方法
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- 司辻さんは、京都造形大学で演出を学ばれているのですか?
- 司辻
- うーん。学ぶ環境はいっぱい揃っているんですが、でも、私を含めて演出をしている造形大生はみんな勝手にやってるんですね。やはり演出を学ぶには実践を重ねるのが一番なので。
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- 教科書には載ってないこと。
- 司辻
- そうですね。教科書はないですし、やらないと勉強は出来ませんよね。
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- 自分の感じた世界を表現するのが演出ですから、他人の方法では自分の世界は表現できないという事でしょうか。
- 司辻
- そうですね。演出を学ぶには演出を受ける方法もあると思うんですけど、話を聞いているだけじゃ何も身に付かないんです。演出だけは自分でやっていかないと。
世界について
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- 今回の作品「世界」。手ごたえは。
- 司辻
- 悪くないと思います。
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- その、あれですよね。第二幕目のインパクトが凄かったです。一幕目の二人があんな感じで歌ってるのが。
- 司辻
- ありがとうございます。
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- 何か予感はあったんですよ。最初がアレだったので、舞台転換して全然違う世界になってたら面白いなあと思ってて。
- 司辻
- 二幕目の開場時に歌っていたんですが、休憩時間中ずっと歌っている感じが出せればと思っていました。でもやはり、お客さんが全て入ってしまわれたので・・・。
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- ええ。
- 司辻
- これは開場中という雰囲気が出せないと思って。結局歌の間はドアを開けっ放しにして係員の人に立っていてもらう事にしました。
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- なるほど。主人公の女の子、たしか、「まるまるちゃん」・・・?
- 司辻
- はい。
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- お母さんに一回しか言われなかった名前ですよね。
- 司辻
- そうですね。でもあれは戯曲中では○○なんですよ。あの少女に名前は付かない方がいいと思ったので。そのまんまにしました。
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- 今回の作品ですが、最初はエゴの応酬だったのにだんだん宗教の世界に入っていくみたいな感じだと思います。癒しの要素を入れたとか。
- 司辻
- そうですね、終幕にはカタルシスが演出出来ればいいなと思って。叫んだと思ったら脱力、とか二部で入れてました。
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- サンドイッチを舞台上に散舞させるのは非常に気持ち良かったです。彩り的にとても効果的でした。
- 司辻
- ありがとうございます。あれは、舞台入るまでにはあまり分からなかったんですが、やってみたら効果的でしたね。
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- あれは良かったです。ハムの色がね。
- 司辻
- はい。ハムが魚肉ソーセージで。匂いが受け付けませんでした。
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- あ、そうなんですか。
- 司辻
- 匂い、どうでした?大丈夫でした?
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- はい、大丈夫でした。と思いますよ。
辻企画「世界」
公演時期:2006年12月1日〜3日。会場:京都芸術センター。
交換
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- ネタとして面白かったのは「私のアソコはミックスサンド」でしたね。これ絶対ウケ狙いでやってるなと。
- 司辻
- 違いますよ(笑う)私は基本、ウケ狙いにはいかないので。が、これは受けるかもしれないなと。
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- 覚悟はしていたと。
- 司辻
- あまり、ウケるウケないは気にしないので。あれはいいと思いますけど。
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- ええ・・・。
- 司辻
- (エスプレッソ)しょっぱいですね。
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- しょっぱい?
- 司辻
- 濃いですね。
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- ああ、ちょっと焦げてるかもしれませんね。
- 司辻
- 私、エスプレッソ一回しか飲んだことがないので。
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- 司辻さんは聞くところによると、エゴを表出させた作風だと思うのですが、そういうスタイルはどのようにして生まれていったんですか?
- 司辻
- 今まで、「世界」を入れて7作品を書いていて、そのうち6作を上演しているんですが、二作目の「レス」という作品を2003年に書いたんです。
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- ええ。
- 司辻
- その時に、作品を作る時は、たとえそれがフィクションであってもその人の経験や考えや感情が出るもので。私は作・演出をしているからそれを立体化できるんですね。もちろん舞台上でパフォーマンスするのは俳優なんですけど、私は作・演出ですが自分の事を書かないと満足できなくって。それは周りの事を考えずに書く所までいかないと満足しない。一人の人間が生きている事を示す事に意味があると思うんですね。私は自分の創作姿勢としてそうやってきたんですけど、今はそこに、一人の人間の生身を出すことが人間が生きている事に繋がるんじゃないかと見出し初めています。
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- ええ。
- 司辻
- 人間に人間が生きている事を伝える事が大事なんじゃないかと思ってます。創作を重ねるごとに、そういうようなかたちになっていっていると思います。
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- 司辻さんの芝居をみる事で、観客は司辻さんの生を確かめ、それが逆に観客個人の生を確かめるという事になっている、って感じですかね。
- 司辻
- そうですね、確かめるという表現は私は使ってこなかったんですけど、そちらのほうが分かり易いかもしれませんね。舞台上で感情を出すことが、お客さんに感情の内容を知ってもらうというよりも体験してもらうようにしてもらえたらいいと思います。それが目的です。
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- 感情をあまり表に出さず、正確にシーンを成立させる為の演技ではなく、感情を思いっきり放出する。
- 司辻
- そうですね。
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- 1時間40分出し続けてましたよね。確かに、ああいう芝居は今まで見た事が無かったですね。
- 司辻
- でもね、あの、一個の感情を出すというのは凄く強い事じゃないですか。ですので一つだしたらずっと出し続けているように見えるんだと思うんですけれども。
今後
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- 今後はどのような活動をされる予定でしょうか。パンフレットに、しばらく活動を休止されるとありましたが。
- 司辻
- そうですね。ちょっとお休みします。でも、休むというのは自分から動くのを休むという事で。
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- 何かあったら・・・。
- 司辻
- そうですね。2007年は演出を休むのは決定です。来年(2007年)は受身でいようと思ってます。また何かあったら声を掛けてやってください(笑う)。
庭用サンダル
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- 今日はですね、お話を聞かせていただいたお礼にプレゼントがあります。
- 司辻
- え!?ありがとうございます。
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- サイズが合うかどうか分かりませんが。
- 司辻
- え、ちょっと嬉しいです。頂きます(受取る)。
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- はい。
- 司辻
- 今までどんなものを・・・?
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- いや、無難にカップとかピンバッジとかですかね。
- 司辻
- あ、かわいい。ありがとうございます。
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- 庭に出る用のサンダルなんですかね。
- 司辻
- 可愛いです。