ここは秋葉原。
- __
- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。
- かに
- よろしくお願いします。
- __
- ここは秋葉原ですね。
- かに
- そうですね(笑う)でも、結構来ますよ。
- __
- あ、そうなんですか。
- かに
- はい。
- __
- しかし、今日は本当にお会い出来てよかったです。かれこれ四年は聞いているんです、かにぱんさんの歌を。
- かに
- そんなに。ベータ時代だったら、組曲とかからですよね。
- __
- そうなんです。かにぱんさんのスタンスというか姿勢に何かしっくりくるものがあって。ずっと好きでした。
- かに
- あはは。でも続けるというのが一番大変ですからね。ニコニコで続けていると騒動があったりとか、引退する人って定期的にいますからね。
- __
- アカウント削除はさすがに洒落になりませんでしたね。
- かに
- あのときはさすがにちょっと凹んだんですけどね。これはよくてなんでこっちはダメなの?というのはありますね。
まずは楽しんでほしい
- __
- さて、まずは気になっていた事。サイトに歌の動画をアップする時は、録音を全く加工していないそうですね。
- かに
- しないですね。切り張りはするんですけど、音程やピッチは変えません。歌はメロディで作られるので、感情がそこに乗っていれば音程を外していても直したくないんです。もちろん、両方揃っているのが一番いいんですけど。
- __
- なるほど。だからか、素直な感じがするんですよね。気さくというか、素っぽい感じで触れてくる感じがありますよね。何だかいつも、自然に楽しい気分になるんですよ。
- かに
- そうなんです、まずは楽しんでほしいんですよ。楽しさを感じて、一緒に、その楽しさの中に入ってきてほしい。私がやっている事を見て、そこに壁を感じないでほしい。どんどん混ざってきてほしいですね。
- __
- ニコニコ動画にはコメント機能というのがあって、動画に字幕のようにコメントを書き込めます。そこで、参加出来るという訳ですね。
- かに
- だから、出来ればその動画が楽しくなるような事を書いて欲しいです。コメントを書き込んで完成されますからね。
次は関西にも!
- __
- ご自身の歌い手としての強みはどこにあると思われますか?
- かに
- どっちかっていうと、生歌というか、肉声で直接人に聞いて欲しいんですよね。録音したものでもなるべく加工はしないし。ライブでも、直接聞いた人がどう思うかを想像して歌いますね。
- __
- そういえばライブ、最近よく出られてますよね。
- かに
- あ、是非来て下さい。次は関西にもいけると思うんで。
- __
- そうなんですか!是非とも参ります。
- かに
- やっぱり、録音して繰り返し聞けてしまうって、メリットもあるけどデメリットもある。ライブは繰り返し聞けないんですよ。そこが大事だと思うんです。いま、この瞬間しかその音は流れていない事の貴重さって。
- __
- 最近芝居を見ていて、やっぱり生ってすごいことなんだなって思うんですよね。俳優が舞台上にいるって。
- かに
- 時間って、同じテンポで過ぎていくんですよね。誰にでも同じように。ライブは時間と場所をたくさんの人と共有出来るので、動画とは違う。
- __
- あれは完全な共有ではありませんからね。
- かに
- 同じ場所にいて同じ音楽を聞くってレアなんですよね。ライブでは、それを大事にしたいと思っています。
MCとかで、平気で話しかけてくる(!)
- __
- 今後、かにぱんさんはどんな感じで攻めていかれますか?
- かに
- 本当に「楽しい」を追求していきたいんですよね。自分の好きな事をして食べていけるってすごい幸せだなって思っていて。それ以上に、楽しいを商売にして共有して、一緒に楽しいねって言っていけたら最高なんですよね。
- __
- なるほど。
- かに
- 動画だけじゃなく、イベントでも、同じ楽しい空間を生んで、「これはいい」って思ってペイ出来るというのが理想ですね。まず私が楽しくて、みんながのっかってくる事でより楽しくなる。それが条件なので、形はあまりこだわっていません。CDであるかもしれないし、ライブイベントかもしれないし、一日カフェを開催したり。その根幹は同じ「楽しい」。
- __
- 「楽しい」を共有する。
- かに
- 楽しいというのは一番共有しやすい感覚なんじゃないかなと思っています。偉い人でも年上の人でも。共有した後に、悪い事は残らない。歌を聞いてもらって、上手いと思われるよりも楽しいと思われる方が私としてはうれしい。私が楽しく歌ってるから。上手に唄おうとはしていないんです、実は。
- __
- よく言われる'10年代(てんねんだい)。楽しさを素っぽい感じでコンテンツを生んでいく人たちの事を指すんだと思うんですよ。上手というよりは親しみやすい作品を作るんですよね。
- かに
- だって、舞台と観客席って高さが違うんですけど、それはあくまで舞台が見やすいようにしているんであって、どっちが立場的に上かなんてないんですよね。私はそこに「凄い事やってるんだぜ」って気持ちで立ってる訳じゃなくて。むしろ、観客席にいる人と同じ空間を共有している事を大切にしたいですね。私のライブにくるお客さんは凄く口だししてくるんですよ。
- __
- それは面白い。
- かに
- MCとかで、平気で話しかけてくる。それも、内容が普段の雑談のノリなんですよ。「かっこいー」とか、下から上へのそれじゃなくて。ウチのイベントは全然違います。ふつうに会話してきます。あのアットホームさは大事にしたいですね。
- __
- 舞台と客席が、段差があるのではなく斜面で繋がれている感じがしますね。
- かに
- うん。で、見ている人同士も交流を大切にしているんですよ。
- __
- 大阪にオリジナルテンポというパフォーマンスユニットがあって。そこの前説の注意事項が「携帯はOFFにしなくて大丈夫です。おしゃべりしてもかまいません。むしろ、おひとりで来た方は隣の人と仲良くなって帰って下さい」って。
- かに
- (笑う)それは滅多にいわないですね。
- __
- ネットの発達によって、交流しやすい素地が観客席にもある。これはニコニコ動画というシーンでも、小劇場でも同じですね。そこで、イベント空間で「楽しさを共有する」という切り口で売り出していくプロデュース形態が現れるのは一つの趨勢ですね。
オリジナルテンポ
2002 年に演出家ウォーリー木下を中心として設立。台詞を一切使わないパフォーマンスグループとして活動中。(公式サイトより)
一緒に番組を作っているんですよね。
- かに
- 私、今転換期なんですよね。自分がしたいことを出来るところまでやってみて、出来なかったらしょうがないって思っています。
- __
- ええ。
- かに
- だから、この先あと数ヶ月でのたれ死んでしまうのか、それとも楽しくやっていけるのか。っていう分岐点なのかなって。今後ますます、かにぱんどうなっちゃうんだろうという感じで見守っていただけると。
- __
- 特色をどのように打ち出していけるかだと思うんですよね。私はきっと、かにぱんさんの特長は「人なつっこい」ところだと思うんですよ。何というか、人に好かれるタイミングを逃さない気がする。
- かに
- ラジオとかもそうですね。
- __
- そうそう、かにぱんさんのラジオは面白いんですよね。
- かに
- 私もすごいなと感じるのが、書き込んでくれる人も面白い事を書こうとしてくれているんですよね。リスナーも一緒に、俺だって面白い事言ってやるよって。それを私も拾って。一緒に番組を作っているんですよね。
- __
- それは、従来のラジオではなかなか難しいところでしたよね。特別なシステムや人手が必要だし。
- かに
- そういうインタラクティブな機会は逃したくないですね。
質問 松井 周さんから かにぱん。 さんへ
- __
- 前回インタビューさせていただいた方からご質問をいただいてきております。サンプルの松井周さんからです。1.何をしているときが一番幸せですか?
- かに
- 気の置けない仲間としゃべっている時ですね。アットホームさがハンパないですね(笑う)。打ち解けている仲間とならどこにいてしゃべっていても、そこが家みたいな。
- __
- 2.今思い出しても頭を抱えるぐらい恥ずかしい経験をしたことがありますか?
- かに
- うーん・・・ないなあ。思い当たらないですね。
- __
- 本当ですか。
- かに
- 羞恥心が欠落しているかもしれませんが、全部肯定して今がある。連続している自分の歴史だから、どこかの一部分を否定しても、今の自分は分岐点を進んできた結果なので、肯定するしかないんですよ。だから今があると思うしかない。失敗しても頭を抱えるほど恥ずかしいとは思わないですね。
AgronaturaのROリップクリーム(ダマスクローズ)
- __
- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
- かに
- ホントですか?恐縮です。
- __
- どうぞ。
- かに
- ありがとうございます。(開ける)あ、リップクリームですね。歌い手仲間の人から、リップノイズを防ぐ用に使っているものをプレゼントで頂いた事もあります。使わせて頂きます。