演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫

松田 正隆

脚本家。演出家

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最後の日

__ 
今日はどうぞ、よろしくお願いします。松田さんは、最近はいかがでしょうか。
松田 
京都に別れを告げたばかりです。最後にいいパーティーをしてもらいました。
__ 
今晩のイベント ですね。最後の一日として、ここにいる皆さんの中に残ればいいですね。
松田 
そうですね。
マレビトの会

2003年、舞台芸術の可能性を模索する集団として設立。代表の松田正隆の作・演出により、2004年5月に第一回公演『島式振動器官』を上演する。2007年に発表した『クリプトグラフ』では、カイロ・北京・上海を巡演するなど、その活動は海外にも広がる。非日常の世界を構想しながらも、今日におけるリアルとは何かを思考し、京都を作品製作の拠点として創作を続ける。主な作品に、『島式振動器官』『クリプトグラフ』『声紋都市ー父への手紙』『PARK CITY』『都市日記 maizuru』などがある。(公式サイトより)

マレビト式 反解釈な夜 〜やってみんばわからん〜

開催時期:2012年2月25日。会場:UrBANGUILD。

質問 武田 暁さんから 松田 正隆さんへ

__ 
松田さんの作品に過去何度も出演されている武田暁さんから質問を頂いてきております。「東京でやろうと思っている事は、既にありますか?」先ほど、トークショーでは演劇における時間を追求したいと仰っておられましたが。
松田 
ええ。演劇は常に現在の時間で行われているけれども、自分の中にある過去の時間を流したいという、一見不可能な事にも挑戦したいなというのがあります。
__ 
それを伺って、もしかしたら演劇って観客それぞれが内に持つ時間と、舞台上の架空の時間が一致する瞬間だと思ったのですが、そう考えるととてもロマンチックですね。

若い人たちと出会えて

__ 
先ほどのスピーチで混沌としたものが好きだと仰っておりました。それはご自身のどのようなところから発されている傾向なのでしょうか。
松田 
求心的な立場を取る人があまりいなくて、それぞれが自分達の表現を追いかけているのが好きなんですね。もちろん、その中に石を投じる事で様々な反応が帰ってくるんです。別に、「これが良い」みたいに主導するんじゃなくて。きっかけとして石を投げるくらいなんですよ。すると、様々な所から思わぬ波紋が返ってくるんです。
__ 
しかも、波紋が共鳴しあう事もある。俯瞰して眺めていると、時間の経過とともに色々な場所で散発的に反応があるんですよね。予測出来ない反応もある。
松田 
そうした環境の中で、若い人たちがこれからどんな表現をしていくのか。楽しみです。
__ 
では、若い世代に一言頂いても宜しいでしょうか。
松田 
若い人たちと出会えて一緒に創作が出来たのがとても大きかったですね。もちろん、昔の仲間と作っていく事も大事なんですけど。若い世代との仕事は、いや〜、変えられますね。
__ 
10歳20歳も違いますしね。
松田 
自分の発想だけでは限りがあるんです。作品を作るときは一緒の目線でした。ああしろこうしろじゃなくて。そういうところが良かったなあと思います。
__ 
もちろん東京の方でも、素晴らしい若手の才能がたくさんいます。私の知る限り。これからたくさんの新しい方と、出会って新しい創作が行われる事をお祈りしております。
松田 
はい。出来るんだと思います。

マレビト・ライブ

__ 
今後、どんな感じで攻めていかれますか?
松田 
攻め・・・。分からないですね。ただ、今、マレビト・ライブというのをやっています。その延長線上に何があるのか分からないんですが。
__ 
私はマレビト・ライブを、芸術センターの講堂でしか拝見していないのですが、それこそまさに時間流れの違いを感じていたんです。俳優の周りにだけ、円状に違う空気が流れているような。もしかしたら、街中ではなく屋内だからそう感じたのかもしれませんが。
松田 
劇場では常に、新しい時間が観客との間で流れるんですけど、例えば過去のような、異なる時間を流す事はなかなか難しいんですよね。
__ 
しかし、その体験は観客にとっては非常に刺激的かもしれませんね。だって、それは現在ではないのですから。東京でそれが、一つに作品になる事をお祈りしております。
松田 
そうですね。これからいろいろ、細かく試していこうと思います。
マレビト・ライブ

2012年の新作発表の為に、継続的な習作の発表と試演会を「マレビト・ライブ」と題し行う。初演時期:2011年〜。会場:京都・東京各所。

マリアージュフレール GRAND SIECLE

__ 
今日はお話を伺えたお礼に、プレゼントを持って参りました。
松田 
ありがとうございます。これは。
__ 
これはですね、マリアージュフレールという紅茶専門店のものです。
松田 
あ、紅茶? 開けていい?
__ 
どうぞ。
松田 
わーわーわー。紅茶だ。
__ 
ウーロン茶、紅茶、緑茶、オレンジピールなどのブレンドです。静かな香りというリクエストをしたら、その茶葉を出されました。5分程度、蒸らすと良いらしいです。
(インタビュー終了)