがお芝居を始めたのはどういう経緯があるのでしょうか。
清水 
元々中学からダンスをやっていて、ダンサーになりたかったんです。ヨーロッパ企画 で芝居をしながらディズニーランドのオーディションを受けていて、でもその内にお芝居が楽しくなってきて。いつの間にかダンスは仕事から趣味になっていきました。
__ 
そうなんですね!ダンサーだったとは知らなかったです。
清水 
よく言われるんですよ、踊れそうには見えないって(笑う)。でも何度か、お仕事で踊った事はあるんですよ。
__ 
いま芝居を続けているのには、どのような理由があるか説明出来ますか?
清水 
うーん、なんやろう。傲慢かもしれないですけど、これまで生きてきて、自分が、他人とかなり違う感じ方を持っているんじゃないかなと。
__ 
そうでしょうね。
清水 
恥ずかしいですけどそういうのがあって。それが誰かの楽しみになったらいいなと思うんですよね。私、ままごとの端田新菜さんが大好きで、この人に出会えて本当に嬉しい、と面識ないのに片思いしてます。あの人は本当に楽しそうにやっていて、見ている人が幸せになるんですよ。私も、誰かにとってのそういう存在になれたらなと思います。
__ 
「いぬ」の事とか、ですね。私は多分、その一人です。
清水 
ありがとうございます。
ヨーロッパ企画

98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。(公式サイトより)

プリズム

清水 
演じている人って、凄いなと思うんですよ。初めてまともに見た芝居が、MONO の「燕のいる駅」なんです。それまでもドラマとか映画で演技というものを見ているはずなのに、そのとき舞台上にいたみなさんを観ながら、生身の人間が演じるってこうなることなんだ・・・と、初めて目の当たりにした気がしました。
__ 
目の前で行われている演技が新鮮だと思える。役者の仕事の一つの到達点かもしれないですね。
清水 
衝撃的でした。
__ 
清水さんは、いつかどんな演技がしたいと思いますか?
清水 
そうですね。演技って凄いという気持ちとは裏腹に、自分からそんなにかけ離れた事は出来ないと思っていて。「君ほほえめば」の時もそうでした。自分から派生した演技しか出来ないと思うんですよ。
__ 
ええ。
清水 
私は自分の範囲内で、自分の感じ方を深めて、表現出来たらいいなと思うんです。
MONO

京都を拠点に活動する劇団。

真心を込めて

__ 
清水さんは、今後どんな感じで攻めていかれますか?
清水 
難しいですねー。今回の「君ほほえめば」もラジオドラマもそうなんですが、自分にとって大切な仕事に度々出会えていければいいなと。一回一回、丁寧にこなしたいです。
__ 
なるほど。
清水 
真心を込めて、大切にやったら繋がっていくと信じています。
__ 
東京で何が見つかったらいいですか?
清水 
一人暮らしをする中で、自分と向き合う時間が増えるんですよね。それが楽しみですね。

ホリデーアパートメントののれん

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。つまらないものですが、どうぞ。
清水 
わあー、凄い。開けさせていただいてよろしいでしょうか?
__ 
どうぞ。
清水 
あ、かわいい。
__ 
それはですね、のれんなんです。
清水 
選んで下さったんですか。
__ 
東京で一人暮らしをされると知って。使って頂けたら嬉しいです。
(インタビュー終了)