iaku vol.2「エダニク」4都市ツアー
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- 今日はどうぞ、宜しくお願い致します。最近、横山さんはどうでしょうか?
- 横山
- いまはちょっと、ぼんやりとしています。本当はいけないんですけど。
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- というと。
- 横山
- 今、「エダニク」の4都市ツアー公演中で、12月の福岡公演が終わったところなんです。1月26・27日にまた三重で上演するんですけど、同時並行でサキトサンズ のツアーもあって。公演のはざまの時間がものすごく長く感じてしまって。本当は6月の新作の準備と、一本小説を書かないといけないんですけど。それをだらだらと進めてしまっていて。次の本番週になったら、急にぞわっとすると思います。稽古が始まって、いきなり自分の時間が無くなってしまうという事に焦ってしまいそうで。
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- 分かります。休みの日の昼下がりは不安ですよね。時間は無限ではないという事が13時ぐらいに分かってきてしまう。
- 横山
- スケジュールを見ると決して暇じゃないんですよ。ワークショップをやってたり戯曲講座をやってたり、色々と打ち合わせもあったりして、それで一日が終わっていくという・・・。
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- ヨガの「サンカルパ」というワークなんですけど、世界に向かって、自分が起こす行動を決意して宣言すると精神的にとてもリラックスするそうです。私も最近やっていますが、よく眠れて、やりたい事がハッキリしますよ。
- 横山
- なるほど。僕の高校時代の友人にコーチング等のカウンセラーがいるんですけど、一年に一度くらい会って相談しているんですよ。今の自分の仕事の展望とか悩みを。この間言われた事があって、「気に病んでいる事をこの紙に書き出しなさい」って。で、やってみると、そこに自分が向かっていくんですよね。
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- あれはとても効果が高く簡単で、そして中々手が出ない方法ですよね。
- 横山
- 例えばちょっとした行き違いがあった人がいて・・・という事を書いたら「すぐ電話して」と言われて。その場で電話して、飲みに行く約束をしたんです。そしたら解決したんですよね。最も簡単な解決方法=すぐやる事なんですよね。
iaku[いあく]
大阪を中心に活動する劇作家(脚本家)・演出家、横山拓也が主宰する演劇ユニット。(公式サイトより)
iaku vol.2「エダニク」4都市ツアー
公演時期:2012/12/8〜9(福岡)、2013/1/26〜27(三重)、2013/2/22〜26(東京)、2013/3/7〜10(京都)。会場:ぽんプラザホール(福岡)、津あけぼの座(三重)、アトリエ・センティオ(東京)、アトリエ劇研(京都)。
宮川サキ+Sun!!二人芝居 サキトサンズ
sunday・宮川サキとミジンコターボのSun!!による二人芝居ユニット。「梨の礫の梨」(作・演出は横山拓也)を2012〜各地で上演中。
線路の上の安心
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- 「エダニク」という作品。上演も含め非常に評価されていますね。私はまだ戯曲しか読んでいないのですが、大変面白かったです。今年はツアーをされるんですよね。福岡、三重、東京、京都の4都市。舞台は屠畜工場での休憩所。コメディを通して、働く男達の横顔を描くという作品ですが、横山さんが屠畜工場をシチュエーションに選んだのはどのような理由があったのでしょうか。
- 横山
- 屠場については、場所として選んだんです。そこで働く男三人のそれぞれの社会的立場から、何か熱量のあるものを描きたいというのがそもそもの最初です。屠畜そのものに突き動かされた訳ではなくて、もちろん調べていくと非常に深い問題に出会ったんですが。
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- 働く男を描く、場所を求めていたら屠場に当たったと。
- 横山
- だからある意味、最初は不純な動機ではあったんです。もちろん、歴史的な背景であるとか、被差別部落の関係も知っていたので、かなり覚悟をもって取材して研究しないといけないとは分かっていましたが。別の場所を選んでもこうした作品を描いていたと思いますが、この場所でなければこれだけの熱量のある作品は書けなかったと思います。
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- 「目頭を押さえた」 でも、男の仕事を描かれていましたね。横山さんは、仕事する人間を描きたいのですか?
- 横山
- やっぱり、大人を描く時に、仕事というのはその人の存在を支えてくれているものなんですね。だから無職という状態を恐れるんじゃないか。何かに所属出来ている事の安心って、あると思うんですよ。
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- ありますね。
- 横山
- 人の厚みを描こうと思ったら仕事を描く必要があるんですね。無職ならば、その事も含めて。そこをどう設定するかは、人物を描く時に考えるところではありますね。
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- そこに所属しているというのは確かに安心感があるんですよね。公務員ならばなおさらかもしれない。
- 横山
- その時間に、そこにいていいと認められているんですね。他者に認識されていなければ人は立っていられないと思うんです。社会的にも認められている立場なので。会社員でもアルバイトでも同じで、未来、スケジュールを立てられて、他人が自分を必要とされている時間ですから。僕も会社で働いていた頃に比べれば、一人の自由な時間はあるんですけど、急に襲ってくる不安というのはあるんですよね。
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- 難しいですよね、会社で働く生き方も、自分で働かく生き方も。
- 横山
- 普段、多くの人は働くという事に対してそんな事は考えていないと思うんです。仕事や会社、人間関係への不満。でも、それが人の厚みを作っていると思います。ある登場人物が事件に出会って、どういう反応を示して、ぶつかり合うのか。
ABCホールプロデュース公演 第3弾 目頭を押さえた
公演時期:2012/7/20〜23。会場:ABCホール。
クリエイティブ
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- 仕事の話になったので・・・。横山さんは、戯曲を書かれる時にはどこを選びますか?
- 横山
- 自宅にも仕事場を構えていますが、書く時は近所のスタバです。結局、外の方が進むんですよね。何なんでしょうか、この違いは。
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- 家だとネットがあるから、でしょうね。でも、仕事をしようと外に出る時点で書く気合が入っているんでしょうね、きっと。
- 横山
- 一歩、既に踏み出せている訳ですね。家で仕事出来る人は凄いですよね。みんな、切り替えはどうしているんだろう。試されてますね、僕は。
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- 横山さんのような、クリエイティブの人は、どれだけ深い仕事が出来るかが重要なので、環境を選ぶのは大事だと思います。
- 横山
- ありがとうございます。何だか、僕の聞きたい言葉を選んで言ってくれている(笑う)。
分母/幻の階段
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- iakuのウェブサイトでブログを拝見しまして、気になる文章を見つけまして。 --引用-- 「板の上で(または板じゃないところで)、身体が躍動したり疲労したり、肉体そのものが美しかったりダラしなかったり、空間と人物の配置だけで宇宙になったり何にもない場所になったり、無限の風景や空間を生み出せる演劇の表現って凄い。こんな風に言葉にすること自体が野暮とも言える。自分がやってるストレートプレイは、せっかくの【無限】なものに【制限】をつけてしまっているんじゃないかって思うときがあるけど、【無限】は【無限という制限】の中でやってるとも言えるし、【制限の中に無限】を見つけることもできるんじゃないかとも思う。ストレートプレイにもまだ可能性があるって思える内は、僕は人間を描きたいし、ドラマを見つけたい。そして、戯曲や台詞や意識と格闘して「人間味」のある演劇を作りたい。わずかな時間しか生きられない人間の底の浅さ(あるいは深さ)、緩い根拠に固執するひ弱な意地、他人のことを分かったようにしてみたり、自分を賢そうに見せる振る舞い、自己欺瞞、自己顕示などなど、すべてが愛おしいのです。これもまた「博愛」を装っているのか? ああ「人間味」って美味だなぁ、珍味だなぁ。」 (iaku diary July 15, 2012「演劇について。」より)
- 横山
- ええ。
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- これまでストレートプレイを書かれてこられた横山さんが、こういう風にお芝居の制限のなさや、一瞬の表情に宿る無限の奥行きについて、強い直感を受けられているという事実が、すごくジャンルレスな出来事のように思えて、とても痛快だったんですよ。
- 横山
- その当時、sundayとひょっとこ乱舞を見て、それに動かされて書いた記事だと思います。僕の書く作品に比較的近い、会話を用いた劇なのに、会話という制限に収まらない演劇をしているのが面白かったんですね。それ以外にもそうした作品を僕は許容出来るんですが、でも僕が創作するには向かない作品の形だと思っていて。
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- その上で、共感というか、衝撃があったんですね。
- 横山
- そうです。僕が書けないような作品がもっともっと沢山あって欲しいんです。ちゃんとそれが世の中にある事。僕が書くストレートプレイがあって、ショーのような作品もあって、コンテンポラリーがあって、前衛もあって・・・ものすごい量の分母が、演劇にはあって欲しいんです。それらの出来るだけ多くを許容出来る視点を常に持ち、作品作りに当たりたいという思いがあります。
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- そう、色んなジャンルがある事がそのまま豊かさなんですよね。
- 横山
- もちろん、お客さんに「全てのジャンルを楽しめ」なんて無理強いは出来ないんです。でも、お客さんに求める事があるとすれば、それは自分の苦手な分野が何かを知っていた方がいいという事。難しいからと言っても、それを遠ざけたり偏見を持つのではなくて。もちろん、僕個人にも苦手な分野はあるんです。自分の知識が薄いせいでアンテナが拾いきれなかった作品については言葉が持てず、無力感に打ちひしがれるんですけど・・・そういう時は、自分がもっとその作品を読み込むとか、戯曲としてそこに何かを加えたりとか、そういう可能性を自分に期待しまいます。読みきれなかった自分を許容した上で、難解な演劇の広がりを期待したいんです。
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- 難しい作品。我々はまるでそういうものが、階段の上のもののようであるかのように考えてしまいますね。「ハイカルチャー」という言葉があるように、普段の生活のレベルよりも上のものとして。(もしかしたら演劇自体が階段の上にあるのかもしれませんが。)下=行きやすいエンタメ作品という事になるのでしょうか。
- 横山
- ええ。
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- でも、階段の上の人々が下に対して大きな態度を取ったり、侮ったりする訳ではないし、そうあるべきではない。その逆も同様で。
- 横山
- でも、どうしても配置されてしまう訳で。僕もどこかには配置されているんです。マップでいいと思うんですよね。上か下かではなくて。あと、もし要望があるとすれば、難しい演劇を難しい言葉で語るのは、あまり広がりがある事だとは思えないんです。難しい言葉を簡単な言葉で語ってこそ、裾野が広がるんじゃないかなと思うんです。何様のつもりだと言われるかもしれませんが。
スタートラインを生み出す
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- 個人的な予測ですが、これから5年を掛けて演劇をやる側の人口がかなり増えるのではと考えています。もちろん、今も表現を志す若手は沢山生まれています。出来れば、そうした人たちに何か一言頂けますでしょうか。
- 横山
- これは若手だけではなく僕らへの戒めなんですけど、やっぱり真似したいと思える作品に出会わないといけない。そして、真似される作品を作らないといけないんですよね。
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- 真似したい作品?
- 横山
- 面白いものを見て、「これ僕もやりたい!」と思った瞬間に、多くの人達がスタートを切ってきたんですよ。それでいいと思う。そういう作品に出会ってほしいし、僕らもそういう作品を作らないといけないんです。それには、分母が多くないと。
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- 例えば。
- 横山
- 僕がもし若手だとしたら、ウォーリー木下さんが作・演出を務めるsunday さんを真似したいと思うんじゃないかな。牡丹灯篭 では舞台セットに竹を舞台上に吊るしていましたね。最初はびっくりするんだけど、その興奮は10分ぐらいで慣れてくる。「もし俺だったら、もっと凄い使い方をして遊んでやるぜ」という人が出てきたら面白いと思います。そういうインスパイアが次々と派生していって、そこからオリジナリティが生まれていく。僕の会話劇を見ても、「もっとエグいところを突いてやろう」とか、言葉のチョイスとかもっと磨きたい、と思ってくれる若手がいてほしいですね。
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- スタートの瞬間をもっと沢山作る。潮流が生まれて、影響しあいながら大きくなっていく。それはまさに、同時代での表現活動の肝ですね。お互い影響しあっていけるような場所が小劇場だと思っているので、大切な事だと思います。
- 横山
- 交流があると面白いんですよね。僕も作家同士の会合に参加したりして、自分の幅を広げる事の必要性を強く思っています。
sunday
大阪を拠点に活動する劇団。第二期・劇団☆世界一団。作・演出はウォーリー木下氏。
メイシアター × sunday「牡丹灯籠」
公演時期:2012/3/8〜11。会場:吹田市文化会館 メイシアター 小ホール。
質問 大橋 敦史さんから 横山 拓也さんへ
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- 前回インタビューさせて頂きました、現在シアターBRAVA!で働いている大橋敦史さんから質問を頂いてきております。
- 横山
- 面識ないんですよね。一度お会いしたいと思うんですが。
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- 「締め切りを過ぎてしまった作家に本を書かせる、効果的な方法は何かありませんか?」
- 横山
- ありますよ。全ての劇作家に通用するかは分からないんですが、毎日決まった時間に原稿を送るように約束させる事ですね。進んでいようがいまいが、絶対にその時間にプロデューサーに送るという事ですね。作家は1ページも進んでいないのに送るという事が非常に悔しいんですね。
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- それはプレッシャーですね。
- 横山
- 作家として連続二日何も進んでいない台本を送るなんてことは出来ませんからね。これは追い詰められます。まあ、作家がそれで「プレッシャーを掛けてくれて有難かった」と思えるかどうかは関係性次第ですけど。
同国の同時代にいる意味
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- iakuプロデュースの試みの一つに、大阪の演劇の発信と、他地域との交流を通した活性化があるとの事ですが、その狙いとはどのような。
- 横山
- 今は、関西とか関東とかのくくりがある程度取っ払われつつあると思うんです。東京のカンパニーが自主企画で大阪公演するというケースも増えてきていたり、三重が全国のカンパニー招聘に力を入れていたり、福岡の演劇シーンが興味深かったり。ああ、これはもう、東京の小劇場とか関西の小劇場とかをもっと全国的なムーブメントにしていく時期なんじゃないかと。
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- 時期。
- 横山
- 東京からきたカンパニーに聞いてみたんですよ、何故大阪公演をしたのかって。一意見ですが、東京では頭打ちでもうお客さんが増えない、単純にもっと多くの人に見て貰いたいという事でした。正直言うと、大阪にそんなに大きなマーケットがある訳ではないですが、でも来てもらいたいです。それが、さきほど言った「分母」を生む事にもつながるし。関西にきて成功する劇団ばかりではないですが、少なくとも、僕が来てほしいと思った劇団には、何らかのアシストをしていきたいですね。これから関西にも、たくさんの演劇を輸入出来るように、地域との連携を深めていきたいです。その一助が出来ればと思っています。
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- と交換する形で、横山さんの書かれた作品も全国に行きますね。
- 横山
- そうですね。全国で自分の作品が毎月やっているようであればとても嬉しいです。関西にもまだまだ良い俳優がいて、厚い層があるという事を知ってもらいたいですね。
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- エダニクもサキトサンズも、全国ツアー中ですしね。私はどちらの作品も好きです。それが毎月、日本のどこかで上演されているというのは、考えてみれば嬉しいですね。
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 横山
- iakuプロデュースは2011年から準備して、2012年は種まきの期間でした。2013年を迎えましたが、2014年までには、自分の作品が毎月日本のどこかでかかっていて。さらには、全国でどこでも面白い演劇が見られる状況に向けて、何か自分が関わっているようになっていれば。時間を区切ってしまうのは良くないんですけど、だらだらとは動けないし。出会った人と繋がっていき、地道にでも続けて行きたいです。単純に、各地の演劇人とつながるのは楽しいし。そこは攻めなのかは分からないですけど。
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- 演劇から地方の垣根が取れて全国化するという流れ。当然の事ながら、各地に同時代の演劇人がいる事が実感できますね。もちろん、いないとは思ってませんでしたけど、いること自体に勇気づけられるというか。次のステージに行こうとしている段階を感じています。
- 横山
- 世間全体が、飽きられる、飽きてしまうサイクルが早い世の中ですからね。それで自分達が諦めてしまう前に、飽きてしまう前に、時間を区切って挑戦していきたいです。
描く
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- 今後、描いて行きたい作品はありますか?
- 横山
- 30代後半の、主に独身女性が抱えているものを垣間見たいんです。どうしようもない不安を。
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- 出産リスクなどの問題でしょうか?
- 横山
- そうした面ももちろんですが、恋愛していない30代後半の女性は、時に大きな不安に苛まれると思うんですよ。一瞬でも楽になれるものにハマってしまうし、不倫だってあるし。茶化しでもなんでもなく、そういう部分に興味があるんですよ。それは人間自体への興味なんですけど。
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- ええ。
- 横山
- でもそれを描く事で何になるのかはまだ分からないんです。日常感じているような事をわざわざ舞台で見せないでくれと言われるかもしれない。いわゆるエンターテイメントに仕上げて、どこに何を投げかけられるかを感じないといけないんですね。「みんな一緒だよ」と言ってあげればいいのか?
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- 何故、そこに興味が向かうのでしょうか。
- 横山
- 何故でしょうね。そこに人間性が詰まっていると思うからでしょうかね。結局、人間のどうしようもない孤独とか、弱さに興味が向くんですね。
手打ちうどんセット・鹿児島 山川産かつお節使用こがし醤油仕立て「黒だし」・紅ずわい蟹缶
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。つまらないものですが。
- 横山
- ありがとうございます。わざわざ東急ハンズで。
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- いえいえ。
- 横山
- (開ける)うどん?あと、おだしですか。
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- カニ缶もあります。皆さんで集まる時も、ご自分で楽しむ時も。
- 横山
- 香川のうどんと、鹿児島のつゆとの出会いがウチで行われると。
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- そうですね、そこまでは考えていませんでしたが、そうですね。