夏の日のピンク地底人
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。しかし暑いですね。
- PNK2
- 暑い・・・。夏ですね。完全に。完全に夏ですね。
ピンク地底人落涙の第六回公演「FLOWER OF ROMANCE」
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- ピンク地底人の前回公演「FLOWER OF ROMANCE」。お疲れ様でした。面白かったです。ご自身としてはどんな感じでした?
- PNK2
- 今までは適当に、電話で「やろっか」みたいな感じで企画してたんですけど。そろそろ大きくなりたいみたいな野望がムクムクって感じでなってきたので、今回は何か、日にちとか値段とかを決めるのに口出しさせてもらって。
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- 確かに。これまでのピンク地底人の公演、悪い意味でざっくばらんな感じがあったと思うんですけど、今回はプロデュース色が強かったなあと思いますね。今回はどういう公演にしたいと思われていたのでしょう。
- PNK2
- 京都での公演が2年振りだったので、忘れ去られているんだろうなって思っていました。とりあえず、思い出して下さいっていう。これからも京都でやっていきたいと思っているしので。色んな人に手紙を書いたり。
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- なるほど。それもあってか、反応も多かったようですね。
- PNK2
- 本当に賛否両論でした。でも、忘れらなくて良かったです。
ピンク地底人
京都の地下は墨染に生まれた貧乏な三兄弟。日々の孤独と戦うため、ときおり地上にあらわれては演劇活動をしている。夢は関西一円を征服することと、自分たちを捨てた母への復讐。最近は仲間も増え、京都を中心に大阪にも出没中。(公式サイトより)
ピンク地底人落涙の第六回公演「FLOWER OF ROMANCE」
公演時期:2010/7/22〜25。会場:アトリエ劇研。
ホントは、どエンタメ。
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- 今回の公演は、本当にしっかりした作品だったと思うんですよ。プロデュースに気を配られたと仰っていましたが、確かに、企画としてもまとまりのある公演だったんじゃないかと思いました。
- PNK2
- どのあたりがですか?自分では全然分からなかったので、外から見ての感想が欲しいです。
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- というのは、まず、前回公演「Ex.人間」が非常に前衛的だったという事があるんですよ。会話劇で登場人物が舞台の上にいて、やりとりは繰り広げられているのにセリフは全て一人のモノローグ。それも、1シーンにつき必ず1人だけという。
- PNK2
- うん。
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- 新機軸でした。で、今回はそういった前衛性を迂回するように、後半は分かりやすい物語性の強い演劇に回帰していったと。でも実験精神はそのままだったんですよ。
- PNK2
- 作演出をやっている3号としては前衛という認識はそれほどないらしいです。「Ex.人間」の時も「これ、どエンタメやで」って。私も、ベタ、好きなんですよ。でも同時に、ベタだけを作ってもなって思うんです。
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- ベタと前衛のバランスが取れてて、刺激的だったのかも。最初はコンテンポラリーな雰囲気が強くて、チラシの内容と全然違うように思えたのがだんだんとチラシに載っているストーリーが寄り添う。
- PNK2
- あれ、チラシを作った時とは全然違う台本だったんです。
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- あ、そうなんですか。
- PNK2
- 最初はシンプルな物語で、エンタメ色が強かったんですけどね。でも脚本のピンク地底人3号が「やりたい事あるから」って。じゃあ、そっちのほうがいいよねという形で新しく書き下ろしました。稽古の後半になったら台本が全部書き換わるというのは割と毎回あるんですよ。よくやるよなと思いますね、自分達のことながら。
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- なるほど。前半と後半で結構、温度の違う作品だったように思います。ポップな作品だという評価がありましたが、確かに。
ピンク地底人饒舌の第五回公演「EX.人間」
公演時期:2009/10/17〜18。会場:ロクソドンタブラック。
可愛らしい関西弁が聞きたくて
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- 「FLOWER OF ROMANCE」。大きな特長として、関西弁が可愛かったですよね。
- PNK2
- そうですね。3号、最近気に入ってるみたい。
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- 柔らかいけどちょっぴり強引な響きを持つ関西弁が、言葉はそのままに、全く別の可愛らしい表情を持っていたように思います。
- PNK2
- ネイティブの関西人が少なくて、結局、シンプルな感じで言おうと心がけました。
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- だから可愛い感じになったのかも。儚い感じもあるんですよ。ごんぎつねで言えば「ばれへんように魚や栗を納戸に入れとかな。これ、絶対の事やで」とか。なかなかないと思います。
- PNK2
- 稽古場でもめっちゃ流行りました。「今日のご飯、うなぎのことやで」みたいな。ピンク地底人の稽古場では、その作品の新しいアイデアが流行ったりするんですよ。今回は関西弁が。
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- 毎回、何かしら新しいやり方を持ってきますよね。それが毎回面白いから凄いんだと思います。
新しいお客さん!
- PNK2
- でも、やっぱり人来ないなあと思いましたね。昔、電視游戲科学舘がたくさんやってた時は私良く見に行ってたんですけど、あの頃は普通のお客さん、関係者じゃないお客さんが沢山いたような気がしていて。もっと沢山、呼べないかなあって。
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- 多分、宣伝戦略の部分でその二つとは違ってるんだと思うんですよ。お客さんの性質云々で時代が変わっているという事はあんまりないと思う。
- PNK2
- 何か今回。造形大のお客さんが多かったんですよ。多分、これまでにないことだったから。今まであんまり、造形大の人と関わりが無かったので。
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- あー、なるほど。面白い出会い方ですよね。なんというか、新しいお客さんを見つけにいく、作りにいくことが大切なんですよね、きっと。ピンク地底人はいつも着眼点がすごく新鮮、だから作っている人には刺激的だったでしょうね。
電視游戲科学舘
京都の劇団。大がかりな舞台装置、凝った音響・照明、しかし行き過ぎない美意識のもとに作られたエンターテイメント演劇を得意とする。
ユリイカ百貨店
2001年に脚本・演出を担当するたみおを中心とするプロデュース集団として結成。その後劇団としての活動に形を変え、2005年4月、再度プロデュース集団となる。幼い頃の「空想」と大人になってからの「遊び心」を大切に、ノスタルジックな空気の中に、ほんの少しの「不思議」を加えたユリイカ百貨店ならではの舞台作品を作り続けている。(公式サイトより)
地底とか潜っちゃうけど、たまに出てくる
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- 演劇を始めたのはどのようなきっかけで。
- PNK2
- 大学に入学時に一瞬演劇部に入ったんですけど、すぐ辞めて。3回生の頃に演劇集団Qに。その頃1号も3号もいたんですよ。
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- あ、123号が同時に。そう言えば、ピンク地底人って何故そんなネーミングなんですか?
- PNK2
- うーん。誰もその経緯を覚えてないんですよね。朝起きたら紙に書いてたんですよ。「ピンク地底人」。酒に酔ってたんですよ。地底とか潜っちゃうけど、たまに出てくるみたいな。お洒落ぶりたかったんだと思います。
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- 分かりやすいネーミングですよね。イメージも強いし、アングラぽく、ポップでもあるし。ネットで検索もしやすい。
演劇集団Q
同志社大学の学生劇団。
質問 七井 悠さんから ピンク地底人2号さんへ
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- 前回インタビューさせて頂きました京都ロマンポップの七井悠さんからご質問を頂いてきております。1.二リットルの水を持ち歩いて飲んだりしますか?
- PNK2
- しないですね。噂では、汗をあまりかかない人は塩分を排出するためにおしっこを出す必要があるので水を沢山飲むらしいですよ。
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- 2.舞台に関わる上で大切にしている事はなんですか?
- PNK2
- 同年代の中でも特に迷いながらやっているので、その時その時で変わるんですよね。これというのは。あ、ご飯をきちんと食べる事ですね。タバコとコーヒーで済ませるみたいなノリではなく。
京都ロマンポップ
2005年、当時立命館大学生であった向坂達矢(現・代表)、よりふじゆき(脚本家)を中心として旗揚げ。以後一年に2〜3本のペースで公演。ポップな新劇というスタイルを取り、芸術的・哲学的テーマを基調とした演劇を製作する。
ピンク地底人の明日
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- PNK2
- これまで携わり方がふらふらしていたので、今回は自分なりに公演作りに関われたのがよかったですね。今後もそうありたいです。続けている動機は言葉にしにくくて、結局何となくですけど。でも、「何となくで続けているんだったら辞めろ」と言われても絶対やめないと思います。
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- なるほど。
- PNK2
- あと、大阪や神戸で客演で行ったのがいい経験になったなと。今後も、色んな人や劇団と関係していきたいなと。大阪の人は優しいから大好きです。
銅のスプーン
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがあります。
- PNK2
- 貰ってもいいんですか。
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- もちろんです。
- PNK2
- 見てもいいですか。
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- はい。
- PNK2
- (開ける)わっ。スプーンだ。いいんですか!?何で私がスプーンを欲しがっている事を知ってるんですか?最近、アイスコーヒーとミルクをかき混ぜるのにお箸を使っているんですけど、スプーン欲しいなと思っていたんですよ。
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- よかったです。