劇団壱劇屋 第22回公演『Lumiere Dungeon』
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- 今日はどうぞ、よろしくお願い致します。最近、竹村さんはどんな感じでしょうか。
- 竹村
- 忙しいですね、一昨年から休み無く動いているので。ちょっとずつ充実してきていますが。今日はムーンビームマシーンの稽古です。今回は殺陣があるらしいですね。
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- なるほど。壱劇屋以外にも客演が多いですよね。そして、壱劇屋次回公演の「Lumiere Dungeon」。現在はどんな感じでしょうか。
- 竹村
- 今回、実際の1100人収容の大ホールを使わせてもらって稽古しています。その全て活用をし、劇場のスタッフさんにも協力頂いた演出もあるんです。今回は協賛ですので、イベントでしか使えない機材もお借り出来てしまうんです。楽しんでもらえたら嬉しいですね。
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- 楽しみです。頑張って下さい。
壱劇屋
2005年、磯島高校の演劇部全国出場メンバーで結成。2008年より大阪と京都の狭間、枚方を拠点に本格的な活動を開始。主な稽古場は淀川河川敷公園で、気候や時間帯をとわず練習する。マイムパフォーマンスを芝居に混ぜ込み、個性的な役者陣による笑いを誘う演技にド派手な照明と大音量の音響と合わせ、独自のパフォーマンス型の演劇を行う。イベントではパントマイムやコントをしたり、FMラジオにてラジオドラマ番組を製作するなど、幅広く活動している。(公式サイトより)
劇団壱劇屋 第22回公演『Lumiere Dungeon』
公演時期:2014/1/22〜24。会場:門真市民文化会館 ルミエールホール 大ホール。
壱劇屋リーダーだから
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- 竹村さんは、壱劇屋にどんな感じで関わり始めたんでしょうか。
- 竹村
- 僕と大熊が高校の同級生で。3年の卒業公演後、2年ぐらいして僕も壱劇屋に入りました。大熊とは同級生なんですけど、劇団の中では後輩ですね。
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- 今、壱劇屋ではどんな役割なのでしょうか。
- 竹村
- 僕ですか。代表は大熊なんですけど、僕はリーダーという役割だと言われてますね。どちらかというと現場監督的な。大熊が基本的には回すんですけど、うまくいかない時は僕が代わりに回すみたいな。その時に方向性を具体的に考えたり。まあ、基本的にはみんなで創作していってるんですけど。
タケミツナリタ
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- 去年の話になりますが、タケミツナリタが面白かったですね。凄く、ああした作品も出来るという懐の深さを感じました。
- 竹村
- ありがとうございます。
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- 「バンブー!」っていうかけ声が、後半になってみんなに移るというのがいいシーンでした。伺いたいのですが、今までで一番、壱劇屋でご自身が輝いたのはどの瞬間ですか?
- 竹村
- 輝いた・・・。僕はすごくネガティブなので、言ってしまえばあまり自分が好きではないので。いつかな。少なくとも、タケミツナリタは、個人的には・・・。実はあの時、喉を潰してしまって。大丈夫だろうかと不安になりながらやっていました。ウォーミングアップを普段より多くこなして、それでようやく声が出てくるような感じでしたね。気を付けたいです。
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- ネガティブですね!では、どういう時に「これは上手くいった」と感じますか?
- 竹村
- 例えば、大熊の演出を、大熊が伝えきれない時に僕が落とし込んで誰かにすっと伝えられた時、とかですね。僕らが独自ルールでやっているのを、例えば客演さんに何とか伝えないといけないんですけど、大熊の頭の中にしかなくて、大熊も言語化出来てないものを作るのが僕らの役割なので、そこをまず俳優に落とし込んで、さらに作品に転化出来たら、それは成功だと思っています。
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- 演劇を作るのはそれはもう大変ですよね。台本さえあればそれは作れると思いきや、イメージの伝達が舞台上で行われなければ客席には伝わらない。台本だけでも十分面白い作品があったとして、しかし演劇シーンにしたとき、作家も気付かないような面白い可能性がたくさん眠っている。それを引き出すには劇団という集団が最も深く探り出せるんですね。役者が行くべき可能性に到達出来る。その時、竹村さんのようなポジションの人がやるべきなのはどういう事なのでしょうか。
- 竹村
- 自分のカラーを強く持っている人であれば、普通に演技をしていてもそれは出てくるし、面白いと思うんですよ。しかし、壱劇屋に限って言えば、大熊のイメージありきだと僕は思うようにしていて。他の劇団が大熊の演出をやろうとしても、それは上手くいかないと思いますね。大熊が狙っている事を僕らがそのまま落とし込んで表現するのが、壱劇屋の公演の俳優の役割だと思うんです。だから細かく伝えますね。ざっくりとは伝えないです。もちろん、強制する訳じゃないですけど。でも、個性を強く出すべきシーンと、あまり出さない方がいいシーンがあって、そのラインは伝えます。大熊は才能は絶対多く持っている演出家なので、そこを最大に引き出すのが僕らの成功ですね。
劇団壱劇屋第19回公演「突撃!八百八町!!?人斬りピエロ軍団vsタケミツナリタ?」
公演時期:2013/2/23?24。会場:中津芸術文化村ピエロハーバー。
質問 河原 岳史さんから 竹村 晋太朗さんへ
凡庸性について
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- 竹村さんにとって、優れた俳優とは何ですか?
- 竹村
- 僕にとっては、凡庸性が高い事ですね。個性というよりは、どんな脇役であっても、どんな演技であっても出来る俳優。一般的な演技が、何のストレスもなく見せられる人が一番いいですね。
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- その為に、なにをしたらいいのでしょうか。
- 竹村
- 一人の人が出来るストックには限りがあるので、その人が元々持っている方向にある事をするべきだと思いますね。それと、人間観察でしょうか。僕は感性よりも考えるタイプなので、頭を絞りきります。
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- 人間観察。実際に他人を見るという事じゃなくて、人の認識の機微を分析するという事?
- 竹村
- そうですね。人を見ていても何を考えているかは分かりませんしね。こうやって対面して会話すると、より観察が出来るんだと思います。
明日へ
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- 最近、芝居をする上で、何か細かい気付きはありましたか?
- 竹村
- 舞台に立つ前に、「こういう役として入ろう」という心づもりがなくても、いざ舞台に上がって演技が始まると演技が組上がっていく。そんな人を上手だと言うんだろうなと最近思いまして。演技指導が無くても自分で演技が出来る人なのかなと。
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- いつか、一緒に作品を作ってみたい方や劇団は。
- 竹村
- 大阪バンガー帝国の大塚さんですね。あの人はとても忙しいので、バッと稽古場に来てバッと作って行かれるんです。でも、最初から最後まで一緒に作れたら、凄いものが出来るんじゃないかなって思っています。
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 竹村
- 外部活動に関しては、壱劇屋のネームを売る為だと考えているので積極的に続けます。あとは、もうちょっと劇団の環境を整えたいです。僕は、壱劇屋という劇団は売れるものだと考えていますので。そこにもっと専念出来る環境を作りたいですね。大熊は、そこまではちょっと気が回らないと思いますので、僕がそこを考えていけたらなと思っています。
ニシンの缶詰の絵柄のマグカップ
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。どうぞ。
- 竹村
- ありがとうございます。(開ける)おおー。
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- マグカップです。
- 竹村
- 箱も可愛いですね。
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- 使っていただければ。