亀井さんの最近
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- 今日はどうぞ、宜しくお願い致します。
- 亀井
- よろしくお願いします。
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- 最近はいかがですか?
- 亀井
- もうすぐ、うちの劇団のファミリー劇場の稽古が始まります。
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- あ、亀井さんのホームグラウンドですね。
- 亀井
- はい。お時間ありましたら、いらしてください。
壁ノ花団「アルカリ」
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- ちょっと前になりますが、壁ノ花団「アルカリ」ご出演、お疲れ様でした。
- 亀井
- ありがとうございます。ご覧になってくださったんですよね。いかがでしたか?
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- 面白かったです。亀井さんは男性か女性かもわからない役どころだったと思うんですが、謎めいていながらチャーミングな印象がありました。
- 亀井
- 男性か女性かわからなかったですか・・・それも面白いですね。最初はいろいろ戸惑ったんですけど、刺激の多い舞台でした。
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- 「アルカリ」は作品全体が謎めいていたものだったので、そのせいもあるかもしれませんが。戸惑われたというのは。
- 亀井
- やったことのない感じの芝居でしたし、稽古の仕方とか、作品の持ってる可能性の広がりですね。
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- そういえば、今でも分からないことばかりの作品でしたね。想像の材料がたくさん引き渡されたような。それからまた、座組が豪華でしたね。
- 亀井
- 私、あのチームが凄く好きだったんですよ。
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- 金替さんに。
- 亀井
- ホントに良く入れて貰えたなと思いますね(笑う)。内田さんは初めてお会いしたんですけれど、本当素敵な方で。カッコいいし、優しいし、女性としても憧れます。
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- 可愛いですしね。何か我々、さっきから褒めまくってますが。
- 亀井
- はい(笑う)。
壁ノ花団第四回公演『アルカリ』
十三夜会奨励賞受賞。演出・水沼健。京都・東京にて公演。初演:2008年11月20〜24日(京都)。
金替康博さん
MONO所属俳優。
ファックジャパンさん
劇団衛星所属俳優。
内田淳子さん
女優。ユマニテ所属。
スケッチ
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- そんな、謎めいた作品「アルカリ」。実際はどんな稽古だったんでしょうか?
- 亀井
- 試作の繰り返しという感じですかね。冒頭にセリフのない場面があったんですけど、水沼さんが「服を取りあってる感じで始めたい」って仰ってて、それを稽古の中で探していったんです。
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- それが最後には、ファックジャパンが子供用の服を着ようとするシーンになったと。そういう、具体性やストーリー性のないインスピレーションが素材だったんですね。
- 亀井
- はい。どこにいくのか分からないので、私は戸惑ってたんですけど。
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- つまり絵で言うと、スケッチを重ねて行ったんですね。だからコンテンポラリーダンス作品を思わせる、言葉だけで説明するのが難しい仕上がりだったと。
- 亀井
- そういえば、何枚も絵を描くような稽古だと思ったことがありました。上演の頃には油絵っぽいなと思うようになってたんですけど。
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- あ、分かります。照明の加減とかもそうだったように思います。
- 亀井
- それもそうですし、作品自体、様々なイメージを上から重ねるような感じがあったんですよ。下の絵が体に残っている感覚があるんです。そういえば、公演直前の通し稽古の時に、感覚が二重になる体験をして。
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- どういうことでしょう?
- 亀井
- 下からにじみ出るみたいに、「過去の稽古で見た景色」と「今見えている景色」がしばらく二重に見えていて。不思議体験でしたね。
油絵
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- 個人的な感想ですが、MONOに出演されていた時と比べて、「アルカリ」では全然違う人だなって思いましたね。
- 亀井
- 私自身も、知らない自分に会ったような経験でした。
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- 男だか女だか分らなかったし。でもまあ、軽く女性だろうなとは思ってたんですけどね。
- 亀井
- 軽くっていうのは全編通してですか?
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- もう最初からですね。例えば演出的に、内田さんやファックさんは大人が子供を演じているのか、頭は子供・体は大人という設定なのか分からない設定だったように思いますが、それと同様です。
- 亀井
- そういうことが広がりを生むんですかね。
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- その辺が油絵だったのかもしれませんね。全部ミックスさせるんじゃなくて、ところどころ生の部分を残して、でも別の場面では色々な要素が重なった絵になってて。
MONO
京都を拠点に活動する劇団。軽妙な会話劇から古典劇まで手掛ける。
転機
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- さて、亀井さんが所属されている兵庫県立ピッコロ劇団について。ご自身にとってはどんな存在でしょうか。
- 亀井
- いろんな意味で軸になってるんだと思います。スケジュールにしても生活にしても、中心にあるんだなと。
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- 確か、平成10年に入団されたんですよね。今までもう10年。
- 亀井
- そんなになったんですね・・・。
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- 亀井さんはどう変わっていかれましたか? たとえば、俳優としての技術的な向上とか。
- 亀井
- 経験をしたことで怖さも知ってしまいましたけど、でも、まあ、それは悪いことばかりでもない気がしますし、今が一番良いようにありたいとは思ってるんですけど。
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- 最近は外部出演が多いようですが。
- 亀井
- MONOに関しては、ピッコロ劇団で土田さんの作品に出演したことがきっかけです。その舞台が、私にとっての転機にもなったと思っています。
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- 転機ですか。
- 亀井
- はい。考え方の幅が広がったんですよ。特に「笑い」について。それまで私、役者が人を笑わせるという発想が無かったんです。
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- というのは。ええと、私の感覚だと、舞台上の笑いって、役者がいて出来るもんだと思っていたのですが。
- 亀井
- そうなんですけど。極端に言うと、私は戯曲がおもしろいから人は笑うんだと思ってたんですね。作品がうまくいってる時に「笑い」は起きるって。だから舞台上で私自身が意識して「笑わせよう」とはしてなかったんです。でも、土田さんの作品に参加してからは、その両立を考えるようになったんです。
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- まさに転機ですね。今後も内外問わず、色んな舞台に出られるかと思いますが、頑張って下さい!
- 亀井
- ありがとうございます。
質問 ウルフさんから 亀井 妙子さんへ
少しずつでも進んで
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- さて、亀井さんは今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 亀井
- 一歩ずつですね。こうなりたいという目標があっても、すぐには埋まらないこともあるんです。だから一歩ずつ行けたらと思います。時々、前に向かってるのかわからなくなることもあるんですけど。
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- 進んでおられますか?
- 亀井
- そうだと信じたいですね。今を充実させられるように、少しずつでも進んでいたいです。
かまわぬの風鈴
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- 今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
- 亀井
- わあ、嬉しい。これは私にと思って選んで下さったんですか?
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- そうですね。
- 亀井
- (開ける)おおー。風鈴ですかね。
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- もしお持ちでしたらあれですけど。
- 亀井
- いえ、持ってないです。風鈴という文化には芝居でしか触れてこなかったので。ありがとうございます。夏ですね、もう。