演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫
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ロックの魅力

__ 
今日はどうぞ、宜しくお願い申し上げます。
阿部 
お願いします。僕、あまりこういう店来ないんですよ。飲み屋ばっかりで・・・。あ、さらさとかは好きなんですけど。
__ 
そういえば私、さらさ花遊小路に初めて行ったんですよ。
阿部 
あそこいい店ですよね。
__ 
あのお店で働いている女の子はなんであんなに可愛く思えるんですかね?どういう力が働いているんでしょうか。
阿部 
ロックじゃないですか?音楽関係の魅力とかがあると思います。
イッパイアンテナ

同志社大学の学生劇団「同志社小劇場」のOBを中心として、2007年11月に旗揚げされた演劇団体。主な演目はコメディとコント。劇場を気持ちよく走り抜けるライブ空間にすべく日夜活動している。(公式サイトより)

饒舌な落語

__ 
こないだの「All you need is らふ」 では、銭湯で落語をされたそうですね。間にコントなども入り、好評だったそうで。何よりです。
阿部 
いえ、ありがとうございます。おかげ様で。
__ 
阿部さんは、落語は誰かに師事されているのですか?
阿部 
いえ、それは独学ですね。
__ 
あ、そうなんですね。落語って、普通に舞台に立っているのとどんな違いがありますか?
阿部 
そうですね、お客さんが目の前にいて、やっぱりやることは決まっているのは同じです。でも、落語は一つ一つの行動にお客さんがどういう反応をするかがリアルタイムで分かるんですよね。普通に舞台で会話劇をしているよりも、それはすごく分かるんです。
__ 
なるほど。
阿部 
だから、こちらもリアルタイムでお客さんの楽しみ方を作っていく必要があるんですよ。もちろん地の芸はあるんですけど、常に生で見せるものなんですよ。
__ 
脚本は決まっているけど、咄嗟に芸を出していく感覚ですか?
阿部 
出さざるを得なくなります。
__ 
では、落語でも静かな舞台というのは、お客さんと会話出来ていないと。
阿部 
そうですね。よく言われるように、ツカミが重要なんですよね。枕が滑ったら一人の世界になってしまうんですよ。
__ 
その、お客さんの楽しみ方を作っていくという言い方。以前ストリッパーの方にインタビューした時にも聞いた事があります。ステージの上手なベテランのお姐さんは、その場その場でお客さんの面白さを考えつく事が出来るって。
阿部 
ああ、やっぱり。芝居だと、どちらかというと役者はお客さんの顔を見ない、見れないですからね。落語はきっと、客席と会話するものなんじゃないかなと思うんです。
__ 
もしかしたら、客席と会話したいから生まれた形態なのかもしれませんね。当てずっぽうですが。今後、どんな落語の演目をやりたいですか?
阿部 
いま志ん朝さんの落語を聞いているんですが、「お色直し」という演目を覚えたいなあと。男女の話で、悲しくもあり、どうしようもないけど笑ってしまう。「井戸の茶碗」みたいなドタバタ人情もいいんですけどね。
__ 
あ、わらしべ長者的に交換しまくる話ですね。私もあれは好きです。
イッパイアンテナ夏企画「All you need is らふ」

公演時期:各作品2011/8/6〜2011/9/12。会場:Factory Kyoto、元・立誠小学校、錦湯。

質問 村松 敬介さんから 阿部 潤さんへ

__ 
さて、前回インタビューさせて頂きました村松さんから質問を頂いてきております。「部屋にビデオがたくさんありましたが、何本くらいあるんですか?」
阿部 
3000本くらいですかね。
__ 
そんなに! 何がそんなに。
阿部 
色々ですね。筆頭に司馬遼太郎の原作ドラマとか、映画とか、AVとか、もう色んなものが。この間ジャンルごとに整理はしたんですよ。
__ 
ええと、ビデオという事はVHSですか?
阿部 
そうですね。僕はあくまでVHSというものが好きで。
__ 
あの黒い風体が好きなんですか?
阿部 
うーん。子供時代の憧れが残っているのかも。
__ 
映像の記憶と、無骨な黒い媒体が結びついているから、かもしれませんね。「2.片付けは嫌いなんですか?」
阿部 
いや、ビデオの整理は最近したんですよ。当初は潔癖だったので、片付けは好きです。

心の中の黒い城

__ 
ビデオの山の上で住んでいるという事が、彼女が出来ない遠因かもしれませんね。
阿部 
一つの負い目かも、と自分で考えた事はあります。個人的にはそういう人間がいても面白いかなとは思いますけどねー。いつか何とかしたいですけど。
__ 
私もエロ本の中で暮らした事があるので、その、趣味の何かを集める気持ちはとても分かります。コミックショックで毎週エロマンガや写真集を買ったり。
阿部 
何で、集めたがるんでしょうね。VHSや、エロ本みたいなものを。
__ 
うーん。私の場合は多分、前へ進む事に恐れを抱いていて、城を作ってしまいたかったからかもしれない。そこに入ればどこへも出ないで済むし、出れない言い訳にもなる。
阿部 
なるほど。

世に出る曲を作りたいです

__ 
阿部さんは、どういうところからお芝居を始められたのでしょうか。
阿部 
大学3年の時に休学したんですよ。モラトリアム期間のつもりだったんですが、何をしたらいいのか分からなくて。ある晩、玉置宏さんのラジオを聴いていたら、三遊亭金馬さんの落語「居酒屋」を聞いて。こういう世界もあるんだと。
__ 
その時に、表現の世界に興味が出た?
阿部 
いえ、そういう想像はしなかったです。そこから1年休学して、次にイッセー尾形さんの舞台をTVで見たんですよ。すごく面白いなと思って、そこからです。
__ 
なるほど。
阿部 
劇団に入るか、どうしようか。色々な方に相談してみたんですよ。ヨーロッパ企画の永野さんには、「京都でやる価値は、文化の力が昔から根強いから十分にある」と言ってもらえて。ああ、じゃあやってみようかと。そこで決めたんですよね。
__ 
では今後、どんな感じで攻めていかれますか?
阿部 
舞台の上で、自分という存在が自分のままでいられるようであればいいなと思っています。役になりきるという事ではなくて、そのままで。そういう人種に憧れていますね。
__ 
なるほど。
阿部 
音楽に関しては、僕はバンドでギターをやっているんですが、世に出るものを作りたいですね。
__ 
あ、そうそう。バンドをやっておられるんですよね。
阿部 
はい。昨日もライブだったんですよ。
__ 
なるほど。どういう曲を作られるのでしょうか。
阿部 
癒し系か、めちゃくちゃ暗い曲か。どっちかですね。暗い人間なので(笑う)。

ECO KAIRO

__ 
今日はお話を伺えたお礼にプレゼントがございます。どうぞ。
阿部 
ありがとうございます。(開ける)これは・・・?
__ 
カイロですね。その中に入っている金属のボタンを押すと、発熱します。
阿部 
おおー。良い使い方をします。路上ライブをすることもあるのでピッタリです。ありがとうございました。
(インタビュー終了)