悩んでもしょうがない
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- 今日はどうぞ、宜しくお願いします。本当にありがとうございます。最近はどんな感じですか?
- 奥田
- どんな感じ? 最近あきらめがついてきたと言うか。
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- 諦めがついてきた!? 奥田さんが、諦めを付ける事が出来るようになったということですか!?
- 奥田
- そうですね。悩んだり落ち込んだりもしますけど、大分マシになったというか。前向きになったんですね。年を取ったというか。
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- 悩む事について、心が負担を感じなくなったと。
- 奥田
- いや、悩んでもしょうがないなって思うようになった。強くなったと捉えて貰ったら嬉しいです。昔よりは柔軟になったんじゃないですか。
クロムモリブデン
1989年、大阪芸術大学映像学科を卒業した青木秀樹を中心に、同大学の学生らを主要メンバーに結成。90年代後半〜00年代初期にかけて、「トランス・ナンセンス・バイオレンス」をテーマに、ノイジーな音響・照明、鉄やジャンクを駆使した美術、過激な衣装などを多用し、アート志向の強いパフォーマンス色豊かでパワフルな舞台を繰り広げる。近年は、積み上げてきた独自のスタイルを基盤としながらも、ポップさを前面に押し出したコメディ色の強い作品を制作。確かな毒を胸に秘めつつも、それをさらけ出す事無く、あくまで娯楽作品に仕上げる作風はより洗練の度合いを増している。一貫しているのは、座付き音響家・笠木健司による音響システムに代表される質の高いスタッフワークと、青木秀樹による時代を鋭く切り出すブラックユーモア溢れるテキストである。2006年、本拠地を東京へ移転。THEATER/TOPS、青山円形劇場等での公演を経て、「全員が看板役者」と評される個性溢れる俳優が揃い、最も充実した形で2009年劇団結成20周年を迎える。(公式サイトより)
普通なんだなって
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- 東京に行って、何か変わった事はありますか?
- 奥田
- うーん・・・やっぱり、現実を見たって感じですね。演劇をやりたいって人がめちゃめちゃ沢山いて、上には上がいるというか。並大抵のアレでは・・・。
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- なるほど。
- 奥田
- 今考えると、関西にいた時は気楽だったと思う。TVの仕事とかも最初は嬉しかったけど、それはやっぱり普通なんだなって思うようになりました。ああ、なるほどねって。やっぱり東京に行けば何とかなるって思ってたんだけど、必ずしもそうでもないなって。
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- ご自身の夢が叶ったり叶わなかったり。それで人も沢山いて。それで、夢が価値を失ったという事でしょうか?
- 奥田
- いや、例えばドラマの現場に行って、それまで憧れだった人に会ってみて。実際に踏み込んでみると地続きなんだって思ったんですよね。
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- 地続き。
- 奥田
- 普通の現実だったって事で、夢見がちでなくなったって事です。
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- 足を踏み入れてみたら、もの凄い事が起こるという訳でもなかった。
- 奥田
- うーん。東京に行ったら何か、やった以上の事が起こると思ってたんですね。でもやった分だけ返ってくる。やらなかったら帰ってこない。そんだけ。いい意味で現実的になったんですね。
質問 大原 渉平さんから 奥田 ワレタさんへ
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- 前回インタビューさせて頂きました、劇団しようよの大原さんから質問を頂いて来ております。「1.ホストクラブに行った事はありますか?」
- 奥田
- ないですね〜。ホスト系の男性があんまり好きじゃないんですね。女慣れしてるぜという人にわざわざ飛び込んで行こうとは思わないですね〜。加瀬亮みたいな人ばっかりだったら行きたいですけど。
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- 加瀬亮がタイプなんですね。
- 奥田
- というか、多分、女の人をあんまり上手く扱えない人が好みなんです。ホストクラブで働くような人ではなくて。まあ、60歳くらいで寂しくなったら行くかもしれない。いや、多分行かない。どっちかというとゲイバーの方には行ってみたい。行った事あります?
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- ないですね。キャバクラにすら行った事なくて、不勉強なんですよ。こういう活動をしていながら、そういう所に行ってないのは本当は良くないんだろうなあ。「2.本番前に、何をしたら緊張が取れますか?」
- 奥田
- あ〜、緊張はしますね。私めっちゃ緊張するんですけど。脊髄を思いっきり叩かれると、ちょっと気合が入ります。
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- ショック療法ですね。
- 奥田
- ショック療法なのかな。アスリートとかが、「緊張している自分をも受け入れる事だ」とか言ってるじゃないですか。受け入れようとか楽しもうとか、自分に言い聞かせたりします。まあでも緊張はねー。取れないですけどね。
質問 山崎 彬さんから 奥田 ワレタさんへ
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- 悪い芝居の山崎彬さんからも質問を頂いてきております。「台本を貰って、家に帰って、まず最初に何をしますか?」
- 奥田
- セリフを覚える、ふふふ(笑う)。
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- あ、覚えるんですね。
- 奥田
- どうするかな・・・会話劇の時は、それはどういうシーンかなというのを考えながらしますけど。すぐ入るセリフと、なかなか言えないセリフもあって。繰り返し口に出して覚えるようにしてます。
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- なるほど。
- 奥田
- 天海祐希さんは相手役に会うまで、台詞を一切口に出さないとか聞いたことあるよ。
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- すげえ。
もっと人間味が出るみたいな役者に
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- 京都の人は、奥田さんがいなくなった事について寂しがっていると思いますよ。
- 奥田
- ホントですか? そうかな。なんやろ、ありがとうございます。
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- 奥田さんは、芝居を続けている理由はなんですか?
- 奥田
- まあ、やめられないからじゃないですかね。
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- では、今後芝居がご自身にとってどのような存在になっていけば良いと思いますか?
- 奥田
- 東京に出てきて、芝居で生計を立てられればと思ってたんですけど。最近はそればかりにこだわっていないですね。芝居をやるの、楽しいじゃないですか。手放しに全部楽しい訳じゃないですけど。
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- そうですね。
- 奥田
- 私すぐに悩むので。さっきあまり悩まなくなったとか言いましたけど。
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- 単純に、ご自身にとって楽しいものであってほしいと。
- 奥田
- うーん。もっと色々な役が出来たらいいですね。母親役とか、以前やった事はあるんですけど。もっと人間味が出るみたいな役者に、最終的になればいいなと思います。
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- これから、演劇に限らずしたいことはありますか?
- 奥田
- 温泉行きたいとかそういう事じゃないですよね。
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- まあそれでも大丈夫です。
- 奥田
- 親孝行、ですかね。
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- なるほど。個人的には芝居してるだけで親孝行になってると思うんですけどね。
- 奥田
- あーそうですかね。それから、もうちょっとおばちゃんになったらピアノ弾きたいなと思いますけど。
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- あ、ピアノ弾けるんでしたっけ。
- 奥田
- うん。あと、なんとなく思ってるのは文章をもっと書けるようになれたらって思います。ブログを書く時の文才がほしい。全然更新されないアレね。
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- これからも更新待ってます。
ガチガチ
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- 奥田さんが、芝居をする上でこれが自分にあったら良かったって思うものはありますか?
- 奥田
- 勝負強さかな。
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- というと。
- 奥田
- ものすごい小心者なので、知らない人ばかりのところだとガチガチになってしまうので。前に前に行く、という力が私には足りなかったのかもなあと。どこかで遠慮してしまうところがあるのかなあと。ものすごい、自分をアピール出来る人っているじゃないですか。それがあったらもっと良かったのかもなと。演劇を始める前、母親に事務所入りたいって言った事あるんですけど。「あなたはそこまで気が強くないから難しいよ」って言われたんですけど、今となったらそうだなって。
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- 個人的には、奥田さんの控えめさは、ご自身のキャラクターに奥行きを与えているとおもいますけど。
- 奥田
- ありがとう。でもね、ここぞというときにいかないと行けない時があるんですよ。元々ある人は、そんな時に頑張らなくてもいいしね。羨ましいです。
柔らかくいけたらな
- 奥田
- 高橋くんは大人になったね。
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- ありがとうございます。いえいえ、中身は何も変わってないですよ。どういうところがですか?
- 奥田
- 何を言ってるか分かる。
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- あはは。
- 奥田
- 質問を事前にノートに書いてるからかもしれないですけど。いや、以前は何言ってんのかが分からなかったかなと思うんで、私もそうだったかもしれないんですけど。社会性が身についたんじゃないでしょうか。
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- そうかもしれないですね。ええと、奥田さんは今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 奥田
- いやちょっとね、あまり攻めないでおこうかなと思うんですよね。
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- 攻めないんですか。
- 奥田
- 前に前にという力が自分にはないなという事が分かったので。マイペースで。オーディションとかだとどうしてもカッコ良く見せちゃうんですよね。それは多分、私の良さじゃないんですよ。というか、いいカッコをしようとしてこけるっていう。背伸びしないでいけたらなと。
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- カッコつけるという意識から、自由になれたらと。
- 奥田
- 柔らかくいけたらなと思います。まあ今回の芝居はカッコつけてますけど。
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- ええ、格好良かったです。
- 奥田
- ありがとうございます。もっとふにゃふにゃしていけたらなと。
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- ふにゃふにゃ。
- 奥田
- いや、ちょっと分からないですけど。ペースを崩さずに。
ボーダーのマフラー
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- さて、私は色々な所でこの「頭を下げれば大丈夫」というタイトルが気に食わない、早く変えたい、ずっと続けていく企画のタイトルとしては余りに恥ずかしいとか言ってますが、本当はすごく気に入ってます。
- 奥田
- あー。私が名付け親なんだよねそういえば。
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- いや本当に、色んな意味を発見してきているので。頭を下げて足下を見ると再発見があるよ、とか。タイトルがみみっちいというのはすごく好きです。
- 奥田
- いや、全然変えて下さって結構なので。
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- いえ、それは恩を忘れるという事なので・・・。今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
- 奥田
- マジすか。ありがとうございます。
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- どうぞ。
- 奥田
- (開ける)あっ。めっちゃいいものじゃないですか。しかも節電ボーダートルネード じゃないですか。
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- ちょっと意識しました。ちょっとジーンズっぽい色です。
- 奥田
- めっちゃいいもんじゃないですか。ラムウールって書いてますよ。
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- いやそんな高いもんじゃないですよ。