語りえぬものについては、沈黙せねばならない
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。最近、倉橋さんはどんな感じでしょうか。
- 倉橋
- よろしくお願いします。この間出演させていただいた「どうする?企画」の公演が終わりました。次の公演の稽古が7月半ばから始まります。
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- では、今は普通に学校に行っているんですね。
- 倉橋
- はい。丁度、ゼミの発表の準備をしています。哲学科で、ウィトゲンシュタインの論理哲学論考を、英語と日本語とドイツ語の対訳を読んで、解釈してみよう、と。
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- 全然関係ないですけど、ソフィーの世界とか、読んでました。哲学良いですよね。
- 倉橋
- 私も読みました!中学の頃、途中まで・・・
第三劇場
第三劇場は1954年に設立された同志社大学を拠点に活動する学生劇団です。オリジナルの脚本の上演を主とし、同志社大学新町キャンパス別館小ホールにて年に5回の公演を行っています。(公式サイトより)
劇団しようよ 「いつまでもスーホの白い馬みたいに。」
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- 次回の出演は。
- 倉橋
- 劇団しようよの初期の代表作、「スーホの白い馬みたいに。」を25歳以下の若者達でもう一度やろう、という企画に出ます。
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- あ、面白いですよ、スーホ。初演は4年前ですね。
- 倉橋
- 4年前というと、まだ演劇に関わっていなかったころですね。なので、初演は拝見していないんですけど。しようよさんに関わらせて頂くのは初めて。たのしみです。
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- 面白い作品です。意外にサスペンスタッチになるんですよ。頑張ってくださいませ。楽しみにしてます。
- 倉橋
- ありがとうございます!
劇団しようよ
2011年、作家・演出家の大原渉平と、ミュージシャンの吉見拓哉によって旗揚げ。観客の想像力を呼び起こし時空間を超えるダイナミックな演出と、劇伴音楽の生演奏などが特徴。主な作品に、モンゴル民話「スーホの白い馬」を地方都市で起きた失踪事件と放火事件の物語に読み替えた『スーホの白い馬みたいに。』(2012/2014)。少年と謎の生物をめぐるファンタジーがやがて 圧倒的現実 と結びつく、人形劇の形を採用した『パフ』(2014)。柴幸男さんによる女性の一代記を父親目線から再解釈した『あゆみ』(2015)。平成史を題材に、ある姉弟の記憶と、食用牛に起きた異変を描いた『ドナドナによろしく』(2015)などがある。2012年「えだみつ演劇フェスティバル2012」(北九州)、2014年「王子小劇場新春ニューカマーフェス2014」 (東京)に参加。2015年「第6回せんがわ劇場演劇コンクール」(東京)でオーディエンス賞受賞。同年よりアトリエ劇研(京都)創造サポートカンパニー。2012年よりKAIKA(京都)での創作・公演を始め、2016年よりKAIKAアソシエイトカンパニーとして活動を行う。(公式サイトより)
劇団しようよ 「いつまでもスーホの白い馬みたいに。」
劇団しようよ、初期の代表作『スーホの白い馬みたいに。』 関西若手俳優達と共に大胆リファイン! モンゴル民話「スーホの白い馬」から着想を得て、2012年に上演した『スーホの白い馬みたいに。』 京都、北九州、東京と各地で上演した今作が、まるで”あの若々しい白い馬”が甦るかのように、みたび、舞台上に立ち現れます。 **** 気が付けば、劇団しようよを旗揚げして6年が経っていた。半端に若くもなくなり、半端に年もとった。半端に先輩にもなったし、半端に後輩もできた。いまなにができるだろう、かつてなにをしていただろう。それを一度振り返ってみようと思う。 あれは2012年。旗揚げ2年目に『スーホの白い馬みたいに。』を描いた頃、すべてが苦しかった。みんなの大切なものと、自分の大切なものがいつも一致しなかった。誰にも自分の大切なものを気づいてもらえないような孤独があった。いま、今作を読み返すと、血迷った馬車馬が我武者羅に走り回っているように思え、とても恥ずかしさを感じた。そしてなぜか同時に清々しさも感じた。一緒に、若い俳優さんとひと夏を過ごしながら、僕は過去を、彼らは未来を見つめながら、新しい『スーホの白い馬みたいに。』をつくろうと思います。ご期待ください。 〈作・演出〉大原渉平 〈音楽・演奏〉吉見拓哉 〈出演〉 岡本 昇也 [劇団蒲団座] / 川上 唯 / 倉橋 愛実 [第三劇場] 国部 夏帆 [同志社小劇場] / 小島 翔太 [プロトテアトル] 外池 聖 [勝手にユニットBOYCOTT] / 鳥居 雄太 [勝手にユニットBOYCOTT] 南 志穂 [夕暮れ社 弱男ユニット] 藤村弘二 / 西村花織 / 大原渉平 / 吉見拓哉 〈日程〉 2016年9月10日(土) ~ 12日(月) 、16日(金) ~ 18日(日) 10日(土) 15:00~/20:00~ 11日(日) 12:00~/17:00~ 12日(月) 20:00~ 16日(金) 15:00~/20:00~ 17日(土) 12:00~/17:00~ 18日(日) 15:00~ 〈料金〉 先割価格/ 1,500円 (発売期間:6月24日~7月31日) 通常価格/2,000円
どうする?企画「神様とその他の変種」
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- どうする?企画「神様とその他の変種」。大変面白かったです。
- 倉橋
- ありがとうございます!
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- 倉橋さんはヒロインやってましたね。
- 倉橋
- はい。たくさん喋ってましたね(笑う)
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- よく通る良い声だと思いましたよ。
- 倉橋
- 声は最近急激に褒められるようになりました。嬉しいです。元々自分の声にコンプレックスがあったので。
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- そして演技が面白かったですよね。良いところのお嬢さんだけど強くてヒョーキンというか。実はちゃんと家庭教師してる、という。ご自身ではどんな経験でしたか。
- 倉橋
- 個人的にはキャラクターが掴めなくなたりして苦労したところもあったんですが、周りの方に支えて頂いて・・・。年齢が離れた方たちと一緒に参加させていただいたのもあって、ガチガチに緊張もしていました。ご迷惑をお掛けしたと思いますが、最後に共演者に頂いた言葉を信じて、最終的には乗り越えられたと思いたい。有難い経験でした。
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- なるほど。この公演、終わってみて、どんな事がお気に入りでしたか?
- 倉橋
- それも、実はキャラクターかな。どこかにズレたところを持っていて。認識が一つ二つ掛け違ってて全員幸せに暮らせてない。なんとか幸せにと生きている彼らが可愛かったんです。
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- そう、愚かで愛すべき人々でしたね。
- 倉橋
- 他の役者さんたちが凄く丁寧に、でも滅茶苦茶なところは破茶滅茶に、欲張りで魅力的に演じていて、勉強になりました。私はそんなに外部出演をした事はなくって、地域や年代もバラバラに集まったみなさんから、学ぶ事ばかりでしたね。
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- それだけバラバラなのに非常にまとまった作品でしたね。さて、では、稽古でも参考になることは多かったんじゃないですか?
- 倉橋
- 演技の作り方のアプローチが様々でした。内面を重視して作る演出と外面的な見え方から作る演出助手で演出部が構成されていて。役者さんにも演技を学んで来られた方がいらっしゃったので、稽古時間内外で基礎的な知識やタームも多く教わりました。知らずに何となくすることも、意識して取り入れると全然違うもので。
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- 外面からの目と、内面から作る目。
どうする?企画第4回公演「神様とその他の変種」
どうする?企画第4回公演「神様とその他の変種」 作/ケラリーノ・サンドロヴィッチ どうする?企画は、神大はちの巣座出身おかのえりと井口法子を中心に結成。丁寧な心理描写と会話運びでストーリーやシチュエーションを見せるストレートプレイを得意とする。「カナリヤンなショートプレイ・フェスティバル 2014」最優秀賞を受賞するなど精力的に活動。今回は、読売演劇大賞を受賞した旬の劇作家・ケラリーノ・サンドロヴィッチ氏の脚本に実力ある俳優陣で挑む。メンバーの盟友であり映像作品にも多数出演する女優・嶋尾明奈も東京から遠路はるばる参戦するなど、なんしかぶっちゃけ大注目。 Cast 春川健太/楠瀬アキ/友田博幸/倉橋愛実(第三劇場)/内藤一馬/嶋尾明奈/田頭健樹(SUPER MOUNTAIN'S CLUB)/松井麗子(SUPER MOUNTAIN'S CLUB)/和田あさみ(劇団スターダスト日本)/西谷友見/中平裕/川原梓/おかのえり Staff 演出…おかのえり/舞台監督・宣伝動画…コンドウヒロタカ/舞台監督補佐…櫻井広基/演出補佐…中平裕/舞台美術…YNO(SMC)/照明…坂本佳耶(神大自由劇場)/映像…内藤一馬/小道具… 北口果歩(劇団ほどよし)/衣装…はねるりい・岩田涼菜(神大自由劇場)/託児室…井口法子・石崎文理/宣伝美術…英衿子(ハナさくラボ)/制作…和田あさみ(劇団スターダスト日本)・イクチススム・八幡泰久(小劇屋Pin-Q)/企画・製作…どうする?企画
将来は・・・
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- 倉橋さんが演劇を始めた経緯を教えてください。
- 倉橋
- 最初の最初は、小学五年生の頃ですね。突然、私は舞台俳優になるんだって言いだして。小さい頃からそういうのが好きだったんでしょうね。幼稚園の卒園文集には「(お笑い)げいにんになる」って書いてありました。小学生の頃は「将来の夢」がよく変わる子で、低学年でその年代の女の子が通りがちな「声優さんになりたい」を経て、10歳の1/2成人式というイベントでは「童話作家になりたい」、小5で「舞台俳優になりたい」って。人前に出るような活動はちょこちょこしていましたが、部活をしたかったのもあって高校3年までお芝居ごとは何もしていませんでした。大学からは演劇をやろう、と第三劇場に入りました。
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- 初舞台の思い出を教えてください。
- 倉橋
- 初舞台は・・・思い出深いです。やっぱり楽しかったですね。悩んだことは勿論ありましたけど、ただ、お芝居をつくるって、こんな感じなんだな、って感じでした(笑う)舞台セットがとてもキレイだったし、すべてゼロから作るのにも関われたし。
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- 初セリフは何でしたか。
- 倉橋
- 一つ壁を隔てた向こうに姿を見たことのない友達がいて、その子とずっと会話をしているんですね。その子に呼びかけるセリフだったと思います。
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- その時代の倉橋さんの演劇観は、今と何か違っていたりしますか?
- 倉橋
- 周りから求められる作り方は少し違うかもしれません。以前は、クセを消す事を多く求められていて。「それはただのくららだよ」って言われることは多かったと思います。いまは、自分を出すように求められることが多くなりました。
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- なんだかそれは分かるかも。外部に出演するという事であれば、倉橋さんでしか出来ない事をやってほしいですからね。・・・倉橋さんは、どんな演技が出来るようになりたいですか?
- 倉橋
- 今は、印象に残りたいと思ってしまいますね。(笑う)舞台上に入ってきたとき、期待感を寄せてしまうような。あの瞬間。自分が客席に座っている時、その瞬間がとても嬉しいので、そういう人に憧れます。作品を深く考えたり、考えて頂いたりってとても楽しいし嬉しいんですけど、まずは目の前に起こっていることへの楽しみ喜びもあって欲しい。あんな風になれたらと思っています。
- __
- たとえば。
- 倉橋
- 松たか子さん、柿喰う客の玉置玲央さん。パワーがありますよね。ビリビリビリ!みたいな。
- __
- なぜ、そういう人になりたいのでしょうか。
- 倉橋
- 自分の原動力って、憧れが大きいんですよ。ああなりたい!って。1番は私がお客のときに観ていて嬉しい瞬間が、という話なのですけど・・・。私は日常生活では目立つと言われるんです。変わってるねともよく言われます。そんなに言われるんだったら本当に変わっているのかもしれない。目立たないのは無理かも、ってどこかで分かっている。それが20年続いているので。持ち物を使いたい。
- __
- 支える側にもなれたら凄いですけどね。
- 倉橋
- そうですね。両立。学生劇団観てると特に、ある役者さんがが出てくると目に見えて全体が急に勢い付く、歯車が回りだすようなことがあるんです。そうなれたら充分「支える側」だと思います。憧れちゃうな。まずでも、ビリビリするひとが出てきたら、その人に期待を持っちゃいますよね・・・
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- 倉橋さんは十分そうなってますけどね。
- 倉橋
- わ、ありがとうございます!
ハード
- __
- やっぱり自分の内面と外面のギャップって誰にでもありますよね。顔そのものにしたって、一日の間に何回も変わっていきますし。朝起きた時の顔と、一日最後の風呂上がりではほとんど別人でしょう。私だって、風呂上がりの時は自分の顔が女の子に見える時がある。
- 倉橋
- それ面白い!ですね。
- __
- まそれは別にどうでも良くて、自分の人格と、肉体的な顔の関係については絶対に誰でも悩んでる筈なんですよ。「自分の演技を見る事はできない」「自分の声を聞くことは出来ない」のと同じような問題。これからするのは、けっこうリスキーな質問なんですけど・・・大丈夫?
- 倉橋
- 大丈夫です、受け止めます(笑う)
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- 美人に生まれるってどんな気分?
と、ソフト
- 倉橋
- 取材関係なく、普通にトークしますね。
- __
- 是非。
- 倉橋
- 最近、見た目についての話を友達として、私としてもホットな話題なんですけど、嫌いなんですよ。
- __
- 嫌いなんですか。
- 倉橋
- 子供の頃から。小中時代は鏡を見るのも嫌いで。ある朝起きたらあの子と顔変わってないかな、とかよく妄想していました。また自意識も強いんです。それも相まって、嫌だなあ、って。なので、美人に生まれたからこう、みたいな意識はありません。これ、とんでもない事なんですけど、お芝居をしたいと言い出した小学校5年の時分には「アップで映されるのに堪える見た目をしていないけど、どうしても演技をしたいから、引きで見てもらえる舞台をしたい」みたいな消極的な事を言ってたんですって。今考えると失礼な話ですが、小5の言うことと思っていただけると・・・
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- 自分で!?
- 倉橋
- はい。自分の見た目についてはそれぐらいに思っていました。それから時間がたって、今は周囲から、スタイルとか顔とか声とか、客観的に見られたハードの部分は自覚していかないといけない、と、それを自分からアピールする必要はないけれど、これから芝居を続けていくんだったら理解しておかないと、とアドバイスをいただくようになって。それからは自分で、そう思うようになりました。でも一人で鏡を見ている時には、「あ、あー」と思っています。
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- 「あ、あー」。
- 倉橋
- Twitterに自分の写真を上げたりはしますけどね。それはそれ、で。(笑う)
神秘体験
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- 俳優としてのご自身に影響を与えたもの3つを教えてください。
- 倉橋
- 物忌み団かな。演劇集団Qと第三劇場の先輩方が主宰で、プロデュース公演として立ち上がったユニットなんですけど、そこを観に行った時に、一目惚れをしたんです。「はらいそ」という作品でした。そこから、主宰の方にお願いをして、出演させてもらいました。アレはもう、凄かったです。
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- なんて作品ですか。
- 倉橋
- 出演させて頂いたのは、大陸ろまん伝という作品でした。私の役は中国人娼婦だったんですけど、街から一掃される憂き目に遭って、恋人と一緒に隠れて絶対絶命の危機になって。結局亡くなってしまった彼女の、死後の独白。彼女の半生と死後の想いを語る台詞がありました。当時、指示のある箇所で涙を流せるそのメカニズムも分からなかったし、自信はまだ無かった。稽古でブレイクスルーした瞬間。ぶわぁって涙が溢れて。神秘体験でした。そう言うと胡散臭いかな。こんな事言ったら怒られるかしら。
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- そんなに泣けたんですね。
- 倉橋
- ああ、お芝居やっていこう。と思いました。(笑う)
消えた選択肢の話
- 倉橋
- 2つ目は友達、かな。ひとり、凄く仲良くしてくれている友達がいて、とても大事にしてくれているんですけど。多くの面で支えてもらっています。
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- その友達と出会ったのは?
- 倉橋
- その人も演劇関係者で、趣味が合うことから一緒にお芝居観に行ったりするようになって。
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- なるほど。
- 倉橋
- 3つ目は、さっきの話に戻りますけど、ハードの部分に助けられてると。こちら(ソフトの部分)とあちら(ハードの部分)。でも、こちらがあちらに引け目も感じているというか・・・
- 倉橋
- ハードの部分にソフトの部分が負担を掛けている実感があるんです。例えばハードが持っていた筈の、ソフトが消してしまった選択肢に、申し訳なさのような気持ちが沸くことがあって。思い上がりも甚だしいと思われるかもしれないんですが、独り言で「ごめんなさい」と謝ってる事があるんです。何に謝ってるんだろう、と。勿論他の可能性も当たってみたのですけど、どうやらそういう消えた選択肢に謝ってるというのがしっくりきたり。
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- 消えた選択肢・・・。
- 倉橋
- 結局ハードに支えられてるんですね。例えば、ここに居られるのはハードのお陰だと教えてもらうこともあって。そう伝えられることに対して嫌だなと思う事は全くないんですけど・・・
- __
- 謝る必要なんて無いと思いますよ。しょうがないですし。ところで私は人の外見は褒めない事にしています。才能という言葉が凄く嫌いで、もちろん生まれ持ったものは大事にすべきだとは思うんですけど、技術を磨いてこそだと思っているんですよね。実際にパフォーマンスをするのは稽古で得た研鑽なのであって、その研鑽が人を舞台に立たせるんだと思うんですよ。
- 倉橋
- そこは大事にしようと思っています。
- __
- それがあれば、誰に対しても顔向けできるものが出来ると思うんですよね。
質問 前田 郁恵さんから 倉橋 愛実さんへ
演技と私
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- 魅力のある演技とは何だと思いますか?
- 倉橋
- ええと、ビリビリ来るやつ。あ、殺そうとしているんじゃないか、みたいなの。若いからかな。静かなのも好きなんですけど。柿喰う客の「天邪鬼」の玉置さんの演技とか。
- __
- カッコいいですよね。次の質問です。演技を作る上で、何を考えないといけないと思われますか?
- 倉橋
- よく言われる事ですが、因果関係の連鎖でしょうか。話すことも、人との距離感も。
- __
- 台本を読む時に、そういう事に気をつけているんですね。
- 倉橋
- あと、役の名前って大事だなと思います。固有名詞を呼ぶ、呼ばれるってすげー大事だって。好きな人に名前を呼ばれた時、ぶわってくることありませんか?その実体験があってから、尚更。意識するのはそれかな。
- __
- 役に名前が付いているかいないかって、お客さんにはどんな影響があるんでしょうね?家族が出てくる芝居で、単に「母」という役があって名前が出てこない作品は自分の実体験を投影しやすくて、固有名詞がある場合はそうでもない、みたいな
- 倉橋
- 私は大体付けちゃいますね。
- __
- なるほどね。名前の付いていない役は、内部的にはどう処理しているんでしょうね。
- 倉橋
- 名前・・・話が変わってしまうのですが、演じることの無理がありさ、とか歪み、みたいなのがテーマに絡みついているものが好きなんですよ。好きになる作品は演じる、とか舞台、とかをテーマに含むものが多い。さっき言っていた物忌み団の「はらいそ」にもそういう要素があって。その無理に勝とうというエネルギーに魅力を感じているのかな・・・
- __
- 演じる事の無理?
- 倉橋
- なんだろう、「無理がありさ」・・・?ただそれは日常にもあって。例えば、本当のくららが分からないと言われている。そうあってほしいように演じてないかと尋ねられる。割とみんなそうじゃないかと思っちゃうんですけど。
- __
- そこに折り合いを付けるのは難しいですよね。
- 倉橋
- 難しいですよね。関係あっての事ですからね。後から、何であんな事を言ってしまったんだろう、って思っちゃうんです。でも自分の大事なものを譲るのも困ってしまうし。そんな抵抗を押し流すほどのパワーが絶対的に必要なんだな。
演じたい
- __
- やってみたい役はありますか?
- 倉橋
- 激しく欠陥のある役をやってみたいです。知的、身的共に。これはお話ししていた、自意識の話に関係してくるのですけど。
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- それはもうみんなやりたいでしょうね。凄く難しいですからね。
- 倉橋
- はい。
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- 一緒に作品を作ってみたい人や劇団は?
- 倉橋
- やってみたい人・・・
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- やっぱり柿喰う客?
- 倉橋
- 柿喰う客!!いちファンなので、やっぱり、憧れがあります。憧れなだけに、そう言ってしまうのは恐れ多いですけれど。 ・・・あ!あの、劇団衛星の蓮行さん。蓮行さんのもとで働かせて頂いているので、ちょっと媚び売ったみたいになっちゃいますね。(笑う)
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- なるほどね。やってほしいですね。
わたしのこれから
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 倉橋
- お芝居に出逢ってまだ間もないので、手当たり次第、何にでも触れて行きたいです。まだお芝居について、全然分かっていない。今何が好きかぐらいしか分からない。これから色んな人と出会って、いろんなものを観て、もっと知りたいなと思っています。そのためにも自分の持ちものを増やさなければ、ひとと話せないですよね。
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- 埋めるには?
- 倉橋
- 今はオススメして頂いた本とかを読んでいます。それで映画も最近、観始めました。大学生にもなって、ようやくです。オススメ、教えてください!
チャイのミルクジャムと瀬戸内レモンのマーマレード
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
- 倉橋
- ありがとうございます。嬉しい。(開ける)何だろう・・・?ジャムですね!チャイとマーマレード。私、こういうオシャレな瓶詰とか好きなんですよ。
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- 良かったです。チャイのミルクジャム、だそうですね。
- 倉橋
- ありがとうございます。クラッカーに乗せて食べます。
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- お茶に入れてもいいらしいですね。
- 倉橋
- そうなんですか。私、お菓子作るのも好きなんです。まだレパートリーは少ないんですけど・・・使わせていただきます!