演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫

西川 右菜

ダンサー

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ウソ

__
会話が盛り上がらなかったらそこで打ち切りましょう。
西川
いえいえいえ。ここ、コーヒーがおいしいと聞いてますけど・・・・・・
__
いや、おいしいですよ。
西川
じゃ、コーヒーで。
__
僕も。
  
(店員さん、離れる)
__
それ、ウソなんです。
西川
ははは、え?
__
いや、ここの七階だか八階だかのレストランで飲んだコーヒーが異常においしくて、でもここに来るのは初めてなんです。
西川
あ、そうなんですか。
__
すいません。ええと、西川さんは造形大の4回生だと聞いておりますが、それは本当ですか?
西川
本当です。
__
私も同じく、4回生なんですよ。それで親しみを覚えまして。
西川
そうなんですか。なにかそういうお芝居つくりをされてるんですか?
__
まあ、チラシを配ったりとかですね。芸術センターのこういうやつとか。(チラシを出す)明日、お暇でしたらまだ席ありますよ。
西川
そうなんですか。
__
このね、「紙風船」がすごくお勧めなんですよ。
西川
結構、色々な公演がされていますね。劇場とかありますよね。よく造形大にもこられるんですか?
__
行きますね。お顔を拝見したことがあるかも知れません。
西川
でもふだん着物着てないので。わからないと思うんですけれども。造形は学科も色々あるんですけど、私は歴史遺産の勉強してるんですよ。
__
歴史遺産?すげー。
西川
文化の方なんですけど。
__
文化?えー。うわー。ああ、そうですか、それは。ちょっと緊張してきました。うわ。
西川
そういう勉強なさってるんですか?
__
いや全然。なんか値段の高い話題になってきたもんで。
西川
私も本当に、寺社とか古いものに興味があったんです。色々と楽しい思いをさせてもらってるんです。
__
はあ。
西川
学校ではどんな勉強をなさってるんですか?
__
ええ、単位が取れる程度には・・・。
紙風船

京都芸術センター New Produce Project-3 むずかしい演劇 プログラムC「紙風船」 脚本/岸田國士 演出/藤原康弘(小さなもうひとつの場所) 公演時期:2003年2月5〜8日。会場:京都芸術センター フリースペース 。

劇団衛星

西川
私も結構、演劇とか映画とか見るの好きで。
__
あ、そうなんですか。芝居を。
西川
はい。お知り合いのお芝居とか見に行ったりとか。
__
どのような。
西川
ジャンルは限らず。コメディからシリアスなものまで。
__
京都とかでは?
西川
友達に誘われて立命の月光斜いったことありますよ。
__
ああ。
西川
劇団衛星ってよく聞きますよね。
__
あ、ありがとうございます。うれしい、ちょっと。
西川
ええ。
__
なんかいろいろチラシとか持ってくれば良かったなあ。
西川
日舞も「演じきる」って点では一緒なんで。こう魅力的だと思うんですけど。
__
そうですよね。何か、そこは舞踏とかダンスとかとは違いますよね。同じ表現するにしても日舞は役を曲のなかで演じることに重点が置かれている。
西川
地唄さんっていって三味線や歌を通して物語を言ってくれてるんですけど。私の流派は歌舞伎舞踊が中心なので、舞踊だけじゃなくって台詞も言ったりするんですけれども。
__
ああ、そうでしたね。
西川
バレイなどとは少しちがいますよね。
__
いや、でもまあ、是非観に行ってみたいですよね。
西川
是非。

キッカケ

西川
この間の授業ではお見せしなかったんですけれども、姉と心中物をやったこともありまして。
__
心中物。
西川
近松門左衛門の物語で、梅川忠兵衛っていうお話があるんですよ。遊女梅川と恋をした忠兵衛が逢引するために自分の働いているお店のお金を持ち出してしまうんです。それで駆け落ちするという。私が忠兵衛役で姉が梅川役でやったんですけれども。
__
なるほど。
西川
感情はすごい表現されるんですね。
__
なるほど。
西川
だから、演劇をみたりやっていらっしゃるかたにも楽しんで頂けるとおもいますし。
__
なんか、全然想像と違う人だったのでびっくりしています。
西川
そうですか。どんな?
__
なんかね、お嬢様的なイメージが。でもどんな方とも自然に話せそうな感じですよね。
西川
日舞をしていると色々な方とお話して頂けるので。普段は話せない方ともお話できて、すごい得してるなぁと思うんです。
__
ええ。
西川
そうじゃないですか?
__
え?僕がですか?いやー。でもそうですね、あのときかなり思い切ってメールをさしあげましたね。
西川
ええ。
__
で本題に入ろうと思うんですが、ねえやっぱ理解されにくいと常々思うんですよ。食わず嫌いっていうのがあるのではないかと。その辺はどうですか?
西川
やはり、キッカケがあって観て頂けると思うので。そういうキッカケってこちらから与えて、お客さんに来てもらうっていうのが私はだと思うんですけど。そこからやっぱり評価が分かれると思うんですけど。
__
ああ。
西川
実際に、私の師匠のところに習いに来られてる高校生の女の子の方なんですけど、学校のなにかで日舞を見てやりたいっていらしたんですね。それもちゃんとしたキッカケがあったからで、やっぱり表現する側から積極的にって私は思うんですけど。
__
そうですね、演劇もそうですけど食わず嫌いとかに対してちゃんと誘導?するって重要なんですね。
西川
お客さん側から「この人が観たい」って、そうなってくれればと思うんです。ふふふ。こちらもね、最初から難しい技術を披露するんじゃなくて、実はこういう見方もあったんだよ、みたいなアピールも出来ますし。見る人にとったら共感するものはあると思うんです。
__
なるほど・・・・・・。
西川
だから、難しいっていうのは唄の言葉が現代語じゃないんで、難しいというのはあると思うんですけど。物語の内容が分かれば楽しめると思うんです。
__
ああ、やっぱ情報の時速みたいなのが問題なのかなと。
西川
ヒップホップとか全然スピードが速いじゃないですか。それと同じですね。
授業

西川さん姉妹は立命館大学での伝統芸能論で出張授業を行っていた。

喫茶店派の西川さん

西川
日本舞踏も娘役だけじゃなくて、丁稚さん役とかもやらせてもらったりっていうのは楽しいですね。
__
楽しいですか。
西川
その役になりきるというか。観客の方に感情が伝わったりすると嬉しいじゃないですか。
__
そうですね。
西川
そういう部分ではやっぱり楽しいなって思いますね。
__
でもそう考えると、やっぱり演劇と同じですね。観客がいないと始まらないっていう。
西川
そこが一番だと思います。観ていただく方が一番にあると思うんですよ。観客があっての演じ手なので。大道具さんや照明さん、顔師さん、床山さん、衣装さんと多くの方の力で舞台が作り上げられます。そのような方々によって私も舞台に立つ事ができるわけですし。

マリアージュフレールの紅茶

__
コーヒーとか紅茶とか、お好きですか?趣味として。
西川
え?はい、喫茶店めぐりとかしていたので。
__
あ、そうですか。どんなお店に。
西川
有名な所なんですけれど、六曜社のコーヒー、おいしいんですよ。
__
ああ、へえ。いきたいなあ。
西川
是非行って下さい。
__
はい。今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
西川
はい。
__
どうぞ。
西川
いいんですか?え、これは紅茶なんですか。
__
紅茶ですね。
西川
すごい。
__
BALの一階の専門店のやつです。
西川
すごーい。あそこおいしいんですよね。
__
開けてびっくりしていただけるとやりやすいです。
西川
あーすごーい。いいにおいですね。
__
良かった。
(インタビュー終了)