中野劇団東京へ
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- 今日は宜しくお願い致します。いかがでしたか、東京公演を終えて。
- 三条
- まあ、思ってたよりお客さんには来ていただいて。どれぐらいくるかという予想がつかなかったので。
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- そうですね。
- 三条
- ウチが、CMサイトでアニメコントをやらせてもらってるんですけど。それで関東の方に若干知ってもらってるというのは分かってたんですけど。それで会場まで足を運んでもらえるかどうかという。結果的には、キャパ、会場のサイズ、色々丁度良かったみたいで席も空くことなくいい感じの詰まり具合で。
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- 公演中の雰囲気はいかがでしたか。
- 三条
- そうですね、お客さんの方も笑いに来てくれていたので、温かかったといえば温かかったですね。ただちょっと、京都のお客さんと笑いのツボが違う所があって。
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- ツボが違う。
- 三条
- そうですね。もう何か。優しすぎるというか、笑いに来ているだけに先走って笑っちゃうというか。ホントはここで笑って欲しかったんだけど、という感じの。初日のお客さんはそんな感じがありましたね。
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- やっぱりちょっと、土地が違ったんですかね。
- 三条
- そうですね、どんだけ違うのか知りたかったところもあったんですけど。今度はもっと、段取りを組んでゆっくり行きたいですね。今回、金曜日に仕事が終って、そのまま東京に土曜日について、仕込みしてキッカケ合わせしてその夜に本番だったんですよ。
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- ひどいですね。
- 三条
- ひどい状況ですね(笑う)。でも、そんだけひどかったら次もいけるかなと。まあ、これまでエコタンク(ネットのアニメコント)で関東の方に色々知ってもらってるという、タイミングも合ったので。
京都を中心に活動する劇団。脚本・演出の中野守氏の織り上げる、緻密なプロットのコメディ。
通じる
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- 今回、京都から大きく離れて東京に行かれた訳ですが。
- 三条
- まあ、大体小劇場があるところって東京・大阪ですよね。で、何本か観に行って。「あ、これ俺らでもいけるかなあ」って(笑う)。やってみても面白いんちゃうかなと。そうですね、全国でも通じるんちゃうかなと。でも、通じる通じないに関わらず、ちょっとやってみんと分からないやないかいと。中野も、その時乗り気で。まあ、若いうちに。別に誰から呼ばれた訳でもなく、えいやあと。でもなかなか、難しかったですね。まず、ホールが取れなかったんですよ。
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- ホール探しが難しかった。
- 三条
- 金だせば取れるんかなあと思ったんですけど・・・。まず、週末だけ貸してくれなかったんですよ。最初は、日曜日だけの公演にしようと思ってたんですけど、どこも。
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- そうなんですか。
- 三条
- それじゃ、土日でやろうとしても、やっぱり4日とか。向こうとしては、週末だけ貸しても空いてしまうと。その分お金が取れない、困ると。
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- 不動産みたいですね。いや、ていうか不動産ですもんね。
- 三条
- そこらへん結構シビアで。まあ空いてたら、とは言われたんですけどね、空く直前まで、他の方を募集するから。直前まで分からないと。
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- それでも、借りられて良かったですね。
- 三条
- ええ、ギリギリまで電話を掛け続けて。結果的には良かったですね。使いやすかったし。東京、劇場めちゃくちゃ多いんですよ。
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- へえ。
- 三条
- 100近くありますよ。
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- 100!?
- 三条
- ビックリするでしょう。そんだけあるところが、毎日どこかが公演を打ってる世界なんですよ。
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- すごいですね。
感動
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- 私はですね、中野劇団を3回拝見してまして。最初が『楽屋ちゃん』と拝見しました。中野さんの笑いに凄くマニアックさを感じてまして。非常に特殊な事をされてるなと。
- 三条
- 色々こう、仕掛けてるんだと思いますけど。普通にはないようなことをやったり。ベタベタなコントもやるんですけど、それだけやったらいずれ飽きられると中野も意識しているんだと思うんですけど。シュールな事や斬新なこともやってみたりとか。で、ベタな所で笑うお客さんは、そこで満足するし、そこだけでは飽きたらん人は絶対おるわけで。
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- ええ。
- 三条
- 笑いに関して玄人的な。そういう人も含めて、全体的に満足度を上げるというか。そういうのは意識してやってると思いますね。単調なだけではダメだと思いますね。
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- チラシからしてポップですよね。そういうのを期待して観に行ったらポップな事をやっていて。
- 三条
- でも、期待通りの事をやっていたらいずれ飽きられる。次も来るか、といったら、ひょっとしたらお客さんが「もうええわ」となるかもしれないじゃないですか。
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- ここはこういう所だから、こういう気分になったら行けばいいわ、みたいな。
- 三条
- そうですね。まあ一通り観たしくらいの満足度だったら、次の集客に繋がらないと。やっぱり、次も来ようと思ったら感動的な満足度じゃないと。飲食店とかでも、そこが思ったより良かったらお客さんが周りの人に宣伝したりするじゃないですか。そこまで行くと、自然に広がっていくし。口コミで。逆に不満足なものを見せてしまうと。いい噂の何倍も多くの人に伝わりますからね。中野としては、絶対に失敗は出来ないという気持ちでやってるとおもいますし、満足の行く出来でなければ公演を中止するぐらいの気持ちでやってるんじゃないですかね。
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- なるほど。
中野劇団第4回公演『楽屋ちゃん』
公演時期:2005年12月9〜11日。会場:アトリエ劇研。
中野劇団第7回公演 短篇集『不埒』
公演時期:2007年3月24〜25日。会場:アトリエ劇研。
中野劇団第5回公演『ブルー』
公演時期:2006年5月14日。会場:アートコンプレックス1928。
稽古
- 三条
- 基本的に、稽古は週一回なんですよ。日曜日。
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- そうなんですか!
- 三条
- 丸一日やるんですけど。公演直前、一ヶ月くらい前になると、土曜日やったり、祭日を使ったりすることもあるんですけど。それ以外の期間であれば、平日を犠牲にすることもなく出来るんですよ。そこは理想的ですね。
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- 週一回というのは確かに凄いですね。
- 三条
- 僕も最初はそんなの出来るかなあと思ってたんですけど、その分稽古期間は4ヶ月くらい・・・。
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- それぐらいあれば十分大丈夫な気もしますね。
- 三条
- 中野の計算であれば稽古20回あればなんとかなると言ってましたね。それでも様子見ながら、考えてやっています。今日はどこまでやって、というのを計画的にやってるみたいですね。それが自分が思ってたより遅れてたらペースアップしたり、別の日を使ったりとか。
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- なるほど。
- 三条
- それから、役者も次の週まで何もしてないかといえばそうでもなく、演出から言われたことを返して練習したり考えてみたり。結構、その時間が大事やったりして。現役の頃は毎日やってたんですけど、時間が空いたとしても逆にそれがプラスになることも沢山あって。
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- 6日間あれば、色々ネタを得る事もできますしね。
- 三条
- そうですね、映画を観たりドラマを見たり。
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- そういう稽古の形態は目新しく感じますね。凄い。
- 三条
- そうでもないですよ(笑う)。やってみれば出来るもんで。脚本をきちっと上げてくれるというのも大きいですね。直前でバタバタして、まだ上がってないという事がないので。
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- 何かいいですね、そういうの。
- 三条
- 逆に言うと、僕らがやっていくにはこれしかないのかなと。余りに私生活を犠牲にしすぎると、楽しさが無くなってきたりしますから。結局僕ら、楽しいから好きでやってるんであって。けれど、趣味でもお金を貰ってお客さんを入れてやる以上は絶対楽しませなあかんと思ってやってるし。
役者
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- これは役者の方に伺っている質問なんですけれど、これから、役者としてどんな方面を目指していかれるのでしょうか。
- 三条
- 目指す。難しいですね。
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- 抽象的ですかね。こう、俳優の技というか。
- 三条
- あー。本当は、シリアスな芝居がしたいんですけど、中々そういう機会に恵まれず。中野からみて、あんまり僕はそういうの向いてないのかなと(笑う)。
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- いえいえ。
- 三条
- やっぱり、青春活劇とか家族愛とかそういうの結構好きなんで。笑う所は笑って、最後はしみじみと。人を色々な演技で感動させられる役者になれたらいいなと思うんですけど。精進が足りず。
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- なるほど。
- 三条
- 中野が、役者を見ながら台本を書けるんですよ。弱点を隠して長所を伸ばせるストーリーを書けるんで、観てる人からしたら、全体、そこそこ観れるように仕上がると思いますね。中野からは、シリアスなのは向かないと思われているみたいなんですけどね。
どこ
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- ある人から、質問を預かってきております。
- 三条
- はい。
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- 新良エツ子さんからです。「奥さんのどこが好きなんですか?」
- 三条
- なんじゃそりゃ。
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- と聞かれております。
- 三条
- どこが好き(笑う)。新良さんか。「奥さんのどこが好き」?。いや、どうなんでしょうね。芝居やらしてくれるところかな。普通だったら多分、させてくれないでしょうね。でも、芝居してる僕を結構認めてくれるっていうか。そういう所があって。好きにさせてくれるって所がいいかなあ。
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- 分かりました。
新良エツ子さん
てらりすとにて活動中。女優。歌手。ブログ:なかない兎の悦楽酒場。
AMERICAN RAG CIEのグラス
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- 今日は、お話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。
- 三条
- ありがとうございます。いいんですか。
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- 実は若干、内容について後悔しているところもあるんですが・・・。どうぞ。
- 三条
- ありがとうございます。おっ、これはインド。僕の好きなインド。あ、インドの関係ではないんですか。
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- では、ないですね。
- 三条
- ものすごいインドのパッケージだったんですけど。
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- まあ、ブランドのコンセプトだと思いますが。
- 三条
- なんでしょう(開ける)。コップですか?コップですね。
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- はい。
- 三条
- ありがとうございます。何か、オシャレな。使わせてもらいます。
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- ええ。
- 三条
- うち、ちょっとコップが割れちゃったんで。丁度良かったです。
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- ああ、そりゃ良かったです。実はですね、ご結婚されている事を存じておりませんでして。新良さんの質問をもらっていたにも関わらず結びつかなくて。で、ペアで買わなかったという。
- 三条
- いえいえとんでもない。ありがとうございます。