演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫

中川 晴樹

プロデューサー

一つ前の記事
次の記事
同じカンパニー
山脇 唯(ヨーロッパ企画)
山口 淳太・西尾 真由子(ヨーロッパ企画)
永野 宗典(ヨーロッパ企画)
西村 直子(ヨーロッパ企画)
松田 暢子(ヨーロッパ企画)
山脇 唯(ヨーロッパ企画)
本多 力(ヨーロッパ企画)
吉永 祐子(ヨーロッパ企画)
同じ職種
大橋 敦史(フリー・その他)
鍵山 千尋(立命館中高演劇部)
小原 啓渡(アートコンプレックス)
沢 大洋(京都学生演劇祭)
金田 明子(フリー・その他)
橋本 裕介(橋本制作事務所)
肥後橋 輝彦(京都ロマンポップ)
斎藤 努(Afro13)
河口 円(DOOR)
石田1967(演劇ソリッドアトラクションLINX'S)

ショートショートムービーフェスティバル

__
最近はいかがでしょうか。
中川
最近は、そうですね。来月からスタートするショートショートムービーフェスティバルというイベントがあって。それの実行委員長なので、その準備ですね。
__
予選が確か、8月の。
中川
12日ですね。元々この企画は5分以内というのがルールだったんですけど、今年は全員タイトルを黄金に限定して作品を作ってもらう、という形にしてます。そのイベントが一応4つあって。他にも色々イベントが。
__
どうですか、進行としては。
中川
うーん。盛り上がりが今ひとつわかり辛いかなと。ヨーロッパメンバーは、もちろん全員が作品を作ってるんですけど、一般の方とかゲストの方とかの作品がまだ届いてないですし。まだちょっと作ってもらってる最中ですからね。お芝居とかだったら、割と盛り上がってる感じがわかるじゃないですか。こういうイベントって、盛り上がりが見えにくいというか。うん・・・。
__
頑張ってください。きっと成功します。
中川
はい。なんすかそれ(笑う)。
ヨーロッパ企画

98年、同志社大学演劇サークル「同志社小劇場」内において上田、諏訪、永野によりユニット結成。00年、独立。 「劇団」の枠にとらわれない活動方針で、京都を拠点に全国でフットワーク軽く活動中。本公演では、代表・上田誠の作・演出による、ある一定のシチュエーションにおける群像劇を数多く上演。(公式サイトより)

ショートショートムービーフェスティバル

ヨーロッパ企画による映画祭。5分以内の映像作品を集め上映し、投票によりグランプリを決定する。

芝居

__
中川さんは、初めてヨロパに出演されたのは。
中川
一番最初にちゃんと出演したのは、「衛星都市へのサウダージ」。2000年ですね。
__
7年前ですね。
中川
7年前。
__
私は初演の「衛星都市へのサウダージ」を見てるんですが、そこの会場が思い出せなくて。
中川
会場はね、スペースケーエスという、錦市場のあの辺ですよ。いま美容院だかになってるんじゃないかな。
__
ああ。2階か3階の。
中川
2階ですね。すごい狭いとこ。
__
懐かしいなあ。面白かったです。さて、今後についてなんですが。中川さんはこれからどんな感じで攻めていかれるんでしょうか。
中川
攻めていく。役者として?
__
制作的な立場としても結構なんですが。
中川
ええと、みんな役者以外の事にも興味があったりして。僕は、役者もするし、イベントの運営全般もやったり、司会もやったりですね。あと、ホームページ内にヨーロッパスタジオという、企画をやるコーナーがあって。週一でラジオをやったりしますね。ザ・スタンバイズっていう。
__
なるほど。役者としては。
中川
まあ、ヨーロッパ企画で言えば僕に振られる役というのはあると思うので、それをちゃんとやっていきますし。それ以外の事も凄い楽しくって。今漫才が凄い面白くって。
__
漫才。
中川
去年M-1に僕ら出てるんですが、まあ一回戦で落ちてるんですけど。基本的に劇団って作家が台本を書いてそれを公演するじゃないですか。それ以外は個人の活動でしょ。で、やっぱり作品作りを役者が個人個人でしていく事がそれぞれのプラスになるだろうなっていう。そういう事をちょっと思ってて。だから、漫才のネタを書いたりラジオでやってみたり、そういう企画が役者に還元出来るかな、と思ってやったりしてますね。
__
役者が様々な企画を通して学んで行けるという。
中川
そうですね。
__
結局、個々の芝居って定量的に評価しにくいところがありますよね。上手い下手というのは一目でわかるけれど。だから、難しい仕事でもありますし。数値化出来ないというか。その辺が、色々やっていくしかないという事ですね。色々管理もしにくいでしょうけど。管理つったらアレかもしれませんが。
中川
でも、その上手い下手っていうのも、好みの部分って凄く大きくて。まさに数値化出来ないという所で。でも、僕らの場合一本のステージで30本くらいやるんですが、その全ての回である程度の平均点以上を取らなきゃならないんですね。そうしようと思ったら、役者の仕事を数値化しないといけないというか。というのは、最近上田と話してますね。
__
うーん。
中川
僕らの作品は、物語というか、一個一個の笑いがお客さんに伝わるかというのが大事なんだけど、例えば何か台詞を言う時に、隣の役者が立ってるか座ってるかとか、どちらを向いて喋ってるかっていうとか、声のトーンとか。数値化ではないけれど、やっぱりチェックポイントが増えていくというか。それは多分しなきゃいけない事だと思う。舞台上に上がって、ただその場の雰囲気で面白い感じでやる、ってんじゃなく。だからそこが、キチンとなってないとある程度以上は取れないなと最近思いますね。
__
分かります。例えばタバコを吸うにしても、この向きで吸わないと生まれないものがありますよね。かと言って硬くなってしまっても。
中川
もちろんそうなんですけどね。その場で生きる事も面白いから。それに対応するためにも、ある程度決めておかないとならないというか。難しいですね。
ヨーロッパ企画第24回公演「衛星都市へのサウダージ」

初演公演時期:2000年8月25〜27日。会場:スペースK.S。

ヨーロッパ企画第22回公演「苦悩のピラミッダー」

初演公演時期:2000年4月28〜5月1日。会場:京都大学吉田寮食堂。

黄金

__
何か最近、お考えになっている事はありますか?
中川
うん、ショートショートの事で言えばオープニング映像の事とか。前回だったら、上演の順番を決める時のクジ引きをオープニングに使ったんですけど。そのクジ引きを寝起きで引かせるとか。バイト先に僕が行っちゃうとか。そんなんを考えたり、あとは漫才のネタを考えたり。ですね。
__
SSMFですが。今回の、黄金という縛りが、私はぶっちゃけかなり制限を感じるものではないかと思ってしまうんですけども。
中川
そうかと思います。
__
製作する人は、「ここから入っていかなくちゃなんないんだな」みたいな。
中川
うーん。まあ、4回目になるんですけど。映画祭っていうのは、こういう言い方をするとアレですけど、何となく出来てしまうというか。で、それは僕らがやってもしょうがないと思うんですよ。ヨーロッパ企画という劇団が、普通の映画祭を作ってもしょうがないなと思って。でも前回までのままだと本当に普通の映画祭になってしまう。どこにもない映画祭を作ろうと思っていて、それを考えたときに、一個のタイトルに絞って作ってもらったら変な映画祭になるんあじゃないかと思って。
__
変な映画祭。
中川
こんなの見たことないという。タイトルにしても色々アイデアはあったんですよ。レインボーとか、トキメキとかジャンボとか。色々出た中で、「黄金」というのが言葉としても力があるし、馬鹿っぽいし。キラキラしてるし。
__
「金」だけでいいものを黄とかつけるからしつこいですよね。
中川
色んな意味にも取れるし。ゴールデンウィークだったり。
__
ベストという言葉にもつながりますしね。
中川
だから、みんな「黄金」というタイトルだから黄金を探しに行くみたいなベタな事はしないなと思うんですよ。このタイトルをどうクリアするかという所で、変な映画祭になるんじゃないかなと思ってるんですよね。
__
みんなのある意味での一致した障害があるから、そこを越えようとして変なテンションになる、という事なんですかね。

メガネ掛け

__
ええと、実は本日16時半に、ヨーロッパ企画の松田さんにインタビューをしてきました。
中川
あ、え、そうなの?
__
はい。
中川
へー。
__
で、中川さんに何か質問はありますかと伺ったんですが。
中川
はい。
__
「特にない」。
中川
あはは。
__
一応それだけはお伝えしておこうと。聞きたい事があったら本人に聞く、との事でした。
中川
あー。
__
という感じですね。はい。ええとですね、今日はお話のお礼に、プレゼントがございます(渡す)。
中川
プレゼント?ああ、そんなんでしたね。最後に。これ、その人にちなんだものなんですか?
__
一応は。
中川
(開ける)これは何ですか?
__
それはメガネ吊りですね。首から下げる。
中川
僕はメガネキャラとされてるんですね完全に(笑う)。
__
まあ、お会いした時から常にメガネを。
中川
ありがとうございます。メガネ吊りをプレゼントされてしまった。
__
しかもですね、いま掛けられているメガネには多分付けられないんですね。
中川
あ、つるが細くないとね。残念なプレゼントですね(笑う)。
__
ええ・・・。
(インタビュー終了)