演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫

藤原 大介

俳優

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正直者の会稽古中

__
今日はお忙しい中、申し訳ありません。宜しくお願いします。
藤原
こちらこそ、宜しくお願いします。
__
最近は、正直者の会の稽古が始まっているのでしょうか。
藤原
正直者と、ウチの山口吉右衛門が4月に出展する、東京の演劇コンクールの稽古があるんだけど。ギィ・フォワシイっていう戯曲家の作品だけを上演するという。それとの掛け持ちですね。
__
正直者は精華演劇祭ですね。稽古の進み具合はいかがですか?
藤原
どうなんやろう。普通の芝居の稽古のようには進みませんね。まず脚本があって、それについて稽古をするというやり方ではなく、しばらくエチュードばっかりを続けて、その後にいい感じの台本がくるという感じなので。今は、最初の脚本がようやく来たばかりですね。これからどうなるかまだ、分かりませんね。
__
かなり、アイデアを発掘するみたいな感じでしょうか
藤原
そうですね。これまでも実験的な事をたくさんやってはりますので。
劇団飛び道具

京都を拠点に活動する劇団。

正直者の会

田中遊の作品を定期的に発表する場所として1997年より活動を開始する。各企画それぞれで参加者を集めて公演をする。多人数の役者によるお芝居から、近年展開している田中遊の一人パフォーマンスまで。(公式サイトより)

山口吉右衛門

俳優。演出家。劇団飛び道具所属。ユニット「このしたやみ」所属。

精華演劇祭Vol.9「いちげんさん」

2008年2月から約2ヶ月間にわたって、全6団体による個性豊かな作品が上演された。(公式サイトより)

飛び道具

__
飛び道具の代表である藤原さんに伺いたいのですが、今後の活動としては。
藤原
今年の6月に公演をしようと言ってるのですが、何せウチの人達はノンビリしてるので(少し笑う)、まだはっきり決まってる事は何もないです。
__
もの凄い楽しみにしております。
藤原
ああ、すいません、頑張ります。
__
この、何て言うんですかね、「Sofa」から結構間を欠かさずに拝見しているんですが、結構「家族」をテーマにされる事が多いですよね。
藤原
ああ、多いですよね。何ででしょうね。ウチの脚本家の大内が書いてくるのはそういう話が多いですね。今度の6月にやる話は家族の話ではないようなんですが、濃密な人間関係を描くようで。まあ、そういう、狭い社会を描くのが得意なのかもしれませんね。
__
「ラフプレイ」も、そういう、人間関係そのものが強く描かれた作品でしたけれども。
藤原
あれも、家族だかなんなんだか分からない・・・。賛否両論でしたね。
__
そうだったんですか。
藤原
僕もやっていて何が何だかよく分からない、終わってみて色々考えるような作品でした。
「Sofa」

公演時期:2003年12月12日〜14日。会場:京都府立文化芸術会館。

力の入っていない

__
藤原さんがお芝居を始めたキッカケというのを教えて頂きたいのですが。
藤原
大学の1年生から始めたんですけど、それまで元々映画が凄く好きで。映画部に入ろうかと思ってたんですけど、演劇をやるのも勉強かなと思って入ったのが最初ですね。
__
ええと、なんと言う劇団でしたっけ。
藤原
今はもうないんですけど、文文座というとこですね。他の演劇部は稽古とかバリバリやってたんですけど、僕はそんなにストイックではなかったので、あまり力の入っていない所がいいだろうと思ってそこに。当時は段ボールで舞台セットを作ってるような力の抜け具合で。
__
ああ、いいですねそれは。個人的には逆にワクワクします。
藤原
その内、僕の同期の人達がムキになって演劇をやり始めたんです。段ボールで舞台作ってるなんてとんでもないと。それが今一緒に飛び道具やってるメンバーなんですけどね。
__
あはは。それから、もう飛び道具は11年ですね。
藤原
そうですね。

ハイピッチ

__
2007年度は、どのような1年間でしたでしょうか。
藤原
どんな年やったんやろう。すごく沢山お芝居をした年でした。忙しかったです。なるべく、頂いた出演のお話はお引き受けいたので、毎月何かに出ていたし。
__
dotsとか、色々ありましたよね。
藤原
飛び道具の公演もあったし。
__
相当多くの舞台に立たれた訳ですが、ご自身の生活にとって、舞台作品に関わるというのはどんな意味を持つのでしょうか。例えば、一本の芝居に参加するとなったら。
藤原
自分の生活の中の一部になったりしているので、取り立てて特別な事になったりはしていませんね。でも、それもどうかと思い始めていて。あまりにハイピッチで公演を行うと、どうすかね。驚きとか薄れてきますかねえ、やってる自分にとっては。本番の舞台が多くなってくると、何か触発される事柄が少なくなって来るんですね。それも良い事か悪い事か分からないけど。
__
では、最近で、一番難しかったお芝居、役はありますか。
藤原
難しい役。あまり難しさは感じないんですね。簡単だとも思わない。難しい・楽だとかは分からないですね。大変なのは、例えば落語は覚えるのが大変だというのはありますが。
__
凄いですね。
藤原
何も考えてないだけですよ(笑う)。
__
考えてない(つられて笑う)。
藤原
かといって、楽チンな役だと感じる事もありませんけどね。
__
自然にやっている感じですかね。
藤原
どうでしょう。やり終えた後に色々考える舞台もあるんですが、やってる時はそれが難しいかどうかというのはあまり考えませんね。
__
藤原さんの演技は、拝見しておりますとすごく自然に入ってきますよね。力を抜いて観ていられるというか。ご本人としては。
藤原
そうですね、自覚してやれている時とそうでない時があるんですが、そういうのが好きな気はしますね。こういうやり方を買って一緒にやってくれる方もいらっしゃるんですが、そうではない場合はどうもサボってるように見られるみたいで(笑う)。
__
なるほど(笑う)。

「いちげんさん」

__
京都舞台芸術協会についての関わりについて。藤原さんも理事として深く関わっておいでですが、いかがでしょうか。
藤原
どう言ったらいいんかな。発足する前は、横で連携していくという事が薄かったみたいで。僕らのだいぶ先輩にあたる人達が。だから、横の連携を取るという為に作られたのもあるんですけどね。ただ、僕らはやっている上で割とそういうのは結構出来ているので、それをわざわざ確認する必要はないだろうと思います。ただ、京都で演劇をやっていて、横のつながりが希薄な人も中にはいると思いますので、そういう人達の為の仕事が出来ないと本当は出来ないと思っています。ただ現状、他の理事も自分達の公演があったりで積極的に協会の仕事を広げていくのが体力的に難しいという面もありますね。ですが、協会を発足した先達は活動から手を引いて僕らの世代に譲ったという形ですので、多分これから変わっていかなきゃならない時期なんでしょうね。どう変わっていくかはまだちょっと詰められていませんが。
__
話は飛びますが、2月から始まる精華演劇祭は京都舞台芸術協会主催ですよね。これは、一体どんな経緯で。
藤原
元々、大阪舞台芸術協会と企画委員の持ち回りみたいな形でやってるんですね。
__
なるほど。今回のタイトルは「いちげんさん」ですが、これはどういう・・・
藤原
理事達がもの凄く頭を捻って。「どうする?」「何にする?キャッチコピー」って(笑う)。
__
京都らしさ、をアピールした。
藤原
そうですね、京都らしさがわかりやすいものである事と、今回のセレクトは誰でも見た事があるよ、という所を選んでないんですね。京都の人ならば名前は知っているけれども、大阪の人はあんまり知らないんじゃないかな、というところをあえて選ばせてもらっています。
__
2月からですね。非常に楽しみにしています。
藤原
僕も楽しみです。自分も出ているから頑張らないといけないし。
京都舞台芸術協会

京都の舞台芸術の活性化を目的としたNPO法人。(公式サイトより)

ハーモニカ

__
今後、どういう感じで攻めていかれますか。演劇人として。
藤原
攻める。うーん。コツコツとやっていこうかなと。それは昔からそうなんですけれども。
__
はい。
藤原
何やろうな。マイペースでやれればなというぐらいなんですけども。何か大きな野望があるかと聞かれると多分ないし。始めた当初から今日まで、おもろいから続けているので、今後もおもろい、楽しいと感じ続けている限りは続けたいですね。
__
かしこまりました。本日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがあります。
藤原
ありがとうございます。
__
いえいえ。どうぞ。
藤原
何ですか?見ますよ。(開ける)
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どうぞ。
藤原
男の人からプレゼントを貰う事なんてないしな・・・。おお。これは。ウチの奥さんが喜ぶんじゃないですか?渋い。
__
ハーモニカですね。
藤原
これはいいですね。
(インタビュー終了)