そろそろ本番
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- 中野劇団ですが、そろそろですね。
- 唐仁原
- 一月後には終わってる状態ですね。
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- 今回は長編だそうですが。
- 唐仁原
- そうです。
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- 珍しいですね。
- 唐仁原
- 1年に一回の公演ペースで、状況的に長編がやりづらかったので。2001年の作品の再演です。私も中野で長編は始めてで、役どころもやった事の無い役で。
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- それは。
- 唐仁原
- 実年齢よりもだいぶ年上の・・・。どうしたものかという感じです。
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- なるほど。
- 唐仁原
- すこしづつ糸口は見えているので、何とか間に合わせますが。
「もう一回やろう」
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- 唐仁原さんはいつからお芝居をされているんでしょうか。
- 唐仁原
- 始めたのは中学三年の時で。その演劇部の顧問の先生が立命館の月光斜でやっていた、割とバリバリと取り組む人で。部員がいなかったので停部していたんですが、4人で始めました。それから、中・高と。
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- 大学に入学されてからも、お芝居をされていたのでしょうか。
- 唐仁原
- 入学してからは、あまりやる気はなかったんですよ。もういいかなと思っていて。でも吉田寮のお祭り的な奴には参加していました。その寮祭の芝居とかに参加していたのですが、だからと言って芝居に戻る訳でもなく。で、1回生の夏休みに帰省して、高校の頃の演劇部の顧問に「人が足りないから出てくれ」って言われて出たんですね。その本番をうちの親がビデオで撮ってて。それが・・・何かこう。いたたまれないというか。これ下手やなあと思って。それで、「俺、これで終わったら全然ダメだ、もう一回やろう」と思ったんですよ。
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- なるほど。
- 唐仁原
- でも別に、ケッペキに入る訳でもなくふらふらと。たまたま知り合いになった人達で昔テント芝居をやった人達と組んで、野外の公演とかをやっていました。
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- どくんごとかですよね。西部の前の広場で見た事があります。
- 唐仁原
- そうですそうです。まあ、どくんごじゃないんですけど、精華の水上ステージとか、島根県の沖ノ島ででかいテント張って芝居してました。その旅の終わりごろに、京大のNFで何かやろうと思った時に「喀血劇場」というのが出来て、公演を打つ事になったんです。
「どんだけ芝居臭いか」という
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- ご自分では、ご自身をどんな役者だと思っておりますか。
- 唐仁原
- 何ていうか、持続力がないなと。多分ひらめきとかは人並みにあると思うんですけど。例えば稽古場でパッと閃いたのに、それを続ける事が出来ないんですよ。だから例えば、演出をつけてくれる人が「この前のアレみたいな感じでいいから」と言っても、もう出せない(笑う)。自分で出した壁に当たるという事が多々あります。
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- で、本番で別の絵が出てしまったり。
- 唐仁原
- レコーディングしておきたいとか思いますね。それが出来るようになれたらいいなあと。お客さんにとっては本番だけが残るものなんで。毎回、そこで苦しみます。あの時、俺どんな風にやったんだっけ、というのがわからなくなって。登場人物になりきるっていうのではなくて、自分と役の接点を探して、「これは使えそうだ」というのをほじくりかえして広げていくタイプなので。あの時、俺はどういう掘り方をしたのか分からなくなって。
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- 難しいですよね。
- 唐仁原
- 一番最初に見ていただいたのって、何でしょう。
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- 「楽屋ちゃん」に出ておられましたね。いかがでしたか。
- 唐仁原
- やみいち出てたら、普段舞台上でやってることがどんだけ芝居臭いかという事が分かったというか。例えば、「えっ」というリアクション一つとっても、アドリブと稽古を付けた芝居では全然違いますから。やみいち完全な自然体という訳じゃないんですけど、芝居がかんない方がいいよねと単純に思いました。
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- あれ、ライブですからね。
- 唐仁原
- 今年も、大晦日に出るんですよ。
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- 是非参ります。
- 唐仁原
- まあ、年忘れという事ですので、もし忙しかったら切り捨てて下さい(笑う)。
中野劇団第4回公演『楽屋ちゃん』
初演公演時期:2005年12月9〜11日。会場:アトリエ劇研。
やみいち行動
面白い事や面白くない事をや面白いかどうかよく分からない事などを行う即興的演劇的行為集団。(公演チラシより)。年二回、京都大学文学部学生控室(通称ブンピカ)にて公演を行っている。脚本はなく、役どころの最低限の約束事によって成立する。無料。
「か?」
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- 芝居の稽古は自分との戦いだとか良く言われますが、最近稽古中で引っ掛かった思いつきやアイデアですとか、そういう事があれば。
- 唐仁原
- 結構、何ですかね。自分は人を見ているようで見ていないなというか。例えば、次は「おじさん」の役をやるんです。資料として「おじさん」の出る映画とかを見てみたんですけど、そこから何を拾ってきたら良くなるのか迷ってしまって。感情とかの部分は何とかなると思うんですけど、外見の部分というのは難しくなるなと思って。
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- 外見とは、仕草ですとか。
- 唐仁原
- そうですね。中々。後は、私は疑問系の「か?」の語尾が上がるというのを凄く指摘されていて。だから語尾が上がってたら脳に電極を埋め込んでそれに電流を流し込んで下さいと。だから、本番でも語尾が上がってたらものを投げつけていただきたいと。あとは、何でも経験しておかないとなあ、と思います。
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- 例えば。
- 唐仁原
- まあ、何でもいいんですけど、普段の生活では絶対にやらない事をしなきゃならないなと思います。例えば川に飛び込んでみたり。別に川に飛び込む必要はないんですけど、幅のある人間になりたいなと。
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- 幅のある。
- 唐仁原
- 何かをやるにしても、色んな引き出しがある人とない人では全然違うやろうと。表現するのが上手いという訳じゃないから、他の人が経験した事のない事を沢山経験しておかなくてはという感じですね。
川に飛び込んだり
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- 今後、唐仁原はどんな感じで進めていかれるのでしょうか。
- 唐仁原
- 大学の方が、そろそろ・・・。もうそろそろ関わる公演の数を減らさなければという所に来ていて。おそらくは、中野劇団以外の舞台には立てないという感じなんですけれども。もう、学校行かなきゃという。早く卒業しなきゃと。まあ、大学出てからどうするんだと。
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- なるほど。
- 唐仁原
- 今はもう、中野一本みたいな形になると思います。
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- そういう中で、役者として実現したい事はありますか。
- 唐仁原
- 何だろうな。個人的には、舞台だからフィクションなんだけど、セリフを言ってる自分がフィクションにならないようにしたいですね。
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- というのは。
- 唐仁原
- 舞台上で思ってもいないような事を言わないようにしていきたいです。色んな経験をしておきたいなあと。薄っぺらくならないようにしたいですね。リアリティというのとはまた違うと思うですけど。ちぐはぐ感がないようになりたいですね。大学の1回生の夏にやった芝居の録画を見た時のいたたまれなさが無くなればよいかと。
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- 川に飛び込むというのは実は、結構良く使われる例えで。人の特殊な経験や感性の広がりを自発的に高めるという事だと思うんですよ。何か違う場所にいきたい、変なエネルギーを手に入れたい、そういう為には、川に飛び込む事も必要なんじゃないかなと。
- 唐仁原
- みそぎなんですかね。体が汚れたりとかそういう事を気にしないで、例えば泥んこになって相撲を取った事のある人と無い人とでは、同じ演技をさせてみても・・・。
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- 全然違いますね。
- 唐仁原
- 全然違うと思うんですよ。すごいキレイな人がいて、セリフがとても上手い人でも引き込まれない事がある。それは、そういう、体に染み付いているかどうかという事が重要だと思うんですよね。演技が自分の内側から沸いてくるものであれば良いけど、小手先でやってるうちはダメだと。皆分かっている事なんだけれど。
BEAMSのアンダーシャツ
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- 今日はお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
- 唐仁原
- あ、例の。
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- はい。どうぞ。
- 唐仁原
- では、失礼して(開ける)。あ。
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- アンダーシャツですね。それ、実は汗っかきの人には素材的にどうかと思うんですが、いかがでしょうか。
- 唐仁原
- 超汗っかきなんですが。
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- ああ。
- 唐仁原
- 汗っかきなんでめっちゃTシャツを持っているんですが、これでまた1日洗濯しなくて済みます。ありがとうございます。