ボンク☆ランド から遠く離れて
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。髭さんは最近、どんな感じですか?
- 髭だ
- 最近は自分のところの稽古をしたり、先週は企画に出演してましたね。
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- そうそう、第二回くさび企画 ですよね。ボンク☆ランドとくさび企画へのご出演。見たかったです。
- 髭だ
- 西さんが最高傑作だと言っていて。それについていく感じでした。
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- 西さん、面白いですよね。
- 髭だ
- 僕なんかでいいのかと思ってました。あの人は描きたい事がたくさんあって、僕がその中にいてもいいんだろうかと。
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- どんな作品だったんですか?
- 髭だ
- 「バナナX」という、ありもしないヒーローの話を延々し続けて、それを知っている人間がどこにもいなくなってしまったという。それを知っている人がどこにもいないから、西さんはそれを喋り続ける。僕はそのバナナXを演じました。
劇的細胞分裂爆発人間 和田謙二
亀岡高校柔道部の先輩、後輩である、てんま1/2としゃくなげ謙治郎が嵯峨野山陰線車内にて発足。さらに髭だるマンを加え、増殖中。人の笑顔のために世間の良識と立ち向かう、穀物由来の素材系演劇集団。(公式BLOGより)
ボンク☆ランド
ボンクランドとはつまりボンクラの王国である/ボンク=bonk=一撃と言う意味もあり、一撃王国、転じてボンクラの一撃と言う意味もある/色々なものに一撃与えたい、せめて一撃浴びせたい、出来ればダメージを食らわせたい/そんな志を胸に、演劇とやらを武器に振るおうと決めました/冷やかし半分でも構いません/見物してみてくださいませんか…?(公式BLOGより)
くさび企画
公演時期:2014/12/31〜12/31。会場:人間座スタジオ。
KYOTO EXPERIMENT 2014 フリンジ企画 オープンエントリー作品 第19次笑の内閣 福島第一原発舞台化計画−黎明編−『超天晴!福島旅行』
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- 次の内閣、「福島〜」ですね。今は稽古中ですね。
- 髭だ
- 稽古真っ最中です。
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- どんな作品になりそうですか。
- 髭だ
- とにかく、いまの福島の事がもっと分かる作品になると思います。毎回、扱う題材について高間さんが異常な量まで調べてくるんです。そこに支えられた演劇に笑いも仕込むので、二つの意味で満足出来ると思うんですが、今回はいつもの内閣と違うなあという部分があるんですよ。
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- というと。
- 髭だ
- のるてとかツレウヨとか、規制や排除の流れに逆らった意見を持つ人をピックアップして取材して、という形だったんですけど。でも今回だけは、これがネタ的に面白いからやろうというスタンスじゃなくて。
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- つまり、高間さんとしての、福島原発事故への意見があると。
- 髭だ
- というより、ちょっと違った方面からの意見というか。言うて「笑の内閣」、名前は売れているし、お客さんが入るんだったらもっと見た目に派手なテーマはあるんです。だから、いま福島を取り上げる事はないだろうと思うんですよ。でもあえて取り上げている。
笑の内閣
笑の内閣の特徴としてプロレス芝居というものをしています。プロレス芝居とは、その名の通り、芝居中にプロレスを挟んだ芝居です。「芝居っぽいプロレス」をするプロレス団体はあっても、プロレスをする劇団は無い点に着目し、ぜひ京都演劇界内でのプロレス芝居というジャンルを確立したパイオニアになりたいと、06年8月に西部講堂で行われた第4次笑の内閣「白いマットのジャングルに、今日も嵐が吹き荒れる(仮)」を上演しました。会場に実際にリングを組んで、大阪学院大学プロレス研究会さんに指導をしていただいたプロレスを披露し、観客からレスラーに声援拍手が沸き起こり大反響を呼びました。(公式サイトより)(公式サイトより)
KYOTO EXPERIMENT 2014 フリンジ企画 オープンエントリー作品 第19次笑の内閣 福島第一原発舞台化計画 黎明編 『超天晴!福島旅行』
公演時期:2014/10/16?21(京都)、2014/12/4?7(東京)。会場:アトリエ劇研(京都)、こまばアゴラ劇場(東京)。
福島への勉強会
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- さて、笑の内閣の芝居そのものについて。内閣の芝居で気になるのはやはり役者の演技なんですよね。それは前提事項としてあるんですが。
- 髭だ
- (笑う)
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- 今回、高間さんに何か意見があるという事は、それはつまり役者にもその意見は理解出来ているはずで。だったら、役者がその意見を通そうというなら、自然にその演技も理解しやすいものになっていくんじゃないかなと思うんですよね。
- 髭だ
- うーん。今回は4月から勉強会をしてますからね。オーディションもしてきたので、その部分でもちょっと違うと思うんです。何より、見て笑って頂けたらそれが一番です。そして、今回の芝居がキッカケで福島に興味を持って、旅行してみようというのはもっと嬉しいです。まあ、あまりそういう事は考えすぎずにいければいいですね。
今回は風俗王とかじゃない!?!?
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- 今回、髭さんはどんな役を演じるんですか?
- 髭だ
- 今回は下品じゃなくて、教養と知性がある、地位の高い役柄なんですよ。
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- 今回は下衆ではない!今までは風俗王とかを演じていたのに。
- 髭だ
- そうですね、今回は客席から悲鳴が起こることはないと思います。
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- でもそんな役、髭さんに作れるんですか?
- 髭だ
- 頑張ります(笑う)。自分は結構、考えすぎてしまう傾向があるんです。混乱してしまった末に、やはり自分の原点に戻っていくんですよ。最初に思った形に戻ってきますね。
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- というと。
- 髭だ
- 飽きっぽい人間なので、最初のを突き詰めていかないんですよね。もしかしたらこうなんじゃないか、と考えたものは無駄じゃなくて、最初のにたどり着けるという事だと思います。
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- 原点に戻るという事?
- 髭だ
- 原点なんですかね。でも、一番最初に脚本を貰った時、「この人はこういう事を考えている人なんだ」と理解して、最終的にはそこに戻ってくる事はありますね。
笑の内閣に出会って・・・
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- 髭さんがお芝居を始めた経緯は。
- 髭だ
- 昔、ものすごく人見知りだったんですよ。引っ込み思案で。小学校で全校生徒の前で喋ったりするような機会でも、出来なくて。中学校の時に文化祭で演劇をしたんですけど、それが自分の行動とは全然違うような役柄だったんですが、結構ウケて。もっとやりたいなと思ったんですね。高校には演劇部は無かったので合唱部に入りました。大学の演劇部に入りました。未踏座です。先輩に九鬼さんがいるんですよ。同期にキタノ万里、2個下に森孝之、図書管がいます。いま考えると凄いメンツですよね。
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- 笑の内閣との出会いは。
- 髭だ
- 先輩の川崎さんという方に紹介頂いて、一度呼ばれたんですけど予定が合わなくて断ってしまって。3回生の時に、「非実在少女のるてちゃん」に出演して、それからほとんどレギュラーですね。プロレスにも2回くらい参加しています。いつも公演が終わると、「もういいかな」と思うんですけど次も参加しています。何なんでしょうね。題材が面白いからでしょうか。
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- 笑の内閣。役者の演技が糞下手なのにこりっちで準グランプリを取るという荒業を成し遂げましたよね。しかもそれがあんまり話題になってないという。
- 髭だ
- 不思議ですよね。高間さんが不思議な人だと思うんです。いやー、よく分かんないです。高間さんは。どこでも営業するんですよあの人は。どんな人間に対しても分け隔て無く営業をしてるんです。集客に対する姿勢は昔っから変わってませんね。もう結構売れてるやろうにあの人は何なんでしょうね、その貪欲さは。まあそうでもしないといかんのだとは思いますが。
稽古場
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- 髭さんが今まで苦労した演技は何ですか。
- 髭だ
- 去年のボンク☆ランドはきつかったですね。自分、才能無いなと思ってしまって。稽古場の空気に押されてしまったというのもあったと思います。
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- 以前出演されたゲキバカは。
- 髭だ
- ゲキバカは上手くいってましたね。自分を出せたんだと思います。
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- つまり、女性の存在ではないですかね?女性にいいところを見せようとして頑張るとか。
- 髭だ
- そうですかね。まあそれは男だからあるかもしれません。
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- 内閣はどうですか。
- 髭だ
- 大丈夫だと思います。内閣は毎回カワイイ人がいるので。
質問 由良 真介さんから 髭だるマンさんへ
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- 前回インタビューさせて頂いた、由良さんから質問を頂いてきております。「あなたが体力的・精神的に限界を感じたのはいつですか?」
- 髭だ
- 一年前ですかね。あの時期はたくさん出てました。「65歳からの風営法」のツアーの合間に結婚式プロレスに出て。あの時期はフラフラでした。和田謙二の公演がその2ヶ月後にあったりして。
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- なるほど。
- 髭だ
- 本当に、体力と気力の限界が見えるまで芝居してたんです。本当に、辞めた方がいいのかもしれないというぐらいやっていました。でも、いま辞めてどうすんの俺と思って。なら続けるしかないでしょう、となって。でもそこから、ガラッと変わったんですよ。今は出ないといけないなと思って。そこで今年大阪ゲキバカのオーディションを受けて、合格して新しい関係を得る事が出来て。そういう一歩を踏み出せたんですよね。一歩、飛び出してみたら辛くないんですよ。やってから後悔したらいいと思うようになりました。
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- 髭だるマンの名前をみんなが知るようになればいいですね。
- 髭だ
- いやあ、もっと自信が付いたらいいなと思っています。ただ、舞台の上では「自分が誰よりも上手い」と思うようにしています。で、舞台を降りたら人一倍反省してます。これエリック・クラプトンっていうギターの上手いおっさんが言ってました(笑)
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- いつか、どんな演技が出来るようになりたいですか?
- 髭だ
- 役を演じていても、髭だるマンとして見られているような気がするんです。その役の演技だと見られているんじゃなくて、「髭だるマンがまた気持ち悪い事やってる」って。そういう事がないようにしたいですね。
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- 現状を打破したいと。髪型を変えたらいいんじゃないですか?
- 髭だ
- ああ、そういうところですかね。まあ、今までの髭だるマンとはかけ離れた役どころを経験したいと思いますね。
泥臭い王道を見るなら和田謙二!
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- 「劇的細胞分裂爆発人間 和田謙二」について伺えればと思います。どんな作品を作られるんでしょうか。
- 髭だ
- まず、和田謙二は僕の後輩が作ったんですよ。面白い奴がいて。そいつがユニットを作ると聞いて、そこに乗れたらなと。一言で言うと、ベタ・王道ですね。主役を張れるような奴がいないので、泥臭く突っ走ればいいんじゃないか、という事になって。今後も何をやるにしても「全部ひっくるめて王道活劇だ!」って言うと思います。
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- 素晴らしい。髭さんは、今後どんな感じで攻めていかれますか?
- 髭だ
- それはもう、飛び出したいですね。内閣以外で地方に行く、というのが目標です。だからどんどん、面白いなと思った企画を見つけて、オーディションを受けていきたいなと思っています。
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- そういう事が出来る内にね。
今まで共演してきた人たちがいついなくなるのかも本当に分からない
- 髭だ
- ちょっといいですか。
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- ええ。
- 髭だ
- 僕が高校3年の頃、親父が急死したんですね。何の前触れもなく、くも膜下出血で。昨日まで普通に動いてたのに、翌日動かなくなってしまったんです。そういう事があってから、人生について色々考えるようになりまして。多感な時期に、何で!?と。神様なんていないんだなと。
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- なるほど。
- 髭だ
- でも、親父が死ななかったら、推薦をもらって京都の大学に来ることも無かったんですよ。翻弄されているなという事に腹が立って。演劇とかドラマとかを見ていると、そういう人生のドラマは出てきますよね。でも何かどれもキレイなんですよね。そういうのが、何だかすごく嫌で。
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- ええ。
- 髭だ
- 何で、余命を宣告されているのにあなたはそんなに凛としていられるの、と。死ぬ直前にでも、「死にたくない」と一言言って欲しいんですよ。もっと足掻いてほしいんです。絶対言うはずやん、素直に口に出してもいいと思うなあ。本当に、人はいついなくなるのか分からないんですよね。僕もいつまで演劇を続けていられるか分からない。今まで共演してきた人たちがいついなくなるのかも本当に分からない。大切にしないといけないなと、日々思っています。
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- そうですね。足掻いてほしい。
- 髭だ
- だって、人間は死ぬ為に生きている訳じゃないんですよ。
枝豆メーカー
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
- 髭だ
- ありがとうございます。
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- どうぞ。大したものではないんですが。
- 髭だ
- (開ける)枝豆?
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- レンジで枝豆が作れる奴ですね。