演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫

大川原 瑞穂

女優

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初夏の寒い夜

大川原 
悪い芝居の大川原です。コーヒーを取りに行ってもらってるんですが、その間喋って良いと言われました。
大川原 
スタバが混んでます。外人さんが多い・・・あ、また来た。
大川原 
めちゃ混んでるわ。今日寒い。外もいいけど、今日めちゃ寒いしな。昼晴れてるからそれに合わせて薄着でいたら夜めっちゃ寒くなる。
大川原 
2分経った。
大川原 
3分なる。なった。未だこず。スタバおそるべし。あ、来はった。
___ 
失礼しました。
大川原 
あはは。ほとんどなにも言ってません。寒い寒い言ってました。
悪い芝居

2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)

せっかく、劇団なんだから・・・関係性とお芝居作り

___ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近は大川原さんはどんな感じですか?
大川原 
ABC中之島演劇祭の石原正一ショーに出させてもらっていたんですが、それも終わって。今は前回公演の映像編集をしていました。それから、次回公演の稽古と。
___ 
映像編集出来るんですね!
大川原 
「キョム!」から私がやっているんですよ。教えてもらったり、自分で調べたりして。カナヅチ女の公演で売れるように準備中です。お楽しみに。
___ 
次回公演「カナヅチ女、夜泳ぐ」 。稽古中ですよね。どんな感じでしょうか。
大川原 
ぼちぼち客演さんが揃い初めてきました。ワークショップ的なところから始めています。台本はまだ、あえて出してないという感じじゃないでしょうか。
___ 
なるほど。
大川原 
山崎が、「演劇って練習したら出来るんだよ」と。それよりも、チームワークや基礎的なところを重点的にやっています。チームワークが良いと思わせるような劇団はハズレなく面白いんですよね。新人の子もまだ一年なので、そのあたりで説得力を持たせていければなと。
___ 
劇団内のムードが良いというのは大切ですよね。心のやりとりを大切にしたり、そういう会話劇とかは特に。
大川原 
人との関係性を構築するという意味では、もしかしたら台本がない方がいいかもしれないですね。それがあった状態で台本が来たらいいんじゃないかなと思っているみたいです。何も関係性がないのに台本が来て、「このホンいいよね〜」って言い合ってるんじゃなくて。せっかく、劇団なんだから。
悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』

公演時期:2012/06/13〜20(大阪)、2012/07/10〜16(東京)。会場:in→dependent theatre 2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。

危険でも、全力でぶつかって。無重力で飛び出す作品?

___ 
台本があったら演劇が出来るというのは、確かにそうですね。稽古すれば、下手でも上手でも、最後まで出来ると思う。
大川原 
俳優って、誰でも出来るっていいますからね。
___ 
そうですね。それでお客さんを満足させるものが出来るかというと別ですけどね。その次の段階を目指そうとしているのは素晴らしいなと思います。
大川原 
いえ、まだまだ難しいです・・・、でも、前回と同じものを作るよりは、新しいやり方を試すというのに今興味があって。危険かもしれないけど。危険でも、全力でぶつかっているのが悪い芝居のいいところだと思います。それがお芝居に乗ったらいいな。
___ 
今回は東京と大阪ですね。東京は、佐藤佐吉演劇祭に参加ですね。
大川原 
そうなんですよ。こちらでも聞くような、東京の劇団さんと一緒に並べて貰えるんです。光栄です。京都からは、悪い芝居とピンク地底人さんと。
___ 
そうですね。京都の攻め系劇団ですね。
大川原 
どうなるんだろうなと。物語はまだ決まってないんですけど(5/12時点)、役者が舞台を飛び出して、無重力で飛んでいけるような。
___ 
味わった事のない感覚になりそうですね。

質問 長谷川 寧さんから 大川原 瑞穂さんへ

___ 
前回インタビューさせて頂いた、冨士山アネットの長谷川さんから質問です。質問というか、メッセージなのですが・・・「今年、アトリエ劇研演劇祭で京都に行くので仲良くしてやってください」だそうです。
大川原 
ああ!是非是非!見に行かせていきます。よろしくお願いします。

自分の言葉ってもの

___ 
大川原さんは今、どんな目標がありますか?
大川原 
自分の言葉を持つ。劇団に対しての考えとか、自分の演技についてとか。今までだと、何で今の演技をやったのか聞かれると「いやちょっとわかんない」って答えてしまってて、反射的に。本当はよくない事なんですけど、出来ていなくて。しっかり、自分の言葉ってものを相手に返せるようにしたいです。
___ 
なるほど。
大川原 
若い時は「わかんない」でも良かったのかもしれないですけどね(笑う)。
___ 
あー。私個人は無視されるのが怖くて自分の意見を言って、ウケを狙っていましたね。
大川原 
私はたぶん、その逆だったんですよ。一人っ子だったので(笑う)。特に何も言わなくても、周りがまーまーまーで済ませてくれたんだと思います。周りが汲んでくれてたんでしょうね。今は、反対立場でも賛成立場でも、何らかの意見を言わないといけないので。一年前からメンバーが変わって、後輩が出来て。意見を持たないと、後輩の子にぐいぐい来られるから。語彙が少ないんですよ。興味が向く事しかやってこなかったから。
___ 
色んなものの説明を頭で行うというのは、良いトレーニングかもしれないですね。私がやっていたやり方なんですけど、人間観察しているときに、あの女性のファッションから立ち位置まで、言葉で説明していって、他の事象と関連づけていくと、言葉が出やすくなるかもしれない。
大川原 
日記を付けるといいのかもしれませんね。頭で考えた事を一旦言葉にしたら、語彙が広がるかも。三日坊主にならなければいいですけどね(笑う)。

頑張ります

___ 
最近、石原正一ショーやsundayに出演されている大川原さんが新鮮でいいですね。
大川原 
新しいねと言われます。嬉しいです。でも、何で新しいのかな。
___ 
悪い芝居の外に出て、大川原さんのポテンシャルを開放しているのが面白いのかもね。コメディエンヌだったりとか。そういう風に知らなかった側面を見られるというのはすごく面白いと思うんですよ。大川原さんは、自分の作品を作ったりしますか?
大川原 
先日、自分のパフォーマンスを作って劇団内で公開するという稽古がありました。私はどうしようかなと悩んだ結果、落語をやる事にしたんですけど・・・既成の本を演ることに若干プライドが・・・(笑)。
___ 
ええ。
大川原 
自分らしさってなんやろうな、うーん、と考えて。で、語りの最後に、自分が着ていた衣服を脱いだんです。みんな笑ってましたよ(笑)稽古場で久しぶりに下着になりました。お見苦しいものを見せたと思ってますが。
___ 
大川原さんは、スライマーかもしれませんね。
大川原 
スライマー?
___ 
よこえともこさんにインタビューさせていただいた時に出た話なんですけど、内側にあるものを外に出すと、薄い被膜が光とともに現れるのをスライマーだと。それを、一人でプロデュース出来るのをピンスライマーと呼ぶんだそうですよ。
大川原 
近いと思います。遠慮してる癖に、自己主張は激しいみたいな。へー。
___ 
いいと思います。
大川原 
頑張ります(笑う)。

わ〜〜〜〜

___ 
今後、どんな感じに攻めていかれますか?
大川原 
劇団員がそれぞれ自分の創作を頑張っているので、私も自分が作れるものを考えています。
___ 
俳優としては。
大川原 
自分の演技というものが欲しいです。嫌われてもいいんですよ。それは、嫌いという形で頭に残っているから。好かれたらそれは万々歳ですけど。
___ 
大川原さんの芝居で印象に残っているのは、「最低の夢」の時のキスシーンかな。ロマンチックなキスに見せかけて・・・
大川原 
わ〜〜〜〜っという。

着せ替えシール

___ 
今日はですね。お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
大川原 
あらっ。
___ 
前回は手袋でしたが、今回はまたちょっと違います。どうぞ。
大川原 
ありがとうございます(開ける)あっ!!かわいいー!
___ 
着せ替えシールです。色々な服や小道具でアレンジが出来ます。
大川原 
可愛すぎる。すごいすごいすごいすごい。いやー、シール大好きなんですよ。ロフトとか行ったら、2、3枚買っちゃうんですよ。ぷくぷくしてるし。
___ 
良かった。当たりでしたか。
大川原 
当たりですよ。ホンマにシール大好きですから。
(インタビュー終了)