- 西村
- 最近はちょっとハードな日々です。毎年夏にはT.T.Tというワークショッププログラムにがあります。主に海外からアーティストや俳優さんが参加していて、三週間に渡り古典芸能の集中トレーニングを受けています。私は日本舞踊の講師助手をしているので芸術センターに通ってます。あとは、八月に奈良でATWAS のスプラッシュライトパフォーマンス作品に出演することになりまして、その稽古がありますね。
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- お忙しいんですね。頑張ってください。
- 西村
- 毎日、結構体を動かすんですが、だから日々眠くなったりします。そんな毎日です。
VOGA
関西を中心に活動する舞台芸術集団。1997年、劇団維新派に在籍中、草壁カゲロヲ・近藤和見が結成。以来、動員1000人規模の本公演を重ねる。古典的物語や現代舞台に必須とされる身体表現も行いつつも、その、演出手法・劇場空間設定の異質さで、他の小劇場劇団や商業劇のいずれとも違う舞台表現が特徴。近年では東西、出身母体の垣根を越えた実力派役者が多数参加する。公演は観客にとって一種の『旅』と考え、「日常から地続きの非日常へ迎え入れる」ことをコンセプトとし、一般劇場の他、神社・教会・現代美術館・ライブハウス・造船所跡地など、屋内、野外を問わず上演。野外公演ではスタッフ・役者、総勢約70名超の一座が組まれ表現者交流のターミナルとしても機能している。2011 年8月より劇団名をLowo=Tar=Voga(ロヲ=タァル=ヴォガ)からVOGA(ヴォガ)に変更。2015年現在、結成19年目を迎えた。(公式サイトより)
ATWAS
夜の闇を光と音で彩るアーティストチーム「ATWAS(アトワズ)」は不確定メンバーで構成され、企画ごとにその関わるアーティストの持ち味を最大限に活かした作品を披露。映像・音響・舞台美術・彫刻・衣装・身体表現などボーダーレスに絡み合い、静かな闇に、幻想的な世界を作り出します。(公式サイトより)
質問 土肥希理子さんから 西村 麻生さんへ
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- 前回インタビューさせていただいた、土肥希理子さんから質問を頂いてきております。「体幹を鍛えるオススメの方法を教えてください」。
- 西村
- うーん。実は私、体をけっこう動かすんですけど、腹筋は弱くて。いまちょっと鍛えてます。ある映画監督に教えてもらった方法なんですけど、朝起きたらまず寝ころんだまま足を90度持ち上げて10回、次は片足を持ち上げて、と種類を変えてそれぞれ10回やるといつの間にか100回出来ている、という。かつ、私は腹筋をすると目が覚めるんで丁度いいんですよね。結構、二度寝とかしてしまうタイプなので。
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- なるほど。
- 西村
- あと、私は自転車に乗らないのでよく歩くんですが、歩くのオススメです。それも、ただぼーっと歩くんじゃなくて、風景に合わせて早めのテンポであるいたり、バスを待っている時には背伸びしたり。単に、足を動かすのが好きなんだと思います。普段から。歩きながら考え事するといい考えが浮かんだりして。
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- VOGAの次回公演。来年の1月ですね。意気込みを教えてください。
- 西村
- 私はVOGAは3回目の出演で、1回目は地下駐車場、2回目は野外特設舞台。今度は小屋でやるんですよね。
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- 野外から小屋に戻ってきたと。
- 西村
- 逆ですよね。まだストーリーとかは出ていないんですけど、映像も使いますし、劇場だからこそVOGAの緻密な作品を作り上げたいと思います。
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- そのWSオーディションがこのほど大阪で行われましたね。私も取材でお邪魔しましたが、心地よい緊張感の時間でした。身体パフォーマンスが中心でしたが、アシスタントの渡辺さんと西村さんが心強かったです。いかがでしたか。
- 西村
- 身体を使って、しんどい、かつ楽しい時間でした。
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- あのワークが一回一回終わったあと、西村さんがピタッと止まるじゃないですか。あれがカッコよかったんです。本当に。どういうワークかというと、まず数字を数えながら足をある規則に沿って動かして、同時に腕も付けて。それが重なっていくと非常に複雑なパフォーマンスとなる、という。
- 西村
- 動きのパーツをレイヤーと呼んでいて、重なるとすごく立体的な身体の動きなりムーブメントになっていくんですよね。それを考えながら処理するのはすごく難しいんですけど、一つ一つ丁寧にやっていく事によって、ちゃんと、脳と身体が繋がって動きが立ち上がってくるというか。段々身体になじんでいくんですよ。少し日本舞踊に似ていると思っています。日本舞踊は振りは決まっているんですが、振付を入れたら今度は動きをなじませていって、段々身体に落ちていくというか。VOGAも、徐々に身体に落ちていく事で動けるようになっていく。
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- 生活の中では動かさないようなムーブメントなのに、反復すると身体は覚えていく。では、なぜそんな事が可能になるのでしょうか。
- 西村
- 身体はその反復の中で発見していくんだと思うんですよ。AとB、それぞれの姿勢の間はやっぱり動きになっていくから。どこかで何かつながりを持ち出すんですね。そこに、動的な動きがプラスされていく。それを身体が探していく。あるムーブメントになっていく。和見さんも、これとこれをやってと言うけれども、それを見て研究をしていくんです。全員で。
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- AとBの間の動き。チェックポイントがある訳ではない、動き。それを発見していく。
- 西村
- VOGAの基礎稽古にはもっと厳しいのもあるんです。床に伏せてスタート。上半身を持ち上げ回転して腹筋、回転して腕立て、回転して腹筋左右、回転して直立、拍手、また伏せるみたいな動き。たぶん自衛隊なみですよ。1秒1拍以内のテンポで繰り返す。最初はゆっくりしたテンポなんですけど、テンポを上げていくと、頭で考えてられないぐらい。最終的に立てなくなります。それを、なんとか動こうと身体が発見していくみたいな。
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- どこかのタイミングで身体の動きが汚くなる瞬間があると思うんです。でもそれを追求していくとキレイになっていく場合がある。最初からキレイな動きが出来る人もいる。そう考えたら、人間って一人一人、全員身体が違うんですよね。
- 西村
- 「SocialWalk」 の時も、皆で十字に風に吹かれるシーンがあって。それも合わせるのは大変だったんです。一人一人見たら手の動きや足幅とかが少しずつずれていて、遅い人も早い人もいるし。でも、全体は大きな風が吹いていて、その中で一人一人の存在が見えてくる。そんな感想を抱いた人もいました。
VOGA第12回本公演 Social walk
<Social walk作品モチーフ> 人は生まれ、社会の中の様々なものと関わりながら歩んで行く。 石清水の荘厳な杜の力を借りて、ひとりの少年の歩みをモチーフにして描く幻想的な叙情詩。音・光・動作・言葉、VOGAが描き出す風景の連なりを感じとって頂ければ幸いです。 □開催日時 2016年5月20日(金) 〜5月30日(月) 全日OPEN 18:00 START 19:00 ※5月25日26日休演 □会場 京都・石清水八幡宮野外特設舞台 □キャスト&スタッフ 脚本・演出・音楽:近藤 和見 キャスト: 草壁 カゲロヲ/タナカ・G・ツヨシ 足立 昌弥/荒木 輝/野島 健矢 うめいまほ/渡辺 綾子/西村 麻生/小森 ちひろ/長谷川 りか/今道 鮎美 岩本 苑子/石川 信子/日下 七海/ままれ(チムチムサービス) 前田 愛美/香川 由依/佐藤 敦子/清水 風花/西尾 友希
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- 野外公演の本番はどんな心持がするんですか?
- 西村
- のびのびとしますね。囲われていないので。開放的になっています。自分が大きくなったような。でも、VOGAのリズムの強さってあるから、自然の中に表れるリズム、の存在感を強く感じました。
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- 野外なので音が散ったりとかは大丈夫でしたか?
- 西村
- あ、それはスタッフさんの技術的なフォローが凄かったので。それと、あの空間は結構、声が響いたんです。
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- でも野外となると難しいこともあるでしょうね。
- 西村
- 公演中に大雨になった日があって、着物がびしょびしょになったんですけど、役者の集中力が凄かったし、濃密な時間を共有した手ごたえがありました。さすがに、お客さんは10人ぐらい帰っちゃいましたけど。レインコートを頭から被って多くの方が最後まで観てくださいました。
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- 来年1月は屋内ですから、雨の心配はありませんね。
- 西村
- はい。そういう心配がないから、VOGAのムーブメントをしっかり作っていきたいですね。
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- 野外と劇場、どちらが好きですか?
- 西村
- 野外が好きですね。やっぱりあの自然の中で、なんていうのかな、自分の存在のちっぽけさを感じるし、生き物として舞台に立っているという感覚は屋外が強いと思いますね。
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- 野外公演で、嬉しかった事や嫌だった事はなんですか?
- 西村
- (笑う)嬉しかったのは色々あるんでおいといて、嫌だった?のは虫にマイクを乗っ取られた事です。屋外公演ではワイヤレスマイクを使ってるんですけど、ある回で、服の中から「ジジジッジジジッ」って音がして。ワイヤレスの故障かと思って見たら、こんな大きな虫が。それはちょっと野外でしかありえないですよね。虫がSOS。
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- それは驚きますよね。よかった事は?
- 西村
- なんか、普通に、自然って凄いなと。満月の中で舞台に立った事もあったし、竹のざわめきが音楽に入ってきたり、それが波の音に聞こえた事もありました。
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- すばらしい。野外いいなあ。本当の意味で演劇をやってるって感じしません?
- 西村
- 考えてみれば、古来からの舞踊なり演劇なりって元々野外で行われていたんだし。その感覚に帰ってるのかな、って。神社でお能とか。
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- 私はどちらかというと、夜の公園で演劇をやっている連中に惹かれて芝居を始めたんですよ。
- 西村
- 私も大学生の頃、ダンスのパフォーマンスをしてたんですけど、美術館のお庭だとか鴨川とかで踊ったりしてました。
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- 「踊り」と「野外」。相性の良い概念ですよね。
- 西村
- いつか、父が芸大OBの阿波踊り連に入っていて、ヨーロッパにツアーで連れていってもらった時に、ゲリラ的に阿波踊りを勝手にやった事があるんですね。ヴェニスのサンマルコ広場で勝手に阿波踊りしたんですよゲリラ的に。でも向こうのお祭りって基本的には貴族社会のもので、仮面舞踏会とか一般の人はあんまり参加しないみたいで。けど、その阿波踊りをしてたとき、その辺りにいた小中学生がわらわら集まって来て、鉦の音に合わせて普通に踊ってたんです。ストリートを。その光景が普通に面白くって。敷居もなく、言葉の境界線もなく、音が鳴っていたら踊りだして輪に入ってくる。なんか、けっこう、そういうのが好きです。
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- 私、中学生の頃ですね、友達が骨肉腫で死んだんですよ。その葬式の晩に、一人で駐車場で追悼の舞を舞った事があるんです。
- 西村
- ふーん。
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- 多分、自分が踊った、と言えるのなんて、あれが最初で最後だと思う。誰かに見られていたとか、そういうのを欲する訳でもなくさ。いや、そういう自己満足が絶対に必要だったんだと思うんですよ。自己愛の表れだったから、狂気とも遠いし。VOGAは、その、野外じゃないといけない理由でもあるんでしょうか。
- 西村
- 難しい。でも、個人としてはなんですけど・・・VOGAの持っている言葉とかイメージって、自然であったり社会であったり、自分の中から聞こえる言葉だったり。
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- なるほど。
- 西村
- 「Vector」 で、偶然に出会った男の人と鳥女がいて、人は老い死ぬけれども鳥は永久に生きていて。この世で会ったもの達は死に別れてもいつか出会える、っていう、そういうテーマはおもしろい。社会だとか日常生活のどうのこうのではなくて、もっと大きな世界にいる存在の話なんじゃないかと思っていて。そういう循環していく世界や人間についてを野外でやるのはやっぱり意味があるんじゃないかなって、思うんですね。暗くなっていったり、月が出たり。演じている役者も生きているし。
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- では、来年1月の劇場公演も、屋外だけど屋内だと考えてもいいかもしれませんね。
- 西村
- うーん・・・そうですね。それはでも、ATWASの吉光さんの映像が入るのが大きいと思います。彼は常に、屋外のパフォーマンスで映像の光の仕事をしながら、屋内での上演でもそういう意識をもって明かりを生み出す人なので。
VOGA 第10回本公演 Vector
公演時期:2014/10/17~20。会場:石清水八幡宮野外特設舞台。
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- VOGAのパフォーマンスって、最初の1分素晴らしくて、でも3分過ぎた頃から飽きて来て、5分を超えると陶酔してきて、それ以上となると研ぎ澄まされていくというか。ある意味修養に近いような気がする。
- 西村
- 私は、やっているときに飽きるとかはないんです。常に風景が過ぎ去っていく感覚がある。周りの風景がどんどん変わっていくような。もっと違うところに旅しているというか・・・
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- ドライブ感?
- 西村
- ありますね。あるある。あるし、Lobbyとかで戦争のシーン、男たちが単純な振りをずーっと繰り返していて、身体が絶え間なく激しく打たれるの見てると「大丈夫か!」ってなります。それが続くと、どうなっていっちゃうんですかね?
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- 自分の周りを駆け巡っていく情報、は、一体なんなのだろう。
- 西村
- 何て言ったらいいのかな。濾過されていく感じ、なのかな。なんだろう。不思議ですね。ただただ、過ぎ去っていったところに・・・何だろうな。残ったというか、私自身も、見るものがあるんですね。過ぎ去った時間にあった残像。それがVOGAの絵なのかな。そんな気がする。
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- 一つの作品に至った過程。
- 西村
- あんまり、ストーリーには興味がなくて。ただ、その絵に残ったものを感じるというのが好きで。結構、そういうふうに見ているのかな。ストーリーじゃなくて、その人に何が残ったのか。
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- それは消費としてのエンターテインメントとはかなり違うでしょうね。もちろんどちらを否定している訳でもなく。ただ少なくとも、単純に楽しいというだけとは違うのでしょうね。ところで、FUKAIPRODUCE羽衣も、1曲1曲が、もしかしたら10分ある。ずっと歌いながら踊り続けるんですよ、おなじ歌を。
- 西村
- 見たこと無いんですよ。一度動画で見たことがあるんですけど、きっと私羽衣の舞台好きです。
- 西村
- でも、VOGAの作品は絵を見ている感覚に似ているのかもしれない。たぶん、すべてを理解して演じました、というのとは少し違う。
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- 日本舞踊とかタップダンスをこなす西村さん。道についてどう思いますか?
- 西村
- 私、色々学んでるんですけど、基本的には日本舞踊を3歳からやってきていて。実はちょっと、居合を学んだんですよ。日本舞踊の勉強で、男の人の身体の使い方を学びたくて。でも始めてみると精神的な奥深さに感銘を受けました。これからも続けたいと思ってるんですね。多くの人が、古くから伝わっているものを大事にしようとしている大きな道があって、その中で私は偶然大きな道に出会うんですね。でも、本当に私の中にある、単に踊りたいという衝動や欲望があって・・・私の生きているおぼろげな道が、大きな道に出会いながら旅をしているというか。自分が歩んできた道、小さな路地とかもあるんですけど、古典で見つけた面白いものは大切にしていきたいですね。道って、凄いものが出てきても守るだけでは消えてしまうんですよきっと。阿国が作った歌舞伎だって、それを面白いと思った人たちが作ったたくさんの道が、大きな道に見えてるんだろうなあ。そしてそれは大切にしているだけでは終わっちゃうし。何かしら、それをもっと面白いものにしようとしているから大きくなって、増えて、繋がっていって。
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- 木みたいですね。
- 西村
- そう思っています。成長していくものなんだと思います。
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- この間、乗馬の話をしましたよね。馬と心が重なるって、凄くファンタジーな気がします。相手と以心伝心がある瞬間って凄く豊かですよね。
- 西村
- 歌舞伎に出させてもらった時に踊り手全員でポーズの一枚絵をつくって決まるとか、二人で掛け合いで踊る時とか、心が重なる瞬間はあるんですよ。二人で作り出した呼吸感がのれば凄く気持ちいい。それを知っているからVOGAの気持ち良さが分かるんですよ。
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- 呼吸がかみ合う瞬間。
- 西村
- そうですね。それから、それがパフォーマー同士だけじゃなくて、生での伴奏があるときは凄いですよね。VOGAでも、渡辺さんが踊っている時に和見さんがピアノで生演奏して、凄く呼吸が合うんですよ。次の公演も、たぶん生演奏があると思います。私も楽しみです!
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- これから、どんな変化があるといいですか?
- 西村
- 私は結構、色々な興味があって。いま私はATWASに参加させてもらっていて。色んなアーティストがいて、その企画に集まった人で作品を作るというスタイルが凄く好きなんですよ。私は日本舞踊をやっていて、それを生かしてもいいし、VOGAの俳優でもあるからそれも生かせると思うし。新しい場所に関わりたいんですね。色んな場所に行きたいのと、海外の人と何かしたいです。
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- 全然知らない人たちと何かをしたい、という事?
- 西村
- 日本舞踊は自分にとってある種の言語だと思っていて。以前、インド音楽のミュージシャンに「即興で踊ってよ」と踊らされたりした事があったんです。インドにはインド特有のリズムがあって、そこから生まれる発見もあって。そういう人たちと出会った時に何が生まれるのか、楽しみです。
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- なるほどね。
- 西村
- VOGAでも、私はまだニューカマーで。どんどん新しい人に来てもらって。VOGAの作品を壊して活性化させてほしいなと思っています。ちょっとでも興味がありましたら観にきてほしいし、参加してほしいです。
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- 今後、どんな感じで生きていかれますか?
- 西村
- 踊って、眠って、作っていきたいです。
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- 今日はですね、お話しを伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
- 西村
- ありがとうございます。見ていいですか?
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- もちろん。
- 西村
- えっ!何重にも・・・。(開ける)あ、素敵ですー。なんか複雑な。小指に付けるヤツですか?ピンキーリングって書いてますね。