山村さんは忙しい
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- 今日はどうぞ、宜しくお願い致します。
- 山村
- お願いします。
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- 最近はいかがですか?
- 山村
- 最近は舞台を全然やっていなくて、バイトばっかりです。
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- あ、お忙しいんですね。
M☆3「バターなリズム」
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- 山村さんは、chikin面白かったです。
- 山村
- ありがとうございます。
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- 初めてだったんですが、凄く面白かったです。chikinの次は。
- 山村
- 『M☆3』ですね。
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- あ、メンバー全員客演されるんですよね。KUNIOさんの演出で。
- 山村
- はい。「バターなリズム」。
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- どんなお芝居になるのか、凄い楽しみなんですよ。チラシも面白いし。以前、KUNIOさんが京都造形芸術大学で演出された「ニッポン・ウォーズ」という作品が、何だかスッキリしすぎていて、もっと面白くなるのかな、という感じだったので。
- 山村
- 今回は既成の台本ではなくて、オリジナルなんですよね。KUNIOさんは台本をキレイに整えられていく方ですから、そういう印象のほうが強いのかなと思います。
chikin
京都を中心に活動する劇団。京都造形芸術大学の卒業生3名で立ち上げ。ショート作品を連作形式で発表する。
chikin 舞台公演『豚』
会場:アトリエ劇研。公演時期:2009年1月30日〜2月1日。
KUNIO
杉原邦生氏。京都造形芸術大学大学院芸術研究科博士課程在籍。演出・舞台美術多数。
ライブ感
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- 山村さんは、どんなお芝居が好きなんですか?
- 山村
- お芝居のジャンルをあんまり見たことがなくて。演劇のみならず、舞台のライブ感みたいなのが好きなんですよ。だから音楽のライブに行く機会の方が多いですね。特に京都だと、劇団同士の距離が近くて、同じ畑で仕事している感覚があるので、そういう目で見ちゃうし。
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- あまり、そういう関係が好きではない。
- 山村
- いや、そういう訳じゃないんですけどね。今日、初めてヨーロッパ企画で中川さんとお話して。「本公演も観に来いよ」って。
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- あ、ヨロパ。いいですねー。オススメですよ。
ヨーロッパ企画
京都の劇団。現代的なセンスの、かる〜い会話劇。
ショートショートムービーフェスティバル
前述のヨーロッパ企画による短編映画祭。上演時間5分程度の作品を持ち寄り、予選形式で優勝を決定する。
批評・ライブ感
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- 山村さんにとって、chikinとはどういう存在なんでしょうか。
- 山村
- 場所ですね。劇団=家族だとかよく言われますけど、chikinはそういうのとは違って。同世代だし初めたばっかりだというのもあるかもしれませんが、個々人が続けられる、ガッツになる場所。
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- ガッツ。
- 山村
- 一人で作ってると迷ったり落ち込んだりするじゃないですか。相談出来る相手が全然いなかったら残念なことになると思うんです。3人なら、自分たちで気に入ったものを一緒に作って行けるし、お互いの作品を肯定しあえるし。そういう場所を保ち続けて行ければなと思います。
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- 山村さんが作ったものを他の2人が批評してくれるし、その逆もあると。
- 山村
- そうですね。客観視してくれますね。お互いにそういう役割を前提にしているから、常に冷静に評価してくれるんですね。
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- 思うに、批評というのは、形となった技術がなければもの凄くよりどころのない作業だと思うんですけども。その辺を造形大で学んだという感じでしょうか?
- 山村
- はい。でも、それも悪い癖なんですよね。
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- というのは。
- 山村
- 言われたように、造形大では批評を一番学んだんですよね。でも、卒業してからも何かにつけて批評の目線で作品を見る癖が抜けないんですよ。だから、たとえば他の劇団の方とお話をする時に、他の人よりもの凄く批評的な観点で見てるやん・・・と気づくんです。批評するのはその表現の歴史とかを知っていなくてはならなくて、結構難しいんですけど、その知識を抜きにして見ることが出来ないんですよ。
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- 理屈抜きで見るというのが、難しいと。
- 山村
- 出来ないですね。だから、好きな劇団がないのかもしれないですね。
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- だから音楽のライブとかに行ってしまうと。で、実はそこでも批評的な目で観てしまう?
- 山村
- あ、そうですね。ライブ感とは関係のない、その表現と自分とを相対して見たりとか。音楽とか映像って理屈抜きに感情に入ってくるから、そういうのは受け入れやすいんですけど。
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- 個人的には、そういう批評をしっかり学んだ経験がないので羨ましいですけどね(笑う)。
劇場でやる理由
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- 今後、chikin的にはどんな活動を。
- 山村
- 自分たちなりに舞台を作り続けて行ける循環を作って行きたいと思っています。一番は金銭面の問題があるんですね。劇場を借りるためのお金の為に、チケットが高くなっちゃうんです。だから、劇場ではない場所に公演を移したいと考えているんですけど。
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- 劇場を借りて公演するというのが一般的ですね。
- 山村
- 私たちはアトリエ劇研にお世話になってきたんですね。造形大にいた頃から出入りしていて、もちろん造形大にも劇研の人が仕事に来るし。無意識で延長線上にあったんですよね。その無意識さが、ちょっとどうなのかなと。
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- 今後は、劇場の外で表現することも出てくると。
- 山村
- 作品を作っていくうちに、やはり劇場でなければダメだということになるかもしれませんが・・・。今は、劇場でやる理由が見つからないんですね。
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- 分かりました。ありがとうございます。
「シティ派で」
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- 作品的にはどんな展望が。
- 山村
- タイトルだけは決まってるんですよ。「シティ派で」という。仮なんですけど。
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- 「シティ派で」。
- 山村
- 社会派ではなく、完全にシティ派をバカにしてるんですけど。
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- 面白そうですね。何だろう、私の感覚だと、15〜20年前にシティ派という言葉が取りざたされて、それがこの10年で「アーバン」という言葉と入れ替わったんじゃないかな、と。夜景とビル街のイメージから、自然との邂逅みたいな。
- 山村
- シティ派というと、やっぱり昔のイメージを思い出してしまいますよね。
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- それをわざわざタイトルに持ってくるというのが、変態的でいいですね。どんな作品を。
- 山村
- トミーは生産と消費についての戯曲を書くらしいです。cossiはアラサーに敏感なので、それについて書くとか。
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- アラサー、この間podcastでやってましたね。
- 山村
- 私は、この間街宣車見たんですけど・・・ずっと「政権交代」って言いながら走っていくんですよ。それを取り入れたパフォーマンスをやりたいです。
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- ものものしい雰囲気なんだけど、どこかゆるいんですよね。
- 山村
- そうなんですよ。よく見たら一人でやってるし、みんな見てみないフリしてるし。
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- いいですねー。公演時期はいつぐらいに。
- 山村
- 今年中には公演したいと思ってます。
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- 楽しみです。
質問 吉永 美和子さんから 山村 麻由美さんへ
一元化
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- 今後、山村さんはどんな感じで攻めていかれますか。
- 山村
- うーん。いま、むっちゃバイトしていて、その隙間にM☆3とかchikinの公演の準備とかしているんですけど。そういうのが苦手なんです。お金を作る作業と作品を作る作業が二分している状態が。自分の中でうまいことバランスを取っていきたいなと思います。
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- 一元化したいと。
- 山村
- それが出来たらうまいこといくような気がします。わがままなんですけどね。
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- 難しいところですね。
- 山村
- どうもしっくりこなくて。
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- 普通に会社員で芝居やってる人は、土日に稽古してますからね。凄いな、休めばいいのにとか思っちゃいますね。中野劇団さんとか。もの凄く面白くて、すげえなと。
- 山村
- うん。面白いですよね。
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- どこかでそういう方法を見つけられたらいいですね。
中野劇団
京都を中心に活動する劇団。脚本・演出の中野守氏の織り上げる、緻密なプロットのコメディ。
ベトナムからの笑い声
丸井重樹氏を代表とする劇団。手段としての笑いではなく、目的としての笑いを追及する。
ネコのしおり
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- 今日は山村さんにお話を伺えたお礼に、つまらないものですがプレゼントがあります。どうぞ。
- 山村
- ありがとうございます。これ、開けてもいいんですか?
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- はい。
- 山村
- (開ける)おっ。猫じゃないですか。私、猫飼ってるんですよ。
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- トミーさんへの質問で、山村さんは動物に例えると猫だと伺っていたので。
- 山村
- 好きなんですよ。猫。