山場を越えて
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。幻灯劇場の中尾多福さんにインタビューをさせていただきます。最近、中尾さんはどんな風にお過ごしですか?
- 中尾
- ありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。2月の「Play is Pray」が終わって少し休息期間だったのですが、5月の中旬から「泊まれる演劇」に出演する予定です。それと春から、高校の演劇科で講師を務めることになって。少しバタバタしています。5月に東京で短編映画の撮影も決まって。あと、同期達二人とユニットを組んで一人芝居をつくる予定です。森下愛梨(彗星マジック)が出演、小山栄華(アナグマの脱却座)が演出、私が脚本です。脚本の第一稿は書けたんですが、改稿が進んでいないという状態です。ちょっと色々と考えることがいっぱいで、頭がパンクしそうな時期です。
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- 充実されておいでですね。そうしたカオスと山場の中から良い仕事が生まれるのではないでしょうか。
- 中尾
- ありがとうございます。
泊まれる演劇『QUEEN'S MOTEL』
日時:2024/5/17~8/31 会場:HOTEL SHE, KYOTO
呼び声
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- 昨年末に拝見した、うさぎの喘ギの「ハムレットRTA」に出演されておいででしたね。大変面白かったです。
- 中尾
- 嬉しいです。でも、面白かった・微妙だったという両極端な反応でした。期待されていたものがお客さんによってそれぞれ違ったんですね。芝居を見に来たつもりの方は、若干遊んでいるようにも見えたのかなと思います。
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- 私個人は遊んでるように全く見えなくて。冒頭のシーンで、兵士がお互いの存在を問いあった結果、幽霊を呼び出すことができなければ、次のシーンに進めないというアタックがあったじゃないですか。
- 中尾
- はい。
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- 脚本を書き換えたり、幽霊が一発で現れるようにすればタイムは簡単に短くなったと思うんですよ。でもそうしなかったじゃないですか。それは絶対意味があることだなと思ってます。
- 中尾
- あのシーン、全員が何回も試演したんですが、私はもう一つ飲み込めなくて。本番期間を迎えて、全回の上演後に反省会じゃないですけど意見交換をしていたんです。そこで「今の回は、兵士の呼びかけが成立していなかったのに幽霊が出て来ちゃってたよね」とか、「一瞬幽霊呼べてたのに、流しちゃったよね」「確かにそうだった」みたいな共通認識が段々できていたのが面白かったです。
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- 役者間で伝わるものはあるでしょうね。
- 中尾
- お客さんにそれが伝わったかは分からないんですけど。ゲームのRTAは短いタイムでクリアできれば成功ですけど、演劇のRTAは何がクリアで成功なのかわからないですね。私たちがクリアしたと思ったらクリアなんじゃないかとも思うんですが、でもお客さんに分からなければクリアじゃないんじゃないか、とも考えていて。
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- 場にそういうコンセンサスが生まれたのであれば、RTA演劇は「成った」と思います。
うさぎの喘ギ 第10回公演 ハムレットRTA
《扇町ミュージアムキューブ・オープニングラインナップ》出演者:足達菜野 大崎ひより 柿原寛子 中尾多福 林音はるな 吉田凪詐(コトリ会議) 作:シェイクスピア 翻訳:野島秀勝 演出:泉宗良 【日時】2023/11/16(木) ~ 2023/12/11(月)
解散する家族たち
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- 不労社の「MUMBLE」、大変面白かったです。とても不穏な作品だったように思います。ご自身としてはどんな経験でしたか?
- 中尾
- 私の役は関係性的に半分部外者みたいな立ち位置で、お客さんと同じように外から話を見ていたんですよね。ハムレットRTAと時期がかぶっていて、正直稽古場にもあまり行けなかったんで、本当に部外者みたいな感覚で。ナレーターみたいに解説するみたいな。でも、脚本の西田さんが表現されたいこと、考えていらっしゃることがすごく奥深くて面白かったです。
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- と言うと。
- 中尾
- 稽古の序盤の方で、参考になる色んな文献や映画を紹介してもらったのが良かったんじゃないかなと思います。ウェス・アンダーソンの映画「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」が一番影響を受けたというか印象的でした。バラバラになっていた家族がある事件をキッカケに一時期集まって、そしてまたバラバラになる。誰か一人にだけスポットが当たるんじゃなくて、解散後はみんな何事もなかったのかのようにこれまで通り暮らしていく・・・みたいなのがすごく好きで。何事もなかったかのように見えるけどでもきっと本人たちの中ではその時期のことがどこかしらにエッセンスとして残っていて・・・というのが好きですね。
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- 家族の人生、何も変わっていないように見えるけれども、ね。
- 中尾
- あと、西田さんの求めていた笑いが好きでした。あの人は稽古場でも意味のわからないところで笑うんですけど、笑いのポイントが理解されにくいみたいで、下半身だけの死体が出てくるところで西田さんがめっちゃ笑っていて。
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- 確かに理解されにくい笑いなのかもしれないですね。
- 中尾
- 恐怖と笑いは紙一重ということを稽古場でおっしゃってて。役個人としてはその場を真剣に生きて行動した結果笑いになっちゃったというのが大事だ、と。役者が狙って笑いを起こしに行こうとすると「ちょっと違う」、みたいに言われたりします。不労社の劇団員さんは作り方をわかってるので、休み時間とかに教えてくれたりするんですけど、その考え方の土台が劇団内で共有されていていいなと思っていました。
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- 山の中の巨大ザルに怯え続け、食料もなくなってという極限の状態で、明日死ぬかもしれないような余裕のない状況での行動は1秒後の自分の生死を決めるわけじゃないですか。瀬戸際、というのがキーワードなのかも。
- 中尾
- 西田さんがどの回の上演でも最後のギリギリまで言ってはったのが、「もっと飢餓状態になっていったときに、元気がなくなるんじゃなくて変な燃え方をする、もっと熱気が欲しい」。その先にそれがあると思っていたのかもしれないです。私は飢餓のシーンは客観的に見ていてすごい熱量だと思ってたんですが、西田さんにとってはこれでもまだ足りないんだってびっくりしました。そこまで必死にならないと面白くないんだみたいなのはあったのかもしれないです。
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- 生きづらさを抱えている人の必死の行動というのは、傍から見ているからこそ笑えてしまうかもしれないですね。
- 中尾
- 作品自体が舞台から少し引いていたような構造だったかもしれませんね。私の役がそういう視点をお客さんに与えられてたら良かったなと思うんですけど。不労社はグロテスク過ぎてウッとなるような、何のいい気持ちにもならないような作品もあるんですけど、私の役がいる事で最後まで見れるようななったかもしれないし、これがフィクションかもしれないというような示唆を与えることでちょっと気が楽になったかも。そういうことが本当にやりたかったかどうかは分からないんですが。
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- 完全に具象舞台にすることでそういう見方ができるような演出を取ったのかもしれませんね。キッチンや食材も全部本物を使ってたみたいですし。
- 中尾
- カレーの匂いとかもしました?食の共有が大きな一つのテーマで、みんなで食卓を囲むというのがいろいろな意味があると言われて、稽古が始まってすぐの頃に、キッチンのあるところでカレーを作ってみんなで食卓を囲む、懇親会を兼ねて、という機会があって。そういう食の共有を与えておきながらお客さんとは距離を取っているという絶妙な生っぽさがすごい塩梅だなと思いました。
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- なるほど。
- 中尾
- そういうリアルさはありつつも、下半身だけの死体はあんまりリアルじゃなくて。(これは私がそんなに演出意図を踏まえられていないのかもしれないですが)わざとそんなにクオリティを上げていなかったのかもしれなくて、それは西田さんが下半身の死体が出てくるシーンで笑ってはったのと繋がっているのかもしれないです。下半身の主体で驚かせたいというわけじゃなくて何か別の意図があったのかも。
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- 私個人は、生々しさを覚えてはいて。あれ単体ではギャグとはとても言えないですが。
- 中尾
- 演出としては結局無理だったんですけど西田さんは本当はあれを天井からぶら下げたかったらしいです。それをずっと稽古場で言ってたんです。その意図が全然わからなくて。
ロームシアター京都×京都芸術センター U35 創造支援プログラム “KIPPU”劇団不労社「MUMBLE ーモグモグ・モゴモゴー」
作・演出:⻄⽥悠哉 出演:荷⾞ケンシロウ むらたちあき 永淵⼤河 西田悠哉 (以上、劇団不労社) ⿊⽊陽⼦(劇団衛星/ユニット美⼈) ⼩⼭栄華(アナグマの脱却座)中尾多福(幻灯劇場) のたにかな⼦ 三澤健太郎(エムシー企画) 森岡拓磨(冷凍うさぎ) 横⼭清正(気持ちのいいチョップ)
離れながら
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- 幻灯劇場の「Play is Pray」、大変面白かったです。中尾さんが演じられた「ニトリ」、堂々としたコメディレリーフでした。
- 中尾
- ありがとうございます。私は高校時代から演劇を8年間やってきたんですが、結構こういう役を任されることが多くて。久々に来たので、やったんぞという勢いでした。でも結構笑いの質感が難しくて。NODAMAPでよくありそうな、冒頭の難解な長セリフの後の、大倉孝二さんや橋本じゅんさんのギャグ、みたいな。俺たちはこの姿勢・テンポで行くぞ、を体現するイメージでニトリをやってて。最初の方はシーンとした綺麗な空間の中に、一ウワーって入っていくんです。心臓が持たないしお客さんの顔を見たら心が死ぬのでめっちゃ緊張しましたね。やっぱり最初はお客さんの中にも、笑っていいのかなっていうのがあって抵抗があったんですけど、シーンが進むにつれて笑っていいんだ、と思ってくれてホッとしました。藤井さんが一緒に出てきてくれて何とかしてくれたり。お客さんがだんだん暖かくなって受け入れてくださって。お客さんと段々打ち解けるというのは、こういう感覚なんだっていうのが身にしみて分かった公演でした。
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- お客さんとの距離の近づけ方という点ではすごく上手くいっていたと思っています。私が拝見した回は、幸か不幸か結構最初から暖かかったですけどね。そもそも受付が長蛇の列で個人的には嬉しかったし、終演後のお客さんの反応はとても温度感が高かったです。
- 中尾
- ありがとうございます。
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- 二つ忘れられないことがあって・・・旅先を立つ時に、見送りに出てきてくれた兄弟が浮いてたじゃないですか。
- 中尾
- ああ、あれ!浮いてるって脚本に書いてあったんです。どういうことなのかわからなくてみんなで持ち上げようかどうか話していたんですが結局は壁の後ろに脚立を置いて実現しました。
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- 体半分だけ出てたから、例の鏡を使った宴会芸を思い浮かべました。
- 中尾
- 藤井さんがよく言ってたのが、空間が綺麗でクラシックの演奏があって格式高く見えるけど、お客さんとの距離を遠ざけたくなくて。タイトルにプレイって入っている以上は遊んでいるように見えたい、と。きれいなストーリーラインだったのでなんとか焼き鳥屋さんのシーンを入れたり。いい塩梅を探るのが楽しかったですね。
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- ニトリさんの家に行くまでにシャッターを連続で上げたりね。ガラガラって。
- 中尾
- そういう細かい部分でどこまで遊べるか、みたいな感じでした。あれは色々な案があったんですけど結局はあれに落ち着きました。最後のタイミングで照明を当てるんですけど、きっかけを出すためにヨイショって大きな声出したり。
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- 素晴らしい。遊んでいるように見えたいというのはいいコンセプトですね。「プレイ」。
- 中尾
- Rの方の「プレイ」は祈るという意味ですが、Lの方は遊ぶという意味の他にも演じる、演奏するという意味もあったり。全部やりたいよねという話はしていました。衣装も遊びを意識して作っていただいたりして。初めて着るような衣装だったので楽しかったです。
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- 衣装も可愛かったです。確かな実力と幅広いスキルを感じました。お葬式の時に役者さんたちが歌ってたじゃないですか。やったら上手くて正直内心引いていました。上手すぎたから・・・
- 中尾
- 幻灯の人はみんな歌上手いんですよ。劇団員の私が言うのもなんですが。藤井さんも声楽やってたし、本城さんも音楽やってるし鳩川さんも歌上手いし。
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- そう、忘れられないことの二つ目が本城さんです。本当にとんでもないことになってますよね。
- 中尾
- あの人はどんどん作曲の方に行ってますね!いま宮城にいるんですけど自分で作曲して振付して公演打ったりしてるし、脳みそどうなってるんだろうと思って。DJの機材とかも、稽古場に持ち込んで色々やってたんですが何やってるかわからんって皆なってて。
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- みなさん出色のメンバーですよね。各メンバーも、劇団もクラシックコンチェルトも、それぞれ離れた表現形態が融合し合う作品だったように思います。小劇場の表現は生活の地続きの末にあるので、クラシックコンチェルトの世界に入るととても刺激的な感じでしたね。
幻灯劇場
劇作家や映像作家、俳優、ダンサー、写真家など多様な作家が集まり演劇をつくる集団。旗揚げ公演『ミルユメコリオ』でせんだい短編戯曲賞を最年少受賞。文化庁文化交流事業として『56db』を製作、二ヶ国五都市で上演するなど国内外で挑戦的な作品を発表し続けている。
演劇 × オーケストラ × DJ 豊中市立文化芸術センターが製作する 初の演劇作品 『Play is Pray』
【あらすじ】国を越え、渡り鳥の群を追い続ける父と娘。姉が死んでから父は、私のことを姉の名前で呼ぶようになった。その代わり(なのか)渡り鳥の中で一番翼が短い鳥のことを、私の名前で呼んいる。私たちの旅の行き先は鳥たちしか知らない。鳥を追いかけ辿り着いた湖畔の村で私は、死んだはずの姉と再会する──。【概要】センチュリー豊中名曲シリーズでストーリーテラーを務める藤井颯太郎が1年ぶりに書き下ろす新作は、渡り鳥と少女の数奇な生涯を描くフィジカルシアター。藤井率いる劇団・幻灯劇場、日本センチュリー交響楽団の弦楽カルテットに加え、“クラシカルDJ”として既成概念に囚われない快進撃を続けるメジャーアーティスト・水野蒼生もクリエイションに加わる。様々な“Play(遊ぶ/演じる/演奏する)”が交差する、今までにない舞台をご期待ください。脚本・演出:藤井颯太郎 作曲・編曲:水野蒼生/本城祐哉 振付:本城祐哉【出演】今井春菜、鳩川七海、中尾多福、村上亮太朗、藤井颯太郎(以上、(幻灯劇場))音:水野蒼生(クラシカルDJ)、本城祐哉日本センチュリー交響楽団カルテット巖埼友美(ヴァイオリン)、飯田隆(ヴィオラ)、永松祐子(ヴィオラ)、村田和幸(コントラバス)
質問 吉田凪詐さんから中尾多福さんへ
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- 前回取材させていただいた吉田凪詐さんからの質問です。「作品を作ること自体についてどう思いますか」?
- 中尾
- うわー、あの人っぽい質問。うさぎの喘ギの稽古場ではそういうことばっかり話してました。さっきの「PlayisPray」の話に引っ張られてるかもしれないですけど、遊んでいることと一緒なのかもしれません。好きな仲間と集まって遊ぼうとするときテーマパーク行ったりだとかご飯食べに行ったりだとかそういうのの延長に演劇を一緒に作るというのがあるかもしれません。そう言ったら、なんだこいつ遊んでるのかみたいに思われるかもしれませんけど、あくまで真剣に遊ぶという・・・仲間の色々な面を見たり、考えたり。そういう行為に近いと思います。
レット・ミー・シー
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- 本城さんも突発的にDJになった訳じゃなくてそれまでの思索の末なんでしょうね。西田さんのギャグセンスの発祥も、想像できないけれどもどこかに経緯があるんじゃないか。ぱっと見はカオスだし驚いちゃうけど、熱量だけで伝わるメッセージがある。そんな気がします。すぐには言葉にならないだけで。
- 中尾
- はい。カオスがいつかどこかに結びつく瞬間があると思います。
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- そう考えるとハムレットRTAも次の何かの始まりかもしれない。時間に回収される事を拒否するパフォーマンスを熱望するとき、例えばセリフがある演技ですら、そのエフェクトは動態にかなり依存していないか。逆に演じる側もお客さんの受動態に反応するのであれば、もう人間存在の厚みで伝え合うというやり取りの世界ではないか。となると、そのコミュニケーションには当然観客の力も問われるのではな。次にレベルアップしないといけないのは観客なんじゃないか?というようなことを最近思っています。幽霊が呼べたかどうか、覚知出来る観客はもっと必要ではないか。
- 中尾
- ああ、そうなんですね・・・今、演劇を見ている観客がレベルアップするとなると、まだ観客ではない人たちがもうついて来れなくなってしまうような気がしています。演劇人口を増やしたいという考えなのですが、観客のレベルアップというのは難しい面もあるのかなと思います。
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- 確かにそうですね。
- 中尾
- 幻灯劇場の目標は、演劇を見たことがなくてもお芝居の良さを分かってほしいというのがあって、ホテルと提携したりオーケストラと一緒にやったりとかしてるので、そういうことはとてもありがたいです。演劇を見る人は増えてほしいですね。
ドライフルーツ
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- 今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。よろしければどうぞお受け取り下さい。
- 中尾
- え、いいんですか?すいませんありがとうございます。(開ける)ドライフルーツ?大好きです。ありがとうございます!