新京の動物園
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- そろそろ始めていきたいと思います。
- 高原
- はい。・・・久々やなー。
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- うん。
- 高原
- どういう展開で話していくの?
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- 適当に。
- 高原
- はは。
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- 前は本当に適当だったんだけど。最近は真面目に。高原さんと会ったのは新京の動物園の時だったよね。確か、炊き出しやってた。
- 高原
- ああ・・・。
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- 高原さんて、まず、芝居を始めたキッカケって何だったの?
- 高原
- もうね、なんとなく。
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- 何となく?
- 高原
- 直感や勢いでいつも動くんだけど。「新京〜」の年に友達とヨーロッパに行こうっていう話があって。それがやめになってでどうしようかなって時に、ヴァリエで見た「小さなもうひとつの場所」の公演の挟み込みに募集チラシがあって。あっこれやってみようかなって思って電話して。
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- ああ。
- 高原
- その時の話では、週2、3回来てくれればいいいって話だったんだけど。
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- ははは。
- 高原
- そういうもんなんかと思ってたんやけど、全然そんなんじゃなかった(笑う)。
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- 週2、3回って適当だなー。
- 高原
- うん、適当やったね。・・・最初行ったときは何だこの人たちは、みたいな。みんな地味やん。最初は入り込めなかった。
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- で、一緒にやっていく内に。
- 高原
- うん。やっぱホール入りしてからかなー。あれ悲惨やん。西部講堂で単管組んで。初めてやったから芝居ってこんなもんかなーって思ってたけど、(他を見たら)全然そうじゃなかったみたいで。
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- 実際本番を迎えてみると、タッチしていない部分が初めて見られる訳で、参加している身でも本番まで分からないよね。で、驚いたり。
- 高原
- そうそう。
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- 地味だと思ってた人達が。
- 高原
- そんなん見せるんか。凄いなと思って。
新京の動物園
ニットキャップシアター、電視游戲科学舘合同公演。2002年9月、京都大学西部講堂にて上演。
小さなもうひとつの場所
「別役実戯曲を『正しく』上演するためにつくられた」ユニット。藤原康弘、広田ゆうみなどが参加。
山椒
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- ニットに入ったのは、いつ頃から?
- 高原
- 参加作品は男亡者から。
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- 制作として。
- 高原
- 全然出来てないけどな(笑う)。
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- そうだ、言い忘れてた。「どん亀」お疲れ様でした。
- 高原
- ああ、ありがとう。高橋くん、どれ見たの?
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- 全部。
- 高原
- あそうなの?どれが良かった?
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- どれも良かったよ。最後の山椒はピリ子、あれの意味の分からなさが良かった。
- 高原
- いいよねあれ(笑う)あれは元々、昔からごまに「お前何か芸名付けろよ」って言われてて。「山椒はピリ子にしろよ」って。それ。
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- あの意味の分からない口調が好きだったなあ。何であんなんだったの?
- 高原
- あれは、普段とは全然違う口調でキャラ作りしろって話で。ほんで、私の中では山椒はピリ子はやっぱり小っちゃいイメージがあって。モデルにしたのはムーミンの・・・。
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- あいつか。
- 高原
- 生意気な感じとか。でもノド痛めたし、声通りにくいし、滑舌悪いし。最悪だった。
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- 最悪だったか(笑う)。いやでもね、話の中で目立たないポジションでありながらメチャクチャ目立つ矛盾はいいなと思った。
- 高原
- はは。それ狙ってたからそういってもらえるとめちゃ嬉しい。
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- 衣装も良かったし。
- 高原
- 半分、あたしの私物。
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- そうなんだ。
ニットキャップシアター第17回公演 「男亡者の泣きぬるところ」
公演時期:2004年10月1日〜18日。会場:アトリエ劇研
どん亀
ニットキャップシアター 精華演劇祭 vol.3 参加作品「どん亀演劇祭V3」。どん亀シリーズとは、ニットキャップシアターのコメディシリーズ。不幸の申し子どん亀の不器用な生き方は観客に共感を与え、笑いと涙を同時に誘う。
山椒はピリ子
どん亀シリーズの内の1本の高原さんが演じた役名。
課題
- 高原
- でもなー。色々課題は残ったわ。
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- それはどんな?
- 高原
- もっとやれたんじゃないか。
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- 欲が?
- 高原
- 家屋全壊は、ステージ数長かったから。芝居全体が。公演スケジュールの前半と後半で、演出の注文が変わって、テンポをめちゃ早くしなくてはあかんかって。それで坂口さんとかがテンポを上げたり。しかも芝居を作っていくのが上手いし。
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- うん。
- 高原
- 芝居の長さが当初と十分以上違うねんか。その変化にすぐ対応できへんかった。
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- 坂口さんが作っていくっていう話だけど。観客の反応を見て芝居をコントロールしていくといくとか、そういうことだよね?
- 高原
- うん。
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- 舞台にいながらにして、観客の反応を理解するのって難しいじゃないですか。でも坂口さんは、具体的にはどういう感覚なのか分からないけどそれを捉えてる。で、サッカーで言うアイデアみたいに芝居を作っていくみたいな。ロナウジーニョのドリブルのように、本番で発揮されるアイデア。
- 高原
- うん、この公演ってよくサッカーで例えられてて。サッカーっていうかフォーメーションっていう部分で。どういうプレイが「家屋全壊」で求められているかっていう話があって。相手をみてパスを出すんじゃなくて、この辺にいるやろなって想像して打つみたいな。そういう信頼関係みたいなものが求められてて。時間の短縮のためにも。そういう意味で、坂口さんて直感で見てはるし、そのパスにわたわたしてしまっていたな、とか。そういう反省はある。
どん亀演劇祭のvol.3 家屋全壊
公演時期:2006年3月8日〜12日。会場:精華小劇場。
坂口さん
フリーの役者。
カップ
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- 今日はありがとうございました。
- 高原
- いえいえ。
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- お礼に、プレゼントがあります。
- 高原
- やったー。開けていい?
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- どうぞ。
- 高原
- マメやなー・・・(開ける)あ、可愛い。へー。ありがとう。
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- いえいえ。
- 高原
- 面白いなこのカップ。