Dance Fanfare Kyoto vol.3
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いします。まずはみなさんの近況を伺えればと思うんですが・・・
- 竹宮
- 4月から京都造形芸術大学の舞台芸術研究センターが母体となり運営している、共同利用・共同研究拠点の事務局で働き始めました。劇場を実験場として研究者とアーティストが創造のプロセスを実践的に探求しています。
- 御厨
- 近況で言うと・・・夕暮れ社弱男ユニットで俳優としてやらせて頂いているんですけども、今年の4月から伊藤キムさん主宰のフィジカルシアターカンパニーGEROのメンバーとしても活動する事になりました。拠点が東京なので、東京と京都を行ったり来たりしながら今後も活動していく事になります。
- きた
- この間アソシエイトアーティストとして、アトリエ劇研のショーケースにてKIKIKIKIKIKIとしては2年半振りに作品を作りました。今はDance Fanfare Kyotoの準備と、多田淳之介さんとRE/PLAYの再演をシンガポールのダンサーとやる事になって。そのオーディションをやるために明日シンガポールに行きます。
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- みなさんお忙しそうで、何よりです。
Dance Fanfare Kyoto vol.3
Dance Fanfare Kyoto は、作品のクリエイションを通して、身体の可能性を探る実験の場です。vol.03となる今回は、今までの取り組みをさらに発展させるとともに、ダンスをとりまく言葉/対話に重点を置いた新しい試みも加わります。関西のダンスシーンの活性化と舞台芸術における身体の可能性の探求をめざした多彩なプログラム。どうぞお見逃しなく。 【公演日程】 2015年5月29日~31日。その他アウトリーチ企画は6/27まで。 【会場】元・立誠小学校 ほか各所 【料金】に関しては公式サイトへ。
水色の出会いと別れ
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- さて、Dance Fanfare Kyotoですね。元・立誠小学校を中心に一つのダンスショーケースであり、中にはトーク企画も用意されていますね。このインタビューもまた一つの対話になるかもしれませんね。さて、Dance Fanfare Kyotoの呼びかけ人、きたまりさんに伺いたいのですが、発起の経緯を教えて頂けますでしょうか。
- きた
- 2012年に「We dance」という企画を京都で開催する事になって。私がプログラムを組んだんですよ。演劇の演出家は多田淳之介、筒井潤、相模友士郎の三者にダンサーを演出してもらいました。それに関西の若い振付家にも声を掛けて開催したんです。そしたらすっごく反響が良くって。私自身も面白かったんですよ。実は私、ちょうどその時期ダンス面白くないなーって思ってて。そんな時にそういう企画に携わったことで、ダンスの面白さを再確認したし、こういう企画は続けなきゃいけないんだなと思って。「We dance」は母体が横浜なので、京都では新しく「Dance Fanfare Kyoto」を立ち上げたんです。
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- 反応が良かったんですね。
- きた
- お客さんもそうだし、関西のダンサーも、「全然こんな作品の作り方は知らなかった」と。前のめりで作品作りに挑んでくれて。あとその前後の時期に私が演劇の人と仕事をしていたというのもあって、演劇の人をダンサーに出会わせたかった、繋げたかったというのもあったんですね。
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- 「繋げる」。確かに、1回目からそうした試みの企画はあったと思いますね。「ねほりはほり」とか。
- きた
- 「ねほりはほり」をディレクションしてくれた和田ながらさんは「We dance 京都 2012」を手伝ってくれて、その後に京都で新しくそういうものを立ち上げようと相談したら「振付家の言語性の無さが一番の問題だと思います」と言ってくれて。振付家にとにかく作品の話をさせるという企画が立ち上がったんですよね。
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- さすが。Dance Fanfare Kyotoはコミュニケーションをプロデュースするところがあるのかな。
- きた
- やっぱり人って対話しないと出会えないじゃないですか。作品を見るだけでも出会えるかもしれないですけど、本当に出会うってお互いを知る事だと思うんですよ。相手の事を知って私の事も知ってほしい。コミュニケーションってそういう事だなあと思っています。作品を作って発表するだけだとそういう事って少ないじゃないですか。どっちも一方的な関係性(こう思ったからこう作った、作ったものを見てこう思った)でしかない。もうすこしそこは、違う形があるのではないか。そう思ってトーク企画は重要視しています。
PROGRAM02 美術×ダンス
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- 御厨さんは去年、現代美術家の方との作品作りをされていましたが、今年も。
- 御厨
- そうですね。「美術×ダンス」を今年もディレクションします。鬣恒太郎さんという美術家の方と製作予定です。僕は学生時代、舞台ではなくて、美術家の方をプロデュースしたりディレクションしたりしていました。舞台を始めてからはそうしたこととは遠ざかっていたんです。が、美術作家とダンサーが、どのようにコミュニケーションを取ってクリエーションしていくのかを実験したいというのがあってこの企画に至りました。
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- なるほど。私は去年、ダンスの上演は拝見出来なかったので展示だけでしたがとても良かったです。見る度に全然違う角度の発見があって。見る人が見ないと分からないかもしれないけど。私は、好きです。
- 御厨
- ありがとうございます。ダンサーと美術家がそれぞれお互いの分野に対して「好き」をどう発見できるか。この企画が終わっても、この人と一緒にやりたい、という興味関心が続いていったらいいな、ということを考えてやっています。
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- 現代美術を鑑賞する時、作家の思想や認識そのものが作品であると思うんです。ダンサーは踊っているさなか、観客にその認識をより正確に伝える存在なのではないかと思っているんです。その二者はきっと近しい。
- 御厨
- そうですね。
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- そこはまず期待ですね。
- 御厨
- 雑多な事を言うと、僕はそれぞれをどう呼称すべきか―「コンテンポラリーダンス」「コンテンポラリーアート」と呼べますが、それが凄く気になっているんです。特に、最近の「コンテンポラリー」ではコンセプト重視になっている作品が多いと思うんですが、本当に自分たちはコンセプトを観客に伝えきれているのだろうか、という疑問があります。今回の企画においては、ダンサー、美術家がそれぞれのコンセプトを擦り合わせるなかで、互いにこの疑問に向き合ってもらえたらと考えています。普段のクリエイションで使っている些細な言葉の意味も違うでしょうし。僕自身も彼らとのコミュニケーションを通じて、他ジャンルへも横断できる可能性を探していきたいと思っています。
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- つまり、正確な所まで研究し合わないと作れない。
- 御厨
- そうですね。手間も時間も掛かる作業だと思うんですが、そうしないと深い出会いにはならないんじゃないか、と。
PROGRAM02 御厨亮ディレクション 美術×ダンス
ダンサーと美術家との対話/交換を通して生まれるプロジェクト。互いの出会いを通し出来上がった作品が、美術作品なのか、それとも舞台作品なのか、そうではない何かなのか。舞台美術の可能性を広義に捉え、検証していくための実験企画です。 公演時期:5月30日(土) 15:30、31日(日) 15:30。会場:元・立誠小学校 2階 図書室+資料室。
トカティブカフェ
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- 竹宮さんはトカティブカフェのディレクションですね。どんな人に見に来てもらいたいとかそういうのはありますか?
- 竹宮
- 「We dance 京都 2012」の時から、当日運営のお手伝いなどで参加しており、Dance Fanfare Kyotoには去年から実行委員として参加しています。昨年感じたのは、観客のほとんどはダンサーや京都を中心とした舞台の関係者で、言ってしまえば知っている人が観客なんだなと。その頃、個人的には舞台以外の場でも知り合いが増えていて、でも実は既に知り合っている人と共通の知り合いだったりして。そういう人との繋がりって面白いなと思うんです。Dance Fanfare Kyotoも、観客同士でそういう、友達の友達だ!という人が増えたらいいなと思いました。だから、どんな人でも気軽に来てくれたらうれしいです。「トカティブカフェ」は、職員室をちゃんと“人が集まり話せる”場所として機能するようにしたいと思っています。というのも、去年はプログラムの間が10分ぐらいの休憩時間しかなくて、その間に皆コンビニに行って食べ物を買ってきて、急いで食べるみたいな感じだったんです。せっかく同じ作品を共有した観客なのに、その感想を話すタイミングを私たちが奪っているのはもったいないなと。KYOTO EXPERIMENTの感想シェアカフェとかに参加して、人と人が感想を喋り合うという場所は大事なんじゃないかと思いました。観る側にとっても助け舟になるんじゃないかと思うんです。「この人はこの作品を観てこういう風に感じたのか!」みたいな。
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- フードは大事ですよね。
- 竹宮
- 参考にしたのはArt Theater dB神戸のカフェスペースです。あの、何となく集まれる、居たくなるスペース。もちろん、飲食のお店を呼んだからと行って必ず集客が出来るという訳じゃないですけど。その他にも色々工夫をして、職員室をもっと機能する場所にしたいです。
PROGRAM05 竹宮華美ディレクション 「トカティブカフェ」
同じ場所、同じ時間で上演に立ち会った人たちで、作品についてざっくばらんに話してみませんか?ダンスやアートにまつわる古書、軽食や飲み物もご用意しております!みなさまの交流の場となりますように。ホッと一息、どうぞご利用ください。 参加:喫茶ジジ、みず色クラブ、青おにぎり、AOW、10000alonetoco 場所:元・立誠小学校 1階 職員室。
今、見てほしい作品あります
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- 今年のおすすめのコンテンツを教えてください。
- きた
- 今回、3年目にして初めて運営スタッフが全員ディレクションしてるんですよ。今まではディレクションと制作チームが分かれていたりしてたんですが。だから3年目の今年は全部オススメです。
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- おお。
- きた
- 上演プログラムを説明すると私がやる「ダンス、なんや?」 はですね、そもそもダンスとは何なんだ?これがダンスなんや?みたいな、企画です。
- 竹宮
- 発音の微妙なニュアンス。
- きた
- contact Gonzoの塚原悠也と、ヨーロッパ企画の上田誠。この二人がダンスの演出をするというと「ええっ?」みたいな感じかもしれんけど。塚原さんはトヨタコレオグラフィーアワードに選出されたり、海外のダンスフェスティバルにたくさん呼ばれてるのに、本人的にはダンスを作るのは初めてらしい。今までやってたのはパフォーマンスだから。今回はダンス作品という体の動きを彼がデザインする、ダンスとしての初めての作品という事になります。
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- なるほど。
- きた
- 上田さんは、実はずっと誘いたい演出家だったんです。でも今までスケジュール的に合わないというのもあって、3年目にしてようやく。上田さんは絶対にダンスの演出が出来ると以前から思っていたんです。彼の作品の作り方を聞くと、これは絶対にダンスにも応用出来ると思っていて。というのは空間を設定して、そこに役者を載せるという作品プロセスなんですが。これはダンサーでも成立すると。しかも、コメディ。
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- おおっ。ダンスでコメディとは。
- きた
- (笑う)上田さんがダンスでコメディを作るのは、これは絶対にDance Fanfare Kyotoでしか見れないので、ぜひ。そして、今年の「ねほりはほり」は振付家がもの凄く若いんですよ。大学を卒業したばかりのニューカマーで、どっちも20代前半で佐藤有華さんと山本和馬くん。二人ともすばらしいセンスを持っている。以前、作品見た時に「あっセンスいいな」と思ってて。次来るんだろうなと思ってたら、ながらちゃんが誘ってくれてて。若くてまだ名前は知られてないけど、いま見ておくべきだと思います。
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- なるほどね。
- きた
- 美術×ダンスの方は完全なコラボレーションですよね、美術の鬣さんはペインターなんですが、何かね、ハプニングが起きるんじゃないかなと思ってる、話を聞く分には。そもそもライブペインティングにダンスは必要?そこにダンサーがいるという事は、もしかしたら筆の役割を果たすのか?60年代前後の「具体」の美術のような何かが起きるのかもしれないって。これは本当にわかんないけど超楽しみで。どれもDance Fanfare Kyotoじゃないと絶対見れないので、上演プログラムは全部見た方が良いと思います。後はね、アウトリーチプログラムとして川那辺さんがやっている企画「Listen, And... / around kyoto」 。これはね、毎回いい意味で訳分かんないと思うんですよ。
- 一同
- (笑う)
- きた
- 例えば今日の「火を囲み、はなす」。これがダンスとどう繋がっているのかと思うし、じゃあダンスって何と繋がっている訳?って疑問でもあるし。根本、ダンスって生活の身振りから出てきたものでもあるし。劇場ばかり行っていてもしょうがないと思うんですよね。劇場も大好きだけどさ。やっぱり色んな気づきを得られる場として、アーティストに来て欲しい企画だなと思ってます。自分たちがマイノリティであるという事がどういう事かに気づける場だと思っています。トカティブカフェはアーティストやお客さんが語り合う場として機能できればと。Dance Fanfare Kyotoは実験としてやってきてるから、だからこそやりっぱなしにせずに、その実験をいかにして語り合う事が出来るのかと思っているので、この企画にも是非来て頂ければと思います。
PROGRAM01 きたまりディレクション ダンス、なんや?
関西を拠点に、演劇/パフォーマンスというそれぞれのフィールドを超えて幅広い活動を展開している、ヨーロッパ企画・上田誠contact Gonzo・塚原悠也の両者がダンスの演出を行います。どんな作品が生まれるのか?ご期待下さい! ダンスコメディ「呼び出さないで!アフタースクール」 Hurricane Thunder / Super Conceptual Dance no.001 公演時期:5月29日(金)19:30(呼)、5月30日(土)14:00(Su)、30日(土)19:30(呼)、31日(日)12:30(Su)、31日(日)17:00(呼)。場所:元・立誠小学校 1階 講堂。
PROGRAM03 和田ながらディレクション ねほりはほり
振付家がダンス作品を≪つくる前・つくっている最中・上演する間際≫に、インタビュアーが対話を通じて、ダンス/身体/作品について、ねほりはほり、聞き出します。さぐる、まとめる、ひろげる、ちらかす…ダンスにまつわる言葉のトライアル! 「愛してしまうたびに。」振付・構成:山本和馬 「CardinalLineⅡ-1」振付・構成:佐藤有華 公演時期:5月30日(土) 17:00 31日(日) 14:00(※2作品連続上演、30日(土)は終演後にトークセッションあり) 場所:元・立誠小学校 2階 音楽室。
PROGRAM06 川那辺香乃ディレクション Listen, And... / around kyoto
「対話」をテーマに全3回のイベント・ワークショップを実施します。一期一会の出会いのなかで、生まれて消える言葉たち。ルールは耳をすますこと。 1)「火を囲み、はなす」 4月25日(土)19:00〜 (自由解散)、 2)「作品をみながら、はなす」 5月17日(日)14:00〜17:00、 3)「まちあるきで、はなす」 6月27日(土)10:00〜14:00(昼食込み)
「誰からも『面白い』といわれるもの」
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- 今年のDance Fanfare Kyotoは話し合う場が大切という事で、私もそれはとても大切だと思っています。お客さんが今見てきた舞台(実際にあった現実)の話題が出来るというのがパフォーミングアーツだけが持つ価値に違いない。まあ、話すのが好きじゃない人もいますけどね。
- 川那辺
- そうですね。私は、この企画をやろうと思ったきっかけが、去年のDance Fanfare Kyotoの『SYMPOSION』なんです。あれも話す場だったでしょう。私はあの時、すごく面白かったけど違和感もあって。
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- 出演者があるテーマについて話すのを見る、変わった作品でしたね。違和感とは?
- 川那辺
- 出演者が自分の興味のある特定の分野だと話すんだけど、そうでなければあんまり話さない。そういう事がちょっと引っかかったんです。もちろん、自分の興味のある事を突き詰めたり、専門性を否定する訳じゃないのですが。でも、作品を見てもらうのは不特定多数の観客じゃないですか。
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- そうですね。
- 川那辺
- あの作品をみたとき、観客には不特定多数という存在がいるにも関わらず、出演者のなかにはそれが無意識のうちにすっぽり抜け落ちていて、ある特定の相手が決まってきているのではないかと気になったんですよ。じつは、舞台制作をしていた時もずっとそのことが気になっていました。私は単純に、「舞台は凄く面白いよ」という事をいろんな人に伝えて、もっと劇場にくる人を増やしたいと思っています。そう思い続けて、巡り巡って、今は演劇やダンスのワークショップをコーディネートする仕事を中心にしています。対象は子どもや障がいのある方、高齢の方が多いです。場所も京都市内じゃなくて、さまざまな地域で活動させていただいてます。ワークショップは、私にとって、演劇やダンスの面白さを伝える1つのツールだと思っています。その仕事を通じて仲良くなった人たちには、やっぱり最終的には劇場に足を運んで、舞台作品をみてもらいたいんですね。それで、「面白い」と思ってもらいたいんです。で、そう思ってもらいたいなら、やっぱりアーティストと呼ばれる人たちには、誰からも「面白い」といわれるものを作ってもらいたい。で、私が思うに、そうした作品を作ってもらうには、まずは自分の言葉で不特定多数の人と話すという事に慣れて欲しいなというのがあるんです。色んな世界をもっと見て欲しい。すると自分の言葉が、実はある特定のコミュニティの中でしか通用していない、という事に気づくんじゃないかと思うんですよね。
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- それは正にそうですね。
- 川那辺
- そういう事を色々狙って、こういう企画を立てました。これは、もちろん一般の方もきてもらいたいのですが、ダンサーの方に来てもらいたい。そして、さまざまな視点を持ってもらえたらと思っています。
アウトリーチを考える
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- その企画の一つ、「火を囲み、はなす」が今日終わりましたね。私と、この席の皆さんが参加しました。手応えはいかがでしたか。
- 川那辺
- そうですね・・・どうですかね。
- きた
- ダンサーにはもうちょい来て欲しかった!
- 竹宮
- でも、まあ告知がちょっと遅かったのかも。
- 川那辺
- たしかに遅かったけど、端から興味が無かったんじゃないかなぁ。これはアウトリーチだから、って。自分たちに向けられてないなと思ったのかも。
- 竹宮
- そこまで繋げれてないのかな。
- きた
- でもDance Fanfare Kyotoはアウトリーチだよ。
- 御厨
- そもそも、そうなんですよね。
- きた
- 作品を発表すればいい、とだけ思っているんじゃないのかな?と。でも作品を上演するというのはそれだけじゃなくて、アウトリーチをいかにするかという事なんですよ。芸術とかダンスとかいう、生活に必要か?みたいな世界でやっているのに、アウトリーチを全くしないままだと表現の強度が弱くなるんじゃないと。そういう提案をひとつしてるだけ。もちろんやらなくても関係ないくらい強度のある表現がある事は知っているけども。
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- こういう場だからこそね。
- きた
- こういう良い意味で訳の分かんないプログラムが一緒になって「Dance Fanfare Kyoto」になっている、というね。
- 川那辺
- 関係なさそうにみえるだろうけど、一度は体験してほしい。「食わず嫌い」でなしに、体験して「自分には合わへんな」と思ったら、別の、自分に合った場に行けばいいんですけどね。ちょっとこだわりが強すぎる気がします。
- きた
- 特に二十代若手はね。でも、今の活動を続けていられる四十代は二十代の時にそういう事をやっているんです。だけど今の二十代はもうある種のコミュニティが出来ていてそこで発表はしている、出来るんだよね。けれども、自分たちが何故この社会の中で表現をしているのかに気づく場はもっと必要なんですよ。それに気付かなければ、20年後は出来ないよ。いや出来るのかもしれないしそれはそれで凄いのかもしれないけど、今やらないといけないのはこういう事なのかもしれない。
- 川那辺
- もし出来たとして、作品のクオリティはどうなのかというと・・・
- きた
- そのコミュニティに集まる観客も表現者もマイノリティ×マイノリティに過ぎないんじゃないか、というね。
- 川那辺
- でも、実はすでにそうなっている状況であるということを、再認識する必要がありますよ。ごくごく個人的な、軽い気持ちで作品をポンポン作られたら困るんですよ、正直。
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- おお・・・
- 川那辺
- うん、・・・強気やからね、今。
- 一同
- (笑う)
- __
- 火を見たからね。
- 川那辺
- うん。でも、ほんと意識してるだけじゃなくて動いていこうよって思います。もちろん、楽しくないといけないですけどね。いかにみんなで楽しく、遊びながらこういうことを考えていけるか。
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- なるほど。
- 川那辺
- ちょっと気軽に、こういう場にいってみようか、みたいな気持ちも持っていて欲しいなとね。
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- 責任とは言えないまでもね。
- 川那辺
- そうですね。企画している私自身は責任感は当然すごく持っていますけど。
恋愛相談みたいな、そんなやりとりが・・・
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- そろそろまとめにはいりましょうか。やっぱりトカティブカフェが肝なんだろうな、と思うんですよね。評論じゃなく「あの振付は良かったね」とか「あのダンサー糞ダサかったね」とかそういう話題で盛り上がったらそれでいいんじゃないかと思うんですよ。恋愛の話題をしているのと同じぐらい盛り上がれたら・・・
- きた
- でもね、恋愛の話はさ、した本人が後ですごい恥ずかしくなっちゃうんですよ。
- 川那辺
- その時は自分の事でイッパイイッパイだからね、後から「あちゃー」みたいなね・・・。
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- でも恋愛って、誰にでも通じるもの、凄く共通の話題であるうえ、ほとんど生命をやりとりしてるみたいなもんじゃないか。
- 川那辺
- これまとまってるの?(笑う)
- きた
- 恋愛って全てのコミュニケーションの基本じゃないですか。でもコアな関係性を求めない現代人は恋愛関係を抜きにコミュニケーションをしようとする。
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- 赤ちゃんがお母さんのおっぱいに吸い付きたいのと同じレベルでの恋愛の話、みたいな・・・それこそコアな話にまで持っていける。
- きた
- そうそうそう。本質的なものって絶対変わんないのに、なんか意味を入れてなんかちょっと考えなきゃいけない、みたいなさあ。でも本質的なものは変わっていない、そしてそれは表現に繋がっているはずなので。まあそうじゃないものももちろんあっていいし。
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- なるほどね。申し訳ない、話がまとまらなくなりつつありますけど・・・
- 川那辺
- でも、今日の「火を囲み、話す」で『まとまらなくていい』って小山田さん言ってましたしね。
- きた
- そうそう、個々で自分で見つけるものがあればいいよね。それが、Dance Fanfare Kyotoが提案するまとめなんですよ。
- 川那辺
- 各々がそういう、思考の変化を持つ機会になったらなと。
質問 中間 アヤカさんから Dance Fanfare Kyoto事務局さんへ
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- 前回インタビューさせていただいた中間アヤカさんから質問です。「好きなマスコットキャラクターは?」ちなみに、中間さんはリラックマです。
- きた
- 知ってる知ってる。
- 竹宮
- キューピーちゃん。
- 御厨
- ドアラです。中日ドラゴンズの。
- きた
- 私は相撲好きなんですけど人間だからなあ。京都水族館のオオさん・ショウさん。
- __
- ありがとうございます。川那辺さんは。
- 川那辺
- そうだなぁ・・・マスコットじゃないですけど、最近、ネコが好きです。
- きた
- くまモンは?くまモンは?
- 川那辺
- くまモンは・・・
- 竹宮
- そうそう、愛媛にタルト人というのがいるんですよ。
- きた
- (笑う)絶対かわいくないよあれ。
- 竹宮
- オオさん・ショウさんよりは。
- きた
- いやオオさん・ショウさんは可愛いよ。
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- ちなみに私はけろけろけろっぴです。
- きた
- 古い(笑う)!
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- 仕草がいいんですよ。
- きた
- 動きで言ったらさ、やっぱりふなっしーは動きは完璧だよね。
- 御厨
- ドアラはダメですか。
- きた
- ドアラはバク転するんだっけ。
- 御厨
- で、色んなギャグを自分の動きにアレンジするんですよ。あの表情で。
- 川那辺
- すごいな。
- 御厨
- エンターテイナーなんですよ。
- 竹宮
- やっぱりそういう事もしていかないとやっていけないんだな。
- きた
- そうね。
とめられない水色の時間に向けて
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- 竹宮
- 攻める。遊び半分というのが最近のテーマなんで。今やっている事をどれだけ遊び半分の感覚で楽しめるか。それも、真面目に。
- 御厨
- 京都と東京の二重生活をがんばります。
- 川那辺
- リアルやな。
- 御厨
- それが攻めるという事なのかな、と。
- 川那辺
- 私は、楽しく。楽しく丁寧に。
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- きたまりさんは。
- きた
- やるべき事をやる。
- 川那辺
- 使命感にあふれてますね。
- きた
- 目の前のやるべき事を常にやるんだよ。明日メール打つんだよ。
- 川那辺
- 今の事に集中するんですよね。
- きた
- そう。明日飛行機落ちないといいなあー(笑う)
- 竹宮
- それはDance Fanfare Kyotoどころの話じゃない。
- きた
- みんな、墜ちてもやってねー。
- 御厨
- いややりますけど洒落になってない。
- 竹宮
- やりますけど、何にFanfareするんだ、と。
- きた
- 私の写真だけ飾っといて!入り口に、遺影みたいに。
お道具箱(大)
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- 今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
- 一同
- あー!
- きた
- それさあー、あったね。
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- 今日は竹宮さん宛、だけです。申し訳ない。
- きた
- あー!大きい。開けて開けて。
- 竹宮
- 何かめっちゃ大きい・・・(開ける)
- きた
- お道具箱(笑う)
- 御厨
- (爆笑)
- きた
- 制作グッズ入れよう。いや、いいですねやっぱり。さすがセンスが素晴らしい。え、ミック何貰ったの?
- 御厨
- 僕はサンダルです。
- きた
- ああ、川那辺さんは?
- 川那辺
- 私はね、ボディクリーム。
- 一同
- ははは・・・(笑う)
- きた
- 私、扇子。
- 竹宮
- 扇子いいですね。しかし、お道具箱ヤバい。
何貰ったの?
以前、竹宮さん以外の方にインタビューした際にプレゼントをお渡しした。 きたまりさん 川那辺 香乃さん 御厨 亮さん