劇団ガバメンツ「警部パハップス(全10回)」
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- 大変良い天気ですね。本日は天王寺にて、劇団ガバメンツの近藤貴久さんにお話を伺います。お忙しい中恐れ入りますが、どうぞ、よろしくお願い申し上げます。最近、近藤さんはどんな感じでしょうか。
- 近藤
- 宜しくお願いします。最近は、そうですね。次回公演の「警部パハップス」の稽古をしています。作品がちょっとずつちょっとずつ、ミルフィーユのように積み重なっていっています。
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- ありがとうございます。台本はもう出来ているんですよね。早川さんの事ですから。
- 近藤
- はい。早川さんが身を削りながら執筆なさいました。あとは稽古場で生まれたものと馴染ませながら創っています。
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- とても楽しみです。今回はどんな作品になりそうでしょうか。
- 近藤
- 今回も喜劇である事には変わりはないのですが、ガバメンツは色んなコメディに挑戦している事もあり、今まではスクリューボール・コメディや悲喜劇をやったりもしてまいりました。今回は早川さん曰く「感動なし涙なし、でも笑いと何かがある。そんな作品にしたいと。確かにテイストが今までとは若干違うのかなと私も思います。どう違うかは今の時点ではハッキリは申し上げられないんですけれども、僕の主観では「ダージリンティーとアッサムティー」の違い。同じ紅茶ではありますが、ハッキリとした違いがあるように思います。
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- お好きな方には、より味が深く分かる、そんな時間なのですね。
劇団ガバメンツ
「コメディしかできません、でもいろんなコメディができます」シュチュエーションコメディばかりがコメディじゃない。ラブコメディ、サスペンスコメディ、スクリューボールコメディ、トラジコメディにコメディコメディ。喜劇はこんなにあったのか。喜劇を愛する全ての人と、そうでもない全ての人へ。1年に1回しか演劇を見ない人の為に、さまざまなスタイルの喜劇に挑戦している。(こりっちより)
劇団ガバメンツ本公演 木曜ドラマ「PERHAPS」警部パハップス(全10回)
作・演出 早川康介 雨にふられた殺人現場。 落ちていたのはあの果実。 何も見てない家政婦に、ヘコヘコはじめた警察犬。 現れたのは「たぶん」が口癖のあの警部。 だらだらと続く連続殺人に、なんとなく疑われた容疑者たち。 一話完結、いつも未解決。 「犯人はあなたです、たぶん」 なんて連続ドラマ、毎週見てはいられない。 だから、今日だけコメディで。 会場:道頓堀ZAZA HOUSE 日程: 2015年11月13日(金)~15日(日) 11月13日(金)19:30 11月14日(土)15:00・19:30 11月15日(日)13:00・17:30 チケット: 日時指定・自由席 前売・当日とも一般 3,000円 U-22 2,500円(要証明書) 【出演】 近藤貴久 西岡裕子 浅雛拓 石畑達哉(匿名劇壇) 賀來正博 片山誠子(PEOPLE PURPLE) 是常祐美(シバイシマイ) 佐々木ヤス子 永津真奈(Aripe/ブルーシャトル) 山本禎顕(スクエア) 【ギター演奏】福島大
舞台上にもう夢中
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- ガバメンツの近藤さんはいつも、落ち着いた大人の男性の役が多いように思います。今回の出演もとても楽しみです!その上で、注意したい事ですとか、挑戦したい事ですとか、そういう部分はありますか?例えば早口にならないようにしたいとか、滑らないようにしたいとか。
- 近藤
- 滑らないようにしたい、というのはいつもですが……。何よりも、舞台上の空気をうまい事うねらせられればと思います。
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- 空気がうねる。それはつまり、脚本の伏線が幾重にも積み重なり、それらの前提や疑問を全て把握した上で、舞台上に一緒にいるような気持ちになって見守る。客席にいる観客全員が同じ状態になっている。だから、役者の行動に空気が動くような感覚が生まれる、でしょうか。では、ガバメンツならではのミルフィーユは何だと思われますか?
- 近藤
- やはり、脚本ですね。繊細に重ねられた作品ですので、ビリヤードのように成功していけば、トントンとキレイに嵌る。早川さんはそうは思っていないと思うんですが、美しい笑いなんですよね。勢いで持っていく笑いも必要ですし、役者個人の身体的特徴のおかしみで持っていく部分もあるんですが。
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- 脚本通りの事が出来るかどうか。
- 近藤
- 巧くいけば、蜘蛛の巣に昆虫が掛かるようにお客様が笑ってくださる。その笑いにこちらが助けられる事もありますね。
まず第一に、コメディであること
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- ガバメンツのキャッチコピーがいいですよね。「コメディしかできません。でもいろんなコメディができます」。こんなに抽象的なコンセプトは珍しいと思います。そう、劇団ガバメンツは抽象的な集団なのかもしれない。毎回、少しテイストは似ているんですが、プレーンな手触りが素晴らしい。みんなで大事にしたい、素敵な劇団なんです。近藤さんは、どんなところが好きですか?
- 近藤
- まず第一に、コメディであること。実は僕は、劇団にはあまり興味はなかったんです。誘われて大学三回生の頃に初演に出させていただいたんですが、それがコメディとの出会いでした。ちなみに、実はもともとミュージカルが好きだったんです。ガバメンツで描くコメディはストレートプレイですのでもちろん歌もダンスも無いのですが、まるでそれが作品中にあるかのような、そんな雰囲気を感じたんですね。
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- とても分かります。歌やコメディが始まりそうですよね。まるで、イギリスで書かれた戯曲のような雰囲気があるような・・・少し大きすぎますね。でも、海外に持って行っても絶対に通用する戯曲だと思います。
- 近藤
- ええ、行けるんじゃないかと思いますね、僕も。
特徴を支える力
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- ガバメンツが役者に求めるものは何でしょうか。
- 近藤
- もちろん個性を活かして頂きたいんですが、例えば客演の方がガバメンツの作品に出た時、どんな面白さが生まれるのか。客演してくださる俳優さんの、本質的な面白さを大事にしていると思いますね。
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- 私は片山誠子さんが大好きなんですけど、あの方の面白さはどんなところにあると思われますか?
- 近藤
- 彼女の面白さは、見た目、声、それは誰が見ても面白いと思うんですけど、そうした際立った特徴だけだとバランスが悪かったりすると思うんですが、それを下支えする実力があってこそだと思います。だからこそ活きる特徴ですね。
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- そして、舞台のうねりに振り落とされないだけの粘りの強さ。精神的な体力は、どんな俳優にも求められますね。
俳優を見る事で生まれる癒やし?
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- 近藤さんは、どんな演技が出来るようになりたいですか?
- 近藤
- 二十代前半、同じような事を劇団内で質問しあった事があるんです。その時は「役の本質を演じられる役者になりたい」と言ったんですね。それは今も思っているんですが、今はそこから進んで、その……よく「役者は夢を与えるもの」とか言われるじゃないですか。
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- ええ。
- 近藤
- 悲劇にしても喜劇にしても。僕はその、夢を与えるとまでおこがましい事は言えないんですが、少しでも演技をご覧いただいて、癒やされていただければ、と思っています。癒やしを感じてもらえる俳優。
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- 癒やし。
- 近藤
- 自殺率が増えたり、ストレスをどう処理するのかが問題になったり。まず癒されるのが一番いいのかなあと僕は思うんですね。
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- 素晴らしい。癒されるのが楽しみです。私、この間風邪を引きまして。一日ずっと寝ていたんです。でも特に精神が癒されはしなかった。身体は治りましたけど。実際に会場に運び、そこで具体的な俳優を肉眼で見るというのが大切なのかもしれませんね。ちなみに、近藤さんご自身は、ストレスの発散はどうしているんですか?
- 近藤
- 僕はそれは、あんまり思い当たらないんですよ。意識してストレス発散をしているという事が、ほぼない。
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- という事は、貯めこんでしまう部分がある。
- 近藤
- そうですね。ただ、どうやって発散しているのかは分からない。
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- 別のものに形を変えているのかもしれませんね。
- 近藤
- それは知りたいような知りたくないような。
昔は本当によく喋る子だった
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- 笑いを獲る事に、こだわりはありますか?
- 近藤
- あるんだと思います。多分、3歳ぐらいの頃からそんな記憶がありますね。昔は本当によく喋る子供でした。ずっと喋っている子供で、マシンガントークでしたね。笑いを獲る、獲ろうという意識はそれほどないんですが、気がついたらそうなっていったんだと思います。
質問 京都造形大 舞台芸術学科卒業制作の皆さんから 近藤 貴久さんへ
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- 前回インタビューさせていただいた方たちから質問をいただいてきております。京都造形芸術大学の舞台芸術学科の卒業公演が3チームあるんですが、その代表の方々から。まずは、ダンス公演をされる藤井さちさんから。「笑いを取る秘訣を教えて下さい」。
- 近藤
- 邪心を抱かない事。笑いを獲ろうと思わない。獲ろうと思った瞬間に面白くなくなるんじゃないかと思うんです。
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- それは耳が痛いですね。ウケを獲ろうとしてハマっていった経験があります。
- 近藤
- そうですか。
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- 次は南風盛もえさんです。「美容室に行く時、どんな言い方をしたら伝わるんでしょうか。伝え方が分からなくて自分で切っています」。ちなみに南風盛さんはこんな髪型をしています。
- 近藤
- え、この髪型?これは・・・美容師さんの年代にも寄りますが、長さとか髪型は具体的に伝えて、「世界名作劇場に出てきそうな髪型にしてほしい」とイメージを伝えるのはどうでしょうか。若い方には「earth music & ecology」の店員さんみたいにしてください、と言えばいいかもしれませんね。
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- 彼女は無印良品が好きらしいので、そう言えば良いのかも。
- 近藤
- ああ、無印良品か。自分で言ってて思ったんですが、ブランドで言ったら伝わりやすいかも。
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- 次は河井朗さんから。「全くウケなかったら反省会するんですか?スベった時はどうしますか。」
- 近藤
- 反省会はしませんが、演出からのダメ出しがきます。それを解消してまた次の回に進みます。スベった時、それは本番中の事ですか?唯一の方法は、忘れる(方法という程ではありませんが)。次の笑いが待っているので、引きずるとえらい事になるんですね。容易ではありませんが。
追求する事
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- 母校の後輩に一言ください。
- 近藤
- 大阪芸大ですね。そうですね。ひとこと言うなら、「キラキラしていてください」と。いつまでも。いまキラキラ輝いているけれども、中年になっても老人になってもキラキラし続けて欲しい。
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 近藤
- ガバメンツは引き続き色んなコメディをやっていくと思いますので、お楽しみに。僕個人としては、癒やしに重点を置いた演劇活動をしていきたいなと思います。具体的にどういう形になるかはまだわかりませんが、そういうのにもどんどん興味が湧いてきているので。演劇と癒やしの追求ですね。
ミニカレンダ(柴犬)
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持っていまいりました。
- 近藤
- ありがとうございます。開けてもいいでしょうか。
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- もちろんです。大したものではないのですが。
- 近藤
- (開ける)あ、来年のカレンダーですか。月毎に差し替えて使うタイプですね。
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- そうですね。キッチンやデスクに置いておけるように。
- 近藤
- 見られている感じがしますね。しかも、「収益の一部は動物たちの保護と飼い主探しの事業の支援になる」と書いてますね。
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- 素晴らしいですね。