部活から柿喰う客へ
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- 七味さんがお芝居を始められたのは、どのようなきっかけがあったんでしょうか。
- 七味
- 元々演じることが好きで、幼稚園の学芸会で先生に褒められたのがキッカケですね。普通の町人役で、アドリブでセリフを言ったりした時に。で、小学4年の時に自分で演劇クラブを作ったんですけど、あんまり面白くなくって。
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- あ、面白くなかったんですか。
- 七味
- (笑う)演じることは楽しかったんですけど、クラブは面白くなかったんですよ。それから陸上部とかに入ったんですけど、中学からはまたずっと演劇部でした。今も、根本的にはその部活の延長線上にいるというのは否めない・・・ですね。でも、意識はだいぶ変わったと思います。
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- 柿喰う客の旗揚げには。
- 七味
- 高校3年の時に、市民ミュージカルに参加したんですよ。歌と踊りが好きだったので。それで、オリジナルミュージカル劇団を作ってしばらくやってたんですが、大学の演劇サークルで中屋敷に出会って、彼が柿喰う客という団体を立ち上げて、それに関わっている内に、いつの間にか劇団員になってました。
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- 副代表ですね。
- 七味
- 名前だけのね(笑う)うそうそ、色々やってるんですよ。
「恋人としては無理」全国ツアー
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- それにしても、「恋人としては無理」全国ツアー。お疲れ様でした。
- 七味
- ありがとうございます。
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- 面白かったです。
- 七味
- 本当に!?良かった。初柿だったんですか?
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- 周囲で「衝撃的だ」とか噂を伺っていて。全国を回って、いかがでしたか?
- 七味
- 楽しかったです。自分の知らない所に行くのが好きなんですよ。とにかく行ってみて怒られてナンボ。冒険が好きなんですよね。柿喰う客自体そういう気質があるみたいです。ご当地のおいしいものも食べられるし。
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- それは大きいですよね。
- 七味
- 受け入れ先の方々に、集客を一緒に考えてもらったり。
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- 有り難いことですよね。ホームグラウンドと全然違う町では、当然お客さんも違う訳ですから、難しい面もあるでしょうね。
- 七味
- 反応が素直なんですよ。東京だと、知っている人たちには「今度はどう来るだろう」って構えがあるんです。他の地域だと素直に衝撃を受けて下さるんですね。それが楽しみです。今後も、少しでも柿喰う客という存在が残せると嬉しいなと思います。
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- あの作品、私も衝撃を受けました。もの凄く早いセリフ回しや展開なのに、演技のタイミングが全員一致していて。役はどんどん切り替わっていきますしね。
- 七味
- いつもああいう作り方をするわけではないですけどね。本公演ではもっと多人数で。スピード感のあるセリフは同じですね。
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- ラップのセリフは印象的でした。
- 七味
- あれも、使っていく内に飽きたら辞めてしまうかもしれませんが(笑う)。演出の中屋敷の世界を信じて作っていく集団なので、彼次第ですね。
「恋人としては無理」全国ツアー
柿喰う客作品「恋人としては無理」の全国ツアー。横浜、福岡、大阪、札幌、愛知などで公演。
たくさん繋がれる
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- 演劇博覧会・カラフル3でも「恋人としては無理」を上演されましたね。いかがでしたか。
- 七味
- 愛知ですよね。凄くハマったという人もいるし、全然ダメだったという人もいて。大阪は沢山の人に受け入れて貰いましたが、そういう地域差は面白いですね。実行委員の方も大変だったでしょうけど、素敵な演劇祭でした。
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- お気に入りはなんでしたか?
- 七味
- 私は1stも含めて、全部見れたんですよ。どれも凄く面白かったです。コーヒー牛乳さんはストレートに面白かったし、ユニット美人さんの「ブルマ、上げてこっ」にはやられましたし、オイスターズさんも好きでした。
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- オイスターズ、面白かったですよね。
- 七味
- 「恋人としては無理」のツアーに出ていたゲストの方もたくさん出られていましたし、演劇ってたくさん繋がれるなあって。ほぼどの劇団の方にも挨拶させて頂きましたし。
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- いい企画でした。
- 七味
- ですよね。また来年もあったらいいですね。
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- ええ、本当に。
演劇博覧会 カラフル3
全国の劇団が一堂に会する、まさに博覧会イベント。時期を置いて1stステージ、2ndステージと開催。柿喰う客は両ステージに出演。
幸せな生き方
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- 七味さんの柿喰う客に対するイメージとは。
- 七味
- 「次は何で攻めてくるんだろう」という期待と不安を与え続ける劇団じゃないでしょうか(笑)。作品としては、見えない力で動かされていく世界の見せ方が印象的なんじゃないかと思ったりします、実は。たとえば、「恋人としては無理」では、「誰かを信じてついていく」ということがありましたが、そこには明確な理由とかきっと無いんですよね。自分で決めて動いていると思っていても、それは結局、何かの大きな力で流されているんじゃないかしらって思うんです。世の中の全てがきっとそうで、演劇も人生も柿喰う客のお芝居もね。それって、とてもさめざめしている気がするんですよね。
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- 流される生き方ですか。
- 七味
- でも逆に、何かを信じて生きていくっていうのは、たとえ流されているのだとしても、凄く幸せな生き方だとも思います。
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- まさに十二使徒はそうでしたね。一旦はイエス君を見捨てて逃げた彼らが、さりげなく何かに突き動かされたように殉教しに行く姿、非常に印象的でした。
- 七味
- 嬉しいですね。柿喰う客の舞台では、しんみりしたシーンがあっても、次のシーンでは全く別の事をしますけど。
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- ああ、前回の舞台でもスイッチングがめまぐるしかったですね。
- 七味
- 柿喰う客の演出では、そういうふうに簡単に役が変わるんです。それは爽快で面白いやり方だけど、残酷なやり方だとも思います。その残酷さがちょっと好きなんですよね、私は。
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- 何だったんだ、みたいな。
- 七味
- 私は性格が悪くて生意気な劇団だと思ってます、柿喰う客は。良い意味でね(笑)
Kebabへ
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- さて、今回七味さんが出演される、精華演劇祭関連企画のKebab。稽古はどんな感じですか。
- 七味
- ホントはね。6月の頭に台本をもらっていたので全部覚えてココに来たかったんですけどね。
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- ええ。
- 七味
- せっかく東京から呼んで頂いているし、気合いを見せようと思って来たんですけど・・・実際は東京で意外とやることが多くて追いつかなくて・・・って言い訳かな。結局、台本読めないまま大阪に乗り込んできました。よくも何の準備もなしにこれたもんだ、我ながら良い根性してるわ・・・と思います。豆腐のような意志で、本当に情けないです。でも、もう逆に、敢えてゼロから作り上げようという思いで来ましたよ。
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- なるほど。
- 七味
- 共演者のお二人も稽古までにはセリフを覚えようと思っていたようで、半分くらいはもうセリフ入ってましたし、台本も読み込んでいてさすがでした。お二人は、東京からどんなすごいヤツが来るかと構えてたようで、来た私がこんなんだったから、拍子抜けしたみたいです。セリフ入ってなくて引きましたってブログに書かれました(笑う)。
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- 東京から牙を剥いてやってきたというのに。
- 七味
- 申し訳ない・・・。でも、私がこんなんで、ちょっと安心したみたいです。早く仲良くなれて、今はとにかく楽しく稽古してます。もう私もセリフは入りました!ほとんど!
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- 凄く豪華なメンツですしね。楽しみです。
- 七味
- 凄い有能なスタッフさんも集まっているし、魅力的な企画なので、演劇界に大きな影響を与える企画になると思うから、本当に沢山の方に見て頂きたい・・・!って話を、ちょうど飲み会でもしてたんです。私は影響されやすいのです(笑う)。
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- 東京からやってきた刺客ですもんね紅一点の。では、意気込みを伺えますでしょうか。
- 七味
- 今回の「マディ」という役、私よりも魅力的な人がいるんじゃないかなと最初は思ってたんです。でも、せっかく私がやるんだから、最終的には七味だからこそ魅力的だったと言われるように頑張りたいですね。
精華演劇祭関連企画・Kebab
ベルリンの演出家Enrico Stolzenburgを大阪に招き、国内の若手俳優とともに演劇作品を製作。公演日時:2009年7月10日〜12日。会場:精華小劇場。BLOG:「KEBAB-ケバブログ-」
質問 大崎 けんじさんから 七味 まゆ味さんへ
海外へ
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- さて、七味さんは今度、どんな感じで攻めていかれますか?
- 七味
- 意外と、自分で何か出来ないんですよね。攻めたいんだけど攻め方が分からないみたいな。だから、今後もまっとうに楽しく生きていく中で、また仕事をしたいという人があれば一緒に作品を作って行ければと思います。あと、海外行きたいですね。何かの機会があれば。
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- 外に目を向けるという。
- 七味
- 柿喰う客は「恋人としては無理」でフランス行ってるんですよね。私は参加できなかったんですけど。日本の演劇がどのように見られるのか興味があります。あと、蜷川さんの舞台とか野田さんの舞台とか、そういった大舞台にも、機会があればまた出演したいなぁ。あとは、七味という名の通り色んな芝居が出来るようになりたいと思います。
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- 頑張ってください!
髪留めなどアクセサリー類
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- 本日はお話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。もし宜しければどうぞ。
- 七味
- ありがとうございます。開けていいですか?
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- はい。
- 七味
- (開ける)かわいー。嬉しい。ちょっとアンティークさがあって京都っぽい。髪を伸ばそうと思ってたんですけど、髪型どうしようかって迷ってたんですよ。
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- 喜んで頂けたようで、良かったです。