津あけぼの座スクエアクリエーション2 葉桜
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。
- 全員
- よろしくお願いします。
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- 「葉桜」を3月に京都の西陣で上演されるという事で、今回のインタビュー企画となりました。大変楽しみです。まずは・・・最近、どんな感じでしょうか。How are youという意味で。
- 油田
- 実は今、津あけぼの座がリニューアルのための改修工事をしていまして。3月の頭には終わる予定なんです。これはあけぼの座9年目の改修工事なんですね。元々は学習塾として作られた施設を、本当にやっていいのかなと思いながら工事していたのが9年前で、今の工事はもしかしたら次の10年に向けてのものなんじゃないかと考えると、ふと・・・止めるなら今だなと(笑う)。次の10年も頑張らないといけない。まるで伊勢神宮の遷宮みたいですね。山中さんをはじめ、若い年代に劇場の作り方のあれこれを伝えています。まさに我々にとっての遷宮ですね。
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- 次の世代への継承ですね。
- 油田
- もう3つ作ったので、もうこれのリニューアルが最後で4つ目はないだろうと思っていますが。
- 山中
- あとは遷宮を繰り返すだけでしょうか。
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- 素晴らしい。次の代への思いはありますか。
- 油田
- 三重はこの4・5年でやっと盛り上がってきたので。私どもは民間の事業ですので、三重県文化会館さんや三重大学さんとの連携も動き出して広がりが出来てきたんですけど、でも、いま一線で活躍している人たちが下がれば、もう多分この盛り上がりは終わる、無くなると思うんですよね。次がいない訳ではないんですけど、次を担う人材が出てこないといけないと思っています。
津あけぼの座
2006年10月の開館以降、演劇公演・トークカフェ「ZENCAFE」・ワークショップ事業など、客席数50席の小規模空間のメリットを最大限活かして活動をして参りました。2012年3月から、津市栄町に最大150席のスペース「津あけぼの座スクエア」を2つ目の劇場としてオープンいたしました。これまでの津あけぼの座で培った劇場運営のノウハウを活かし、アーティストにも来場いただくお客様にもご満足頂けるよう目指して参ります。人々が交流し、文化芸術を発信し、研究できるスペース。ワークショップやアウトリーチ活動を積極的に推進し、地域に住む方々に還元する劇場。そして、全国にもクオリティの高い文化芸術を発信できるスペースとなるべく運営してまいります。(公式サイトより抜粋)
津あけぼの座スクエアクリエーション2~「葉桜」を上演する~岸田國士「葉桜」~
公演時期・会場:2015/2/28~3/1(三重公演・津あけぼの座スクエア)、2015/3/7~8(京都公演・西陣ファクトリーGarden)。演出・舞台美術:鳴海康平。出演:広田ゆうみ(このしたやみ)、川田章子。
ゆうみさんの所為
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- 今回、この企画はどのような経緯で始まったのでしょうか。
- 油田
- パンみえのいいところでも悪いところでもあるんですが、お酒を呑む席で次の企画が決まったりするんですよね。去年のGWに「このしたやみ」さんと一緒に安部公房の「人間そっくり」のリーディングでツアーをやったんです。金沢の打ち上げの時に、少人数で出来る芝居をしたいな、となりまして。岸田の戯曲に「命を弄ぶ男ふたり」という作品があって、あれを二口さんと山中さんでやったら面白いよねと言ってたら酔っぱらったゆうみさんが「葉桜をやりたい」と言い出して。そこに居合わせた鳴海さんを演出にしようと・・・そういう事が多いんですよ、一週間後に企画書が上がってきたりして。
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- ゆうみさんのせいなんですね。
- 全員
- (笑う)
- 広田
- 男二人の芝居、男女二人の芝居はたくさん良いのがあって、それがずるーいと思って。「葉桜」かなとふわっと言ったんです。
- 油田
- 最初は二本立てにしようとも言ってたんですけど、それは鳴海さんの負担が重いだろう、と。女優さんはオーディションで募る事にして。
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- 居合わせた人たちで企画が始まっていく感、いいですね。久しぶりにそういう感じを思い出しました。
- 油田
- この少人数だからかえって良かったのかもしれないし。鳴海さんは別の席にいたけど。
- 鳴海
- 僕は偶然そこに居合わせてて。
- 山中
- 小さい企画だから、色んな場所に持っていけるんですよね。何かでリクエストを貰ったら、リニューアルして持っていけるし。
彼女の俳優としての芯
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- 「葉桜」のキャストですが、広田ゆうみさんと川田章子さん。この川田さんは三重県の方なんですね。ゆうみさん、川田さんはどんな感じですか?
- 広田
- そうですね、若い・・・色んな事に染まってない感じがします。これから色んな事が増えていくような。無垢な感じがします。でも喋っていると芯があるんですよね。
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- なるほど。
- 広田
- それが彼女の俳優としての芯につながって、それが強くなっていけばいいなと思います。先輩としてそう思いますね、あと顔が似ていて親近感が湧く。
- 鳴海
- そういえば目元が似てますよね。
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- 母娘だからピッタリですね。
三重だからこそ作れる作品
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- という事は、鳴海さんは「葉桜」自体にはそんなに思い入れはない。
- 鳴海
- そうなんですが、実は岸田國士に対しては少し苦い思い出があって。昔短編をナチュラリズムで演出したんですけどいまいち面白さが分からなかったんです。でも今回のお話を頂いて、これはと思って。
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- ある意味、リベンジ?
- 鳴海
- そうなんですよ。岸田作品に勝ちたいですね。先日リーディング公演をした時には手応えがあって。この作品、作れるという予感があります。
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- 母子二人の話ですね。
- 鳴海
- お芝居としては45分ぐらいのものになります。ええ、短いんですよ。正確な尺はまだ分からないですけど。
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- 二人芝居を全国で持っていく。三重発信のポータブルな作品は珍しいというか、あまり記憶にないので楽しみです。どんな作品が見れるのか。
- 油田
- 2007年に、三重県文化会館で平田オリザさんが「隣にいても一人・三重編」という作品の公演企画を製作されたんです。2バージョンのキャストを公募で集めて。全国でいろんな地域のバージョンを作って一斉に行う、という試みだったんです。地方で公募型演劇製作って割と大きいスケールの公演企画をやりたがるんですね、沢山の人数を公募集めて上演する、でも続かない、という。でも「隣にいても一人・三重編」はそうではなくて、かなり絞り込んだ少人数のキャストであれば、地方でもクオリティの高い作品が作れるんだという事が分かったんですよ。オリザさんがそれを証明したというのはあります。
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- なるほど。
- 油田
- それからこのしたやみさんと仕事をして、鳴海さんとも出会って。地方から外に向けて、作りこんだ作品を持っていく事に、じりじりと迫っていった感じですね。あとは、実はあんまり大都会に出そうとは思っていないですね。去年は広島・金沢だったし、「人間そっくり」は松山・長崎・宮崎と、関西以西に今年はお邪魔する予定だし。演劇シーン的に、東京・大阪を強く意識するというのではなくて、地域にいる演劇人同士でやっていきましょうというのも、お互い、面白いものが出来るんじゃないかと。逆に、向こうの地域の方が来てくださったりもするし。
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- 都市部で作られてはいないという事は、集中して作られた作品と言えるのかもしれませんね。付随した情報が多すぎないという意味で。そのクオリティを目の当たりに出来ればと思います。
- 油田
- 鳴海さんがこうやって三重に来ていただいたのもあるし、それは大きいですよね。これからいよいよ、パッケージの大きい作品も作れるかもしれない。4、5年ぐらいすれば三重からも本格的な作品が生まれ続ける土壌が整ってくるかもしれない。この「葉桜」が少人数の作品のモデルになって、段々と大きくなっていって。
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- 若手に対する良い例になればいいですね。
- 油田
- 本当にそうですね。
地域の芝居の生き残りの難しさ
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- 油田さんと京都の繋がりを教えて下さい。
- 油田
- 三重と京都、昔は遠かったんですけど、2008年に新名神が通ってからは僕たちの居る津市からは車で一時間半ぐらいあれば行けるんです。半日の予定で京都の芝居を見に行けるんですよ普通に。はじめてこのしたやみさんが三重に来た時に、パンフレットに「新名神のおかげで三重と京都は近くなった。たまには公共工事も良い事をする」って書いた記憶があります。
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- なるほど。
- 油田
- このしたやみさん、田中遊さん、柳沼さん、田辺さん、京都の方にたくさん来て下さって。今度、トリコ・Aさんも来てくださるし、はしぐちさんのコンブリ団も。一個ずつ京都の方と付き合いを作っていってますね。京都に来るのは楽しみです。受け入れをし合える関係ですね。僕らもイサンで公演出来たんですよ。
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- ええ。
- 油田
- 今度は、逆に京都に、地域で芝居をうつ事の大事さを示せたらなと。地域でのお芝居って、頑張らないと孤立して無くなってしまうんですよ。頑張っている人へ地域の理解がないと終わってしまうんですよね。それはもちろん、クオリティの高いものを作らないといけないですけど。
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- 地域における芝居の生き残りの難しさ。
- 油田
- そこにはただ芝居を打つだけでなく、社会性・公共性が必要だと思うんですよ、絶対に。それは公共ホールがやってきた事ではあるけれど、僕ら民間やNPOも真剣に「演劇や社会・公共にとって有益なモノなんだ」と訴えてやらないといけない筈なんですよ。三重の場合は、まずお客さんに劇場に来てもらうところから始めないといけなかった。とにかくその仕組みとか、演劇はハードルの高いものではないし、終わってからああでもないこうでもないと語り合う楽しみのある、それを言い合って楽しむものなんですよ、という事。クオリティを上げて敷居を下げるという戦いかなと思っています。そこを頑張らないとね。
あけぼの座の創客
- 油田
- 東京を見ていると、クオリティを上げたら敷居も上げていい、みたいなことができるのかなと。それでもお客さんは入るんですよ、人口規模がはるかに大きいから。僕らはそれが出来ない。クオリティは上げるけど敷居は極力上げない。それは、アーティストには厳しい事を言っていると思いますね。逆に言うと、それをやっていかないと、どの町でも演劇は生き残らないんじゃないかと僕は思います。演劇はあってもなくてもいいものどころか、なくてもなくてもいいものになってしまうんじゃないか。
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- 見てもらう為のハードルを越えてもらわなければならない難しさ。初めての人にも、見てもらえれば面白さは分かるんですけどね。
- 油田
- 去年の津あけぼの座はありがたい事に稼働率が高くて。トークライブイベントも行うようになったんです。そのライブで、ここで演劇が行われている事を知るお客さんもいました。創客について、地味にでも取り組むようにしたいですね。
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- 隠岐出身のプロデューサー、沢大洋さんが、故郷に演劇を京都から持って行って、それで大好評だったと言ってたんですよ。演劇の無い町に演劇を持っていくというのは非常に有益だと思っています。
- 油田
- 生活の中に、演劇の入る余地を確保してもらいたい。組み込んでもらいたいですね。おかげさまで、三重はほぼ隔週で現代劇が見れるようになったんです。ウチか、三重県文化会館さんかで。そういう環境は出来つつあるので、そこからいかにお客さんに来てもらえるようになるかですよね。演劇を見たことない人への開拓をもっとしていかないといけない。一回見てもらえれば分かるんですけどね。そこまでがまた難しい。
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- 個人的な時間の使い方のうち、一人っきりでの消費から共有して消費するように転換出来るか。魅力を知ってもらえればいいですね。
でも、次も来て下さい、きっと
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- 逆に、観客に何か期待する事、欲望する事はありますか?
- 油田
- 演劇は多様性のあるメディアだと思うんですよね。作品が違えば何もかも違うし、俳優が一人違うだけでもかなり変わる。見ている人のコンディションでも違う。テンションの低い日に見たらやっぱり面白く無い事もありますしね(笑う)。
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- 年齢層によっても感想って違いますしね。
- 油田
- それでも、いつ何時でもあなたを受け入れる場所として僕らはある。つまんなくても次絶対来てください、と。
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- なるほど。
- 油田
- いや面白い作品を呼んでるんですよ。でも、あるじゃないですか。あれっ?みたいな事。特に新作とかは。でも僕らは小屋側の人間なので、言い訳は出来ないじゃないですか。でも、次も来て下さい、と。
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- でも、頑張って作った作品が面白くない事ってありますよね。
- 鳴海
- そうですね。まあさっき油田さんのおっしゃったコンディションもありますけど、でも、頑張らなくても上手くいくなんて事はないんですよ。残念ながら頑張っても良いものになるとは限らない。ただ、良いものをつくるためには努力する必要があると信じないといけない、私たちはね。
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- そうですね。
- 鳴海
- 私の観劇思考でもあるんですが、もし観た作品が肌に合わなかったとして、その時お客さんが自分にはなぜいまいち面白くなかったんだろうと考えてくれるのなら、それは作品と同時に自分についても考えているんだと思います。それはつまり、他者について考えているんです。自分にはピンとこなかった観劇体験であっても、価値ある劇場体験につなげる回路も私たちは作っていかないといけないんだろうとも思います。「何故面白くなかったのか考えてみませんか」と。肯定も否定もしないですが、その話ができれば2500円は決して無駄じゃないですよ、と。そういう文化の利用の仕方ができると、人生をまちがいなく押し広げることができる。
質問 呉城 久美さんから 油田 晃さんへ
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- 前回インタビューさせて頂きました、悪い芝居の呉城久美さんから質問を頂いてきております。「三重で、秘密にしておきたいぐらいオススメのお店のヒントを教えて下さい」。
- 山中
- ヒント?それ、みんな大体同じ店を思いついたと思います。
- 油田
- ははは。生レバーのとこじゃないですか?“TRQ”。
- 山中
- やっぱそうですよね。
- 油田
- ほとんど答え言っちゃったよ。焼き鳥屋さんなんですけど、あけぼの座から近いんです。ちょっと高いんですけど、鳥の焼き肉みたいに焼けるお店なんです。で、鳥のレバーは牛じゃないのでセーフなんですよ。それが美味しいんですよ。来る演劇人に、必ずオススメするんですが絶対に写真は撮るな、と。
- 山中
- 鳥のレバーだけはダメ。
- 広田
- 合法生レバー。
- 山中
- あと、最近生酎を頼むと沖縄のシークワーサーがボコボコ入って出てきた。
人脈だけは引き継げない、けれども
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- 後進に何を引き継ぎたいですか?
- 油田
- 人脈の事かな。悩みなんですよ。人脈って人と人が出会う事でしか生まれないと思うんですよ。引き継げない。特に我々みたいな民間の補助金もなかなかないような劇場の者は、お互いの人的なやり取りをするしかないし、そうやって生まれた財産だからこそ引き継げないと思うんですよね。
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- そうですね。
- 油田
- 3、4年ぐらいは何とかなるかもしれないですけど、続かないとダメになるのかなと。でも、「この人達は演劇がバカが付くほど好きなんだ」というのはなんとか伝えられると思っています。残せるのはそれだけかもしれない。この分野には舗装された道はないので、自分達で切り開いていって貰うしか無いんですよね。公共劇場さんだって、熱意のある担当さんが異動しただけで勢いがなくなるとかしょっちゅうあるじゃないですか。
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- つまり、先輩の背中を見せる事ですね。
- 油田
- 人脈という道は、閉じたらそこで終わってしまうんだからそこはもう諦めて。若手には、会ってこい、一緒に公演を打ってみたらどうだ、みたいに言って。で、ちょっとお膳立てはしておいて。そういう風に築いていくしかないんですよね。そうじゃないとまた僕らの世代が出て行く事になってしまう。
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- 中心人物が居なくなっても新しいところに人脈を求めていくようであってほしいですね。
- 鳴海
- 新しい関係性の中ではベクトルは絶対に違ってくるはずなので、そこに対して上の人間がちょっかいを掛けてはいけないと思うんですよ。その人脈の中でしか人は呼べない訳だから。それは世の成り行きだぐらいに思ってないといけないし、それが若いやつがやりやすい環境なんじゃないかなと。
よくぞはじめてくれた
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- これから、お芝居を始める人に一言。
- 油田
- 挫ける事の方が多いと思いますけど、とにかく向き合ってやっていってほしいです。やっている事自体が素晴らしい。よくぞはじめてくれた、と思っています。めげずにやって欲しいです。
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- 鳴海さんはいかがでしょうか。
- 鳴海
- 可能な限り、沢山の作品を見て、沢山の勉強をして。自分の言葉で考えるようにしてほしいです。
勝負
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?サッカーのように、どういう風にボールを蹴っていくか、みたいな意味で。
- 油田
- 勝たなあかんので。いや、アーティストの方って勝ち負けじゃないと仰る方もいらっしゃるんですけど、僕は結構勝ち負けだと思っていて、勝ってナンボだと思っていて欲しい。そういうぐらいの個性を持っていてほしいです。「そういう所では勝負していません」と言ってしまう気持ちは分かるんですけど、そういう風に反論してくる人ほど実は負けを認めたくないんですよね。
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- なるほど。
- 油田
- 攻めるんだったら勝たなあかん。いま津あけぼの座は上昇気流に乗っているような雰囲気はありますけど、まあいかに手堅く、出来るところからやっていけるかどうかですよね。そういう時期に入ったのかなと。
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- 手堅く?
- 油田
- 最初の時期は、まあちょっとやってみまひょかみたいな感じだったんですけどね。失敗してもいいや、みたいな。その内に実績が出来てきて、次は勝つ為にどんな用意が出来るか、という事を考えないと。
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- 劇場として勝つ、とはどういう事だとお考えですか?
- 油田
- お客さんが沢山はいる事、高い評価を得る事、という条件ですよね。最初に言いましたが、地方の芝居は本当に厳しいんです。経済どうこうの話しじゃなくて。つまらない作品に対しては、地方の方が都会よりもはるかに風当たりが強いんですよ。でも、面白いものに対しては熱狂して迎えるんですよね。だからこそ劇場の人間がバックアップして、勝てると思ったものは信じて、離れていてもこっちに引っ張ってきて。そういう英断を続けて、たまに怒られますけど(笑う)。
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- ありがとうございます。
ペーパーウェイト
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持ってまいりました。
- 油田
- 凄い嬉しいです。自分が貰える立場になるとは思ってなかったので。
- 鳴海
- あ、ありがとうございます。
- 油田
- オシャレですね(開ける)あ、ペーパーウェイトだ。ちょうど僕、こういうの欲しかったんですよ。メモ用紙を沢山書いてて、それが机の上で散乱しがちだったので。