こまち日和 wake.4 「つぐみ荘のブルース」
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。シバイシマイの是常さんにお話を伺います。最近、是常さんはどんな感じでしょうか。
- 是常
- 先週、かのうとおっさん の東京公演が終わりまして。ようやく、9月に公演こまち日和の稽古に再合流しました。
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- そう、かのうとおっさんの東京公演がありましたね。いかがでしたか。
- 是常
- 東京でも笑ってもらえて。凄いなと思いました。大阪とあまり違わないポイントで笑ってくださったんです。大阪からいらしたお客さんもいたんですけど。
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- なるほど!良かったですね。
- 是常
- かのうとおっさんは今年の五月にも東京公演をしたんですが、違いを感じる事はほぼありませんでしたね。
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- お疲れ様でした。
- 是常
- 楽しかったです。大変でしたけどね。
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- わたしはかのうとおっさんが好きなので、向こうでも評判がいいのは嬉しいですね。人間の移りゆく気持ちとか、損得勘定とか、右往左往する小物たちの救えない感じが魅力だと思っていて。
- 是常
- なんかね、よう見てんなと思うんですよ。意識して、おくびにも出していない筈の、社会にはあえて見せない部分を引き出されるんですよね。なんでバレてたんだろう、恥ずかしいなと。
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- そうそう、誰も思いつかないような切り口で本心を描写してきますよね。「確かにそう思っている!」みたいな説得力がある。
- 是常
- 演出としてもそれを付けられるんですよ。こういう感じでやってもらえますか、みたいな事を言われて、「それか〜」みたいに思うんです。毎回、一枚ずつ服を取られているような気がしています。出る度に、まだ服を来ていたのかと思いますね。
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- かのうとおっさんの二人にひとこと。
- 是常
- 同じく出演していた河口仁さんと、「これからどこに出演したいか」って話してたんです。二人とも、かのうとおっさんには出続けたいという意見で一致しました。あの二人に面白がってもらえる役者でいたいです。
シバイシマイ
2007年10月旗揚げ。以降2013年までで本公演数5回という、超・マイペース劇団。(amebloより)
こまち日和
場所空間にこだわって、生演奏でお届け。わくわくすることを詰め込んだプロジェクト。(こりっちより)
こまち日和 wake.4 「つぐみ荘のブルース」
公演時期:2014/9/19〜23。会場:Night Market。
かのうとおっさん
'99年、嘉納みなこと有北雅彦により結成。独特の台詞回し、印象に残るビジュアル、笑いをベースに人の生き様を鋭く描く作風は小学生から60代まで広く支持される。'12年「関西ふたり芝居セレクション」優勝。(公式BLOGより)
つぐみ荘の日々
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- さて、是常さんが次に出演されるこまち日和wake.4「つぐみ荘のブルース」。宮川サキさんが初めて、一人芝居以外の作品を作られるという事で。とても楽しみです。
- 是常
- 今回、同じシーンでもキャストが入れ替わるんですよ。固定のシーンもあるんですけど、回ごとに同じシーンでもキャストが違うんですね。
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- へえ!
- 是常
- 台本もその分だけあって、本当に毎公演、違うんです。同じシーンを、人がやっているのを見るんですよ。ベースの台本は変わらないのに、全然違うシーンに見えるんですよ。
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- それはキャストシャッフルとは違うんですね。その特定のシーンに出てくる人物が違う。
- 是常
- そうなんです。しかも、サキさんは役者に「そのシェアハウスに住んでいる人の人柄が見たい」と言ってて。だから役作りをしないで欲しいと。ウソをつかないで、そのままでいいからもっと魅力的に、って。私そのものが立ってはいるけれど、私自身じゃなくて。
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- その役としてリアルであり、でも、役作りという役者の作業はしないでおく?
- 是常
- 台詞で言っても、この作品では浮くと仰ってて。例えば「あ、そうなんや」という相づちの台詞があるとして、それが「人物その人が本当にそう思って言葉に出した相づち」または「その人がほとんど無意識で口をついて出た言葉」でなければ浮く、と思ってて欲しい、と。そうなると、やってて分かるんですよ。あそこにいると、その人そのものじゃないけれど、こういう人なんだ、こういう癖をもつ人なんだ、というのが分かってしまうんです。凄く変な感じです。自分を少しだけ逸脱しているかのような。役者としては、これは初めての体験かもしれない。
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- 人柄が見えるようにする、という事なのかな。自然な演技ってありますよね。サキさんが作品から除けておきたい「役作り」は、悪い言い方をすると、きっとお客さんの想像の余地を奪ってしまうものなのかもしれない。現時点で、どういう面白さになると思いますか?
- 是常
- 説明が難しいんですけど、見てて笑っちゃうんです。何回見ても、違うところで笑ってしまう。その人が生活としてやっている事が、外から見ていて何か笑っちゃう。「な・・・何やってるんだろうこの人?」、みたいな。その人そのものを見て、最終的に、その人面白いな、喋ってみたいなと思ってもらえたら。
芝居と結婚
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- 是常さんがお芝居を始めたのは、どんな経緯があったのでしょうか。
- 是常
- 演劇を始めたのは高校からなんですけど、中学の頃に宝塚にハマってたんです。中学の時にTVで天海祐希さんを見て、ハッとなりまして。いとこも偶然宝塚が好きだったので、天海さんが出演されている作品のビデオを借りて、何回も見返しました。でも、思い返してみたら元から芝居には興味があったみたいで。小一の頃に、親子旅行で宝塚ファミリーランドに行ったんですが、雨が降ってきて。遊園地の代わりに入った宝塚の舞台を食い入るように見ていたそうです。
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- なぜ、舞台に引かれていたんでしょうね?
- 是常
- 変身願望が強かったのはあるかもしれません。これは関係あるかどうか分からないんですが、上に二人姉がいるんですが両親は男の子が欲しかったそうで、産み分けのためのサプリメントを飲んでいたそうなんです。
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- えっ、そんな事が出来るんですか。
- 是常
- 当時信じられていたんでしょうね。子供心に「男の子に変わらないと」という刷り込みがもしかしたらあったのかもしれない。昔は妄想癖がすごくて、本とかを大量に読んでいて。宝塚は身長が足りないので諦めて、憧れの天海祐希さんが高校時代演劇部だったこともあって、演劇部に入りました。
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- なるほど。失礼しました。そこから、大学でも演劇部に?
- 是常
- いえ、実はそこを区切りにして芝居をやめようとしていたんです。男役も出来ないし、演劇が好きかどうかというと、その演劇部が好きだっただけなんだろうと思って。大学では合気道部に入ってたんですけど、一年後のある夜、寝てたらいきなり「芝居がしたい!」と突然思ったんです。自分でもびっくりしました。私、芝居が好きだったんだ。
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- おお、ある種の回路が結びついたんですかね。
- 是常
- 結局二回生から演劇部に入ったんです。卒業後もいくつか出演したり舞台も見ていたんですけど、ある公演がすごくしんどい事があったんです。そこでまた「芝居はもういいかな」と。
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- そこでも区切りを迎えようとしていた。
- 是常
- こんなんやってられへんという状態になって。でも、同じ出演者の方に誘っていただいた舞台を経験して、それからまた出演し続けているんです。
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- それはつまり、辞めるに辞められない状態?
- 是常
- うーん、何て言うのか。元々自分は外に出るのも億劫な人間で、でも芝居に関われるなら外に出れるというのがあって。芝居に出られるんなら仕事も出来るし。芝居が、自分の行動の動機付けになっていたのかもしれません。敬愛する作演出家のひとりであるGRAVITY VANISHEDの村田絵美さんに、「いい役者ってどうやったらなれるんかな」って相談した事があって。そしたら、「いい人間になるしかないんじゃない?」って。ごもっともだな、と。
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- 確かに。
- 是常
- いい役者でいるために、いい人間になりたいと思ってます。ただの趣味として何かをやろうというのは私にはピンとこない。芝居をするというのが、自分の活動の動機付けになっていて・・・こんなんでええんやろうか、と自分の中ではコンプレックスなんですけどね。でも、昔ある人と話していたんですけど。芝居が大好きな人いうんは芝居を恋人にしていて、是ちゃんは、芝居と結婚したんじゃないの?って。芝居という存在にいてもらわないと困るんちゃう?って。
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- リビドーじゃなくて、自分の体重が乗っているって感じなのかもしれない。だから、きっと、次のこまち日和の芝居には合ってるんじゃないですか?
- 是常
- どうですかね、でも、その場所に、無理せずに楽にいる事を心がけてからは、だいぶ楽しくなりました。
愛嬌のナゾ
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- 最近思っている事があるんです。「愛嬌」って凄く大事だと思うんですよ。今東京で公演してる壱劇屋 や、かのうとおっさんも。
- 是常
- そうそう、つい客席から一歩踏み出してツッコミたくなるような。壱劇屋の大熊くんとか、あんなにすごい人なのに、すごい事をやってるのに「もう〜!」ってつい言ってしまうような。
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- そうそう。そういう才覚って訓練出来ないですよね。
- 是常
- それは媚びるのではなくて。
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- そう、媚びるのではないんです。
- 是常
- 向こうから媚びてくるんじゃなくて、彼らが自分達の活動をしているのが重要なんだと思うんです。
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- 愛嬌って、どこかを境に消えていくのかもしれない。代わりに威厳が身に付いていく人もいる。でも威厳も愛嬌も備えている人もいる。こういう、人間の雰囲気って何なんだろう?
- 是常
- 何なんでしょうね。愛嬌で言うたら、「この人は話しかけても私を否定しない」と思わせる何かなのかな。でも、これから大事になっていく部分なのかなと、ちょっと思います。
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- 是常さんも愛嬌に溢れてると思いますよ。
- 是常
- (笑う)それは嬉しいです。
壱劇屋
2005年、磯島高校の演劇部全国出場メンバーで結成。2008年より大阪と京都の狭間、枚方を拠点に本格的な活動を開始。主な稽古場は淀川河川敷公園で、気候や時間帯をとわず練習する。マイムパフォーマンスを芝居に混ぜ込み、個性的な役者陣による笑いを誘う演技にド派手な照明と大音量の音響と合わせ、独自のパフォーマンス型の演劇を行う。イベントではパントマイムやコントをしたり、FMラジオにてラジオドラマ番組を製作するなど、幅広く活動している。(公式サイトより)
IN HER LINE
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- さて、度胸と愛嬌に溢れた「IN HER THIRTIES」。 10人の女性が一人の女性の30〜40歳までを一年ずつ演じる作品。是常さんは32歳のコーナーを担当されていましたね。
- 是常
- そうですね。レトルトのQ本さんとシンメトリーでした。
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- 全体へのツッコミ役でしたね。大変良かったです。
- 是常
- 永津さん演じる37歳の「私」がツッコミ甲斐がありましたね。あのお話の32歳は、結婚して仕事もこれから上向きでという時期で、そりゃその時期の私は突っ込むわな、とね。聞いてへんわ!その五年後。
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- そうですね・・・。どんな思い出がありましたか。
- 是常
- あれは不思議な現場で。役者が10人いて、もう1チーム合わせると20人いて。だから一人の演出家から割いてもらえる時間はあまりなくて。どっちかと言うと、役者同士でディスカッションして作った部分が多いですね。華やかチームはいわゆる女の幸せが分かりにくい話になって、これはこれで良いよねと思わせるのがすごく難しい作業でした。自分の前の年齢の人が何を考えていて、そこを踏まえながら次の人に渡して行かなくてはいけない。それは本番入ってからも続きました。麗らかチームが本番をやっている上の階の楽屋で、「どういう気持ちで言ってます?」みたいな。38歳の永津さんの「私床上手やねん」っていう例の台詞があって、それに対するリアクションも年代によって違うんですよ。結婚して間もない31〜34はドン引きしてる人が多くて、それ以降はまんざらでもなくなっていく、みたいな。
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- 確かに、あれは段階的に分かれましたね。リアクションが。
- 是常
- こっち側はパートナーがいて順調な訳じゃないですか。しかし35を挟んだ向かい側の自分が年下の恋人と・・・「!!」となって。「年々上達していく」とか聞いてへんわ!どう思っていいか一瞬分からんくなるというか。35から向こうは「へえ、そうなんだ」ってまんざらでもない、というグラデーションが見えたら面白いねと言い合ってました。
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- それぞれの役作りと時系列が関わっていくんですよね。
- 是常
- 役者達の個性や、自身の経験もあるし、私自身もこういう人生を歩む可能性がゼロではないんだなと。そういう無限の可能性を感じる公演でしたね。
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- そうですね。麗らかチームと華やかチームの人生を比較しても面白いかもしれませんね。
- 是常
- シバイシマイの作家が両方見てくれて。どっちも見た方が面白かったそうです。
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- インハーの皆さんに一言。
- 是常
- また何か、一緒にやりたいですね。今回のはワッとみんなで一気に集まって舞台を作って、ワッと解散したんです。今でもちょいちょい集まってるんですけどね。LINEでグループを作ったんですが、それがずっと、今でも頻繁に稼働してるんですよ。誰かの誕生日だったり、メンバーの舞台を見に行ったらその写真をアップしたり、飲みに行ってるメンバーが募集したり。
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- 大変、正統的なLINEの使い方をされていますね。
- 是常
- 私も東京公演の時に水野伽奈子さんの公演に行ったのでその事を書いたり。いまだにビアガーデンに行ったりしてるですよ。本当にいい座組になりましたね。みんながみんなを尊敬しあって、面白がっている感じがしました。
TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER THIRTIES」
公演時期:2014/3/27〜31。会場:in→dependent theatre 2nd。
質問 高田 会計さんから 是常 祐美さんへ
質問 畑中 華香さんから 是常 祐美さんへ
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- 悪い芝居の畑中さんからも質問を頂いてきております。「大阪を拠点に演劇をやっていて、良いと思った事はありますか?」
- 是常
- そうですね・・・。大阪と関係あるかはわからないですけど、まずはかのうとおっさんに出られた事。あとは、お客さんとコミュニケーションを取ろうと思えた事ですかね。
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- というと。
- 是常
- 色んなところに出演させていただいたり自分のところでの演出を通じて分かったんですが、客席の奥まで演技が届くかどうかが凄く大事で。いい芝居をしても、舞台の縁のところまでで止まっていたらお客さんはボーっと見ているだけなんですよね。舞台上ではすごく成立しているのに、客席の奥まで届いていない。
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- 後ろの壁まで。
- 是常
- どんだけいい芝居をしても、届かなければ意味がない。範囲がここまでだったら意味がないと。笑いについても、ここまで届いていないといけないんですね。
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- 基本的だけど、それってすごく重要な事のような気がしますね。客席を含んだ芝居の成立。
- 是常
- 舞台で成立しているのは当たり前ですけど、客席に届かないと意味がない。見れない訳じゃないですけど、魅力は半分なんだと思います。私のイメージでは、笑いだったら「こっち来いよ☆」みたいな感じで、会話劇だと「いいよ・・・?」みたいな感じ。
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- いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
- 是常
- こまち日和でもそうだと思うんですけど、今まで共感性で作ってきたと思うんです。この役はこういう気持ちだろうから、その枠に自分をはめる、みたいな。でも、そんな作り方だけではいかんな、と。これは自分の人生が関わってくると思うんですが、自分自身のことが分かっていなければアカンな、自分の輪郭が分かっていなければ、これ以上のところには行けないんかなと。
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- なるほど。
- 是常
- もっと自分自身が自由であるためには、自分の足で立っていなくてはならないんですよ。私が何者で、何が好きだったりするのか。を明確にしていないと。役者としては何でも出来るようでありたいんですが。そう、自由な人に憧れています。今回の作品で言うと千田さんにそういうのを強く感じます。いい意味で自分勝手にいられているんですよ、共演者の存在とか、台詞とかに寄っかからずに、自分でまずは立っていようという感じがして。すごくいいなあ、って。私も、台詞がない、役の形がないと何も出来ませんというところからは、ちょっといい加減に出たいなと。それは嘉納さんを見てもそう思います。
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- これまでのスタイルから卒業したいと。
- 是常
- もちろん、役の型も保ちつつ、両立出来たらいいなあって思います。でも、舞台上で自由な人でいるためには、初見のお客様に「なんだかこの人、いいなあ」って思われるようでなければ成り立たないと思うので、すごく難しいなと思います。でも、できるようになりたいですね。
コレはモテ期・・・?
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- 今後、どんな感じでせめて行かれますか。
- 是常
- 今年11月まではいくつかお話を頂いているので。まずはそれを頑張ろうと思っています。今年は凄くたくさんお話を頂いて。凄く嬉しいんです。
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- それはモテ期ですね。
- 是常
- そうなのかな。人生でこんな時期がくるなんてびっくりしてます。反面、じっくりと演技を作ってみたいというのもありますね。一ヶ月以内に何とかする、みたいなのがずっと続いているんで。それも刺激的で楽しいんですけど。
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- なるほど。
- 是常
- 今後は、もっとキャパの広い舞台にも立ってみたい。自分の芝居がどこまで届くか挑戦してみたいですね。一つ一つ積み重ねていけたらと思います。
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- 頑張って下さい。
- 是常
- ありがとうございます。まだまだガツガツ芝居していきたいです。
アガベシロップ
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。つまらないものですが。
- 是常
- ありがとうございます(開ける)。おお、すごい。
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- それはですね、アガベというサボテンのシロップですね。上品な甘さらしいですよ。
- 是常
- 炭酸とかで割ったらおいしそうですね。
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- かき氷のシロップにしたらおいしいそうですよ。
- 是常
- めっちゃ高級になりそうですね。