十一月の小林まゆみ
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- 今日はどうぞ、宜しくお願い致します。最近、小林さんはどんな感じでしょうか?
- 小林
- 今年の11月に2本の芝居に出させて頂くのですが、その稽古が毎日のように。あとは、笑の内閣の本番もあって。
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- 「笑の内閣」 は「非実在少女のるてちゃん」 の大阪公演ですね。ええと、11月の出演作とは。
- 小林
- KAIKA劇団「ビリビリ直子ちゃん」 と、劇団ソノノチ さんの作品です。KAIKAの方は、一昨日から稽古に参加して。今回は体を使った作品になりそうです。まだ台本が全部上がってきていないので、ワークショップが多いです。ダンスのシーンが多いですね。
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- の方は、田辺剛さんの新作戯曲をトランポリンショップと競作。11月にかなりのロングランですね。
- 小林
- ソノノチの中でもさらにチームを分けて。共演するのが初めてな人がいるので。とても楽しみです。
KAIKA劇団 会華*開可
[KAIKA劇団 会華*開可]京都市下京区・KAIKAに所属する劇団。「楽しいことをしているときの人は輝いていてステキ」という思いから、「楽しい」「やってみたい」「おもしろそう」とメンバーで共有できるものを模索しながら、作品を創ることをモットーとしている。2011年から始動した地域劇団。『楽しさのクオリティ』の向上を目指して活動中。(公式BLOGより)
笑の内閣
笑の内閣の特徴としてプロレス芝居というものをしています。プロレス芝居とは、その名の通り、芝居中にプロレスを挟んだ芝居です。「芝居っぽいプロレス」をするプロレス団体はあっても、プロレスをする劇団は無い点に着目し、ぜひ京都演劇界内でのプロレス芝居というジャンルを確立したパイオニアになりたいと、06年8月に西部講堂で行われた第4次笑の内閣「白いマットのジャングルに、今日も嵐が吹き荒れる(仮)」を上演しました。会場に実際にリングを組んで、大阪学院大学プロレス研究会さんに指導をしていただいたプロレスを披露し、観客からレスラーに声援拍手が沸き起こり大反響を呼びました。(公式サイトより)
第16次笑の内閣 「非実在少女のるてちゃん」
公演時期:2012/8月〜10月。会場:こまばアゴラ劇場(東京)、ナンジャーレ(名古屋)、シアターZOO(札幌)、in→dependent theatre 1st(大阪)。
KAIKA劇団 会華*開可「ビリビリ直子ちゃん」
公演時期:2012/11/23〜25。会場:KAIKA。
劇団ソノノチ
中谷と北海が大学在学中に4年間所属していた劇団テフノロGを卒業後、2008年に社会人劇団として集団を再結成。 メンバーはそれぞれにジャンルの異なった自身の作家活動や制作活動をおこなっているため、その得意分野を生かした舞台表現に今後注目が集まる。人と時間の繋がりを大切にしながら継続的に作品発表の場を持ち続けることを目標にしており、舞台表現とアート・デザインの複合性とその「これから」を探る(劇団名もこの「これから(その後)を探る」にちなんでつけられた)。(公式サイトより)
あれから
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- 小林さんは劇団衛星 を辞めてから、どんな感じで活動してきたんでしょうか?
- 小林
- 三歩進んで二歩下がるみたいに、でもけして止まったり戻ったりはせずに進んできたと思います。辞めて、今振り返ると、自分が先輩に頼りきっていて、自分から積極的には動いていなかったんじゃないかなって。自分が舞台に出たい、先輩に教わりたいだけだったんだと思います。
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- 今は、そうする事が出来ている?
- 小林
- 辞めて、KAIKA劇団に入って旗揚げ公演をして。色々ぶつかり合いながらやっています。手を掛けた分だけ楽しいですね。芝居以外だったら、去年からキャラクターショーの司会のアルバイトをやっています。
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- 司会!?
- 小林
- 司会というよりはお姉さん的な。
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- 凄い事やってたんですね。
- 小林
- 去年の2月に面接に行って、流れ的なものを学んで。去年の夏ぐらいから、一人で出させてもらえるようになったんです。
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- いつか見てみたいです。
- 小林
- はい。是非。
劇団衛星
「小劇場での演劇でしか絶対に表現できない舞台表現」を極めるべく、1995年6月設立。「演劇人=アルバイト生活」の常識を破った、フリンジ業界における非常に珍しい専業演劇人集団である。京都を拠点に、既存のホールのみならず、寺社仏閣・教会・廃工場等「劇場ではない場所」で公演を数多く行い、茶道劇「珠光の庵」や裁判劇「大陪審」などの代表作を全国で上演。また、演劇のポテンシャルを利用したワークショップなど「演劇のないところに演劇を送り込む」活動を、幅広く展開中。(公式サイトより)
質問 飯坂 美鶴妃さんから 小林 真弓さんへ
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- 以前インタビューさせて頂きました、京都でフリーで俳優をされている飯坂美鶴妃さんから質問を頂いてきております。「舞台上に立っている時、何を考えていますか?」
- 小林
- お客さんの反応とか、段取りとかはどうしても考えますね。感じるのは、一緒に立っている人の状態です。今日は調子が良さそうだとか、テンポがいいとか。
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- なるほど。
- 小林
- 笑の内閣のツアー中で感じているのが、自分のテンポだけで芝居すると、ボタンを掛け違えたように後の芝居が合わなくなってしまうんですよね。本番後も、演出から「ちぐはぐな感じだった」って言われてしまって。その次の回以降は、ムリに修正をかけるんじゃなくて、なだらかに乗って立てなおしていくようなイメージで演技していました。無理に我を通さない。声量とかでも、一人だけ大きくても、やり過ぎると差が見えてしまう。見てておかしくないくらいに合わせて行く感じです。
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- 歩調を合わせるという事ですね。
- 小林
- はい。それが最近考えている事です。それが正しいかどうかは分かりませんけど。
MVPたち
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- その笑の内閣。東京公演から始まっていかがでしょうか?
- 小林
- ツアーは楽しいですね。
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- 各地公演でキャストがどんどん変わっていっていますね。焼酎ステラさんが気になりますね。
- 小林
- そうなんですよ。もうホントに毎回ウケてて。アンケートのMVP、私も気にしてるんですけど、ステラさんが結構かっさらっていて。やっぱり、精度が高いんですよね。
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- 小林さんの先生役もいいですね。
- 小林
- ありがとうございます。初演の中谷和代さん、私すごく尊敬していて。意識していました。でも、演出の方法も違う感じで持って行ってもらえて。今は、ありがたい役を貰ったなって思います。
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- お気に入りのシーンはありますか?
- 小林
- 登場人物の中に腐女子がいるんですけど、彼女の心のなかを描写するシーンが面白いですね。幕の後ろで笑っています。
20代は色々やりたいです
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- 小林さんは今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 小林
- 20代は色々やりたいです。と言いつつも、30歳の誕生日までに、やっていけるという目処が欲しいです。今はMCの仕事と舞台をやっていますが、声の仕事をやりつつ舞台も頑張って行きたいですね。これはまだ本決まりじゃないんですけど、ナレーションの技術が磨ける事務所に入りたいと思います。
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- なるほど。頑張って下さい。小林さんみたいに、自分にあった活動場所を見つけてやっていく人が増えれば嬉しいですね。フットワークを身につけて。
- 小林
- そうですね。自分のやりたい事にどんどん足が向けるようにしたいです。
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- そうして、ご自身の活動をオープンにしていったらいいんじゃないでしょうか。自己アピールという意味で。
フットワークの軽さ
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- 小林さんが演劇に関わっているのは、どのような理由があるのでしょうか。
- 小林
- 何にも飾らずに言うと、自分が楽しいからですね。それが始めて続けている根源的な理由です。赤字が出ても、お客さんから料金と時間を頂いているうえは、楽しい気持ちになってもらいたいです。相互に幸せになりたいですね。見に来てくれた人がいい気分で帰ってくれるときは、自分が楽しいので。逆に、皆さんどういう答え方をするんですか?
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- やっている事でまちまちですね。作演出の人は、社会への考え方も持っていて、俳優の人は表現への指向が強くて。でも、小林さんのように、自分の楽しさを主に考える人はあまりいないかもしれない。小林さんの楽しい事とは?
- 小林
- なんだろう。こういう時、どう飾ったらいいのか。元々大層な思想がなくて。でも、自分と周りが笑っている瞬間が楽しいという時間なんじゃないかなと思います。
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- 今後、出てみたい舞台はありますか?
- 小林
- 柿喰う客さんに出てみたいです。ドキドキぼーいズの本間さんが、福岡での滞在製作に参加してた事を知って。
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- ありましたね。
- 小林
- オーディションの情報を知ったとき、まず、福岡という事で線を引いてしまったんです。その後彼が行っていた事を知って。フットワークの軽さを見習いたいですね。次にそういう機会があれば、逃さず。
目玉焼きパンのブローチ
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
- 小林
- ありがとうございます。
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- 大したもんじゃないですけどね。
- 小林
- (開ける)あ、かわいい。