演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫

ピンク地底人6号

女優

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おはぎと6号の一人芝居

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。6号さんは最近はいかがでしょうか。
6号 
ピンク地底人の大阪公演が終わって、その後に一人芝居をINDEPENDENTとエキチカヘブンで上演して。武者修行的でしたね。
__ 
一人芝居。
6号 
私、プロジェクト俺の穴という一人ユニットでもあるんです。そこで作ったお話なんですよ。戦後のイナゴ売りの少女が、イナゴの息子に恋をして振られるという話でした。
ピンク地底人

京都の地下は墨染に生まれた貧乏な三兄弟。日々の孤独と戦うため、ときおり地上にあらわれては演劇活動をしている。夢は関西一円を征服することと、自分たちを捨てた母への復讐。最近は仲間も増え、京都を中心に大阪にも出没中。(公式サイトより)

いいチームなんじゃないか

__ 
ピンク地底人第十回公演「明日を落としても」 の大阪公演が終わりましたね。いかがでしたでしょうか。
6号 
もう怒濤のように始まって、巻き込まれたように終わりましたね。私は主人公へのレポーター役だったんですけど、途中から立ち位置が不安定なんです。これ、何でなんだろうって自分でもよく分からなくなっていました。本番を迎える前まで全体が見えなくて。でも、公演中、こんな感じなんだって自分で分かるようになって。
__ 
見ている側としては、そういう疑問込みで面白かったですよ。
6号 
東京公演では意識的にその役になれるといいなと。そう、ピンク地底人は3号さんの作品の「感じ」をみんなで実現しようぜって意識で一致してるんです。地底人達はもちろん、今回は客演さんたちも色々意見を出してくださって。「明日を落としても」はすごくいい座組だと思います。
__ 
劇作家の世界観を理解しているんですね。それはきっと、劇団員の一番重要な仕事だと思います。
6号 
そういう信頼感はあるので、いいチームなんじゃないかと思います。
ピンク地底人暴虐の第10回公演「明日を落としても」

公演時期:2012/6/30〜7/1(大阪)、2012/8/17〜8/19(東京)。会場:インディペンデントシアター2nd(大阪)、王子小劇場(東京)。

ガチャガコ!

__ 
「明日を落としても」でのおはぎさんの台詞というか、効果音を声で出すのがあったと思うんですが。
6号 
はい。
__ 
その中で一つすごく面白いのがあって、自動車の運転の効果音の「ガチャガコ」って。あれはえらく面白かったです。
6号 
実は、竹子さんとそこばっかり練習していました。周りからも「そんなにいいから」って(笑う)。
__ 
いいですよね。それを何とか、インタビュー記事で伝わるようにしたい。
6号 
「ガチャガコ」!
__ 
そうそう、それですね。
6号 
この音、第9回公演「マリコのために」 から引き継いでいる音で。
__ 
あ、そういえばそうですね。何かを開けるような音を、そんなに6号さんのギャグとして独立しているようなイントネーションで。それが出てくるのは中盤の、作品がひっくり返るシーン。ギャグとして成立した瞬間、劇空間を打ち開いたような気がしました。あれでお芝居の感覚が変わったように思います。
6号 
やったやった。
__ 
いいアクセントとして凄く機能していました。単なる擬音なのに、おはぎさんのキャラクター性が色濃く出てきたのがいいですね。
6号 
アンケートにもいくつか、書いてくださってましたね。劇中劇のシーンは本番直前までおとなしめだったんです。
__ 
あ、そうなんですか。
6号 
本番が迫ってから「皆もう、そこははっちゃけてやっていいよ」って。突然だったので意図は分からなかったんですけど、劇中劇なんだと自分達でも自覚出来て。ボイスパフォーマンスについても最初は探り探りだったんですよ。楽日はみんな、勝手が分かったのか好き放題でしたね。
ピンク地底人反逆の第9回公演「マリコのために」

公演時期:2011/12/15〜18。会場:東山青少年活動センター。

「受け入れられてる感じしたよ!」

__ 
東京公演の意気込みを伺えれば。
6号 
二週間ぶりに稽古が再開して同窓会気分で、でもやってみたら案外覚えていて。だからその分、精度を上げるように改善していくようにしています。最後の一週間で作ったシーンもあり、手探りでやっていた部分もあるんですね。自分達で把握しきれなかった部分を明らかにして、自分達のやっていることを緻密に再構成していけばもっと面白くなるのかなと。
__ 
なるほど。
6号 
単調だという声もあったので、そこを改善する方向で色々試しています。
__ 
大阪での公演を経た作品。お客さんがたくさん入るといいですね。
6号 
そうですね。初めての東京ですからねー。東京で芝居をしている人にアドバイスを聞いたら、やっぱりかなり口コミが大切みたいなんですね。初日の評価とか。東京に前乗りして、劇場にチラシを置かせてもらうという計画をしています。
__ 
そうそう、初日が大事なんでしょうね、きっと。
6号 
本当にウケるといいですね・・・。大阪公演のどこかの回で、ものすごい拍手が起こった回があったらしいんですよ。終演後に3号さんが「おいおいすごい拍手だったな!受け入れられてる感じしたよ!」って興奮してたんですね。やってる方は必死で、拍手の大きさまで気付けなかったんですが。
__ 
へえ。
6号 
今までにない拍手の量だったらしいです。それがね、東京に続けばいいなと思います。

「マリコのために」

__ 
おはぎさんは結局、何者なのでしょうか。
6号 
造形大出身なんです。その知り合い関係で芝居してて、大阪に移ってからはしばらく松竹芸能に入ってました。そこから劇団に入ったり辞めたり、プロジェクト俺の穴を立ち上げたりして、結局そこでも一人になって。ピンク地底人には、「マリコのために」に出演した後に入りました。
__ 
6番目に入ったから6号ですね。
6号 
実は、好きな数字を選んでいいよと言われて。でも8号は既に使われていたので6を選びました。私、6月生まれだし。
__ 
地底人に入った理由は。
6号 
C.T.T大阪 で、俺の穴と地底人が一緒だったのでそこで知り合いました。「ある光」 がすごくサイケデリックな作品で面白くて。その後、4号さん(竹子)に誘われて「マリコのために」に出ました。したら、意外と違和感が無かったんです。別にそんな、気を使ったり使われたりする事もなく。
__ 
私も「ある光」におはぎさんが出てると思ってましたからね。
6号 
ホンマですか、出てないです。マリコからです。
__ 
昔から出てるような感覚ありますけどね。
6号 
自分でも違和感なくスッと入れて。でも、まだ入って日が浅いので、3号さん・2号さん・竹子さんのコンビネーションにまだ入りきれていない気はします。
__ 
それはきっと、時間が解決してくれそうですけどね。堂々としていたらいいと思います。
ピンク地底人空前の第8回公演「ある光」

公演時期:2012/7/8〜10。会場:シアトリカル應典院。

C.T.T大阪

C.T.T.とはContemporary Theater Trainingの略で「現代演劇の訓練」を意味する。1995年に京都のアトリエ劇研で発足し、70回以上の上演会を行う。現状、3カ月毎の上演会を予定。(公式サイトより)

質問 ピンク地底人5号さんから ピンク地底人6号さんへ

__ 
前回インタビューさせて頂いた5号さんから質問です。「『おはぎ』という芸名の由来を教えて下さい」。
6号 
私本名は千萩って言うんですけど、それで小学校くらいのあだ名が「おはぎ」だったんですよ。それが嫌で違う名前で読んでもらってたんです。でも大学で自己紹介した時、「昔おはぎって呼ばれていました」って言ったら、そのまま。呼びやすかったらしいです。
__ 
そう。地底人ではおはぎでありかつピンク地底人6号さんなんですよね。しかも、4号さんは「クリスティーナ竹子」ですからね。
6号 
それ、私も気になってたんですよ。2号さんに聞いたら「竹子の方がわかりやすいかなと思って。おはぎは俺の穴と地底人の活動を分けるために6号表記にしてるよ」って言われて。2号さんの気づかいですねぇ。これは今後の活動における繊細な部分ですよ。当の本人である私はそういうセンスが無いんですがね(笑う)だから、わっしょい出来る宴会隊長を目指してるんですけど。
__ 
ありがとうございます。二つ目の質問です。「芝居を続けるモチベーションを保つコツはありますか?」
6号 
めっちゃ漠然としますけど、明日を夢見るという事かな。何の夢だろう。わかんないけど。

もっとあるでしょ

__ 
今後、おはぎさんはどんな感じで攻めていかれますか?
6号 
とりあえず、一人芝居でコテンパンにやられたので。今は、みんなでやる芝居をやろうと思っています。そうじゃないと広がらないのかなと。何だかんだ言って、キャッチボールをする必要を感じました。私は結局、相手のリアクションから自分の芝居を広げていっていたんですね。
__ 
そういうタイプだった。
6号 
一人芝居の稽古で「もっとあるでしょ」って演出のあんこに言われ続けたんです。うーん、どうやったら出てくるのか?って。相手をもっと大切にした演技を高めて、最終的には一人芝居も出来たらいいなと。
__ 
観客の想像力を掻き立てる戦いですからね。おはぎさんなら飽きたらずに頑張っていけると思います。
6号 
ありがとうございます。

コサージュ

__ 
今日はですね、お話を伺えたお礼に、プレゼントがございます。
6号 
おおっ。ありがとうございます。凄いですよね毎回。
__ 
いえいえ、そんな事ないです。どうぞ。
6号 
(開ける)あ、コサージュ?
__ 
ですね。
6号 
ありがとうございます!着けます。可愛い。
(インタビュー終了)