ジムに行く理由
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- 今日はどうぞ、よろしくお願い致します。最近、重実さんはどんな感じでしょうか。
- 重実
- よろしくお願いします。この1年半ぐらいに、舞台出演が続いていて休みが無かったんですけど、今はちょっと準備期間で。映画を見たりトレーニングをしたり、ジムに行って体を磨こうとしています。最近はあんまりダンスをしていなかったので、それに向けてまず筋トレをしようかなと思っています。
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- 筋トレ、どんなメニューが好きですか?
- 重実
- バイク漕ぐ奴とかですね。
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- 演劇関係だと、今回のABC春の文化祭 にヨーロッパ企画の作品に出演されますね。
- 重実
- そうですね、本当にヨーロッパ企画の皆さんは凄いなあと思うばかりです。
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- 大きな舞台ですよね。他の団体さんもたくさんだし。失敗すると・・・お祭りだけど、失敗するとやばいですね。
- 重実
- 初の文化祭なので、頑張ります。
花柄パンツ
京都造形芸術大学2014年3月卒業 / ダンスパフォーマンスユニット/ 女の真髄をえぐり出すようなパフォーマンスを作っている。(公式Twitterより)
ABC春の文化祭2017
公演時期:2017/5/3~4。会場:ABCホール。
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- ママママの「祝祝祝祝」。大変面白かったです。ご自身としてはどんな経験でしたか?
- 重実
- そうですね、コントというのをしたことがなかったので。コメディ芝居は出たことがあるんですけど、コントと銘打ってやるのが初めだったので、すごく模索していました。木之瀬のやっていたMassachusettsが前身なんですけど、そこから引き続いて出演しているメンバーもいるし、今回初めて女子も入ったりで。みんなで探りあいながらやっていた感じでしたね。
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- どんな探り合いでしたか?
- 重実
- 前半にはコントが集中していたんですけど、後半には芝居に寄せたものがあったんです。個人的には、前半の方のコント特有の役者の立ち方に興味がありました。役でもなく、自分でもなく、立ち回りながらボケをしている。その技術は凄いなあと思っていました。ただの自分として舞台に立つのとどう違うのか掴めなくて。
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- 模索していたんですね。
- 重実
- やっぱり、ダンスとは違う立ち方でした。自分でもなく、役でもなく、ボケる、みたいな。
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- 複数の立場から乖離している身体性。
- 重実
- でもそれは別に、見ていて嫌なものではない。あれはどうやって作ればいいんだろうなと、ずっと考えていたんです。不思議な身体ですよね。
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- あまり意識なく見ていたような気がしますが、そう言えば不思議ですね。まず、リズムとテンポがあって、親しみがある。その場を回していく為に、コントのお話の世界に没入し過ぎず、しかし離れすぎず、観客との距離は基本的には近いが、近すぎる訳でもない。説明するの難しいですね。
- 重実
- 難しいですね。
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- さて、「祝祝祝祝」、どのコントがお気に入りでしたか。
- 重実
- 通称「手続き」というコントが好きです。
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- ああ、市毛さんも好きだって言ってましたね。
- 重実
- あれは市毛くんが本当に格闘してましたね。何回も稽古重ねたので、みんな思い出深いと思います。
超コント的姿勢《スーパーコントアティチュード》ママママ?『祝祝祝祝』
公演時期:2017/3/10~12。会場:KAIKA。作・演出:木之瀬雅貴。出演:市毛達也 大澤利麗 岡野有花 木之瀬雅貴 重実紗果(花柄パンツ) 福久聡吾(カムカムミニキーナ)。
舞台写真提供:ママママ様
脱力ジャンプ
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- 重実さんが舞台を始めた経緯を教えてください。
- 重実
- 高校三年生の時、選択で演劇の授業があって、受けてみようと思って。それが楽しくて、演劇をもっとやってみようかなと(ふわっとした気持ちでしたが)。京都造形大の舞台芸術学科は俳優だけじゃなくて演出やスタッフやダンスも学ぶ事が出来るので、そこが強みだなと思って入りました。でも、その中でダンスの授業を受けていく内に、ダンスが面白くなって4年間ずっとダンスばかりやっていました。
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- 造形大で影響を受けた授業は?
- 重実
- やっぱり伊藤キムさん、寺田みさこさんのお二人で、私の心の師匠です。舞台を作るに当たってやるべき事とか、舞台の立ち方とかを教えて下さいました。先生でありながら二人ともアーティストなので、アーティスト側の意見を教えてくれたし、先生として指導もしていただけて。すごくいい経験をさせてもらいました。
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- どんな授業が印象的でしたか?
- 重実
- 2年生ぐらいの頃かな。伊藤キムさんの授業で、最初の30分ぐらいずっと脱力しながらジャンプするのがあったんです。脱力ジャンプというんですけど。身体の力を全部抜いて、ブランブランの状態でジャンプし続ける。3人ぐらいのチームに分かれて、一組3分ぐらいでジャンプ続けるという。本当に物凄くしんどくて、「もう嫌だ」とか言い続けながらやっていたんですけど、後々やっていて良かったなと思ってます。それをすることによって、身体の普段使っていない部分の使えるようになったり、身体を動かすことにあまり恐れがなくなったり。辛かったけど、今となっては良かったなと思います。
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- ちょっとやってみようかな。
- 重実
- 最初はムチウチみたいになるので気をつけて下さい。(笑)
花柄パンツ結成前夜
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- 京都造形大学の在学中から、花柄パンツを結成されましたね。
- 重実
- 一回生の終わりぐらいから、「何かをやりたいな」という時期になるじゃないですか。皆スタッフとか俳優とか大学で専攻していたのはバラバラなんですけど、全員、子供の頃からダンスをやっているという共通点があって。ダンスをやるならこのメンバーかな、と。メンバー一人の子の家でご飯を食べながら相談して、「やろうか」という話になりました。「花柄パンツ」という名前もその夜に決めて。でも半年ぐらいは何もしなかったんですけど。
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- 名前にはどういう由来があったんですか?
- 重実
- 深夜のノリで決めたんです。漢字+カタカナの組み合わせが可愛いんじゃないか、という話になって、何がいいだろうと部屋の中を見廻したら、その子の部屋の毛布が花柄だった事から花柄が決まって、パンツは女だけのユニットだし、女っぽさが欲しいねというところから取りました。「パンティ」と迷いましたね。
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- 「パンツ」って今どき言わないですからね。
- 重実
- 花柄という言葉に大人っぽさと、パンツという言葉に子供っぽさを残そうと、その当時は言っていましたね。
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- 卒業制作公演は見ました。ドキュメント映像と、その後のダンスが良かったです。
- 重実
- ありがとうございます。
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- 今後の活動としては。
- 重実
- 今後はちょっと未定ですね。メンバーが京都にいなくて、今舞台を続けているのが私だけなので。
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- 寂しい。
- 重実
- 別に解散しようと言ってるわけではないですけど、未定です。
吸収する日々
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- 最近のテーマを教えてください。
- 重実
- 吸収、ですかね。とにかく充電中なので。音楽とか映画とか舞台とか、たくさん見て全てを吸収しようと思っています。
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- 最近見た中で印象的だったのは何ですか?
- 重実
- 今更ですが「ルーム ROOM」という映画を見ました。おととしアカデミー賞を取った映画なんですけど、それを観てすごく・・・奮い立たせられたと言うか。私もちょっと頑張ろうと思ったんです。内容とかではなくて。こんな作品もこの世にあるんだなあ、と。
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- 吸収期間なんですね。私も最近、狂ったようにネットでドラマを見たりしています。
- 重実
- そういう時って、何かをもらってるような気がするんですよね。
ソロダンス、どう見るか?問題
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- ダンスを始めたころから考えていることはありますか?
- 重実
- ソロダンスをどうやって観るか、ということずっと考えています。私は多分、ダンス公演を観るときそこまで身体の動きとか筋肉を見ていないのかもしれないなあ、と自覚していて。でもソロダンスで用いられるのはそういう部分じゃないですか。
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- この間までのダンサーへのインタビューで、「ダンスを観ている観客は肉眼でダンサーとコンタクトをしている」という話になったんですよ。演劇の場合は言葉がその仲立ちにある。観客の中に生まれる奥行きとか広がりは、演劇のそれとは輪郭が違うのではないか。
- 重実
- なるほど。肉体でぶつかり合う・・・やっぱり、ダンス作品を作っていると、「どうやって観ていいのかわからなかった」という言葉をもらったりするんです。そのお客さんにとってはそうでしかなかったんだなあと思うと、私にとっては終わりだなあ、と思ってしまって。私がエンタメが好きというのはそういうところから来ているのかもしれない。
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- 観方までも提示出来る作品、という事。届け方の話ですね。
- 重実
- 私は、そういうのを見ていて好きだなあ、と思ってしまうんですよね。ごめんなさい、ちょっと違うこと言ってるかもしれないんですけど。
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- 観方に困る作品が好きな人もいるかもしれませんけどね。
「夢の城」
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- 表現を始めた頃にご覧になった、衝撃を受けた作品はありますか?
- 重実
- ポツドールの「夢の城」。あれを見て、あんな作品があるのだから、私は舞台にを立たなくてもいいんじゃないか、と直後は思いました。冷静になると、あれぐらいすごい作品を作りたいとか出演したい、という思いも出てきましたが。公演後、花柄パンツの稽古場で会議になったんですよ。それくらい衝撃でしたね。
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- 私も拝見しました。あれは素晴らしかったですね。「夢の城」、全部キッカケが決まっているそうですね。ダンス作品だとも言える、みたいな評論がどこかにあったと思います。
- 重実
- そうなんですね。あの作品を観てから、花柄パンツの中で作る作品の方向性が「ドキュメンタリー作品」になっていった気がします。
泣く
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- いつか、こんな演技ができるようになりたい、とかはありますか?
- 重実
- 舞台上で泣いたことがないので、泣く演技ですかね。
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- 泣く演技。
- 重実
- でも、なんでもできるようになりたいです。ミュージカルもやってみたいです。小劇場にいると機会がないので。ララランドを観てマネしたりしてます。
質問 市毛 達也さんから 重実 紗果さんへ
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- 前回インタビューさせて頂いた市毛さんから、質問を頂いてきております。「芯を持った人になるにはどうすればいいですか?」
- 重実
- 何て言ったらいいのかな。舞台上で嘘をつかない、ということかも。今私はコップを持ち上げているけれども、そのことについて嘘だと思わない、ということ。
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- 自分の演技に対して懐疑心を抱かない、とか、コンテキストにもサブテキストにも確信を持つ、という事、とか。
- 重実
- 懐疑心を抱かない、ですね。あと、周りの目を気にしない、とかかな。それと、自分の信じたものを信じ続ける。この演技が決まっているから、ではなく、この演技を信じているから演技する、という事ですかね。ちょっと何言ってるか分からなくなってきました、すみません。
これから
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- これから、どんな活動をしていきたいですか?
- 重実
- これまで結構、京都だけで行ってきていたので。海外に行ってみたいですね。もちろん、地方滞在とかもやっていきたいです。それから、これまでずっと出演する側だったんですけど、自分で作品も作っていきたいという気持ちはあって。
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- おお。
- 重実
- 花柄パンツ以外の人と作ったことがないので、もしそういう機会があれば作り手になりたいです。
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- どういうものが作りたいですか?
- 重実
- ダンスということになると思います。
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- 観方がわからないダンス、ではなく?
- 重実
- そうですね、でも花柄パンツ時代にも「これってダンスなの?演劇なの?」って言われることはあったんですけど、私はどちらでもいいなあ、と思っていて。どうでもいいというわけではないんですけど、それに縛られて観方が分かってもらえなかったと思うんですよ。私が作るということになったら「これが演劇なのかダンスなのか」と考える余地のないような作品。私は演劇もダンスもやるので。
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- ええ。
- 重実
- 演劇で身体を使うことも、ダンスで言葉を使うこともタブーではないと思っているので。「これはこういうものだな」と思って観てもらえる物を作れたら超最高だな、と思います。
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- それそのものとしてあるだけで雄弁な作品。
- 重実
- 私はやっぱりドキュメンタリー性のあるものを面白いと思うので。もちろん、芝居として作ることもあるかもしれませんけど。
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- どんな感じの作品になりそうですか?
- 重実
- 今一番やりたいなと思うのは、無言劇がちょっと面白いなあ、と思っていて。どうやって作るべきなのかわからないですけど。一旦は私の半径1メートル以内の事を掘り下げていきたいなと思っています。花柄パンツ時代からそういう事を多くやってたんですけど。
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- 素晴らしい。応援してます。
- 重実
- 私個人としては、ダンサーでもあるし俳優でもあると思っているので。自分的にも、「ダンサーなので・・・」と言い訳せずに、なんでもできるオールマイティー人間になりたいと思っています。
バタフライ型ピン(シルバー)
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- プレゼント、遅れてすみません。大したものではないんですが、どうぞ。
- 重実
- ありがとうございます。(開ける)あ、可愛い。ピン。