セカンドステージ
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- 今日は宜しくお願いします。
- 山本
- 宜しくお願い致します。緊張しますね。
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- そうですね。
- 山本
- ホンマですか。HP見てると、慣れてはるなあと思って。
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- いえいえ。これ、ただの趣味でやってますからね。別に慣れまくっているとかはないです。
- 山本
- いや、趣味ってのがまた。
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- いえいえ。最近どんな感じですか。
- 山本
- 最近はですね。こないだPASSIONEさんが終わったばかりなんですが、大分昔のような感じが。
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- ああ。
- 山本
- でも、もうすぐM_PRODUCEのワークショップに行ったりしています。
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- いかがでしたか。
- 山本
- 楽しかったですね。私は実は、学生劇団から、基本を固めるワークショップを受けた事がなくて。
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- どんな事をされたのでしょうか。
- 山本
- 初めは体をほぐしたりしてたんですね。「役者は足が大事だ」って、ひたすら足をマッサージしたり。軽いウォーミングアップから始まって。それから、動きを真似するトレーニングですね。室内で全員が自由に歩き回り、一人がある動きを加えたらそれをみんなが真似していって、その反応の速度を高めていくという。そういう基礎的な事やエチュードとか。凄い楽しかったですね。
蒲団座
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- 山本さんがお芝居を始めたのは、どうしてでしょう。
- 山本
- 実は、渡部篤朗さんがもの凄い好きで。私が大学2回の時に「ケイゾク」っていうドラマがあったんですけど、それにすっごいハマって。こんな凄い役者さんがいるのかと。演技の細かさとか。それから渡部さんのインタビューを掲載した雑誌とかを買いあさったりしました。計算した演技とか、自分を表現する貪欲さとかが書いてあって、とにかく惹かれたんですね。
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- そういうのが、お分かりになったんですね。共鳴したというか。
- 山本
- そう、そうです。なるほどと頷けるような話ばっかりで。何とかして彼と同じ事をしたいと思って、それまでお芝居なんて見た事もやったこともなかったんですが。最初は映研に行ってみたんですけど、唯のサークルと化していて。違うなと。
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- 大谷大学映画部ではなかったと。
- 山本
- そうなんです。次に蒲団座って大谷大学の演劇部に行ったら、すごく丁寧に説明してくれて。是非、みたいな。
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- あの、キレイなBOXで。
- 山本
- あ、知ってるんですか。私が入部する前は汚かったそうなんですが。それが大学2回の春ですね。新歓公演に出させていただいて。今のnono&lili.の人達が私の直属の先輩ですね。
演出家さんは人を見る
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- 山本さんの、稽古のやり方とかを伺えれば。
- 山本
- うーん。そうですね。当たり前ですけど、ひたすら稽古ですよね。疲れてくると、うっかり手を抜いてしまうじゃないですか。何回も同じシーンをやると飽きてきたりとか。だんだん中身を置いてきて形だけでやってしまうとか。そういう状態に陥っても、何か新しい発見をしなきゃねっていう。そういう事は、競演の役者さんとも話しますね。
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- なるほど。ところで山本さんは、どのような役どころをよく振られるのでしょうか。
- 山本
- こう見られているだろうなというのは、私は基本マイペースで、運動神経が良くないので。舞台上で激しい動きがあんまり出来ないんですよ。ダンスとか100%ムリですね。だからか、のんびりした人みたいなキャラを当てられていたりしていたので、そういう風に見られているんだろうな、というのは分かっていたんですけど。鈍くさかったりボーっとしたりする役をやっていて、正直やりやすかったんですが、最近、演出家さんによって見られ方が違うという事に気づいて。
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- というと。
- 山本
- 田辺剛さんという方の演出を受けていた時は、もっと自我の強い女をやってくれと言われたり、アルケミストでは少年の役をやったり、PASSIONEさんでは毒舌キャラみたいな。蟻蛸蛆さんからは、「山本さんは笑いながら人を刺すみたいなのが絶対いいんだよ」って言われて、今までやった事がない、リーダーシップを取るような女の子をやりましたね。
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- 忙しいですね。
- 山本
- そんな感想(笑う)? でも、こんなにも見方が違うのか、と思いましたね。演出家さんって、人を見るじゃないですか。山口吉衛門さんの演出だったら、もっと汚くやるのがいいよ、みたいな。面白いなあって。
もう自然な
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- 山本さんは、今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 山本
- それ、本当に毎日考えてたんですけど出てこなくて。こんなにも出てこないのは。今まで私は攻めるという考えを持ったことがないんだなあと思って。
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- おお。攻めるより、続けていくタイプなんですかね。
- 山本
- 全然そっちですね。演劇人としてどう攻めるか、というのが本当に出てこなくて。今まで息をするように演劇をしていたので、当たり前だったんですよ、それが。多い時期だったら年に7・8本、少ない時期だったら2・3本だったんですけど、私の中ではどういう場合でも生活の一部だったんですよ。
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- なるほど。
- 山本
- 長く続けようと思ったこともないんですね。
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- 出演の話が来て終わるまで、もう自然な。
- 山本
- 自然体ですね。
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- あ、そうなんだ。
- 山本
- そうなんですよ。あまり褒められた事じゃないと思うんんですが。皆さん、こういう話だとどう応えられるんですか?
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- 人によりけりですね。長く続ける事が目標という方も多くいらっしゃると思いますし。
- 山本
- それ、凄く分かります。あえて、目標を挙げるなら、そこですね。・・・私実は、もうすぐ結婚するんですよ。で、子供を産んだとして、育てて、手が離れて、芝居をする環境になったとしたら芝居をすると思うんですよ。結婚したり就職したりしたら芝居をやめなきゃならないとか言うじゃないですか。そういうのも私は全然なく(少し笑う)。このまま、何も変わらない感じですね。
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- そうですね。長く続ける人が増えて欲しいですね。
- 山本
- うん。色々事情があると思うんですけど、やりたいなら、やらなきゃ。
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- そうですね。残業があって平日の稽古に参加出来ない人でも、土日に稽古するようにシフトする事も出来るわけで。
- 山本
- ああ、そうなんですよね。
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- 根性並や調整力とかが必要になってくると思いますね。
- 山本
- そういう人はすっごい立派だと思うんですよ。例えば、フリーターをしていて、時間はあるし環境はいくらでも変えられるのに、「やりたくても」やらない人ってもったないと思うんですよね。
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- そうですね。
イヴサンローランのマニキュア
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- 今日はお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
- 山本
- ああ。恐縮です。
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- どうぞ。
- 山本
- うわあ、何だろう。ありがとうございます。めっちゃ嬉しいです。
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- あ。
- 山本
- まだ中身分からないですけど嬉しいです。(開ける)うわあ、いいんですか?
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- ええ。
- 山本
- ありがとうございます。ネイル。私、めっちゃ好きなんですよネイル。
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- 良かった。
- 山本
- 凄いですね。よく私の好きな色を。