トイネストパーク記念日
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- 今日はどうぞ、よろしくお願いいたします。
- 全員
- よろしくお願いします!
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- トイネストパークの皆さんにお話を伺う事が出来て、大変嬉しく思います。本日3月31日をトイネストパークの日としましょうか。毎年思い出します。
- 坂井
- はい、そうですね。私も思い出します。
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- 皆さんは最近どんな感じでお過ごしでしょうか。
- 坂井
- アイトクナツキは就職活動で、TiBiMiNAはサークルの活動を頑張っていて、アパさんは外部の出演が増えていて 今度ユリイカ百貨店さんに出ることになって、河合さんはGW中に本番を迎えるし、坂井は12月の脚本がおおよそ書き終わりました。
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- そんなに早く書き終わったんですか。
- 坂井
- 早いに越したことはないだろうと思って。それから次にやることも考え始めています。
トイネスト・パーク
『遊園地』をモチーフに可愛く、楽しい作品をお届け致します。(公式Twitterアカウントより)
【アパ太郎出演】ユリイカ百貨店music stage『1.Block.Planet/DRESS!』
公演時期:2019/5/24~26。会場:Gallery Main。予約フォーム
【アパ太郎出演】劇団ZTON 御伽草子「一寸先の影法師」
公演時期:2019/7/12~14。会場:人間座スタジオ。
アパ太郎さん
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- ここで、改めてメンバーの皆様に自己紹介をお願いしてもよろしいでしょうか。
- アパ太郎(以下アパ)
- はい。アパ太郎と言います・・・名前だけで?
- 坂井
- 出来ましたら、星座と芸名の由来を。
- アパ
- 1995年の春生まれです。星座は、牡羊座と牡牛座の間です。
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- つまりキメラですね。
- アパ
- 芸名は、中学校の頃にアパラチア山脈のことを授業で習った時、横の子に「アパラチアっぽい」と言われた事、それから両親に「太郎」と呼ばれ続けた事です。
アイトクナツキさん
- アイトクナツキ(以下アイ)
- アイトクナツキといいます。1997年生まれの21歳です。蟹座です。出身は福岡県で、高校はラグビー部でした。主将になるぐらいゴリゴリやってたんですけど大学では役者やろうと思っていて。色々あってトイネストパークに入りました。
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- 好きな香りは何ですか?
- アイ
- 女の子のシャンプーの匂いが好きですね。おおってなりますね。
- 河合
- 期待に応えたな。
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- 私は洗いたての洗濯物の匂いが好きですね。
- アイ
- 分かります。
TiBiMiNAさん
- TiBiMiNA(以下、TB)
- TiBiMiNAと申します。1997年の7月生まれの蟹座です。ダンスは小学5年生からやっています。縁が功を奏して、パパイヤ鈴木さんの宮崎でのTV番組にずっと出ていました。ダンスというものは私にとっては楽しいからやっているもので、一生続けるという感じじゃなかったんですが、GACKTさんの宮崎でのコンサートで、友達と一緒にキッズのバックダンサーとして招待されて踊ったんです。お客さんの前で踊ると言う楽しさを知る事が出来ました。当時は分からなかったんですが、すごいライブだったんです。そのことは私の中で強く残っていて。エンターテインメントとしてのダンスってすごい面白いなと。トイネストでもありがたいことにダンスの振り付けをさせて頂いています。
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- 好きな花の種類は何ですか?
- TB
- 観葉植物系で、パキラとかトラノオとかそこらへんです。実家が花屋なんです。でも花粉症がひどいのでお店にずっといることができないんですよ。でも観葉植物なら花粉は飛ばさないから好きです。小さい頃からずっと好きです。
河合厚志さん
- 河合
- 河合厚志です。牡羊座です。
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- 誕生花はなんですか。
- 河合
- あ、何だろう。分からないな。
- 坂井
- 調べてあげよう。
- アパ
- たんぽぽらしいよ。
- 河合
- 役割は俳優なんですけど、この世界観をお客さんにしっかり伝えられる役者でありたいなという気持ちですね。
- 坂井
- ええこと言うな。
- 河合
- お客さんに伝わることが一番大切なので。
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- 人生で一番記憶に残っているお父さんとの会話は。
- 河合
- ずっとクラシックバレエを習っていて。節目節目でやめたくなる時があるんですけど。中学校にあがる頃ぐらいに辞めたくなって家族に言ってたんですけど父親が「辞めたければ辞めればいい。が、それは本当に辞めたくて言ってるのか」と。バレエというものと向き合う時にどこか逃げがあるんじゃないかと言われたんですね。はたと、辞めたからと言って何か自分にメリットがあるわけではないと気付かされて。中学校でも継続して続けていました。それが一番深く残っている父親との会話でした。
坂井美紀さん
- 坂井
- 坂井美紀です。うお座です。大阪生まれ大阪育ち、ゴリゴリの関西人です。
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- 最近気に入っているカラーは。
- 坂井
- 好きだけど手を出しづらいのはピンクですね。なので近い色で赤ばかり選んでいます。
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- 今日のワインレッドも似合っています。
- 坂井
- ありがとうございます。飲んでって事かな。
トイネスト・パーク 6th Parade「Arthur of Wizard」
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- 次回の公演がとても楽しみです。前回の「HUGO TOYS」は、3体の魂のこもった人形と2人の玩具技師が世界を救う旅に出る物語でした。ラスト、鯨に飲み込まれてしまった時はもうダメかと思いましたが・・・そんなことにはならなかったですね。
- 全員
- あはは・・・(笑う)
- 坂井
- 私はバッドエンドは書けないので。
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- それぞれの能力を活かした冒険活劇でした。苦難の末、何とか世界を救済しましたね。さて、NEXT PARADEはどんな感じになりそうでしょうか。さきほど、すでに脚本は書けたと伺いましたが・・・
- 坂井
- 今回の脚本ですが、実は私の子供の頃に原作は書き上げていまして。
- __
- おお。
- 坂井
- 実は子供の頃、絵画教室に通っていたんです。コンクールで賞をもらったり、先生に褒められたりしていました。母親がその教室に行かせてくれて、喜んでくれるんやったらとのんびり描いてたんです。がある日、同じ教室の子に「先生に褒められているのが気に入らん」「大してうまくないのに何で賞取ってるん」と言われて。「正直上手くないしな」って。
- __
- 面と向かって!?
- 坂井
- わんぱくですよね。そう言われて私、そっかーと思って。当時ぼーっとしている子で笑わないし喋らない、だから言いやすかったのかもしれないですけど。特に嫌な気分になるとかはないんですが、じゃあいいや、嫌な気持ちになる人が居るんだったら辞めようと思って辞めました。理由は親には言わなかったです。母に変に心配させたくもなかったので。でも絵を描くこと自体は好きだったんです。描くということは何か続けたいなと思った時に、誰も嫌な気持ちにさせずに自分一人だけで楽しむことができるお話を書こうかなということになって。それが小学校3年生の時でした。原稿用紙100ページを半年ぐらいで書き上げたのが今回の公演の原作です。どういう話だったのかは原稿も無くなってるし昔のことなのであんまり覚えてないですけど。
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- 小学校3年生の頃に書いた話が原作なんですね。
- 坂井
- それと、絵を辞めても何かしらの形で表現を続けようと思った自分は偉かったんじゃないかと。絵を描いた事自体は、あんたは悪くなかったよとその時の自分に言いたくて。そういう昇華というか償いは自分の中ではあるんじゃないかな。ニヤついとるやん。
- アパ
- ニコニコしてるんよ。
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- 一番最初にあったお話が、今でもずっと残ってるということですね。ご自身が書いたものに光を当て直す。
- 坂井
- それから一年に一本ぐらいはお話を書いていました。今までに8個、作品を書いてるんですけど、全て当時書いていたお話が原案です。子供の頃に思い描いた世界が繋がっています。
トイネスト・パーク 6th Parade「Arthur of Wizard」
日程:2019年12月13~15日 会場:人間座スタジオ キャスト: ユー(劇的集団忘却曲線) アイトクナツキ アパ太郎 河合厚志 TiBiMiNA(S.D.Crew) 以上、トイネスト・パーク 土肥 希理子
全力でパレードを回す
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- アパ太郎さんは次回も出演されるんですよね。意気込みを伺ってもよろしいでしょうか。
- アパ
- 根底に流れている、坂井さんの世界観を汲み取って表現できたらなと思っています。全員でコミュニケーションを取り合って最適な媒体を目指すのが、トイネストパークでの役者の役割なんじゃないかなと思っています。そこにつなげるために外部の劇団さんに出させていただいたりとか、メイクの勉強を日々したりしています。
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- アイトクさんは。
- アイ
- 僕は多分これが最後の役者出演なんです。
- __
- ああ、就職活動だから。
- アイ
- 自分の中では節目という意味での意気込みがあります。僕の役所的に、停滞した空気を壊すというポジションなので、坂井さんの期待を上回ってやろうと思っています。最後なので暴れたろうと。
- __
- TiBiMiNAさんは。
- TB
- そうですね、本当に全力で楽しんでやろうという感じです。トイネストに入って一年、最初はやらせてもらってありがたいという気持ちばっかりでしたが、今回は純粋に楽しんでいきたいなと思っています。みんなが全力でやっているのを見守りながらも、私ができることを最大限に出したいなと思っています。
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- ここまで話を伺って気がついたんですが、全力で楽しむのがトイネストパークなんですね。
- アイ
- みんな暴れてますよ。
- TB
- それを許してくれる、勢いよく活動ができる環境だと思います。
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- 私はトイネストパークのメインターゲットじゃないから、上演を観るにつけ「暴走してるなあ」という印象がありました。観客席には二十歳前後のお嬢さんばっかりだったので・・・だから私のような人間がトイネストパークの芝居を理解するのは無理なんじゃないかと思っていて。
- アパ
- そんなことないです。
- アイ
- みんながちゃんと規則正しくしたら、それはただのミュージカルになっちゃうんじゃないかなと思います。
- アパ
- トイネストパークなので、ミュージカルじゃないんです。
- 河合
- パレードなので。
- アパ
- 今まで自分たちが信念を持って作ってきたものを集結させて暴れています。坂井さんと裏方の皆さんの加護のもとで。全員で、一致団結して暴れます。
- アイ
- 檻の中で暴れてるみたいな。
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- パレードなんですね、トイネストパークは。私のようなひねくれた者が観ていいものじゃないんじゃないかと思えてきました。
- 全員
- いやいやいや!
- 坂井
- 誰にでも見てほしいです。
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- パレードが通過するのを余すことなく見ることができる位置、それがトイネストパークの上演だと。つまりメインターゲットは全人類ということですね。
誰も傷つかない戦い
- 河合
- 次回の作品に関しては、前回と同様僕が殺陣をつけさせていただきます。ナツキが最後なのでどれだけ派手に動かせるかなと考えています。そういう部分でワクワクしています。ナツキが派手に散る。
- 全員
- (笑う)
- 河合
- 散りはしないですが、本当にかっこいいなと思ってもらえるように、それぞれの役にぴったりな殺陣を考えていきたいです。
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- 小さい頃の坂井さんが思い描いていた、優しい世界に近づいているでしょうか。
- 坂井
- なんか、その中でも誰かが傷ついたりとか怪我したりとかはあんまりなかったので。
- 河合
- そうなんですよ、怪我しちゃダメなんですよ。一番気を使うのが、誰もやっつけちゃダメなんですね。殺陣芝居とかのかっこいいところってとにかく相手を斬って戦うところなのに。
- 坂井
- 怪我をするんですけど、ちゃんと治るんです。
- 河合
- 誰かが重傷を負って悲しい思いをするとかはないので。そういう、制約というとあれですけど、その中でどれだけ動かすことができるか。
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- 逆にとてもクリエイティブですね。
赤くない涙
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- 坂井さんの、上演に向けての意気込みを教えてください。
- 坂井
- 絵画教室の一件で、自分のことで人が嫌がる思いをするのが嫌になってったと思うんです。自覚はなかったんですけど。ほんまにあんまり笑わないし家でも喋らへんくってディズニーアニメばかりを見ているおとなしい子だったんです。でもその時に思っていたことや経験を脚本に詰め込んでいます。
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- というと。
- 坂井
- 当時、仲良かった子がいじめられていて。ある日公園で遊んでいたらその子がペットボトルをぶつけられそうになって、とっさに庇ったんです。血が出てしまって。いじめっ子は私の血にドン引きして逃げて、とりあえず私はその子を家に連れてってあげて。家に連絡してあげるよと言われたんですけど、「お母さんには絶対に言わないで下さい」って、そのまま逃げてしまったんです。家に帰らないで夜中走り回って。
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- そりゃ逃げ回るわ。
- 坂井
- 自分が庇ったのが原因だから、その子が悪いという事にされたくなくて逃げ回ってたんですね。顔も服も血で汚れてて、親には見せられないし。夜中捜索されて、結局見つかったんですけど。その時お母さん、初めて泣いて、自分が傷ついたことによって傷つく人もいるんだよって言われて・・・そんな経験も注ぎ込まれています。
- 坂井
- 母親を泣かせたくないし困らせたくなかったんですね。
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- 優しいという気持ちが強すぎたんですね。
- 坂井
- その事件をきっかけに、血を見ると失神するぐらいダメになったんです。
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- パレードでは血は流れない?
- 坂井
- お客さんの中にも、過去に傷ついたことや嫌なことを抱えている人がいると思うんですけど、それを心の中で昇華してもらって何かの救いになったらいいなと思ってます。と言うことを常に思いながら書いています。
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- NEXT PARADEはそういう人たちが出てくると。
- 坂井
- 登場人物は各々抱え込んでいるものがあるんですけど、でもお互いに支えあいながら乗り越えていく話です。
質問 橘カレンさんと松本真依さんから トイネスト・パークさんへ
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- 前回インタビューさせて頂いた、橘カレンさんと松本真依さんから質問をいただいてきております。松本真依さんからは「おすすめの安眠方法は何ですか」と、橘カレンさんからは「最近一番感動したことは何ですか」
- 坂井
- 安眠方法は落語を聴くこと。笑うことって結構幸せなことだと思ってて。爆笑とまではいかないんですけど、ふふって笑うぐらいの。感動したことは、友達に子供ができたことです(拍手)。今度見に行く予定です。
- アパ
- 全て完璧と思って寝ること。寝る時の状況、音楽、香り、予定、全てを合わせて「私完璧、周りも完璧、よし寝よう」と。ストレッチと白湯も飲んで、すっと寝てすっと目が覚めます。感動した事は、先日「スパイダーバース」を映画館で観たんですが、作っている人たちの果てしない労力を想像して、ものすごいことをやってのけたんだなあと思った事です。私も絵を描いたりしているので。
- アイ
- 安眠方法は服を全部脱ぐ事です。
- 全員
- (盛り上がる)
- __
- 私も一時期試したことがあるんですが、風邪をひいてしまって諦めました。感動したことは?
- アイ
- 僕はずっと妹と仲が悪くて。家族とも仲悪くて、こっちにきてお金を稼ぐことの苦労だったり、一人で生活を維持することの大変さだったりを知り、価値観が変わったんです。先日、妹が大学受験で。大学生になったら化粧するから化粧品を送ったんです。そうしたらめっちゃ笑顔の画像がLINEで来て。
- __
- 素晴らしい。
- アイ
- 今度また、京都に来るんです。仲が良くなったのかはまだわからないですけど、心が通じ合えたのかな。
- __
- 時間と距離を置いたら、少し変わるかもしれませんね。
- アイ
- そうですね。親とも話すようになったので。
質問 橘カレンさんと松本真依さんから トイネスト・パークさんへ
- TB
- 安眠方法は、寝たいときに寝る事です。というか、安眠したことがないです。
- __
- 常に命を狙われてるとかですか?
- TB
- (笑う)時間の作り方が下手で、生活リズムが成り立ってなくて。寝ようと思った時に眠れなくて気がついたら床に倒れている事もよくあって。寝る時間をちゃんと取ってほしいです。私が言うことじゃないですけど。
- __
- 感動したことは。
- TB
- 自分の周りで色々なことがあって。誰にも相談出来ずに自分だけで抱え込んでいたんです。でも改めて、自分一人だけじゃないんだな、という事に気付いたんです。トイネストパークや自分の家族、たくさん相談しても答えてくれたんですね。携帯に着信履歴があって、少し安心したり。
- 河合
- 安眠方法は毎日同じ時間に起きる事ですかね。そうすると自動的に同じ時間ぐらいに眠くなる。そのタイミングにベッドに入ると超眠れます。
- __
- 一番感動したことは。
- 河合
- 鼻毛が抜けるようになったことです。怖かったんですがある日どうしても気になって、試しに置いてみたら痛かったけど抜けたんですよ。鼻毛て抜けるんだと感動しました。
- 坂井
- (盛り上がる)
- __
- めっちゃ痛いですけどね。
- 河合
- 新しいスキルを手に入れました。
出会う
- __
- 皆さんがトイネストパークに入ったのはどういうきっかけだったんですか?
- アパ
- 坂井さんに誘われてです。
- アイ
- 僕もです。
- TB
- 坂井さんが私のサークルのイベントを見に来てくれて、サークルの先輩が最初にトイネストパークのお手伝いみたいなことをしていて、それで観にいったらすごく面白くて、入りたいと思ったので。
- 河合
- 僕が入ったきっかけはネバーアカデミアでした。
- __
- 坂井さんは、このメンバーに何か言いたいことはありますか?
- 坂井
- ええ〜?日々割と、伝えてるつもりではあるんですけど。もしここから誰かがいなくなったとしても、もしくは私がいなくなったとしても、場所が変わったとしても、みんなのことをずっと大事に思ってるよ、と。
- 全員
- (笑う)
- 坂井
- 皆が各々、幸せになってくれたら嬉しいし、私は幸せです。
- __
- ありがとうございます。そう考えると私はよこしまな気持ちでトイネストパークに近づいていたかもしれませんね。本当、トイネストパークの演技体は非常に現代的なパフォーマンスだと思ってたですよ。暴走する役者のセリフにずっと、自分の根幹を揺らされているような気がしていて、その正体を知りたかったのに、みんな純粋な想いだけで演技を作っていたなんて思わなかったから・・・根本的なところを踏まえずに見ていたのは良くなかった。
- 坂井
- 全然構いません、どうぞ。邪で結構です。
- __
- これからも私には、パレードが暴走しているようにしか見えないかもしれないけど。
- 坂井
- あ、はい。それは間違いないので。
- アイ
- すごく新鮮ですよ。
学び
- __
- トイネストパークの稽古場はどんな感じなんでしょうか。
- 坂井
- だらだら。だらだら、ゲラゲラしています。でも結構ディスカッションが多い気がします。キャラクターの関係性だったりとか。私があまり何も考えていないんですが、みんなが「こういう設定っていいよね」って、それぞれがどうしてそういう関係になっていたのかを掘り下げていって。坂井さんこういうのどうすか、って聞かれて「いいね!」って採用する。
- __
- 採用しないことはあるんですか?
- 坂井
- よっぽど外していなければ大体採用します。そういうの素敵ね、と話をまとめて終わりみたいな。基本的には、私は否定しないです。そういう考え方もあるんだねと。
- __
- 集団創作の中で二次創作が始まってる?
- 坂井
- あ、そうですね。
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- つまりアリ地獄ということかな。
- 坂井
- そうですね、考えてみればそうかも。
- アイ
- 設定だけ渡されてエチュードをやってるような。
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- 積み上げるというより掘り下げていく方向なんですね。
- アパ
- 彫っている感じはしますね。
- 河合
- 僕の感覚だと、蟻地獄というよりアリの巣というイメージがあります。地面を掘って部屋を広げて、別の部屋とつながるみたいな。
- TB
- 坂井さんの脚本は、掘ったら何かが出てくるのがすごい楽しいから。
- アパ
- 自分の役のオタクになるんですよね。
- 河合
- すごく良くわかる。自分のキャラの一番の推しは自分でしょ、みたいな。
- アイ
- 宛て書きというのも大きいよね。
- アパ
- 多分それぐらい、自分自身のどこかに沿った役がいただけるんだと思います。自分の背骨に沿ったキャラクターだからちゃんと立っているんだと思います。だからこそ、掘っていってつながった時の爆発力は大きい。根底に、自分には何かが欠けていると思いながら生きている人物が多いと思っていて。そういう欠陥が、トイネストの重しになっている泥臭い、灰暗い部分で。
- __
- そういう認識を共有しているからこそ、何かを掘るという行為が全員の中で成り立ってるのかもしれませんね。
- 坂井
- そうなんだ。なるほど。学び。
- __
- 大切に作られた作品などということは間違いないですね。
- 坂井
- だから再演というものはあまり考えていないんです。
- TB
- だから私たちも、トイネストパークを上演するための最適な媒体として頑張らないといけない。
真っ正直に・・・
- __
- 今後の目標を教えてください。
- 坂井
- 数年前、母親が亡くなったことを受けて。やっぱりどんな好きな人でも永遠に一緒にいることはできないんだなと実感としてわかりました。それを考えるとちょっと寂しいんですけど、お客さんにこの先嫌なことがあった時も、トイネストの芝居を思い出して、またあそこに行きたいと思ってくれるような、そんな場所にできるように。楽しんでもらえるエンターテイナーになれるように努力したいです。
- アパ
- しっかり立って歩けるように。ちゃんと背筋を伸ばして、自分の中にお守りをたくさん身につけて。音楽とか好きなマンガとかね、トイネストパークに出たこととかみんなのこととか。一つ一つが全て私にとってのお守りで、自分の中の宗教のようにあります。泥にまみれても、人間として立ってやっていけるように。
- アイ
- トイネストパークで一番学んだことは、演技をしないことです。色々な意味で。まず役者としては、自分の中で役を読み込んで、それを本物に近づけていくこと。結局見栄を張ってる人って本物には勝てないんじゃないかなってずっと思っていて。自分の生き方として演技をしないというのはトイネストパークで学んだことです。それをキーワードに生きたいですね。次も自分の役として読み込んで行きたいです。
- 坂井
- そうですね、あまり気取らない芝居をするのがナツキの特徴だなと思ってます。今の話を聞いてなるほどと。つながりました。
- __
- 気取らない。演技をしていないんですね、トイネストパークは。
- 坂井
- そうですね。カッコつけないと言うか。変に好かれようとしない、いい意味で、良く思われようとしないんです。真っ正直に生きている。
- __
- エンターテイメントのセオリーの演技として見ていたところはありましたが、でもどこか違うから私はこんなに引っかかってたんだろうなあ。確かに、トイネストの登場人物たちはいいところを見せようとしない。
- アイ
- エンターテイメント系の、パチッと決める演技はしてほしくないってよく言ってますもんね。
- 坂井
- エンタメとかミュージカルをしているつもりは私には全然なくて。各々が楽しくやれる方法としての芝居を模索してもらえたら一番いいかなと思っていますので。変に何かかっこつけたり気取ったりしなくていいよと、いつも言ってます。伝わってる?めちゃめちゃニヤニヤされてる。
- __
- 大丈夫です。私の認識も大きく変わりました。
- TB
- 私は、このままのスタンスを維持しながらも、どんどん上げていけたらいいなと思ってます。盛り下がらないように。これまで私はダンスを続けてきましたが、トイネストに入ってから楽しみ方が自分の中で変わっていて。最初はトイネストの振付師というポジションでしたけど、今は稽古以外の機会でも積極的に楽しく踊っているんですよ。役者が、役そのままで生き生きと演技している、かつ自分らしく踊ってるというのが、お客さんにとっても楽しいと思うんです。それを邪魔したくないからみんなで協力してダンスを作っていけたらいいなと思っています。私自身としては、演劇の経験とか全然少ないですけど、トイネストだったらこのまま胸を張って続けていってもいいんじゃね?と、誠心誠意真っ正面からやるだけです。今のままで。
- __
- ありがとうございました。
ピーク
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- 河合さんは今後、どんな感じで。
- 河合
- 目の前にある一つ一つのことに精一杯で、その先の目標とかはあまり意識していなくて。でも今はそれでいいかなと思っています。6thパレードを、どれだけ深堀りして最大化できるかということに集中してればいいかなと思っています。もっと先に何か、自分が変化する時があればそれも受け入れて進んで行きたいです。目の前にある、自分の仕事を最大化します。
- __
- 年末までもう、残りわずかですね。
- 河合
- そうですね。全然短いですね。
- 坂井
- うん、多分あっという間に本番やん。
- __
- もう来週ぐらいの勢いですよ。
- 河合
- 9ヶ月か。
- アイ
- 役者でいられるのも・・・
- 坂井
- 4回生の9ヶ月は早いよ。
- アパ
- あっという間でした。
- 坂井
- 息した瞬間終わるからね。
- 河合
- 吸ってはいたら終わるよ。
- アイ
- あー終わりかー。
- アパ
- 今?早い早い。まあでもわかんないからさ、どうなるかなんて。
- アイ
- こないだ夜の公園で、終わった後のことを考えてて。どのタイミングで泣くか考えてたら泣いてました。
- 全員
- (笑う)
- アイ
- カーテンコールが終わった瞬間に泣くのかな、でも客ハケやらないといけないし、写真撮影もあるから泣けない。それが終わったら泣くのか俺、って。
- アパ
- 2、3回泣いておこう。何波かに分けたらいいんじゃない、終わった後に泣き、写真撮影で泣き。
- アイ
- どこのタイミングで泣きゃええねんと思って泣いてました。
- アパ
- こりゃもう泣かへんな、意外と涙出なかったわってなる。
- アイ
- だったらやだな。
- __
- いや、新しい旅立ちですから涙は禁物ですよ。
- アパ
- そうやね。
- __
- 見送りといえば、トイパはお客さんのお見送りを役としてやるんですよね。あれは凄いですよね。
- 坂井
- グリーティングと呼んでいます。
- __
- あれはめちゃくちゃ新鮮でした。
- 坂井
- でも知り合いが来ると中の人になりそうになるというのが難しいみたいな感じです。みんなオロオロしています。
- 河合
- 知り合いがきても目力で制しますからね。
- 坂井
- まあでも、そこを曲げないでほしいですね。
たから箱
- __
- 今日はですね、お話を伺いたお礼にプレゼントを持って参りました。
- 坂井
- 何かな、ポップコーンかな。
- __
- はっ?
- 坂井
- いや、みんなで分けれそうだから・・・
- __
- どうぞ。
- 坂井
- 拝見させていただきます。よぉーっ。
- アパ
- よぉーっ。なになに。
- アイ
- 二重になってる。
- 坂井
- 二重に楽しみです。赤い。
- TB
- 可愛い。
- 坂井
- 包装用紙を破くのがへたくそです。なんだなんだ。
- 河合
- まだある。
- 坂井
- ・・・可愛いー!
- __
- それ、開きますよ。
- 坂井
- なんか、とても上等な。
- 全員
- ありがとうございます。
春のパレード
『グリーティング』
- __
- 坂井さんから見て、役者の皆さんはそれぞれどういう人なんでしょうか。
- 坂井
- 五十音順で。アイトクナツキ、マイペースで飽き性なところがありますけど、何でも正直に話してくれます。気が優しいからキツい言い方はしないですけど、嫌なことは嫌、今はそれは出来ないとか、キチンと言ってくれるんで、助かってます。私が元気なさそうにしてるとご飯に誘ってくれます。可愛いです。
- 坂井
- アパ太郎。所属キャストの中で最も付き合いが長いです。プライベートでも後輩先輩っていう枠を超えて嫌なことも嬉しいことも共有し合える仲、私は友達だと思ってます。考え方とか共感する部分が多くて、私の話もよく聞いてもらってます。可愛いです。
- 坂井
- 河合厚志。所属キャストの中では一番年長さんであり、良くも悪くも一番純粋。不器用、そして優しい。脚本とか演出の相談に乗ってくれて助けられてます。その中で、すれ違ったりすることもあるけどそれでも離れずにここに居てくれてます。いつもありがとう。可愛いです。
- 坂井
- TiBiMiNA。ダンスのショーで一目惚れしてオファーしました。彼女のダンス見てると元気になるので私にとって踊る魔法使い。いつも明るく朗らかですが人一倍責任感が強くて、でも一人でなんとかしようとするので力になりたいと思ってます。様々な意味で目が離せません。可愛いです。
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- そして、たしか、トイパ所属のキャストが増えたんですよね?
- 坂井
- はい、4月から所属になった期待の新人キャストのユー。媚びない、カッコつけない、小細工しない、どストレートな子。役を自分に寄せていくタイプです。素直で、いつも優しい言葉を投げかけてくれます。白黒ハッキリしてるところが男の子らしいなと思ってます。可愛いです。