夏
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- 今日は宜しくお願いします。
- 松田
- あ、はーい。宜しくお願いします。
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- ええと、お会いするのは、初めてではないですよね。確か、ムーミンの挟み込みで。
- 松田
- あ、あと「平凡なウェ〜イ」の撮影で。
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- ああ、そうでしたっけ。あとですね、吉田寮の印刷室で。
- 松田
- 私、覚えてないです。わかんない、いたかもしれないですけど覚えてないですね。
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- あれ?
- 松田
- いや、忘れてるだけかも。
- __
- ・・・暑いですね。今日は。
- 松田
- 暑いっすね。
- __
- 最近はいかがですか。
- 松田
- 最近ですか?わかんないです(笑う)
- __
- ああ・・・。
- 松田
- いつも聞くんですね、初めに。決まりなんですか?
- __
- いつの間にか。まあ、駄目な感じの質問として。
- 松田
- 最近は、ショートショートの準備で。
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- いつでしたっけ。
- 松田
- 8月12日に、ヨーロッパメンバー内の予選があって。それまでに一本作らなくちゃいけなくて。でも他の人の作品に出てばっかりで、中々自分のが進まないんです。
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- やばいですね。
- 松田
- やばいです。でも、頭の中で考えていた事を何とか書き出したので。大丈夫だと思います。
ヨーロッパ企画
98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。 「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。本公演では、代表・上田誠の作・演出による、ある一定のシチュエーションにおける群像劇を数多く上演。(公式サイトより)
ヨーロッパ企画 第15回公演「ムーミン」
公演時期:2004年5月14〜6月3日。会場:愛知・東京・京都各地にて。
アートコンプレックス1928
三条御幸町の多目的ホール。ダンス、演劇公演、ショーやワークショップ、展覧会等を開催する。
ヨーロッパ企画第17回公演「平凡なウェーイ」
公演時期:2005年2月〜3月。会場:京都・東京・大阪各地にて。
ショートショートムービーフェスティバル
ヨーロッパ企画による映画祭。5分以内の映像作品を集め上映し、投票によりグランプリを決定する。
ところで君はUFOを見たか?
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- もう、ヨーロッパに入られて何年くらいでしょうか?
- 松田
- 1999年からかなあ。大学入って1年目のオリエンテーションで、上田さんと諏訪さんと石田さんに会って。それからですね。
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- もう8年。
- 松田
- 途中2年ぐらい休んでた時期もあったけど、そんな感じっすねえ。
- __
- ヨーロッパ企画の女優としてやってこられて、一番好きな舞台は何でしょうか。
- 松田
- 一番好きな舞台は、出てないけど、「ところで君はUFOを見たか?」というヨーロッパ企画の初めの舞台で。それは実際には見たことなくて。大学に入った一年生の時にビデオを見せてもらって、「去年こういう事をやっていて、これからもこういう事を続けていきたいんだ」という上田さんとかの話を聞いて。それがめっちゃくちゃ面白くって。びっくりして。画像も悪くてほとんど見えないのに。諏訪さんと永野さんが出てたんだけど、最後感動して泣いて。凄いなあと思って。
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- 映像なのに。
- 松田
- 映像なのに。
- __
- 凄いですねそれは。
- 松田
- だからそれが、一番好きな作品というか。キッカケだったと思う。あとは、・・・嫌いなのはないなあ。「囲む」も好きだし。過去の、「苦悩のピラミッダー」とかを最近再演したから、またちょっと印象が変わったんだけど、全部いい作品なんじゃないかと思ってます。
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- なるほど。
- 松田
- でも、UFOが一番面白かったなあ。あと、昔吉田寮でやったコントライブが。
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- 「ヨーロッパ企画」。
- 松田
- ああいうのまたやりたいですね。
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- もう、寮食使えないですからねえ。
- 松田
- あ、もう使えないんだ。
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- 地震が来るともう。
ヨーロッパ企画第1回公演SFシチュエーション2人芝居「ところで、君はUFOを見たか?」
公演時期:1998年10月。同志社大学学園祭企画として上演。
ヨーロッパ企画第22回公演「苦悩のピラミッダー」
初演公演時期:2000年4月28〜5月1日。会場:京都大学吉田寮食堂。
ヨーロッパ企画第24回公演「衛星都市へのサウダージ」
初演公演時期:2000年8月25〜27日。会場:スペースK.S。
ヨーロッパ企画プロデュース公演vol.1「ヨーロッパ企画」
公演時期:2001年5月25〜5月3日。会場:同志社大学田辺校地多目的ホール、同志社大学新町別館小ホール、京都大学吉田寮食堂ホール。
セリフ
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- 役者として、今後こういう風になりたいとかはありますか?
- 松田
- 言えないセリフとかがない人になりたいと思います。やっぱりテレビとか舞台とか見てると、凄く変なセリフとかがあるじゃないですか。
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- ありますね。
- 松田
- でも、役者さんはそれを言えるんですよ。ぜんぶコンテキストがあって、それが体の中に無ければ言えないという事を平田オリザさんか誰かが言ってて。ヨーロッパの芝居って、会話言葉重視だから気持ち悪いセリフって本当にあんまり無くて。言いやすいセリフばっかりで。
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- そうですね。
- 松田
- でもやっぱり、外の世界はそうでもないし、言いやすいセリフだからいいという訳では決してなくて。ヨーロッパにしろ何にしろ。だから、言えないセリフがある、理解出来ないセリフがあるという事は多分あたしが駄目なのだと思うので。
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- いえいえ。
- 松田
- ちゃんとそこを広げていける人になりたいなと思ってます。テレビとか見てるとちゃんと、どの役者さんも、「これ言えるんだ!」ってセリフをちゃんと言えてるから。ドラマとか映画とかできるだけ見るようにしてます。そもそも好きだったんですけど。ちょっと、そこを気を付けて行きたいなと思います。
- __
- 言えないセリフ。
- 松田
- 何か説明っぽかったりとか、嘘みたいなとか、今の時代では言わないだろうとか。それを言える人になりたいなと。だから、そういう事を考えたら、街の人とかの会話を聞いたりするのも大事かなあと思って。
不思議
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- 最近、何か考えている事はありますか?
- 松田
- 考えている事?日々、「これ何かに使えるなあ」とか「これ面白いな」とかは結構考えてるんですが。そういう事とは別に?
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- 何か、あれがこうなってこうなるんだろうなあ、的な。
- 松田
- あれがこうなってこうなるんだろうなあ?
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- 原理的な。
- 松田
- 何だろう。最近、ABCラジオの「ヨーロッパ企画の試験放送」で「不思議バインダー」っていうコーナーをやってて。その中で世の中の不思議な事を言い合うってのをやってて。ちっちゃい時の記憶の中で、変な思い出とか。例えば上田さんが小さい時に野球の大会に出たんだけど、誰かがホームランを打って。でもその後、お父さん達とかクラスの先生が会議みたいに集まってそのホームランが無かった事になって。
- __
- ええ!
- 松田
- それが子供心に何故か分からなかったとか、そういう不思議を喋るコーナーで。私が最近、そのコーナーの為に考えてたのが、東京とかすごく離れた所に住んでいる友達と、近くに住んでいる京都の友達から同時刻にメールが来た事があって。
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- へえ。
- 松田
- 同じ時刻に3通くらい。それは地下とかに入ってたからとかじゃなくて。 それが凄いなあと思ってて。同時刻に全然違う場所の人が私の事を考えてたんだなあと。
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- もう因縁としかいいようがないですね。
- 松田
- それが凄い面白くって。結構そういうことあるんですよ。
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- よくあるんですか。
- 松田
- はい。原理とか越えてて、何とも言えへん。
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- 松田さんの顔とか声が、例えばラジオから聞こえてきたりとか、それを聞いた人が3日後あたりに思い出して、とかそういう事じゃないですよね。
- 松田
- ないでしょう。何か。友達って、その子のこと考えてたりすると連絡あったりするんですよ。逆に、私が連絡すると、ちょうど今私のこと考えてたんだよみたいなこととかもあるし。もう頭とか超えてて。その手の説明がつかないこととか、気になるなあ。
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- 分かります。
- 松田
- あと未確認生物のUMAとかのページが面白くて良く見ますね。不思議で。
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- あ、不思議なのが好きなんですね。
- 松田
- 不思議好きっすよ。
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- 「好きっすよ」。
- 松田
- ええ(少し笑う)。説明つかない事って大事だなあと思いますね。理由を超えた所にも何かがあるんだと思うとすごく面白い。
居残りドリル
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- 松田さんはラジオの台本やブログなど、様々な文筆活動もされておりますが、今後はどういった方向で書きものを続けて行かれるのでしょうか。
- 松田
- いやあ、何でも書きたいですよ。自分に何が向いているのか分からないし、書いている量も少ないし。だからとりあえず、今はお声を頂いたものはやりたいなと。ちょっと忙しくなったら書くことを忘れちゃったりするんで、書くことを忘れないようにブログやってるんですけど。
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- 読んでおります。
- 松田
- あ、ありがとうございます。読んでるんですか。
- __
- はい。あれは、改行をあまりされませんよね。
- 松田
- ブログや、日記のつもりでやってないので。書きたいことを書くために、ブログというツールを使っているぐらいの気持ちなので。ブログをやっているという気持ちではないです。
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- 何か、見たまま感じたままを素朴に書かれていますよね。
- 松田
- 読みにくいとかあるかもしれませんけど、あれ、結構、「この段がこの文字で切れるのはイヤだから前を一文字減らして」とか調節してて。
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- ああ、はいはい。
- 松田
- そういう気の使い方はしています。「書くぞ」っていう気持ちで書くようにしてるんで。書こうと思ったら毎日でも書けるんですけど、例えば「今日はカフェに行ったよ」とか。食べたものの画像載せたりとか。そういうのはしないでおこうと思って。書けるものを見つけた時に書くというか。でも梨花とかともさかりえのブログとか、あとは友達のブログを読むのは凄く好きで、でも自分はそういうのをしなくてもいいなと思ってます。
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- これは書けると思われたものを見つけた時に書くという事ですが、最近の日記で男の子がお母さんに「今日の天気はどうだった?」と聞かれて・・・。
- 松田
- はいはい。「まぶしかった」。
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- あれは凄いですよね。
- 松田
- あれは凄いですよね。聞いた瞬間、びっくりして。
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- あれは。ええ。
- 松田
- その子が、空をみてまぶしいなあと思った感じがぐわあって分かって。で、結構、街の人とか喫茶店とかで隣に座った人のいう事が面白かったらメモったりしてるんですよね。
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- へえ。セリフで、単純なものが心に響くというのは中々ないですよね。
- 松田
- 本人達は、別にどうこう思ってないから凄いなと。
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- 芝居に強引に絡めてしまうと、台本を書く人はご自分の趣味とかがどうしても直接的に影響するから、逆にそういう凄いセリフは生み出すのが難しいのかもしれませんね。
- 松田
- そう、自分では多分考え付かないから。子供のいう事って凄いなと思っていて。子供英会話教室で一年くらい先生してたんですけど、その時に子供が言う事が凄くて。授業が終わった後にめっちゃメモ取ってましたね。
おまじない(silsil)とAMERICAN RAG CIEのフルーツ皿
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- 今日はありがとうございました。
- 松田
- いえいえ。
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- お話を伺えたお礼に、プレゼントがあります。
- 松田
- 恒例の。
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- ええ。どうぞ。
- 松田
- うわ大きい。なんかいっぱいあるよ。しかもAMERICAN RAG CIEってめっちゃいいお店じゃないですか。
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- どうぞ、開けて頂いて。
- 松田
- 何?いっぱいある。え、何?壊しそうで怖い。これ、こっちと関係あるね(開ける)。
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- ええ。
- 松田
- 意図があるんですか? 毎回。
- __
- 今回はあります。
- 松田
- 汲み取れるかしら。
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- ・・・。
- 松田
- え?(はがす)夏?
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- ですかねえ。
- 松田
- 正解は何ですか?
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- こちらにローマ字で書いているのですが。
- 松田
- 「あいをかんじるこころ」?「ゆめをかなえるちから」?前向きなメッセージを頂いたという事ですね。
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- はい。
- 松田
- ありがとうございます。ラグシーにこんなもの売ってるんですね。
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- いや、それはラグシーの製品ではないです。そのカードに。
- 松田
- え、この人が描いたものですか?
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- これは、silsilというイラストレーターに描いて頂いたものですね。
- 松田
- へー。手が込んでますね。