京都にて
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。渡邉さんは、最近はいかがでしょうか。
- 渡邉
- 最近はちょっとバタバタしてきていまして。ひょっとこ乱舞の最終公演の「うれしい悲鳴」の稽古と本番があって、それからPLAYPARKにも出てたんです。ひょっとこ乱舞 からアマヤドリ に改称した最初の活動でした。それが終わってから、すぐこっちに来ました。
質問 村上 誠基さんから 渡邉 圭介さんへ
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- 前回インタビューさせていただきました、村上さんから質問を頂いてきております。「僕より1週間早く京都に着いていたそうですが、僕が来るまで何をしていたんですか?」
- 渡邉
- ヨーロッパ企画 の方々に構ってもらっていました。おいしいものを食べに連れていってもらったりしていました。
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- 懐の深さですよね。
- 渡邉
- みなさん凄く優しいんですよね。ヨーロッパハウスで焼き肉パーティーに呼んで貰ったりしました。
ヨーロッパ企画
98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。(公式サイトより)
悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』
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- 今回、どういういきさつで参加されてのでしょうか。
- 渡邉
- 悪い芝居 が東京で上演した「駄々の塊です」 に僕の後輩が当日制作でついていて、当日精算で入れたんですね。もちろんお芝居が面白かったので、お芝居が終わった後にお話する機会があったのですが、そこで出演したいと。もちろんその後、色々やりとりがあったんですが。
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- 稽古は、今はどんな感じでしょうか。
- 渡邉
- 台本の序盤ですね。もう一人の客演の大塚さんもちょくちょく稽古場に来始めています。がっつり作り込むというよりは、色々試している感じですね。
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- 今回、関係性を作り込むところから始めているそうですね。
- 渡邉
- そうですね。これは実際に仰っていたんですが、山崎さんが最終的に何か方向性を決める・外枠を作るというのは決まっていると。でも、それは別に対した問題じゃなくて、この座組でしか出来ない事を探っているんじゃないですかね。この村上さんや大塚さん、劇団員の方もいるので、出来ちゃうんですよね。では、普通の稽古では出来ない領域をやってみようという事なんじゃないかなと。
悪い芝居vol.13『カナヅチ女、夜泳ぐ』
公演時期:2012/06/13〜20(大阪)、2012/07/10〜16(東京)。会場:in→dependent theatre 2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。
悪い芝居
2004年12月24日、旗揚げ。メンバー11名。京都を拠点に、東京・大阪と活動の幅を広げつつある若手劇団。ぼんやりとした鬱憤から始まる発想を、刺激的に勢いよく噴出し、それでいてポップに仕立て上げる中毒性の高い作品を発表している。誤解されやすい団体名の由来は、『悪いけど、芝居させてください。の略』と、とても謙遜している。(公式サイトより)
悪い芝居vol.12「駄々の塊です」
公演時期:2011/11/2〜2011/11/9(京都)、2011/11/17〜2011/11/21(東京)。会場:ART COMPLEX 1928(京都)、王子小劇場(東京)。
肌で
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- 渡邉さんがお芝居を始められたのはどのようなきっかけがあったのでしょうか。
- 渡邉
- 日大の映画学科だったんですけど、2回生の頃に同期の劇団の公演に出たのがきっかけですね。
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- 始めたあたりの頃に影響を受けた作品はありますか?
- 渡邉
- 手前味噌ですけど、やっぱり自分の団体のものでしたね。まず、映画って、学校で作っているとどんなに頑張っても1年に1本取れるかどうかぐらい大変なんですね。定期的に演技出来る場所を探していたらたまたま演劇に会ったという感じです。やっていくうちに凄く楽しい事に気づいたんですね。大学の卒業公演で、いまもいる中村さやかさんと共演したんですが、本番であらあらあらと。
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- というと。
- 渡邉
- どう言ったらいいんでしょうね。無いものが見えたんですね。例えば空気って、見えないですけどありますよね。
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- ありますね。
- 渡邉
- 「おいしい」という感覚だって、化学物質に分解して、要素を抽出出来ますよね。でも、それがイコールおいしいという事だとは言えないんですよ。でもあの舞台ではそれが表現出来ていたと思うんです。無いものが見えるって、関係性なんですかね?
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- 何かを感覚するときには、想像力が喚起されるのと同時に、コンテキストを明確に理解している必要があるんでしょうね、きっと。
- 渡邉
- それを肌で感じる事が出来たんですね。居合わせてしまったんです、きっと。
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- もちろん、面白いものというか、価値のあるものじゃないとそこまで辿りつけないんでしょうね。
まだまだ続きがあったのになあ
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- ひょっとこ乱舞の最終公演、「うれしい悲鳴」 。ダンスシーンが相当多かったですね。
- 渡邉
- そうですね、ずっと音楽掛かりっぱなしでしたね。
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- それと同時に物語が進行していくんですよね。あの芝居では渡邉さんは金髪でしたが、ダンスリーダー的ポジションでしたね。
- 渡邉
- いや〜〜〜?(笑う)実はですね、僕はダンスがあんまり得意じゃないんですね・・・。いや、もうゲキバカの伊藤今人さんとか、柿喰う客の長島君とかに教えてもらいながらでした。シーンの便宜上、僕が真ん中になるシーンがあって、でも踊っているうちに後ろの方に下がるんだろうなと思っていたらあれよあれよと言う間に最後まで残っているという。
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- ご自身ではどんなお芝居になったと思われますか?
- 渡邉
- 僕はすごく好きだったんですよ。終わっちゃうんだって・・・まだまだ続きがあったのになあと。感情が強く出る作品だったので、ちょっとやそっとじゃ終われない作品でしたね。打ち上げでもうずっと、ストーリーについて語り合えたんですよ。
ひょっとこ乱舞第25回公演「うれしい悲鳴」
公演時期:2012/3/3〜2012/3/11。会場:吉祥寺シアター。
距離
- 渡邉
- 役者さんって、簡単に何かになれたと思いがちじゃないですか。神様だったり、デンマークの王子だったり、80歳のおじいさんとか。嘘付け!って思うんですね。でもやるんですけどね。
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- ええ。
- 渡邉
- でも、違うじゃないかと。じゃあ、そうそう簡単にせりふなんて言えていいのかと思うようになったんですね。どういう風にセリフを言えようか。役を作り込めば作り込むほど、模写も演技も完成度を高めれば高めるほど、「君80歳じゃないよね」って。そんな問題じゃないのかもしれませんけど、今は何となくそう思っています。客席には僕の正体を知っている友人知人がいるんです。
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- 前回の公演ではどうなさっていたんですか?
- 渡邉
- これは稽古場でも話されていたやり方なんですけど、自分がその役を説明する意識を持っていました。「家族を理不尽な殺され方をして、それで悲しんでいて、いま人を監禁していて・・・」って。その説明が重なっていけばいくほど、僕との距離が近くなるんじゃないかなと思うんです。
旅に出る
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- これまでに目標としていた事はありますか?
- 渡邉
- 自分から旅が出来るようになりたいですね。どうしても、自分の範囲内でおさまってしまうというか。一つの役を始める時、自分の中にある解釈を拡大して作っていくんですけどね。それは有意義な作業なんですけど、でも、自分には全く無い地点には行けないんですよ。さっき、80歳のおじいちゃんにはなれる訳がないじゃんとか言ってましたけど、それとは全然逆の希望があります。あと単純に、目標にしたい上手な役者さんがたくさんいますね。
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- どんな俳優になりたいですか?
- 渡邉
- 恥ずかしいですけど、押して勝つようになりたいです。喧嘩をする場合、押して勝つ人と引いて勝つ人がいると思うんですが、僕は後者なので、押して勝つ人に憧れますね。
円を出る
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 渡邉
- 広いところに立って芝居がしたいです。これは目標でもあるかもしれませんが。僕は、芝居をする人は三つの円に囲まれていると思うんですね。最初の円は「自分をかっこよく見せたい、上手に見せたい」で、これは役者なら誰でも持っているし、持っていなければ嘘だと思うんです。でも二つ目の円、「作品のためにいかに自分が働けるか」というのがあるんですよ。ここで動けたらもっと良くなると思うんです。自分自身ももっと素敵になれるし。でも、その先にもう一つ円があるんですよ。「もっと広い、見知らぬ誰かの為に演技が出来るか」という。その人の為にお芝居をしたら、とてつもない物が出来るんじゃないかと。そこに行きたいですね。あとは、アマヤドリの全国ツアーで、東京にこんな劇団があるよという事を知って貰いたいです。
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- 知らない人に見られて、どう思ってもらいたいですか?
- 渡邉
- 良く思ってもらいたいというのはあるんですけど、まず、ただただ出会いたいですね。その中にはとんでもない人もいたり、好きになってしまう人もいるし、いたし。
暗証番号式ワイヤーロック
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
- 渡邉
- え、そんなのがあるんですか?
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- 毎回しています。どうぞ
- 渡邉
- ありがとうございます。(開ける)きたあ。これ、チャリに付けてもいい奴ですよね。アメリカ運輸保安局に認められてるじゃないですか。
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- そうですね。
- 渡邉
- 鞄とかにも付けられますよね。鍵も壊されない奴かな。僕、ニューヨークに行った時に鍵を壊された事があるんですよ。