関わっているというよりは見守っている
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。河西さんは最近、どんな感じでしょうか。
- 河西
- 最近、風邪を引いて声が出なくなってました。役者とかしてないので、まだ良かったです。ようやく治ってきましたけど。
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- お大事にしてくださいね。さて、河西さんは舞台写真家の方なんですよね。これまで、どんな撮影をされてきたんですか?
- 河西
- 壱劇屋は「ブラックスペース」の時からやっています。ほかに匿名劇壇、斬撃☆ニトロ、DanieLonelyですね。後は、頼まれたら引き受けて。
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- ありがとうございます。そうした活動を、どのくらい前からされているのでしょうか。
- 河西
- 4年位前からですね。元々は、学校で舞台照明を学んでいまして。卒業後、照明関係の会社に就職したんです。退職後に写真を趣味で始めて、舞台やライブの写真を撮り始めて4年経ちました。写真で舞台の記録をする、そういう作業がしたかったんですね。
壱劇屋
2005年、磯島高校の演劇部全国出場メンバーで結成。2008年より大阪と京都の狭間、枚方を拠点に本格的な活動を開始。主な稽古場は淀川河川敷公園で、気候や時間帯をとわず練習する。マイムパフォーマンスを芝居に混ぜ込み、個性的な役者陣による笑いを誘う演技にド派手な照明と大音量の音響と合わせ、独自のパフォーマンス型の演劇を行う。イベントではパントマイムやコントをしたり、FMラジオにてラジオドラマ番組を製作するなど、幅広く活動している。(公式サイトより)
壱劇屋の二癖
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- どんな流れで舞台の写真を撮っていくのですか?
- 河西
- 一番しっかりしたやり方としては、通し稽古を見て台本を読んで、その上で、ゲネを撮影しますね。
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- やっぱり、ゲネで撮影するんですね。全部本番と一緒だから。
- 河西
- 本番で撮影するときもありますよ。その時は客席の一番後ろから狙ってますね。そうすると劇場での現場感が出るんですよね。やっぱり本番を撮る方が良かったりするんです。
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- 壱劇屋は一癖も二癖もある劇団なので、ちょっと戸惑う事もあるのでは。
- 河西
- もう、そこは「今回も色んな事するんやろうな」と。私は壱劇屋の劇団員ですが、あまり作品の製作自体には口出ししませんね。過程をあまり知らない方が新鮮に見ることが出来ますので。
写真の向こうにあの光とあの音とあの空間があって・・・
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- 河西さんが、撮影していて面白いと思う瞬間はいつですか?
- 河西
- 面白い、でシャッターを切っている訳ではないですね。私の理想としては、芝居を見に行って「面白い」と思った瞬間をもう一度思い出せるような、そんな写真が残せた時に「やった」と思うんです。そのときの印象や瞬間を切り取れたら。そんな写真で、誰かにその舞台の体感を追認識させられたらいいですね。
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- より追認識出来る写真とは、どんな要件があると思いますか?もちろん、その舞台に感銘を受けたというのはもちろんとして。
- 河西
- 一つには、演劇空間を感じさせられたら良いのかな。その劇場空間にその時間しかいなかった人間の、嘘でもいいからその世界の一瞬を再現するには、空間を感じさせる写真じゃなきゃと思うんです。
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- その作品の本番の時間があった事の証明。
- 河西
- もちろん台本があるから真実じゃないんですけど、俳優もお客さんもいて、太陽の光じゃないですけど照明が天井からキレイな光を舞台に下ろしていて、霧じゃないですけどスモークが空気を見える空間に変えていて。その瞬間には間違いなく存在していた空間だよ、というのをハッキリとさせるには写真しかないんじゃないかと思うんです。
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- それは、映像では出来ない事?
- 河西
- 映像には、物語があるから追体験ですね。その瞬間にその人が本物になった瞬間を切り取りたいんです。文脈はなにも分からないですけど、この写真の向こうに光と音と空間があって・・・写真の向こうに劇場がある。
節目
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- いつか、どんな写真が撮りたいですか?
- 河西
- 昔、あるバンドの解散ライブを撮影シた時、そのメンバーに「嬉しすぎて一生の宝物にする」って言われた時です。それを言われたとき、凄く嬉しくて。写真って一生モノになるんですね、きっと。
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- いい思い出になる。
- 河西
- そう言ってもらえればいいなあって。その写真を見返せば、それが思い出せる。実は、私自身、そんなに、写真が好きな訳じゃなくて。
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- ええ。
- 河西
- というか、写メが苦手ですね。食べ物とかをことある事に撮るんじゃなくて、撮影より目の前のそれを楽しんだ方がいいんじゃないかって。でも、一生の節目になる写真を撮らなければならないとなると重たいですけどね。
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- 節目になる写真、いや、節目じゃないと写真は撮るべきじゃない。もしかしたら、写真は節目を作るものなのかな。
- 河西
- 時が止まった写真を見て、その一瞬を目の前にすると節目になるのかもしれません。
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- 人間は、過去を振り返る事が一つのステップアップの手段であると。過去を振り返る時、最良の瞬間が切り取られているのを見ると、一つの節目として考えられる。良い節目を踏まえて、その人が過去を振り返る一つのアイテムとして捉える。
質問 坪坂 和則さんから 河西 沙織さんへ
減らしもせず、増やしもせず
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 河西
- ふわっとしてるんで。今と同じ感じで撮っていこうと思います。
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- 素晴らしい。
- 河西
- 減らしもせず、増やしもせず。同じ感じで。劇団員になったので、劇団と同じペースで活動していければ。
STAR BACKS のインスタント・コーヒー
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントがございます。
- 河西
- ありがとうございます。
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- こちらです。
- 河西
- ありがとうございます。(開ける)あ、コーヒー。私コーヒー好きなので。嬉しいです。