演劇人にインタビュー 頭を下げれば大丈夫

90年会

90年生まれのプロデュースユニット。

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90年会 第一話「僕らだって、ヒーローだ」

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今日は荒通し、お疲れ様でした。
6人 
ありがとうございます!
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いや、あの、めちゃくちゃ面白かったです。
6人 
やった!
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この90年会のおこりについて伺いたいんですが、さっきお話を伺ったところによると、別の芝居の座組で同い年の6人に、坂元さんが声を掛けたのが最初だということですが。
大牧 
一番最初に焼肉に行こうと誘ったのが坂元なんです。
坂元 
そうそう、焼肉にいこうやと言って、そこからみんなで何かしようやと言う感じで発足したんです。
池永 
うん、私も言った。みんなでこうやって集まってるから、なんかみんなでできたらいいなと言ってたら、やろうよやろうよととんとん拍子に続いて言って。
大牧 
なんだかんだくだらない話をしてたら知らない間に発足してましたね。
池永 
そうそう!
大牧 
元々は劇団ZTONさんの『覇道ナクシテ、泰平ヲミル』で共演して、「同い年やん」と、割と後半に気付いて。皆、仲がいいからこそ出来た空気感があると思います。友達でありながら役者同士でもあって、それぞれの意見・考え方って真逆の場合が多いんですけど、その狭間でみんなお芝居を作っているのが面白いなあと思っています。役者先行の現場ってビジネスライクみたいなところがあるんですけど。逆に友達だけだと仲良くなりすぎたら馴れ合いみたいになったりもする。でも90年会は、全員役者さんで、でも友達としてスタートしてるので、その間の所でうまいことしてるなというのが私の印象です。
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ほー!なるほど。そういうあり方は初めて聞くかもしれない。
大牧 
喧嘩しても、友達としての意見か、お芝居をしている人の間の言葉なのか、と。
90年会とは

メンバー:池永百花、出田英人(劇団ZTON)、大牧ぽるん(激団しろっとそん)、木下航(熊の宅急便企画)、坂元恭平(ProductionDayze)、前田郁恵(劇団ZTON)。 活動紹介:とある公演で共演した1990年生まれの役者たちが仲良くなったことをきっかけに、同窓会のように集まることが多かった…そんなメンバーが同じ年の役者でなにかしたい!と企画したのが今公演。 作家は、 今公演作家デビューを飾る劇団ZTONの出田英人、 自らの劇団の代表にして作家の熊の宅急便企画の木下航、 激団しろっとそんの大牧ぽるんの3名。 全く違ったジャンルの作品をご期待ください。 出演は、 多数のメディアや脱出ゲームにも出演する等注目の女優、池永百花。 劇団そとばこまちに出演、アクションで魅せる実力派男優、坂元恭平。 劇団ZTONにて培った殺陣は必見、戦うヒロインで右に出るモノはいない前田郁恵。 …に作家の3名の計6名。 同じ年に生まれた個性豊かなメンバーで皆様と楽しい時間を作れるように、素敵な公演をお約束します! (公式サイトより)

90年会 第一話「僕らだって、ヒーローだ」

「27歳」そんな歳で自身の信念のもと芝居をしている6人の役者。とある公演で出会い、友となり、自然な流れでユニット立ち上げと相成った。日々の討論、迷いなども乗り越えた先【本番日】の2週間前。僕たちは大きな壁にぶつかった…。 友情も家族も芝居も全部生でお見せします。これが90年会第一話だ! 「僕らだって、ヒーローだ」 【期間】2018/03/17 (土)〜2018/03/18 (日) 【劇場】in→dependent theatre 1st 【出演】池永百花 出田英人(劇団ZTON) 大牧ぽるん(激団しろっとそん) 木下航(熊の宅急便企画) 坂元恭平(ProductionDayze) 前田郁恵(劇団ZTON) 【脚本】 出田英人(劇団ZTON) 木下航(熊の宅急便企画) 大牧ぽるん(激団しろっとそん) 【演出】 出田英人(劇団ZTON) 木下航(熊の宅急便企画) 大牧ぽるん(激団しろっとそん) 【スタッフ】【舞台監督】宝代裕規 【照明】浜崎 聡 【音響】廣岡美祐(ゲキゲキ/劇団「劇団」) 【映像】武信貴行(SP水曜劇場・観劇三昧) 【スチール撮影】熊本 将 【その他注意事項】 【お知らせ】 90年会を応援して下さっているお客様、『ニチアサ!!』のご予約をご検討いただいていたお客様へ。90年会からの大切なお知らせです。 《90年会第一話『ニチアサ!!』公演中止、及び新作『僕らだって、ヒーローだ』上演のお知らせ》 https://90nenkai.stage.corich.jp/news/371

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さて、実は先程坂元さんに色々と、他のメンバーについての事を伺ってました。まずは木下さんについて・・・
木下 
悪口じゃなきゃいいんですけど。
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そこまでじゃなかったみたいですけど・・・
坂元 
いや!
木下 
後で聞きますね。
__ 
坂元さん曰く、木下さんは体力及び頭脳を担当していると。それはつまり、全てを担当してるということじゃないか?
木下 
そう、他は残らないんです。この担当振り、Twitterで坂元さんが勝手に始めたんですよ。僕の紹介が一番最初に来て「筋肉と頭脳」って言われたんですよ。あと何が残んねん。
6人 
(笑う)
前田 
おめでとう。
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一人で全部担当しちゃった。あとはスピードとかしか残ってないな。他のメンバーは何を担当してるんでしょうか。
大牧 
覚えてない、あたし。
坂元 
え、俺引用RTしたけど。「力と頭脳」は特に。
大牧 
それだけパワーワードで覚えてないよ。
木下 
何かね、「ひたむきさ」はあった気がする。それ以降は忘れた。前半に要素をガンって詰めちゃったから他は残らんわな。
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一旦ちょっと、それぞれの役割をもう一度決めていってもらえますか。
坂元 
とりあえず出田は「パワーと鋭さ」。
出田 
パワー被ってるやん!もう既に!
坂元 
ちゃう、違うんや。弾き出される言葉のパワーとかそういったもの、そしてそれを追求する鋭さとかが英人くんはすごいなと思っていて。で、セリフとセリフの関係とロジックをちゃんと追求する姿勢が、この人は凄いなあと思っている。
大牧 
確かに。
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次に、前田郁恵さんは。
坂元 
多分、まっすぐなんですよね。
大牧 
ああー。
木下 
それが「ひたむきさ」やな。
前田 
「ひたむきさ」、あたしか!
坂元 
なんかそう。とてもまっすぐで正義感があるし、芯が立ってる人だなぁと思ってる。それプラスおっちょこちょいの部分があって、完璧とかではなく、人間としても魅力を持ち合わせているいい女優さんだなと思う。
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なるほど。そして、池永百花さんは。
坂元 
池永の良さは、見た目がとてもかわいらしいことだと思うんですよ。でも、可愛らしいけれども、周囲から「アイツ可愛いからな」と言われる中、本人はすごく負けず嫌い。一本の芯があって、男だけの現場に行っても負けねえぜ、と。魂を持ってる女優さんだなと思います。
池永 
魂。
大牧 
褒められてるよ!大丈夫。
坂元 
ヒロインポジションを与えられて、そこに大して一本通す芯。根性があるんですよ。
木下 
頭脳と筋肉と魂と鋭さとひたむきさを取られて、これから大牧に何が残ってんねん。
大牧 
そー!
坂元 
あと、木下くんは頭脳と筋肉だけじゃなくて・・・
木下 
まだあるの。
前田 
要素が取られてく。
坂元 
木下くんはね、たまーにおっちょこちょいなところがあるんですよ。
大牧 
おっちょこちょい被ってるやん!
坂元 
いや、意味合いが違う。
木下 
どういうこと?
坂元 
たまに、マジか!?っていう可愛らしいポカをするやん。天才的な人なのにそういうこともあり、人間味があるなあ、可愛いなあと。
池永 
また人間味出た。
大牧 
からの?
坂元 
で大牧は、この90年会の中では太陽的な存在なんですよ。性格的な部分もあると思うんですけど、ぽるんがおるだけで場が和むというか。
池永 
ムードメーカーだ。
坂元 
緩衝材を自認してやってくれているところがある。90年会にはリーダーは設けてないんですけど、アナウンスが必要な時は「ヘーイ聞いてくれよ!」ってみんなの視線を集めてくれる。そういうのが得意なんだなと思う。だから、この90年会を照らす太陽的な存在なのかなと思う。
__ 
大牧さん太陽かー。
大牧 
役割としてはDJです。それぞれの分担を決めていった結果、場を回す。
木下 
明らかにMCやし、最初の方は大牧に突っ込んでたんだけど徐々に慣れ始めましたね。
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そして、坂元さんの事を皆はどう思ってるんですか?
出田 
顎・・・
坂元 
この流れでそれ!?
大牧 
坂元さんは良くも悪くも、ナルシストだと思うんですけど、それは役者として持っておかなくてはならないことだと思う。「自分の演技なんて」と、私も時々言っちゃうんですけど、それはダメじゃんとなるやんか。だけど坂元は間違っているとしても絶対に100で持ってきて、「俺絶対合ってる」で提出してきてくれるやん。
前田 
ぶつかってきてくれる感はすごくある。
坂元 
それが「ちゃうよ」と返される場合もあるんだけど、でも発注したら持ってきてくれるやん。そういうナルシストであることは役者として一番必要かなと思っているから。
前田 
マジメですね。芝居見てても、一緒に芝居してても。
大牧 
マジメだからこそ、人との連携や企画をポンポンやってくれるし。稽古場所とかも取ってくれるし。
池永 
行動力が凄いですよね。
出田 
そう、行動力が凄い。超元気。
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これで全員、ポジションが決まりましたね。
大牧 
決まりましたね。私は太陽という事で。
池永 
人じゃない!
坂元 
よろしくお願いします。
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前田さんが「ひたむき」「おっちょこちょい」「芯」、池永さんが「可愛いけど芯がある」「魂」「負けず嫌い」、木下さんが「頭脳」「筋肉」「おっちょこちょい」、出田さんが「パワー」と「鋭さ」。大牧は「太陽」「DJ」「緩衝材」坂元さんが「真面目」「行動力」「役者として必要なナルシスト」「元気」ね。
坂元 
僕自身がこのメンバーでやりたかったので。二度とないかもしれないという思いもありながら、旗揚げ公演という、悪い意味での悪ノリじゃなく、一つ一つしっかりやっていきたい。自分たちが楽しめる内容の作品ではあるんですけど、それだけじゃなく。一番はお客さんに見てもらうものなので。切磋琢磨して良いものを作れたらな、と意気込んでいます。
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本当にね、「プロデュース公演」って、偶然生まれたアイデアから企画されたからプロデュースって付いてるのかもしれないけど。でも新しい何かを生む「プロデュース公演」であってほしい。90年会、ものすごく期待しています。
(インタビュー終了)