子供鉅人 演劇公演ツアー 2011 バーニングスキン
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- 今日はどうぞ、宜しくお願いします。
- イガキ
- お願いします。
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- イガキさんと言えば、劇団子供鉅人の舞台上で演奏されているイメージが強いです。上演中にバイオリンを演奏している姿がカッコいいんですよね。
- イガキ
- ありがとうございます。
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- 次の子供鉅人は「バーニングスキン」の大阪公演。イガキさんは楽曲提供ですね。
- イガキ
- はい。実は東京公演に合わせて楽曲を作る事になっていたのですが、本番近くになるまで台本が未完成だったんですよ。だから、なおさら想像力を働かせないと曲を作れなかったんですよね。
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- それはスリリングな。
- イガキ
- はい(笑う)。大阪の方もいい公演になったらいいな。
たゆたう
にしもとひろこの心に入り込む鮮やかなうたと、イガキアキコのサウンドスケープ・パレードなヴァイオリン・おもちゃによる、天真爛漫アコースティックユニット。2人ゆえの自由度の高いパフォーマンスから創り出される圧倒的な世界観に、見たことの無い景色が見えたり、気づけば涙を流していたという人が続出するライブは必見!音楽と人と場所をつなげることをモットーに、その活動は保育園から野外イベントまで全国津々浦々、様々な場に展開している。2008年に1stアルバム「いちにちのながさをはなうたできめる」をcompare notesよりリリース。現在、2ndアルバムを鋭意製作中。(公式サイトより)
子供鉅人 演劇公演ツアー 2011 バーニングスキン
公演時期:2011/8/26〜31。会場:芸術創造館。
子供鉅人
2005年、代表の益山貴司、寛司兄弟を中心に結成。奔放に広がる幻視的イメージを舞台空間へ自由自在に紡ぎ上げる。(公式サイトより)
サーカスがやってくる
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- イガキさんは、最近はいかがお過ごしですか。
- イガキ
- 最近は、メインで活動しているユニット「たゆたう」の2ndアルバムが出るんですけど、そのレコ発のイベントを盛り上げようと色々しています。会場は京都のUrBANGUILDです。お客さんはもちろん、お店のスタッフの人までも一緒に盛り上がるみたいな感じにしようと思っています。
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- おお。
- イガキ
- 「サーカスが来た!」みたいな感じで、真ん中にステージを置いて。客席を囲むような。
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- 面白そうですね。一瞬でイメージが湧きました。
- イガキ
- 今年の10月1日です。もしよければいらしてください。
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- 是非とも参ります。盛り上がるといいですね。
手垢について
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- 実は、「たゆたう」が受けたインタビューのページを拝見したんですよ。そこで、異なる価値観を受容する事についてのお話があって。最近私は、芸術についての議論をもっと豊かな結果に持って行くにはどうすればいいのか、という事を考えていまして。
- イガキ
- 芸術全般への見方をどう鍛えるかが、教育システムに組み込まれていないからだと思うんですよね。実は私、大学で非常勤講師をやっているんです。今教えている学生達には、強い意志が感じられないなと思って。作りたい、という意志はあるのに、萎縮していきやすいように見えるんです。
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- 「根性がない」?
- イガキ
- ではないですね。根性って自分との戦いだと思うんですよ。もっと根本的な部分の話だと思います。ディスカッションも、他人と自分が違うという事を前提にして、相手を否定したり肯定したりしながらピラミッドを積み上げていくようにしないといけないんですけど、ちょっとでも否定を受けると次の積み木を置くことが出来なくなるみたいな。
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- なるほど。
- イガキ
- その打たれ弱さは、どうやって出来たのか?
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- 生き方や振る舞い方が、大学に入るまでの間に、波風が立たないよう洗練されているのかもしれませんね。先生に強く怒られない、友達とも喧嘩しない。ルールの中で巧く生きられるように。これは当然、地域社会や生活レベルによって影響されるんでしょうけど。
- イガキ
- SNSなどによってコミュニケーションの効率が上がるようになって、逆に対人関係で難しいやりとりを避けるようになったのかなって思うんですよね。
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- ネットを上手く使いこなせますもんね。だから、逆に他人と触れ合う機会は多くなっていると言えるかもしれない。
- イガキ
- そうそう。中学生の時にヤフオクを使ってレアモノをゲットしたりするんですよ。へえーって思いました。
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- もしかしたら、要領の良い事が当然とされている世界であれば、制作の実段階に入る前の、設計段階での能力が向上するんじゃないですか?
- イガキ
- いや、要領がいいのは大事な事やと思うんですけど、大切なのはそこに至るプロセスだと思うんですよね。作品を観て、プロセスや手垢を感じられない作品は別に面白くないんじゃないかと思うんです。それが汚いものでもつるっとしたものであっても、作り手の人格が反映しているものじゃないと鑑賞に値しないんじゃないか。観ている人も作った人もすぐに忘れてしまう。
デジタルディバイドについて
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- 中学生どころか生まれた頃からIT環境が充実していて、写真や映像の記録を電子ファイルで残したり、コミュニケーション手段が格段に多くなったり。そうして生活にITを使うのが当然な世代と、そうでない我々以上の世代間の格差をデジタルディバイドと呼ぶんですけど。
- イガキ
- ええ。
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- 実は、上の世代がそういう年下にびっくりする事自体がデジタルディバイドの正体なんじゃないかと思っているんですよ。だってそんなの、我々だけの問題ですからね。
- イガキ
- うーん。
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- もしかしたら、彼らの創作をペラいとして一蹴するのはちょっと早いのかもしれない。もしかしたら、生産と消費のペースが早い、老舗や定番なんて存在出来ないのがこれからの当然になるかもしれないなって。
- イガキ
- それはそうかもしれませんね。残らないものが当たり前の世界ですから、当然っちゃあ当然ですね。twitterにしたって「すぐ無くなるっしょ」という意識があるみたい。学生は冷静にみている。
自由について
- イガキ
- だから逆に、現場に行かなくてはならないライブの魅力が再発見されるといいなあと思うんですよね。USTREAMで済ませないで。
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- ひきこもりでもない限り、家にじっとしている事は出来ないですもんね。たくさんの人が集まって盛り上がっている場所に対して、人はどうしても惹かれるんだと思います。中国ではAV女優の蒼井そらが大人気で、ライブをすると一万人からの人間が集まるそうですよ。
- イガキ
- 生でカワイコちゃんを見たいんでしょうね。
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- その上に、ネタとして盛り上がりたいという欲求があるのかも。
- イガキ
- 私もライブに関わる者として、どうしたら人を会場に呼び込めるのかがずっと課題です。難しいですよね。
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- そうですね。音楽ならではの苦労はありますか?
- イガキ
- やっぱり演劇やダンスだと、映像と生はまるで違うんですよ。映像だと見えない視点がどうしても存在する。
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- そして、視線を動かすという動物的な快楽は観客席の特権ですね。
- イガキ
- 音楽は、CDの方がよく聞けるという人もいるんです。もちろん、LIVEでなくてはよりよい音は出せないというアーティストもいるんですが。ライブの魅力は、ライブならではの難しさと表裏一体だと思っています。
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- 舞台でバイオリンを弾いている時、どんな事を考えていますか?
- イガキ
- 現場によりますが、自分から出てくるものを、どれだけフィルターを通さずに出せるかに集中しています。それを現場で考えていたら遅いので、心がけるという感じですね。うん、もっと自由になれるように、と願っています。
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- 「自由になれる」。舞台で作品を表現する時に、身体が自由になって、それどころかお客さんも自由さを感じて、ってなかなかないですよね。
雑音について
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- そうそう、イガキさんはおもちゃでも演奏が出来るそうですが。それは、どうした発想なのでしょうか。
- イガキ
- 別におもちゃじゃなくてもいいんですよ。それって、今ここで聞こえている音が何に聞こえて、どう音楽に転じるかという話ですか?
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- はい。
- イガキ
- 例えば話している声の高低や、食器とか洗い物をしている音がリズムを刻んだり。全てが音楽になりうるんです。身の回りの者がすべて楽器だと考えられるんですよ。おもちゃは扱いやすい楽器になり得ますね。
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- 原理的な話、今我々が認識出来る限りでは、この宇宙で最も多様性のある音が生まれているのはここ地球だと思うんですよ。人間がいて、個別性から多様性が生まれているから。だからこそ、それらに音楽を見出す事は難しい。作ろうとしても難しいのではないかと。
- イガキ
- うん。実は、雑音を音楽にしてみたことがあるんです。
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- すごい。
- イガキ
- 人間の音感覚は、西洋音楽で生まれた音階には当てはまらないんですよね。ヒトの口からでた声も、言葉のせいで認識できなかったメロディがある事もあるんですよ。
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- 面白いですね。
- イガキ
- TVのニュースを楽譜に起こしてみたりしました。人間の耳って、凄くたくさんの音が聞こえているんです。でも全ての音を拾おうとするとすぐにパンクするんですよね。
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- そう考えると凄いですよね。実はこのICレコーダーと同じく、人間の声には指向性を備えているらしいです。人間の耳は言葉にかなり集中出来る能力があるんですよ。
- イガキ
- あたし、実は聴こえる音を制限できない病気に罹った事があるんです。
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- それは、耳の病気ですか?
- イガキ
- いや、まだ原因は不明なんですけど。三半規管がおかしくなって、耳鳴りと同時に全ての音が判別しにくくなる状態になるんですよ。例えば今話している声以上に、皆の声がダイレクトにバーッと脳みそに入ってくる。
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- キツイですね。想像しにくい。どの位のペースでくるんですか?
- イガキ
- まだ2回くらいです。でも二度と来ないで欲しいですね。人間の体も、それぐらい宇宙だって事ですよ。
質問 小中太さんから イガキアキコさんへ
質問 押谷 裕子さんから イガキアキコさんへ
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- 前回インタビューさせて頂きました、押谷裕子さんから質問です。「今目の前に、タイムマシンがあります。どんな時代のどこにでも行けるとしたら、どこに行きたいですか?誰と話したいですか?」
- イガキ
- うーん、過去かあ・・・。今って、凄い時代だと思うんです。こんなに大きなパラダイムシフトに立ち会うとは思ってなかったんですよ、子供の頃は。今こそがいい時代とは思わないですけど、ここを離れたいとは思わないですね。過去の真相にはもちろん興味がありますけど、知らなくてもいいかなって。
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- 分かりました。ではタイムマシン関係なく、誰とでも話せるとしたらどんな。
- イガキ
- もし出来るのなら、地球ではない所に住んでいる人と話してみたいかな。
宇宙人と話す
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- 宇宙人と話したい。言葉の問題が無ければいけますね。望む答が返ってくるとは限らないですけどね。
- イガキ
- 天体がこうもたくさんあるのなら、話せる生命体がいる確率はゼロじゃない。だとしたら、どんな生活をしてるのかなって。
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- ロマンがありますね。
- イガキ
- 知的生命体がいない確率の方が低いんじゃないかなと思っています。
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- そして、我々に接触してこない訳はないだろうと。
- イガキ
- 知的であるなら、こちらの事も知りに来るんじゃないかなと。
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- どうせなら、彼らには失望させられたくはないですね。
- イガキ
- そうですね(笑う)。向うもそう思っているでしょうね。でも、あっちはUFO持ってるんで、まだまだこっちが追いついていないかもしれない。
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- さらに、生活も全然違うでしょうね。趣味も文化も違う。とはいえ、実はそれほどうちらの文化が劣るとは思えないです。相当多様性あるし。もし奴らがショボかったら、言葉は悪いけど教育が必要になるのでは。
- イガキ
- どうなんでしょうね。それはピグミー族に対して文明を押し付けるようなものじゃないかなあ。それに、向うから来る説を取るなら、よっぽど科学が進んだ大先輩という事になるはず。
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- では、こちらが彼らに合わせる必要がありますね。どちらにせよ、お互いの市場が欲しいなら、手を取り合うじゃないですけど、ある程度の痛みは覚悟した付き合いとなりますね。
- イガキ
- 生きている内に、そんな事があるといいですね。
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- そう遠くない未来には、あるんじゃないかなと思うんですけどね。全然話が通じないかもしれないですけど、その時にはかなり高度なコミュニケーション力が必要になりますね。
風呂敷専門店・京都唐草屋の風呂敷
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- 今後、どんな感じで攻めていかれますか?
- イガキ
- より自由に。より多くの人と一緒に現場を共にしたいです。
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- わかりました。ありがとうございます。今日はですね、お話を伺えたお礼にプレゼントを持って参りました。
- イガキ
- ありがとうございます。あら。(開ける)おおーっ。風呂敷ですか。
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- はい。
- イガキ
- 次のたゆたうのレコ発イベント、アルバムの一曲毎に一つグッズを作ろうと思っているんです。その内の一つを風呂敷にしようと思っていました。