堅い話
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- 今日はちょっと、堅い話を出来たらなと思いまして。
- 延命
- おおお。
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- 何か頼みましょうか。
- 延命
- ・・・ここはオススメカフェの一つですか?
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- あ、コーヒーがおいしいですよ。それとも何か食べますか?
- 延命
- あ、食べてもいいんですか?
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- ええ。・・・やたら高いんですよ。
- 延命
- あ、じゃあ私もコーヒーだけで。
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- 最近どうですか。
- 延命
- 最近・・・風邪が長引くようになりました。
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- ああそうなんだ。体力が。
- 延命
- 年が・・・。今日は何を着ようか迷いました。
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- ああ、何かロックな感じですね。・・・。黙っちゃいますね。
- 延命
- ああー。ホント最近、言葉が出なくなっちゃって。
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- 人と話してないと・・・。少・F・年はどうですか。どんな話なのかなと。
- 延命
- 千葉麗子という人の、親子三世代の話なんですけど。
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- ええ。え、本人?
- 延命
- 本人ではなくて、架空の。
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- 少年の芝居ってどんなのだっけ?
- 延命
- どんな感じなんですかね。よく古川日出男っていう小説家の作品に似てるらしいです。何か、宇宙船が宇宙の凄い遠くまで行ってたり、携帯のメールが世界中で繋がってたりする時代の話みたいで。
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- 今回は延命さんは何役なんでしょう。
- 延命
- 本編とは全然関係ない役なんですけど。まだ最後までいってないから分かんないんですけど。
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- 無関係性ですね。少・F・年ってそういうの好きそうですよね。
- 延命
- 毎回関係ない人出てますね。
少・F・年
延命さんと松本健吾(少年A)氏を中心とした演劇サークル。
キッカケ
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- 延命さんて、何から芝居始めたのかなと。
- 延命
- (少し笑う)始めたのは、学芸会が楽しかったから。あんまりちゃんとした動機がないんですよ。
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- ふーん。
- 延命
- 高橋さんは何で?
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- あっとね。高校の頃、・・・ちょっとなんだろうな。高校の演劇部に入ったのは通りすがりで。それから立命の月光斜に入ったんだけどあまり水が合わなくて。で、衛星に誘われて入ったんですけどね。
- 延命
- 月光斜だったんですか。
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- で、京都のフリンジっていうか小劇場が面白くて。でまあ、京都のフリンジ全体が盛り上がればいいなと思って、こんなことしてますね。
- 延命
- へえー。
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- でも色々難しいですけどね。今日のフリンジ自体、今はあんまり盛り上がってないじゃないですか。
- 延命
- (笑う)
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- 4年後にまた盛り上がると思うんですけどね。
- 延命
- ほう。
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- そのためにやってますね。これ。
- 延命
- 4年後っていうのは。
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- 新しい人が出てくるということです。
- 延命
- あ、今全然いないという・・・?
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- いや、そういうわけではなく、例えば司辻さんとかベビーピーとか色々面白いひとはいるし。だから保ち続けるとは思うけど。わっと来るのは4年後かなと。
- 延命
- じゃあ、今お勤めしながらそういう。
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- ええ。いや大阪にいるんで大阪の小劇場を沢山見ると思いますけど。そんなところかな。
- 延命
- 目的がちゃんとしてるんですね。
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- いやいや。そんなことありませんて。
ベビー・ピー
根本コースケ氏などによる演劇ユニット。ナンセンスコメディ、熱いジョジョ劇、お祭り芝居など、想像力を強く掻き立てられる作品群。
転機
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- これ、役者の人に聞こうと思ってるんですけど。自分の芝居を大きく変えた転機とかありますかね?
- 延命
- 「ベトナムからの笑い声」っていう公演ですね。その時丁度、就職しようか、フリーターしながら芝居続けようか悩んでる頃だったんだけど。その時ベトナムをはじめて見て。社会人劇団でこんなに面白いんだったら、就職してもいいんじゃないかって思って。
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- はい。
- 延命
- だから、あれを見てなかったら今芝居をしてない、かも。
ベトナムからの笑い声
丸井重樹氏を代表とする劇団。手段としての笑いではなく、目的としての笑いを追及する。
ハヤシスタイル
ベトナムからの笑い声「ハヤシスタイル」公演時期:2002年2月16〜17日。会場:芸術創造館。
落研
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- あそうだ、落研入ってたんですよね。
- 延命
- はい。ケッペキに入る前に。健康測定の前の日に引っ越してきて。その日に勧誘されて。
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- じゃあ今、演目とか出来るのって・・。
- 延命
- はい、三つ四つ。
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- 凄い。
- 延命
- 職場でやらされることもあって。うちの職場は文化祭があるんですよ。絵とか写真の展示と、ステージ発表と。
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- へえー。どんな演目がやれるんですか。
- 延命
- 「鶴」と、「堀の内」と、「反対車」と、あー、多分思い出したらあと一本出来ます。
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- ちょっと想像できないですね。凄いな。
- 延命
- 四年間やってたおかげで、セリフを喋るとき江戸っ子みたいになっちゃうんですよ。
劇団ケッペキ
京都大学演劇部。
首藤氏からの質問
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- ここでですね。首藤君からの質問を預かってまいりました。
- 延命
- 首藤くんから?何て?
- 首藤
- ええと・・去年のサマーモザイクの時にあんまり会話とか出来なかったんですけど。ぶっちゃけ僕の事どう思ってんのかと。被害妄想かもしれないけど、僕のことあんまりすきじゃないんじゃないかと。その辺をまあ、もし、あるんなら一言二言いただければと思います。
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- はい。
- 延命
- いや。ホントに私初めてお会いする人とちゃんとお話できないんで。
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- ああー。
- 延命
- 案外、打ち上げとかでは話したと思うんですけど。
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- ちょっとなんか、堅い印象があったかも。
- 延命
- いや、私は首藤さん大好きなんですけど。首藤さん的には私のことあんまり好きじゃないんだろうなと。話かけていいんだろうかと思ってました。
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- なるほど。
- 延命
- お互い不幸な誤解が。
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- ええ。
- 延命
- 気配りされる方なので。私に向けられている笑顔は気配りなんだろうなと。機会があれば今度お話したいですね。
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- ええ・・・。サマーモザイクか、僕が見た回はお客のノリが悪かったなあ。
- 延命
- ああー・・・。アンケートで見ると、楽日に近づくに連れて評価が高くなっていったんですけどね。私は裏で着替えしてたんで、何が起こっているのか、ちょっとわからなかったですけどね。
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- でも、かなり気合の入った芝居でしたよね。
サマーモザイク
ベビー・ピー「サマーモザイク」 公演時期:2005年 7月 8日〜12日。会場:京都大学西部講堂。
社会人
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- では、本題に入りたいと思います。
- 延命
- ええ。
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- 現在、17時に仕事が終わってそれから芝居の稽古に行く、という生活をされているわけですが。
- 延命
- ええ。
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- 今後もそんな感じで続けて行きたいですか?
- 延命
- 続けて行きたい・・・と思ってるんですが。(職場に)入ってみてから知ったんですが。ホントに午前2時とかまで残業している部署もあって。
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- 市役所ですよね?延命さんは残業って週に一度ぐらいでしたっけ?
- 延命
- 今は無いですね。夏場は忙しいのでちょっと出てくるんですが。
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- なるほど・・。ベトナムみたいになっていきたいですか。
- 延命
- そうですね・・・。もうね、この先どうしようってのは常に、悩みどころでもありますね。
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- 僕としては、仕事しながら芝居を続けるってのは凄いと思うんですが。体力とかの問題がありますしね。
- 延命
- ベトナムは、劇団だからあそこまで持ってるところもありますからね。
フリーター
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- 何か、京都の演劇シーンについて思うところあれば一言。
- 延命
- ああー・・・。色々思ってた気がするんですけど。
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- ああ。
- 延命
- あのこれ、ちょっと今思いついたことなんですけど。私の実家は金沢で、京都よりずっと田舎で、フリーターとかがあまりいないので小劇場とかがあまりなくて。社会人劇団はあるんですけど。
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- ええ。
- 延命
- 京都はフリーターが中心の劇団が多くて、でもやっぱりそれで生活していこうと思ったら作家にでもならないと。演劇人口は私の地元よりも全然多いんですけど、何かもっと・・・。
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- 普通にね。
- 延命
- 普通に続けていける環境があればいいなと。就職するからやめるってので、すごく勿体無い人が多くて。どうしたらいいのかなと。あ、でも、ケッペキの後輩に対しては、私が続けていれば、ああいけるんじゃんみたいな。
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- 延命さんが手本を示すと。そういう事ですね。
- 延命
- 高橋さん的にはどうなればいいと思いますか?
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- いやー、三年ぐらいはこんな状態が続くと思うんですけど。でもいつか、あれって思うときが来ると思いますね。でも、どうなのかな。不安ですね。