第8次笑の内閣 笑の万博
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- 今日は、宜しくお願いします。
- ちっく
- お願いします。
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- 最近はいかがですか?
- ちっく
- めちゃくちゃ忙しいですね。「朝まで生ゴヅラ」の方の総指揮もやっているので。
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- ご自身もプロレスには出演されるんですか?
- ちっく
- はい。内閣で初めてプロレス芝居をやった時から出ています。実は、それまでプロレスはした事もなかったんですが、今ではもう、自分を「ああ、レスラーなんだなあ」と思う事もありますね。
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- なるほど。その辺のお話も伺えればと思います。
笑の内閣
2005年、元劇団紫高間響が代表をつとめるプロデュース団体として結成、後に劇団として旗揚げ。プロレスを演劇に組み込んだ作品を作り続ける。派手なプロレス演出の完成度は高く、しかも笑いを取るための努力を惜しまない。
第8次笑の内閣 笑の万博
公演時期:2008/9/20〜22。会場:京都大学西部講堂。
朝まで生ゴヅラ
上の笑の万博にて上演。
三国志プロレス
上の笑の万博にて上演。
7割
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- 今回、「朝まで生ゴヅラ」の演出を手掛けられるちっくさんですが、これまでお芝居で演出をされた事はあるのでしょうか?
- ちっく
- 僕がいた学生劇団で、1回ほどやった事があります。あとは、劇団酔眠薬での公演ですね。
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- 今回で3回目ということですね。そこで伺いたいのですが、今回の演出での大方針はどのような。
- ちっく
- まず、役者に押し付けるという事はしたくないですね。7割くらいは役者に任せて、残りは段取りや、外からしか見えないテンポについて言うくらいです。役者にとっては自由度が高いと思います。
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- では、「生ゴヅラ」の見どころは。
- ちっく
- 大分風刺の効いた作品になると思います。この作品の初演は、完全なフィクションとして作られたんですが、そのうちにどんどんダメ内閣が現実に出てきて、もうフィクションを越えてしまったんですね。今回は現実の内閣の姿を時事ネタとして扱って、とにかく笑えるように作ろうと思います。
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- 風刺の効いたドタバタ政治もの、という事ですね。
- ちっく
- 今回のキャストについても、今まで怪演を見せてきたHIROFUMIが普通に見える濃い面々が揃っています。
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- えっ!
- ちっく
- 京都ロマンポップの向坂君とか、同じく浅田麻衣さんとか。特にあの2人は、ガチガチに演技を指示してやってもらうというのも出来るんですが、好きにやらしてすり合わせた方が面白いだろうと。
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- なるほど。期待しています。
京都ロマンポップ
2005年、当時立命館大学生であった向坂達矢(現・代表)、よりふじゆき(脚本家)を中心として旗揚げ。以後一年に2〜3本のペースで公演。ポップな新劇というスタイルを取り、芸術的・哲学的テーマを基調とした演劇を製作する。
好きにやらして擦り合わす
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- そもそも、ちっくさんはどのような経緯で今回の演出に就任されたのでしょうか。
- ちっく
- 今回の企画というのが、芝居だけではなく、バンドのライブやパントマイムショー、講演会など、様々なイベントを複合した規模の大きいもので、今まで作・演出をしていた高間さんがプロデューサーとして専念する事になったんです。そこで、作品についての責任は僕が負うという事になったんですよ。
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- 「笑の万博」ですからね。作品を任せられた時はどんなお気持ちでしたか。
- ちっく
- 今回、僕は内閣4回目なんですけど、これまで色々なポジションにいて、高間さんの演出と隔たりを感じていたんです。そこで、「俺がやる」と。
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- 名乗りを上げた、という事ですね。
- ちっく
- はい。元々役者をやりたくて演劇を始めたんですが、自分自身が演出に志向が向いているなと思えてきたのもあります。
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- 今後、内閣ではどのような演出をしていきたいですか?
- ちっく
- 笑の内閣では、これまでプロレス芝居を3度も公演しているんですが、実はその時点でもう、芝居をやる劇団とは言えないような(笑う)。いわゆる、ショー・エンターテイメント集団として捉えてほしいと思っています。であれば、やっぱり分かりやすい演技・演出を心がけたいですね。何よりも、演出を含めた演者の考え方が理解しやすく、かつ楽しんで貰えるように作りたいと思います。
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- 分かりやすくて、面白いと。
- ちっく
- 芸術性の高い作品ももちろん好きなんですけど、楽しんでもらいたいというのが第一ですね。
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- 分かりやすい芝居というと、すぐに役者の個性を殺してしまいかねないキャラクター芝居を想像してしまいますが、役者に7割を任せて役者それぞれの演技を前面に出すという事であれば、それとはまた違った芝居が見れそうですね。
- ちっく
- 先ほども言いましたが、今回のような濃い面々と芝居を作るにあたって、好きにやらして擦り合わすという演出を取っています。
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- なるほど。エネルギッシュな現場感が表現出来そうですね。
タイガー・ちっく・シン
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- さて、ちっくさんについて最も気になる事を伺いたいと思います。前回と前々回、ちっくさんのプロレスでの入場シーンが非常に印象的でした。タイガー・ちっく・シン役での入場シーンですね。客席のお客さんを数人殴りながら登場するという。あれはどういう。
- ちっく
- あれは全部、仕込みですね。
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- ああ、仕込みだったんですか。
- ちっく
- 襲った人は全部知り合いで、「襲われてくれへんか」とお願いしています。サクラですね。あとはテンション次第で、知り合いを見たら殴ってましたけど。
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- なるほど。あれはショッキングでしたね。私の4つ隣の席の人がサーベルの柄で殴られて、段差から落ちてました。
- ちっく
- 元気過ぎた部分はありますね(笑う)。さすがに全然知らない人は殴れないですよ。
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- ありがとうございました。そういった演出も含め、演劇作品というよりは、ショーとして非常に面白い作品でした。特に第4次内閣は。
- ちっく
- 第4次は、本当にプロレスありきで作られたものでしたので。
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- ええ、そこから第7次でアトコン進出、次は何だと思ったら万博という複合イベント。一気に世界が広がった気がします。その辺の展開が非常に面白いというか、上手いですよね。
質問 荒木千恵さん から ちっくさん へ
「レスラーなんだなあ」
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- 今後、ちっくさんは演劇人としてどのように攻めていかれますか。
- ちっく
- その前に、自分が演劇人かどうか分からなくなってきましたね。思考がプロレスラーになってきているところがあります。
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- あ、出演している内にプロレスが好きになったと。
- ちっく
- というよりは、自分自身の事を「レスラーなんだなあ」と感じるようになりました。
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- なるほど。演出としては。
- ちっく
- やっぱり、内閣独自の世界観が確固としてあると思うんですけど、演出家が変わった事でそれを大きく壊すのではなく、もっと引き出すようにしたいと考えています。
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- ご自身のやり方で、ですね。思うんですが、今回内閣は試されているような気がします。ゴヅラという、プロレスの無い芝居でかつ、3年前の作品という・・・。今の内閣のアイデンティティや、もちろん魅力をどれだけ示せるのかが課題でしょうか。
- ちっく
- そういう意味では、凄いプレッシャーですね。何とかまとめきれれば上手くいくと思うんですけど。
ローヤルマムシゲン 50mL
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- 今日はですね、ちっくさんにお話を伺えたお礼にプレゼントがあります。どうぞ。
- ちっく
- おっ。ありがとうございます。開けていいですか?
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- はい。
- ちっく
- (開ける)おお・・・。
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- ハードワークが続いているちっくさんに。それは結構、中身が濃いみたいなんで、最後の1本みたいな感じで。
- ちっく
- そうですね。
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- 1本千円です。あと、同封の金色の丸薬がありますが、それも一緒に飲むと効果が上がるそうですよ。
- ちっく
- 普段から栄養ドリンクには頼っているので。大事に使わせて頂きます。